第三章『アトランダム始動』
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アトランダム始動
海上都市の外へ通じる出航口の近く―――海底トンネル内には膝を抱え座り込むマリエルの姿があった。
「マリエルちゃん、私達と一緒にプールに行こっか?」
「カルマ君が特別にパビリオン動かしてくれるって! 皆で行こうよっ」
目の端にいまだ涙を溜めたままのマリエルに、瑠璃と信彦が困ったような笑みを浮かべながら、何とかこの場から立ち上がらせようと誘いかける。
「ほらエプシロンも一緒に行こうって」
けれど、二人に続いてクリスが言った言葉が逆効果になり、またマリエルを泣かす破目になってしまった。
マリエルが泣いてしまった理由―――それはコンスタンスが雷電を連れて、みのると一緒にリュケイオンの外に仕事に行ってしまったからだった。
瑠璃達は見送りにここまで来ていたのだが、マリエルはコンスタンスに一緒に連れて行って欲しいと散々泣き喚き、 それでも残されていってしまった為に、すっかり落ち込んでしまっていたのだ。
「マリエル・・・」
雷電を思い出させるものを見せてどうするのかとクリスを咎めた信彦が、床に膝を着きながらおそるおそる マリエルの顔を覗きこむようにして呼びかける。
するとマリエルはクリスが差し出してきていたエプシロンをぎゅっと胸に抱きしめ、顔を上げてぽつりと言った。
「雷電とママ帰って来るのここで待ってる・・・」
コンスタンスたちが戻ってくるのは明日。
困ったような表情のまま、マリエルを見つめながら瑠璃は思う。
その事を今のマリエルに伝えたとして、果たしてこちらの言う事を聞いてくれるだろうか。
(・・・やっぱ無理よね・・・)
導き出された答えに瑠璃は僅かに眉を寄せてクリスの方を見ると、こちらを振り返ってきた彼女もどうやら同意見らしい。
「でも、おばさんたち明日にならないと―――――」
一人諦めることなく説得を試みようとした信彦の口をやんわりと制するように瑠璃が手で塞ぐと、肩を竦めながらクリスがマリエルに言った。
「わかったわ、エプシロン置いとくから」
「皆さんこちらです」
博覧会のメインホールの入り口前に立っていたカルマは、パルスに案内されてやって来た瑠璃達の姿を見ると手を上げて呼びかけてきた。
「仕事って何するんですかー?」
カルマの隣に並んで腕組みをしながら立っていた正信にクリスが尋ねる。
海底トンネルから戻る途中、ちびシグナルを連れたパルスと瑠璃達は会い、仕事があるから来るようにという正信からの呼び出しを聞かされた為に、 連れ立ってこちらに来たのだ。
「〝アトランダム〟の接続を今から始めます。勉強になるだろうから見てなさいな」
「どーして接続きったままじゃ駄目なの?」
正信の返答に信彦が首を傾げる。
「動かせるロボットは全て動かすのが博覧会主催側の意向なんです」
信彦の疑問に答えたのはカルマだった。
「〝アトランダム〟の接続に立ち会えるなんて光栄ですっ」
心底嬉しそうな笑みを浮かべるカルマの姿を見て瑠璃は目を瞬く。
どうやらカルマは〝アトランダム〟にかなり心酔しているらしい。
「ね―――カルマ君」
そんなカルマに、ふと何か思いついたらしい信彦が呼びかけた。
今朝、マリエルはコンスタンスたちの件があって朝食をあまり食べていなかった。
だから信彦は、一人であそこに居るマリエルにお菓子を差し入れようと考えたらしい。
「ではさっそく用意しましょうね」
二つ返事でカルマは了承すると、一緒に来るようにと信彦を促す。
「カルマのヤツ、〝アトランダム〟にずいぶん心酔しているな」
自分が戻るまで待っていて下さい、と離れる際にきっちり言い残していったカルマの背を見送ると、瑠璃と同じように感じていたらしいパルスが呟いた。
一番最初のロボットだからではないのか、と相槌を打つように洩らしたクリスは、工学者としての好奇心がうずいたのだろう。
笑みを浮かべ、正信に尋ねる。
「先生、先生、どーいうヤツなんです? 〝アトランダム〟って」
「イヤなヤツだよ。すっごく!」
振り返った正信は、まるでそこに〝アトランダム〟が居るかのように、睨みつけながら答えた。
その鬼気迫る雰囲気に、質問したクリスはもちろんの事、傍に居たパルスとちびシグナルが身体を強張らせる。
「カルマには悪いけど僕はあいつの顔も見たくない」
「・・・正信さん、じゃあどうしてここに来る事にしたんですか?」
口を開いたのは、一人だけ動じることなく静かな眼差しで正信を見ていた瑠璃だった。
博覧会について何か隠している事があるのではないか、と船の中で正信に尋ねたとき返ってきた言葉は―――――確証のないこと、特に〝アトランダム〟に関しては言いたくないというものだった。
だが、やはりあの時に感じたとおり、正信と〝アトランダム〟の間には何かしらの確執があるというのは間違いない。
「そういえば、まだ教えていなかったね」
微かに眉を顰めながら、真っ直ぐに瑠璃が瞳を見つめると、眼鏡のフレームに手を添えながら、先程の激情と表情を隠すかのようにした正信は静かな口調で言った。
「分かるよ、何もかも。〝アトランダム〟に会えば」
話し終えたとき、エララとハーモニーもやって来た為、それ以上の追求を瑠璃はしなかった。
そして、カルマが戻って来て一同がメインホールに入室すると、円形状の筒の中―――そこに在ったのはロボットの〝頭〟のみだった。
不気味としか言いようがない〝アトランダム〟の姿に、一同の間に何ともいえない空気が漂う。
―――――何故、〝頭〟だけなのか。〝アトランダム〟を見据えながら、正信が理由を語りだす。
〝アトランダム〟は頭脳集団 の設立者達にとって最初のロボットだった為に、力を入れて製作が行われたそうなのだが、
それが意気込みすぎた所為で凄いパワーしか持たない、欠陥品ロボットとなってしまった。
ロボット製作で一番大切なのはバランス。それを何とかすべく当事期待の新鋭といわれた音井教授が連日徹夜で奮闘したが、〝アトランダム〟は暴走を3回繰り返し、ボディ大破を2回も起こしてしまった為に、結局〝頭のみ〟という姿になってしまった。
「だからそれを飾って人に見せるなんて悪趣味の極みなんだが・・・まぁいいか。皆にも〝アトランダム〟の真の姿を見てもらおう」
憮然とした表情で言った正信の言葉に、一同は騒然とする。
どうやら〝アトランダム〟は冬眠状態なだけだったらしい。
「カルマ、電源パワー最小で入れて」
「は・・・はい」
〝アトランダム〟が欠陥品、という事実を知らなかったらしいカルマが、正信の指示に困惑した表情を見せながら手を閃かせると、人間には聞き取る事が出来ない「マシンボイス」がその口から紡ぎ出された。
リュケイオンのシステムの操作は全て、市長であるカルマの〝声〟によって行なわれるのだ。
筒の下に伸びたケーブルから電力が供給されると、唸り声にも似た起動音とともに、中に入っていた〝アトランダム〟が目覚めていく。
『久しぶりだねぇ正信。あのハナたれ坊主がこんなに背が伸びて』
「君は変わらんね。いつまでたっても一頭身だ」
言葉だけならば親しげともいえる〝アトランダム〟に対し、正信は抑揚のない口調で返す。
――――両者の間に漂うのは殺伐とした空気。
「ね――――っもう接続しちゃった――――!?」
不意に飛び込んできた明るい声は、差し入れを終えて戻って来た信彦のものだった。
振り返ったクリスが信彦に静かにするようにと合図を送る間も瑠璃は二人の会話に意識を向けていた。
「僕はお前をロボット博覧会に出すのは反対だったんだが・・・ここに来た限り悪さは許さない」
宣告ともいえる言葉を言い放つと同時に正信は射るような眼差しで〝アトランダム〟を見据えた。
『こんな少ない電力しかもらえないなんてこれでは大きな声で歌えないねぇ――――』
そんな正信の事を全く意に介した様子もなく言った〝アトランダム〟が、ふとにやりと笑ったような気がして瑠璃は眉を顰める。
刹那、起こったのは―――――
「若先生!! 〝アトランダム〟への給電パワーが最大に・・・!!」
「何!?」
声を上げたカルマに、正信も驚愕の表情を見せる。
抑えろ!! と指示を出すも、カルマから返ってきたのは、コントロールが利かないというものだった。
〝アトランダム〟への干渉行動は全て、正信が防御プログラムを張っていた。
それを誰かが突破してしまったのだ。
「しょうがない! パルス! 送電線を斬れ!! シグナルは!?」
舌打ちとともに正信はパルスに告げ、首をめぐらせてシグナルにも指示を出そうとして、ガクと肩を落としてしまう。
何故ならそこに居たのは〝ちびシグナル〟の方だったからだ。
『無駄だよ正信』と嘲笑うかのように呟いた〝アトランダム〟が、事を起こしたのはその直後。
―――――ズンッという音とともに、〝アトランダム〟の頭部から伸びていたケーブルが、筒を中から突き破ってきたのだ。
「!!?」
そしてそれは丁度目の前に居た瑠璃とクリスに向かって襲い掛かっていく。
「ふん。危ないヤツだ」
「パルス!!」
避ける暇なく向かってきたケーブルに、クリスと瑠璃が思わず立ち尽くしてしまった時、それはパルスのブレードによって切り刻まれていた。
海上都市の外へ通じる出航口の近く―――海底トンネル内には膝を抱え座り込むマリエルの姿があった。
「マリエルちゃん、私達と一緒にプールに行こっか?」
「カルマ君が特別にパビリオン動かしてくれるって! 皆で行こうよっ」
目の端にいまだ涙を溜めたままのマリエルに、瑠璃と信彦が困ったような笑みを浮かべながら、何とかこの場から立ち上がらせようと誘いかける。
「ほらエプシロンも一緒に行こうって」
けれど、二人に続いてクリスが言った言葉が逆効果になり、またマリエルを泣かす破目になってしまった。
マリエルが泣いてしまった理由―――それはコンスタンスが雷電を連れて、みのると一緒にリュケイオンの外に仕事に行ってしまったからだった。
瑠璃達は見送りにここまで来ていたのだが、マリエルはコンスタンスに一緒に連れて行って欲しいと散々泣き喚き、 それでも残されていってしまった為に、すっかり落ち込んでしまっていたのだ。
「マリエル・・・」
雷電を思い出させるものを見せてどうするのかとクリスを咎めた信彦が、床に膝を着きながらおそるおそる マリエルの顔を覗きこむようにして呼びかける。
するとマリエルはクリスが差し出してきていたエプシロンをぎゅっと胸に抱きしめ、顔を上げてぽつりと言った。
「雷電とママ帰って来るのここで待ってる・・・」
コンスタンスたちが戻ってくるのは明日。
困ったような表情のまま、マリエルを見つめながら瑠璃は思う。
その事を今のマリエルに伝えたとして、果たしてこちらの言う事を聞いてくれるだろうか。
(・・・やっぱ無理よね・・・)
導き出された答えに瑠璃は僅かに眉を寄せてクリスの方を見ると、こちらを振り返ってきた彼女もどうやら同意見らしい。
「でも、おばさんたち明日にならないと―――――」
一人諦めることなく説得を試みようとした信彦の口をやんわりと制するように瑠璃が手で塞ぐと、肩を竦めながらクリスがマリエルに言った。
「わかったわ、エプシロン置いとくから」
「皆さんこちらです」
博覧会のメインホールの入り口前に立っていたカルマは、パルスに案内されてやって来た瑠璃達の姿を見ると手を上げて呼びかけてきた。
「仕事って何するんですかー?」
カルマの隣に並んで腕組みをしながら立っていた正信にクリスが尋ねる。
海底トンネルから戻る途中、ちびシグナルを連れたパルスと瑠璃達は会い、仕事があるから来るようにという正信からの呼び出しを聞かされた為に、 連れ立ってこちらに来たのだ。
「〝アトランダム〟の接続を今から始めます。勉強になるだろうから見てなさいな」
「どーして接続きったままじゃ駄目なの?」
正信の返答に信彦が首を傾げる。
「動かせるロボットは全て動かすのが博覧会主催側の意向なんです」
信彦の疑問に答えたのはカルマだった。
「〝アトランダム〟の接続に立ち会えるなんて光栄ですっ」
心底嬉しそうな笑みを浮かべるカルマの姿を見て瑠璃は目を瞬く。
どうやらカルマは〝アトランダム〟にかなり心酔しているらしい。
「ね―――カルマ君」
そんなカルマに、ふと何か思いついたらしい信彦が呼びかけた。
今朝、マリエルはコンスタンスたちの件があって朝食をあまり食べていなかった。
だから信彦は、一人であそこに居るマリエルにお菓子を差し入れようと考えたらしい。
「ではさっそく用意しましょうね」
二つ返事でカルマは了承すると、一緒に来るようにと信彦を促す。
「カルマのヤツ、〝アトランダム〟にずいぶん心酔しているな」
自分が戻るまで待っていて下さい、と離れる際にきっちり言い残していったカルマの背を見送ると、瑠璃と同じように感じていたらしいパルスが呟いた。
一番最初のロボットだからではないのか、と相槌を打つように洩らしたクリスは、工学者としての好奇心がうずいたのだろう。
笑みを浮かべ、正信に尋ねる。
「先生、先生、どーいうヤツなんです? 〝アトランダム〟って」
「イヤなヤツだよ。すっごく!」
振り返った正信は、まるでそこに〝アトランダム〟が居るかのように、睨みつけながら答えた。
その鬼気迫る雰囲気に、質問したクリスはもちろんの事、傍に居たパルスとちびシグナルが身体を強張らせる。
「カルマには悪いけど僕はあいつの顔も見たくない」
「・・・正信さん、じゃあどうしてここに来る事にしたんですか?」
口を開いたのは、一人だけ動じることなく静かな眼差しで正信を見ていた瑠璃だった。
博覧会について何か隠している事があるのではないか、と船の中で正信に尋ねたとき返ってきた言葉は―――――確証のないこと、特に〝アトランダム〟に関しては言いたくないというものだった。
だが、やはりあの時に感じたとおり、正信と〝アトランダム〟の間には何かしらの確執があるというのは間違いない。
「そういえば、まだ教えていなかったね」
微かに眉を顰めながら、真っ直ぐに瑠璃が瞳を見つめると、眼鏡のフレームに手を添えながら、先程の激情と表情を隠すかのようにした正信は静かな口調で言った。
「分かるよ、何もかも。〝アトランダム〟に会えば」
話し終えたとき、エララとハーモニーもやって来た為、それ以上の追求を瑠璃はしなかった。
そして、カルマが戻って来て一同がメインホールに入室すると、円形状の筒の中―――そこに在ったのはロボットの〝頭〟のみだった。
不気味としか言いようがない〝アトランダム〟の姿に、一同の間に何ともいえない空気が漂う。
―――――何故、〝頭〟だけなのか。〝アトランダム〟を見据えながら、正信が理由を語りだす。
〝アトランダム〟は
それが意気込みすぎた所為で凄いパワーしか持たない、欠陥品ロボットとなってしまった。
ロボット製作で一番大切なのはバランス。それを何とかすべく当事期待の新鋭といわれた音井教授が連日徹夜で奮闘したが、〝アトランダム〟は暴走を3回繰り返し、ボディ大破を2回も起こしてしまった為に、結局〝頭のみ〟という姿になってしまった。
「だからそれを飾って人に見せるなんて悪趣味の極みなんだが・・・まぁいいか。皆にも〝アトランダム〟の真の姿を見てもらおう」
憮然とした表情で言った正信の言葉に、一同は騒然とする。
どうやら〝アトランダム〟は冬眠状態なだけだったらしい。
「カルマ、電源パワー最小で入れて」
「は・・・はい」
〝アトランダム〟が欠陥品、という事実を知らなかったらしいカルマが、正信の指示に困惑した表情を見せながら手を閃かせると、人間には聞き取る事が出来ない「マシンボイス」がその口から紡ぎ出された。
リュケイオンのシステムの操作は全て、市長であるカルマの〝声〟によって行なわれるのだ。
筒の下に伸びたケーブルから電力が供給されると、唸り声にも似た起動音とともに、中に入っていた〝アトランダム〟が目覚めていく。
『久しぶりだねぇ正信。あのハナたれ坊主がこんなに背が伸びて』
「君は変わらんね。いつまでたっても一頭身だ」
言葉だけならば親しげともいえる〝アトランダム〟に対し、正信は抑揚のない口調で返す。
――――両者の間に漂うのは殺伐とした空気。
「ね――――っもう接続しちゃった――――!?」
不意に飛び込んできた明るい声は、差し入れを終えて戻って来た信彦のものだった。
振り返ったクリスが信彦に静かにするようにと合図を送る間も瑠璃は二人の会話に意識を向けていた。
「僕はお前をロボット博覧会に出すのは反対だったんだが・・・ここに来た限り悪さは許さない」
宣告ともいえる言葉を言い放つと同時に正信は射るような眼差しで〝アトランダム〟を見据えた。
『こんな少ない電力しかもらえないなんてこれでは大きな声で歌えないねぇ――――』
そんな正信の事を全く意に介した様子もなく言った〝アトランダム〟が、ふとにやりと笑ったような気がして瑠璃は眉を顰める。
刹那、起こったのは―――――
「若先生!! 〝アトランダム〟への給電パワーが最大に・・・!!」
「何!?」
声を上げたカルマに、正信も驚愕の表情を見せる。
抑えろ!! と指示を出すも、カルマから返ってきたのは、コントロールが利かないというものだった。
〝アトランダム〟への干渉行動は全て、正信が防御プログラムを張っていた。
それを誰かが突破してしまったのだ。
「しょうがない! パルス! 送電線を斬れ!! シグナルは!?」
舌打ちとともに正信はパルスに告げ、首をめぐらせてシグナルにも指示を出そうとして、ガクと肩を落としてしまう。
何故ならそこに居たのは〝ちびシグナル〟の方だったからだ。
『無駄だよ正信』と嘲笑うかのように呟いた〝アトランダム〟が、事を起こしたのはその直後。
―――――ズンッという音とともに、〝アトランダム〟の頭部から伸びていたケーブルが、筒を中から突き破ってきたのだ。
「!!?」
そしてそれは丁度目の前に居た瑠璃とクリスに向かって襲い掛かっていく。
「ふん。危ないヤツだ」
「パルス!!」
避ける暇なく向かってきたケーブルに、クリスと瑠璃が思わず立ち尽くしてしまった時、それはパルスのブレードによって切り刻まれていた。