サボがすき!

すき!と言って抱き着いてみた。無論、周りに誰もいないことを確認してからだ。

「えっ?えっ、どうした?かわ、かわいいな!」

突然のことに動揺しながらもしっかり抱きしめ返すサボ。普段、そういった甘い言葉を口にするのは9割方サボのほうで、彼女のほうから甘えてくるのは珍しい。
その貴重な1割のデレが発動されたときの破壊力は凄まじいものがある。
緊張と興奮が入り混じり、アドレナリンが出まくったせいで脂汗をにじませながら真っ赤になるサボを見上げ、彼女ははにかんだように笑う。

「おかえし」

「ええっ!?なんの?俺何かしたか?」

言われた言葉の意味をサボが理解できていないのは、己のデレが100%無自覚だからだ。
戸惑うサボがおかしくて彼女がまた笑うと、サボはますます強く抱きしめる。

「なんだそれ、かわいすぎて全部どうでもよくなるな!」

「実はリンドバーグさんからサボを呼んでくれって頼まれてて、」

「どうでもいい!!」

彼女がサボにデレを見せてあげられないのは照れ臭いのもだいぶあるのだが、彼が仕事に手がつかなくなってしまうのも一因である。

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