エース君がすき!

すきですよ、エース君。そう言ってやると、エースは一瞬の間をおいてから足先からつむじの先まで真っ赤になり、頭から湯気が出そうになる。

「そんっ、そんなこと、軽はずみに口にするもんじゃねェっ」

「軽はずみなことありませんよ!私はいつも真剣です!」

「ああ……」

まっすぐな目で見つめられ、エースはつい視線をそらしてしまう。
そう、彼女が軽はずみにそんなことを口にすることなどないことは、エース自身が一番よくわかっている。それだけに、どう受け止めたらいいかわからない。

自分の何が、どこがそんなに好きだと、そんなまっすぐに言えるのか。

この、忌まわしい血を継ぐ俺を――。

「…そうやって、ちゃんと言葉の重みを知っているエース君が好きなんですよ」

今まで、直接にでも間接にでも心無い言葉を浴びせられ、その言葉の数々にどれだけ心が引き裂かれたことか。
彼女はそれを知っているわけでもないだろうに、いつもどこかエースを見透かしたような眼をする時がある。

「だから私は、エース君にたくさん私の気持ちを伝えて、エース君を好きでいっぱいにしたいんです」

彼女のその言葉が、エースの心を解きほぐす。いつもそうだ。
彼女はいつも素直でまっすぐで、熱いくらいの想いをぶつけてくる。

「……ありがとな」

そう言って笑ったエースの顔が泣いてしまうのではないかと思えるほど切なく見えたので、彼女はエースの頭をかき抱いた。
顔に押し付けられた胸の柔らかさもまた、エースの心をあたたかくする心地よさだった。

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