第三章『アトランダム始動』
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『パルス・・・? A -ナンバーズ、ナンバー<AーP> Ver -2・0PULES !!音井親子による戦闘型ロボットか』
「斬られたくなければおとなしくしていろ。戦闘能力の無い者とは闘わん主義だが・・・狼藉を働くとあらば・・・」
分析を行なう〝アトランダム〟に、表情こそ涼しいものの、瞳を険しくしたパルスがブレードを構えていく。
すると〝アトランダム〟は低い笑い声を上げると同時に半ば眠たげに閉じられていたかのように見えた目をハッキリと開き言った。
『おもしろい!! 遠慮はいらん、かかってきたまえ!!』
「愚か! 望みとあらば!!」
パルスのブレードが閃く。
「待って!! パルス君!?」
先程の件から考えて、〝アトランダム〟のあの口ぶりは何かある。
制止の声を瑠璃が上げるも、それは間に合わなかった。
「パルス!? な・・・何があったんだ?」
信彦のくしゃみによって変形したシグナルが茫然と呟く。
その姿はさながら、マリオネットのよう―――――パルスの全身のジャックポッドには、〝アトランダム〟のケーブルが繋がっていた。
『おや? いつの間にか一人増えてるね。君、お名前言えるかなぁ?』
「ぼくはシグナル!! お前こそ誰だよ、頭でっかち!!」
まるで幼い子供に尋ねるかのような言葉遣いに、ムッとした顔でシグナルは〝アトランダム〟を睨みつける。
『おっと怖いねぇ。私のことは正信に聞いていないのかな?』
「若先生!! 何ですか? このクラゲ野郎は!」
ちびシグナルは、大きいときの事は多少ならば覚えているが、逆に大きいシグナルはちびのときの事を全く覚えていないのだ。
「アトランダム・・・パルスをどうする気だ? ロボットを行動不能にするだけがお前の新能力なのか・・・」
噛み付く勢いで振り返ってきたシグナルを見て、愕然とした表情になっていた正信は、制するように腕を伸ばしながらようやく絞りだした声で言った。
『ふむふむ。黙っているのも芸がないね』
思案するように〝アトランダム〟がケーブルを口元に当てると、繋がれていたパルスもガチャッとブレードを構える姿勢に入っていく。
『ほ―――らパルス君行きなさい』
「皆下がれ!!」
合図と同時に襲い掛かってきたパルスの前にシグナルが走り出る。
パルスのブレードが振り下ろされたとき、そこにシグナルの姿はなく、代わりに機材が真っ二つになっていた。
「シグナル君!! パルス君がアトランダムに支配されているのは運動機能の一部に過ぎないわ!! だからパルス君の本来の動きは出来ないはずよ」
跳躍して避けていたシグナルに瑠璃が叫ぶ。
「何!? そんなパルスじゃ・・・話にならない!!」
天井近くの壁に足を着くと、そこからまた飛んだ勢いのままシグナルはパルスの背を蹴り倒す。
――――と、パルスは大破した機材の山に倒れ込んでしまった。
「アトランダム!! いいか!! 本物のパルスはもっと強い!! 卑怯な真似はやめろ!!」
『ほう』と声を洩らした〝アトランダム〟にシグナルは怒鳴る。
『ふ・・・・・・む。そうだね、確かにパルス君はもっと強い・・・ここに来る船の中で見ていたから知っているよ。
「世界最高」のロボット工学者音井教授の最高傑作<AーS> SIGNAL ・・・君の事もね』
「船の中・・・?」
船蔵に置かれていたとき〝アトランダム〟は休眠状態ではなかったのか?
眉を顰めたシグナルに、正信が声を張り上げた。
「シグナル!! かまわん!! アトランダムを倒せ!!」
『あらら、そういうことを言うか』
〝アトランダム〟の言葉に、ハッとシグナルが視線を向けると、倒れ付していたパルスはムクと起き上がってくる。
そして、立ち上がると同時にばさと背に流れた黒髪は放電光を纏わりつかせていた。
『すごいねぇ、正信はパルス君にレーザーもつけたんだ。さ―――てどこに撃とうかな・・・』
ブレードと違ってレーザーは避けた場合、後ろに居る皆に危険が及んでしまう。
げっ!! とシグナルが顔を引き攣らせた瞬間、パルスのレーザーは瑠璃の方に向かって放たれていく。
『ほら! 早く逃げないと当たるよ―――――』
「・・・ぁ!!」
「瑠璃さん!!」
間一髪、身を横に反らせた瑠璃を抱き上げて射程内から非難させたとき「パルス!! ・・・っの野郎!!」とシグナルは 込み上げてきた感情を吐露していた。
「いつもえらそうに説教たれるくせにてめぇの方が操られてだらしがないじゃね―――か!!
くやしかったら正気に戻って見やがれ!! パルス兄さん!!」
――――響き渡るシグナルの声。
一同が固唾を呑んだとき、正気を取り戻したらしいパルスの洩らした呟きが聞こえてきた。
「・・・私は・・・何を?」
『この能力、今の私のパワーではこれくらいが限界か。頃合・・・だな』
呆然と立ち尽くすパルスの背後、割れた筒の中で〝アトランダム〟の洩らした声に、ハッとシグナルが気づいたとき、 そこから抜け出た〝アトランダム〟は天井の四方にケーブルを伸ばし突き刺して上昇していた。
「!?」
『それでは諸君!! そろそろお邪魔様』
「逃げられると思ってんのかっ!! レーザーでやっちまえパルス!!」
〝アトランダム〟に吼えながら、シグナルは訴える。
だが、どうやらパルスは先の件でパワー切れとなってしまったらしく、ぐらっと身体を揺らすとそのまま床に倒れ込んで眠りに就いてしまった。
気持ち悪いから嫌だ!! と言う理由から、シグナルは自身での追撃を躊躇していたのだが、その間に〝アトランダム〟がホールの外に出てしまった為、 慌てて後を追って飛び出して行くと通路には一人の女性が立っていた。
「おいっ!! その肩のヤツは危ないぞ・・・!!」
手を差し伸べるようにしながら、肩に〝アトランダム〟を招いた女性にシグナルが叫ぶ。
シグナルに次いでホールから出た瑠璃は、女性の顔を見て眉を顰めた。
(・・・あの人、どこかで・・・)
「待って~~~~!!」
ふっ、とシグナルの忠告を無視して駆け出してしまった女性を、羽根を閃かせてハーモニーが追うもその姿は通路を曲がったとき 忽然と消えてしまっていた。
「あ・・・あの子・・・」
「知ってるの? エララちゃん」
愕然と呟いたエララに振り返った瑠璃は、ふと彼女の顔を見て気づく。
もしかして、あの女性は・・・・・
「雰囲気がまるっきり変わってるけど間違いありません。あの子は・・・私の妹 の〝EUROPA 〟です」
ゆっくりと、瑠璃の考えを肯定するように頷いたエララの口から告げられた言葉は、一同に衝撃を与えるものだった。
「斬られたくなければおとなしくしていろ。戦闘能力の無い者とは闘わん主義だが・・・狼藉を働くとあらば・・・」
分析を行なう〝アトランダム〟に、表情こそ涼しいものの、瞳を険しくしたパルスがブレードを構えていく。
すると〝アトランダム〟は低い笑い声を上げると同時に半ば眠たげに閉じられていたかのように見えた目をハッキリと開き言った。
『おもしろい!! 遠慮はいらん、かかってきたまえ!!』
「愚か! 望みとあらば!!」
パルスのブレードが閃く。
「待って!! パルス君!?」
先程の件から考えて、〝アトランダム〟のあの口ぶりは何かある。
制止の声を瑠璃が上げるも、それは間に合わなかった。
「パルス!? な・・・何があったんだ?」
信彦のくしゃみによって変形したシグナルが茫然と呟く。
その姿はさながら、マリオネットのよう―――――パルスの全身のジャックポッドには、〝アトランダム〟のケーブルが繋がっていた。
『おや? いつの間にか一人増えてるね。君、お名前言えるかなぁ?』
「ぼくはシグナル!! お前こそ誰だよ、頭でっかち!!」
まるで幼い子供に尋ねるかのような言葉遣いに、ムッとした顔でシグナルは〝アトランダム〟を睨みつける。
『おっと怖いねぇ。私のことは正信に聞いていないのかな?』
「若先生!! 何ですか? このクラゲ野郎は!」
ちびシグナルは、大きいときの事は多少ならば覚えているが、逆に大きいシグナルはちびのときの事を全く覚えていないのだ。
「アトランダム・・・パルスをどうする気だ? ロボットを行動不能にするだけがお前の新能力なのか・・・」
噛み付く勢いで振り返ってきたシグナルを見て、愕然とした表情になっていた正信は、制するように腕を伸ばしながらようやく絞りだした声で言った。
『ふむふむ。黙っているのも芸がないね』
思案するように〝アトランダム〟がケーブルを口元に当てると、繋がれていたパルスもガチャッとブレードを構える姿勢に入っていく。
『ほ―――らパルス君行きなさい』
「皆下がれ!!」
合図と同時に襲い掛かってきたパルスの前にシグナルが走り出る。
パルスのブレードが振り下ろされたとき、そこにシグナルの姿はなく、代わりに機材が真っ二つになっていた。
「シグナル君!! パルス君がアトランダムに支配されているのは運動機能の一部に過ぎないわ!! だからパルス君の本来の動きは出来ないはずよ」
跳躍して避けていたシグナルに瑠璃が叫ぶ。
「何!? そんなパルスじゃ・・・話にならない!!」
天井近くの壁に足を着くと、そこからまた飛んだ勢いのままシグナルはパルスの背を蹴り倒す。
――――と、パルスは大破した機材の山に倒れ込んでしまった。
「アトランダム!! いいか!! 本物のパルスはもっと強い!! 卑怯な真似はやめろ!!」
『ほう』と声を洩らした〝アトランダム〟にシグナルは怒鳴る。
『ふ・・・・・・む。そうだね、確かにパルス君はもっと強い・・・ここに来る船の中で見ていたから知っているよ。
「世界最高」のロボット工学者音井教授の最高傑作
「船の中・・・?」
船蔵に置かれていたとき〝アトランダム〟は休眠状態ではなかったのか?
眉を顰めたシグナルに、正信が声を張り上げた。
「シグナル!! かまわん!! アトランダムを倒せ!!」
『あらら、そういうことを言うか』
〝アトランダム〟の言葉に、ハッとシグナルが視線を向けると、倒れ付していたパルスはムクと起き上がってくる。
そして、立ち上がると同時にばさと背に流れた黒髪は放電光を纏わりつかせていた。
『すごいねぇ、正信はパルス君にレーザーもつけたんだ。さ―――てどこに撃とうかな・・・』
ブレードと違ってレーザーは避けた場合、後ろに居る皆に危険が及んでしまう。
げっ!! とシグナルが顔を引き攣らせた瞬間、パルスのレーザーは瑠璃の方に向かって放たれていく。
『ほら! 早く逃げないと当たるよ―――――』
「・・・ぁ!!」
「瑠璃さん!!」
間一髪、身を横に反らせた瑠璃を抱き上げて射程内から非難させたとき「パルス!! ・・・っの野郎!!」とシグナルは 込み上げてきた感情を吐露していた。
「いつもえらそうに説教たれるくせにてめぇの方が操られてだらしがないじゃね―――か!!
くやしかったら正気に戻って見やがれ!! パルス兄さん!!」
――――響き渡るシグナルの声。
一同が固唾を呑んだとき、正気を取り戻したらしいパルスの洩らした呟きが聞こえてきた。
「・・・私は・・・何を?」
『この能力、今の私のパワーではこれくらいが限界か。頃合・・・だな』
呆然と立ち尽くすパルスの背後、割れた筒の中で〝アトランダム〟の洩らした声に、ハッとシグナルが気づいたとき、 そこから抜け出た〝アトランダム〟は天井の四方にケーブルを伸ばし突き刺して上昇していた。
「!?」
『それでは諸君!! そろそろお邪魔様』
「逃げられると思ってんのかっ!! レーザーでやっちまえパルス!!」
〝アトランダム〟に吼えながら、シグナルは訴える。
だが、どうやらパルスは先の件でパワー切れとなってしまったらしく、ぐらっと身体を揺らすとそのまま床に倒れ込んで眠りに就いてしまった。
気持ち悪いから嫌だ!! と言う理由から、シグナルは自身での追撃を躊躇していたのだが、その間に〝アトランダム〟がホールの外に出てしまった為、 慌てて後を追って飛び出して行くと通路には一人の女性が立っていた。
「おいっ!! その肩のヤツは危ないぞ・・・!!」
手を差し伸べるようにしながら、肩に〝アトランダム〟を招いた女性にシグナルが叫ぶ。
シグナルに次いでホールから出た瑠璃は、女性の顔を見て眉を顰めた。
(・・・あの人、どこかで・・・)
「待って~~~~!!」
ふっ、とシグナルの忠告を無視して駆け出してしまった女性を、羽根を閃かせてハーモニーが追うもその姿は通路を曲がったとき 忽然と消えてしまっていた。
「あ・・・あの子・・・」
「知ってるの? エララちゃん」
愕然と呟いたエララに振り返った瑠璃は、ふと彼女の顔を見て気づく。
もしかして、あの女性は・・・・・
「雰囲気がまるっきり変わってるけど間違いありません。あの子は・・・私の
ゆっくりと、瑠璃の考えを肯定するように頷いたエララの口から告げられた言葉は、一同に衝撃を与えるものだった。