好き!の伝え方6題
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また今日も視線を感じる。
どこから向けられているものなのか。
いつも周囲を見渡しているうちに、いつの間にか気配が消えてしまう。
時折、休み時間になると感じる視線。
ただそれは毎回ではなく、規則性はなかった。
そしてまた今日も。
そこで仮説を立てる。
今までクラスメイトしか気にしていなかったが、もしかしたら教室の外から向けられているのではないか。
再び休み時間。
今度こそ誰なのかつきとめようと、教室の外にまでアンテナを張り巡らせる。
ふと、教室の外にいた一人の女子と目があった。
彼女は焦った様子で、俺の視界から姿を消す。
それは確信。
間違いない、視線の持ち主は彼女だ
席を勢いよく立ち、俺にしては珍しく走って彼女を追いかける。
自分の方へ向かってくる俺を見つけ、彼女の方もぱたぱたと逃げ回っているが、足の早さなら勝つ自信があった
「……っし」
短く気合いを入れ、全力疾走。
絶対に捕まえてやる。
「……捕、まえた…っ!」
「……!」
昇降口の辺りでようやく追いつき、逃げられないようがしりと彼女の手首を掴む。
だが、二人とも全力で走ったのでなかなか呼吸が整わず会話がままならない。
彼女はもう逃げる気はないようだが、ばつが悪そうにし、こちらを一向に見ようとしなかった。
お互いの息遣いだけが聞こえる沈黙の中、ようやく落ち着きを取り戻し先に口を開いたのは俺の方だった。
「あのさ、毎日見てるだけじゃなくて普通に話しかければいいんじゃないの?一応…彼氏なんだし」
そう。
移動教室のたびに熱い視線を俺に送り、今の今まで逃げ回っていたのは、紛れもない自分の彼女だ。
実は先日、ほんの些細なことで喧嘩をしてしまった。
お互いに頑固なところがあり、こちらから折れるものかと意地を張った結果が今のこの状況をうみ出している。
「あのさ、俺も限界だから…そろそろ仲直りしない?」
結局、先に折れたのは俺の方。
「この間は俺もちょっとむきになってたし…ごめん」
先にこちらから謝罪の台詞を述べると、ようやく彼女の視線がしっかりと真っ直ぐに俺を捉える。
「私こそ…ごめんなさい」
謝罪の言葉を口にし、今にも泣き出しそうな彼女。
その瞳には今にも涙がこぼれ落ちそうなほど溜まっている。
それでも、彼女の視線は真っ直ぐに俺に向いていた。
「もう、遠くから見られてるだけは嫌だからね」
そう言って目頭に口づけを落とすと彼女は綺麗に笑い、ぽろりと溜まっていた涙が一筋伝って落ちていった。
どこから向けられているものなのか。
いつも周囲を見渡しているうちに、いつの間にか気配が消えてしまう。
時折、休み時間になると感じる視線。
ただそれは毎回ではなく、規則性はなかった。
そしてまた今日も。
そこで仮説を立てる。
今までクラスメイトしか気にしていなかったが、もしかしたら教室の外から向けられているのではないか。
再び休み時間。
今度こそ誰なのかつきとめようと、教室の外にまでアンテナを張り巡らせる。
ふと、教室の外にいた一人の女子と目があった。
彼女は焦った様子で、俺の視界から姿を消す。
それは確信。
間違いない、視線の持ち主は彼女だ
席を勢いよく立ち、俺にしては珍しく走って彼女を追いかける。
自分の方へ向かってくる俺を見つけ、彼女の方もぱたぱたと逃げ回っているが、足の早さなら勝つ自信があった
「……っし」
短く気合いを入れ、全力疾走。
絶対に捕まえてやる。
「……捕、まえた…っ!」
「……!」
昇降口の辺りでようやく追いつき、逃げられないようがしりと彼女の手首を掴む。
だが、二人とも全力で走ったのでなかなか呼吸が整わず会話がままならない。
彼女はもう逃げる気はないようだが、ばつが悪そうにし、こちらを一向に見ようとしなかった。
お互いの息遣いだけが聞こえる沈黙の中、ようやく落ち着きを取り戻し先に口を開いたのは俺の方だった。
「あのさ、毎日見てるだけじゃなくて普通に話しかければいいんじゃないの?一応…彼氏なんだし」
そう。
移動教室のたびに熱い視線を俺に送り、今の今まで逃げ回っていたのは、紛れもない自分の彼女だ。
実は先日、ほんの些細なことで喧嘩をしてしまった。
お互いに頑固なところがあり、こちらから折れるものかと意地を張った結果が今のこの状況をうみ出している。
「あのさ、俺も限界だから…そろそろ仲直りしない?」
結局、先に折れたのは俺の方。
「この間は俺もちょっとむきになってたし…ごめん」
先にこちらから謝罪の台詞を述べると、ようやく彼女の視線がしっかりと真っ直ぐに俺を捉える。
「私こそ…ごめんなさい」
謝罪の言葉を口にし、今にも泣き出しそうな彼女。
その瞳には今にも涙がこぼれ落ちそうなほど溜まっている。
それでも、彼女の視線は真っ直ぐに俺に向いていた。
「もう、遠くから見られてるだけは嫌だからね」
そう言って目頭に口づけを落とすと彼女は綺麗に笑い、ぽろりと溜まっていた涙が一筋伝って落ちていった。