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大阪府立四天宝寺高等学校。
今日から私が新しく通うことになった高校だ。
父親の転勤で東京から大阪に引っ越すことになり、高校1年の秋という中途半端な時期に転校が決まった。
生まれてこの方16年間、幸いにも関東圏から出ることなく過ごしてきた私にとって
まさにそれは青天の霹靂だった。
父親から『大阪への転勤が決まった』と告げられた瞬間、あぁこれが頭が真っ白になることなのかと思うほど視界が真っ暗なような真っ白なような不思議な感覚に陥った。
だが、私自身転校という未知の世界に身を投じること自体に不安はあれど、特段それが嫌で嫌で仕方がないなどとは感じなかったことに自分のことながら驚いた。
むしろ父と母の方が気にかけてくれ、私がどうしても関東に残りたいのであれば下宿先を手配してくれるとまで言ってくれていた。
本音は、高校生の一人娘を一人残していくなんて心配で、不安で、嫌に決まっているはずなのに私の幸せを優先しようとしてくれた。私にはその気持ちだけで充分だった。
このときほど、自分の両親が自分の親で本当に良かったと思ったことはない。
私はすぐに首を横に振り、一緒についてくよ、と言うと予想通り両親は安堵の表情を見せた。
中学は高等部への所謂エスカレーター式の学校だったので、幼馴染も、親しい友人もいてそれなりに充実した高校生活を送っていたと思う。
しかし、正直に言って家族と離れてまで関東にこだわる理由を私は見つけられなかった。
仮に、彼氏がいたとしてもそれが一人で関東に残るという理由には私はならなかったと思う。
父親の転勤が決まってからのスケジュールは大変慌ただしく、悲しんでいる余裕すらなかったのは不幸中の幸いだったかもしれない。
新しい高校を探し、編入試験を受け、引っ越しの荷物をまとめ、そうこうしているうちに最後の登校日となり友人たちから寄せ書きだ、プレゼントだ、と両手では抱えきれない送別品を受け取った。
付き合いが長い友人も多く、転校することを告げてからは私の顔を見るなり泣いてしまう友人もいた。
私は本当にこれまで周りに恵まれて生きてきたのだと、本心から思う。
引っ越しの都合上、午前11時という中途半端な時間に下校しなければならなかった。
私は今まで本当にありがとうとクラスメイトに向かってお礼を言って一人教室を出た。
玄関に向かって廊下を歩いているのだが、中々思うように歩き進めずにいる。
両手に抱えきれないほどもらったお別れのプレゼントが時折ぽろりぽろりと腕から落ちるのだ。
落ちては拾い、また落ちては拾って、と何度か同じ行動を繰り返す。
ふとて背後から人の気配を感じた。
「お前さん、そんなんじゃいつまでたっても家に帰れんよ」
背後から響いてきた聞き覚えのある声。
振り向くと、今この時間この場所にいるはずがない2歳年上の幼馴染が空の紙袋を片手に立っていた。
今はまだ4限の授業中だ。しかも3年生は棟が違うので偶然というのはあり得ない。
幼馴染は無言でズガズカとこちらに向かって来て、どれ、と言いながら廊下に落ちたプレゼントをおもむろに袋に詰めていった。
その様子を呆気にとられながら眺めていると、ぱちりと視線が合う。
「他も全部」
結局、私が抱えていた物はまるであらかじめ用意でもされていたかのようにすっぽりと紙袋に収まった。
ありがとうとお礼の言葉を伝えると、幼馴染は指で頭を二、三度掻いてから送る、とぶっきらぼうに言って私の数歩前を歩き出す。
「なんでここに……さぼり?」
そう少し茶化したように言えば、いつものように笑ってあぁ、と返事がくると思っていたのだが、私の予想に反して彼は何も言い返してこなかった。
不思議に思って顔を覗き込むと、彼は所在なさげに目線を反らす。
「大切な幼馴染との別れの日に、授業なんて出ていられんよ」
ぽつりと、最後の方はフェードアウトして消えていってしまいそうな声で小さく呟いた。
そんな彼の表情を見て、からかい半分で発した自身の発言に対して後悔の念に駆られた。
「ごめんなさい、今のは私が悪かったです」
「…分かればえぇ」
ポンと一度私の肩に手を置いたあと、行くぞと彼が言い歩き出し、私たちは学校を後にした。
どちらかともなく歩幅を調整し、いつもの通いなれた道を二人並んで私の家に向かって歩いている。
平日のお昼前ということもあり、歩いている人もまばらだ。
(気が付くと、先ほどの紙袋はいつのまにか彼が持ってくれていた)
中学の時から歩きなれている通学路。
高等部も中学と同じ敷地にあるので3年間と少し、毎日この道を歩いてきた。
ただ、彼とこうして学校帰りに歩くのは何年ぶりだろう。
彼との登下校についてはこんなエピソードがある。
私が中学に入学した日のことだった。
私が慣れるまで一緒に登下校してやると今隣を歩いている幼馴染が言ってきたので快く了承したが、余りの視線の痛さにすぐに却下を申し入れたことがあった。
視線というのは重く冷たい何とも居心地が悪い視線のことで、その原因がこの幼馴染にあることが入学してわずか数日と早い段階で理解することになる。
彼は硬式テニス部に所属しており、そのチームのレギュラー選手だった。
立海大附属中学の硬式テニス部レギュラーというだけで女性からは爆発的な人気が出るし、個人ごとにファンクラブが存在するレベルであるとクラスの女子たちが騒いでいたので、おそらくあの視線は彼のファンクラブの女性のものだったのだろうと理解した。
確かにモテたのだこの横にいる幼馴染は、昔から。
私自身は彼のことをそういう対象で見たことがなかったし、一人っ子の私にとって彼は兄、家族同然の存在であったので、そういった嫉妬の感情を向けられることは些か不愉快であった。
ただ、私自身が入学したばかりだったし、いま自ら火中に飛び込むような馬鹿はしたくなかったので、次の日からの登下校は別々で、と私から直接彼に申し入れたのだった。
それ以来、学校では自然と距離を置くようになっていた。
彼自身もこのことがきっかけで自分の周りには少々過激派が多いことを知り、私に何かしないかを気にしてあえてそうしたのだと思う。
ただわりと頻繁に連絡は取り合っていたし家も近所、親同士仲が良かったので、休日はよくどちらかの家で食事をしたりしたものだ。
文字通り、彼は家族同然のような存在だった。
不思議と嫌ではないと感じる無言の時間が、帰路の半分までさしかかった頃、先に言葉を発したのは彼の方からだった。
「お前さん、向こうでちゃんとやれんのか」
真っすぐに私の目を見て彼はそう言った。ふざけたり茶化して言っているのではないと雰囲気ですぐに理解できた。
「うん。今までと環境はは違うかもしれなくて少し不安だけど、私は大丈夫。何とかやるよ」
そうか、と言って彼は私の肩を二度ほど軽く叩いた。
気づいたときには、いつの間にか私の家の前だった。
ほれ、と彼から中身がぎっしり詰まった紙袋を受け取る。
ずっしりとした重みが現実を実感する。
自分はもう明日にはここにはいない。
大阪には、幼馴染も、友人もいない。0からのスタート。
いま横にいてくれる、自然に優しさを与えてくれた兄のような存在もいなくなる。
「やっぱり、離れるのは寂しいね」
ぽつりとそう呟くと、彼はえ、と口の端から言葉を漏らした。
「こっちでも元気でね、今日はありがとう」
なんだか鼻の奥がつんとして、泣き出してしまいそうになったのがわかり矢継ぎ早に言葉を紡ぎ家に入ろうとした。
が、その行動はがしりと手首を掴まれ阻止された。
何、と振り向いてはっと息が一瞬止まる。
私の予想を越えるほど近い距離に彼はいた。
掴まれている部分が熱い。
どくどくと波打っている脈は昔より大きくなった彼の手から伝わってきているものだ。
「ここに残らんか。お前の親父さんたちも俺のことよく知っとうし、不安にさせない。傍にいてずっと守ってやれる」
私たちの間を少し強めの風が吹き、私の髪と、彼の少しだけ長い襟足が揺れた。
真っすぐな鋭い視線を向けられ、私の手首を掴んでいる手にも更に力がかかる。
私は動くことも、何か言葉を発することも出来なかった。
彼が冗談でそんな台詞を言わないことぐらい、わかっている。
「ありがとう。でも私、お父さん、お母さんと離れてまで暮らしたいとはまだ思えないから…」
「…そうか」
そう言うと、彼は残念そうな、少し悲しさを含んだような表情を浮かべながら掴んでいた私の手首をそっと離した。
「何かあったら、いつでも帰ってきんしゃい」
ぶっきらぼうで、優しくて、本当の兄のような暖かい存在。それはこの先も変わらない。
「引き留めてくれたこと…嬉しかったよ。ありがとう。じゃあ私そろそろ行くね」
家に入ろうと、彼に背を向けた時だった。
「………………よ、由紀」
「え?」
彼が、私に何か言ったようだったが聞き取ることが出来なかった。
何と言ったのかもう一度訪ねると、何でもないと笑って言った。
「向こうでも頑張れよ」
「ありがとう、雅治も元気でね。行ってきます」
差し出された手。握手を強く交わし、今度こそ家の中に入った。
その日の午後、引っ越し業者が到着しあれよあれよという間にすべての荷物がトラックに積み込まれた。
トラックが出るのを見届け、私と母は父親の運転する車に乗って大阪の新居へ。
雅治の家族に見守られながら出発した。
今日から私が新しく通うことになった高校だ。
父親の転勤で東京から大阪に引っ越すことになり、高校1年の秋という中途半端な時期に転校が決まった。
生まれてこの方16年間、幸いにも関東圏から出ることなく過ごしてきた私にとって
まさにそれは青天の霹靂だった。
父親から『大阪への転勤が決まった』と告げられた瞬間、あぁこれが頭が真っ白になることなのかと思うほど視界が真っ暗なような真っ白なような不思議な感覚に陥った。
だが、私自身転校という未知の世界に身を投じること自体に不安はあれど、特段それが嫌で嫌で仕方がないなどとは感じなかったことに自分のことながら驚いた。
むしろ父と母の方が気にかけてくれ、私がどうしても関東に残りたいのであれば下宿先を手配してくれるとまで言ってくれていた。
本音は、高校生の一人娘を一人残していくなんて心配で、不安で、嫌に決まっているはずなのに私の幸せを優先しようとしてくれた。私にはその気持ちだけで充分だった。
このときほど、自分の両親が自分の親で本当に良かったと思ったことはない。
私はすぐに首を横に振り、一緒についてくよ、と言うと予想通り両親は安堵の表情を見せた。
中学は高等部への所謂エスカレーター式の学校だったので、幼馴染も、親しい友人もいてそれなりに充実した高校生活を送っていたと思う。
しかし、正直に言って家族と離れてまで関東にこだわる理由を私は見つけられなかった。
仮に、彼氏がいたとしてもそれが一人で関東に残るという理由には私はならなかったと思う。
父親の転勤が決まってからのスケジュールは大変慌ただしく、悲しんでいる余裕すらなかったのは不幸中の幸いだったかもしれない。
新しい高校を探し、編入試験を受け、引っ越しの荷物をまとめ、そうこうしているうちに最後の登校日となり友人たちから寄せ書きだ、プレゼントだ、と両手では抱えきれない送別品を受け取った。
付き合いが長い友人も多く、転校することを告げてからは私の顔を見るなり泣いてしまう友人もいた。
私は本当にこれまで周りに恵まれて生きてきたのだと、本心から思う。
引っ越しの都合上、午前11時という中途半端な時間に下校しなければならなかった。
私は今まで本当にありがとうとクラスメイトに向かってお礼を言って一人教室を出た。
玄関に向かって廊下を歩いているのだが、中々思うように歩き進めずにいる。
両手に抱えきれないほどもらったお別れのプレゼントが時折ぽろりぽろりと腕から落ちるのだ。
落ちては拾い、また落ちては拾って、と何度か同じ行動を繰り返す。
ふとて背後から人の気配を感じた。
「お前さん、そんなんじゃいつまでたっても家に帰れんよ」
背後から響いてきた聞き覚えのある声。
振り向くと、今この時間この場所にいるはずがない2歳年上の幼馴染が空の紙袋を片手に立っていた。
今はまだ4限の授業中だ。しかも3年生は棟が違うので偶然というのはあり得ない。
幼馴染は無言でズガズカとこちらに向かって来て、どれ、と言いながら廊下に落ちたプレゼントをおもむろに袋に詰めていった。
その様子を呆気にとられながら眺めていると、ぱちりと視線が合う。
「他も全部」
結局、私が抱えていた物はまるであらかじめ用意でもされていたかのようにすっぽりと紙袋に収まった。
ありがとうとお礼の言葉を伝えると、幼馴染は指で頭を二、三度掻いてから送る、とぶっきらぼうに言って私の数歩前を歩き出す。
「なんでここに……さぼり?」
そう少し茶化したように言えば、いつものように笑ってあぁ、と返事がくると思っていたのだが、私の予想に反して彼は何も言い返してこなかった。
不思議に思って顔を覗き込むと、彼は所在なさげに目線を反らす。
「大切な幼馴染との別れの日に、授業なんて出ていられんよ」
ぽつりと、最後の方はフェードアウトして消えていってしまいそうな声で小さく呟いた。
そんな彼の表情を見て、からかい半分で発した自身の発言に対して後悔の念に駆られた。
「ごめんなさい、今のは私が悪かったです」
「…分かればえぇ」
ポンと一度私の肩に手を置いたあと、行くぞと彼が言い歩き出し、私たちは学校を後にした。
どちらかともなく歩幅を調整し、いつもの通いなれた道を二人並んで私の家に向かって歩いている。
平日のお昼前ということもあり、歩いている人もまばらだ。
(気が付くと、先ほどの紙袋はいつのまにか彼が持ってくれていた)
中学の時から歩きなれている通学路。
高等部も中学と同じ敷地にあるので3年間と少し、毎日この道を歩いてきた。
ただ、彼とこうして学校帰りに歩くのは何年ぶりだろう。
彼との登下校についてはこんなエピソードがある。
私が中学に入学した日のことだった。
私が慣れるまで一緒に登下校してやると今隣を歩いている幼馴染が言ってきたので快く了承したが、余りの視線の痛さにすぐに却下を申し入れたことがあった。
視線というのは重く冷たい何とも居心地が悪い視線のことで、その原因がこの幼馴染にあることが入学してわずか数日と早い段階で理解することになる。
彼は硬式テニス部に所属しており、そのチームのレギュラー選手だった。
立海大附属中学の硬式テニス部レギュラーというだけで女性からは爆発的な人気が出るし、個人ごとにファンクラブが存在するレベルであるとクラスの女子たちが騒いでいたので、おそらくあの視線は彼のファンクラブの女性のものだったのだろうと理解した。
確かにモテたのだこの横にいる幼馴染は、昔から。
私自身は彼のことをそういう対象で見たことがなかったし、一人っ子の私にとって彼は兄、家族同然の存在であったので、そういった嫉妬の感情を向けられることは些か不愉快であった。
ただ、私自身が入学したばかりだったし、いま自ら火中に飛び込むような馬鹿はしたくなかったので、次の日からの登下校は別々で、と私から直接彼に申し入れたのだった。
それ以来、学校では自然と距離を置くようになっていた。
彼自身もこのことがきっかけで自分の周りには少々過激派が多いことを知り、私に何かしないかを気にしてあえてそうしたのだと思う。
ただわりと頻繁に連絡は取り合っていたし家も近所、親同士仲が良かったので、休日はよくどちらかの家で食事をしたりしたものだ。
文字通り、彼は家族同然のような存在だった。
不思議と嫌ではないと感じる無言の時間が、帰路の半分までさしかかった頃、先に言葉を発したのは彼の方からだった。
「お前さん、向こうでちゃんとやれんのか」
真っすぐに私の目を見て彼はそう言った。ふざけたり茶化して言っているのではないと雰囲気ですぐに理解できた。
「うん。今までと環境はは違うかもしれなくて少し不安だけど、私は大丈夫。何とかやるよ」
そうか、と言って彼は私の肩を二度ほど軽く叩いた。
気づいたときには、いつの間にか私の家の前だった。
ほれ、と彼から中身がぎっしり詰まった紙袋を受け取る。
ずっしりとした重みが現実を実感する。
自分はもう明日にはここにはいない。
大阪には、幼馴染も、友人もいない。0からのスタート。
いま横にいてくれる、自然に優しさを与えてくれた兄のような存在もいなくなる。
「やっぱり、離れるのは寂しいね」
ぽつりとそう呟くと、彼はえ、と口の端から言葉を漏らした。
「こっちでも元気でね、今日はありがとう」
なんだか鼻の奥がつんとして、泣き出してしまいそうになったのがわかり矢継ぎ早に言葉を紡ぎ家に入ろうとした。
が、その行動はがしりと手首を掴まれ阻止された。
何、と振り向いてはっと息が一瞬止まる。
私の予想を越えるほど近い距離に彼はいた。
掴まれている部分が熱い。
どくどくと波打っている脈は昔より大きくなった彼の手から伝わってきているものだ。
「ここに残らんか。お前の親父さんたちも俺のことよく知っとうし、不安にさせない。傍にいてずっと守ってやれる」
私たちの間を少し強めの風が吹き、私の髪と、彼の少しだけ長い襟足が揺れた。
真っすぐな鋭い視線を向けられ、私の手首を掴んでいる手にも更に力がかかる。
私は動くことも、何か言葉を発することも出来なかった。
彼が冗談でそんな台詞を言わないことぐらい、わかっている。
「ありがとう。でも私、お父さん、お母さんと離れてまで暮らしたいとはまだ思えないから…」
「…そうか」
そう言うと、彼は残念そうな、少し悲しさを含んだような表情を浮かべながら掴んでいた私の手首をそっと離した。
「何かあったら、いつでも帰ってきんしゃい」
ぶっきらぼうで、優しくて、本当の兄のような暖かい存在。それはこの先も変わらない。
「引き留めてくれたこと…嬉しかったよ。ありがとう。じゃあ私そろそろ行くね」
家に入ろうと、彼に背を向けた時だった。
「………………よ、由紀」
「え?」
彼が、私に何か言ったようだったが聞き取ることが出来なかった。
何と言ったのかもう一度訪ねると、何でもないと笑って言った。
「向こうでも頑張れよ」
「ありがとう、雅治も元気でね。行ってきます」
差し出された手。握手を強く交わし、今度こそ家の中に入った。
その日の午後、引っ越し業者が到着しあれよあれよという間にすべての荷物がトラックに積み込まれた。
トラックが出るのを見届け、私と母は父親の運転する車に乗って大阪の新居へ。
雅治の家族に見守られながら出発した。
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