第三章『アリス・イン・ザ・ガーデン』
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「あ―――――っ桜哉が下敷きに―――」
虎雪が仰天した様子で声を上げる。
騒然となった教室の中で、尚も構わず双子は黒猫を追い掛け回す。
「やかましい。これだから庶民の学校など来たくなかったんだ」
―――――そんな状況下で、唐突に教室の扉の方から聞こえてきた不遜な声。
一体誰がそんな事を言ったのかと、そちらに振り返ると、何処から持ってきたのか、学校の教室には不釣り合いな、小さな王冠の飾りに、赤と白の背面装飾に彩られたアンティーク風の椅子に、見知らぬ他校の少年が足を組んで腰掛けていたのだ。
右手で頬杖をつきながら、少年はねめつける様に真昼を見据えると、
「城田真昼。僕と一緒に来てもらう。イエス以外の返答は却下だ」
命令口調で少年が発した言葉に、し―――――ん・・・と教室内は静まり返った。
双子も動きを止めており、その隙を逃さず、黒猫が瑠璃の足元に走り寄ってきた。
そこで瑠璃が黒猫を抱き上げると、
「だっ・・・誰だよ、お前らは!? いきなり何・・・っ。つーかその変なイスなんだよ!?」
混乱した面持ちで名指しされた真昼が少年に向かって声を上げた。
「あのね、真昼君。彼は・・・」
「これだから、ネコと瑠璃だけ で、いいと言ったのに・・・」
そこで瑠璃が、少年が誰なのか真昼に伝えようとしたのだが、当人から目でそれを制されてしまう。
それから少年は椅子から立ち上がると、傍らに来ていた双子に、ただ一言。
「捕獲」と命じると、「瑠璃、貴様もネコを連れて一緒に来い」という言葉と共に右腕を掴んできたのだ。
そうして、そのまま教室の外に向かって踵を返したのだが―――――。
「―――――・・・怪我は完治しているようだな」
瑠璃の右手の平を、腕を掴んだ際に確認したのだろう、ぽつりと、小さな声で呟かれたその言葉は、瑠璃とその腕の中に居た黒猫以外に聴こえる事は無く。
「なっ・・・お前、瑠璃姉に何やって!?」
少年の行動を真昼が咎めるように声を上げたのだが、しかし、その時点で両サイドから双子にガシと取り押さえられてしまっており。
「・・・えっと、皆、お騒がせしちゃってごめんね。差し入れ、そこに置いてあるから、良かったら食べてね」
呆然としたままの真昼のクラスメイト達に、御園に腕を取られたまま、歩き出しながら苦笑を浮かべた瑠璃が肩越しに振り返って、机の上に置いたままだった袋を示すと。
それに続いて「ちょ・・・話聞け―――――!!」という真昼がまた、抗議の声を上げるも、それが聞き入れられる事は無く、そのまま双子に強制連行されることになってしまったのだ。
―――――それを呆気にとられた様子でクラスメイト達は見送ってしまったのだが。
「・・・瑠璃さんと真昼が拉致られちゃった・・・」
「キレーな顔の子だねー。あの制服ってたしか・・・」
ぽか―――ん・・・とした様子で虎雪が呟くと、真昼に鈴原さんのエプロンの修繕を頼んだ、快活そうな女子が、少年が着ていた制服に覚えがあったようで、え―――と・・・と記憶を手繰り出し。
「帝一瀬学園。お金持ちばっかりの進学校・・・」
思い出した彼女が学校名を上げると、「何?! 何?!」と、がたがたと音を立てながら机の下からようやく這い出してきた桜哉が、混乱した面持ちで、「まさか、瑠璃さんを巡っての三角関係なのか?!」と、ある意味当たらずとも遠からずの発言をしたのであった。
「どういうことだよコレ!?」
学校から双子に連行されて、黒塗りの外車の中に押し込まれた真昼は、走り出した車の中で、隣に座る少年に向かって再び食ってかかっていた。
「お前っ誰だよ!? もしかしてお前が〝オールオブラブ〟・・・」
矢継ぎ早に声を上げた真昼に、「やかましい奴だな」と少年が眉を顰めると、
「・・・あのね、真昼君。前に、少しだけ話したことがあったでしょう。他の真祖の主人のお家にお邪魔したって」
真昼の隣に座っていた瑠璃が口を開いた。
そのさらに隣には、双子の姿が在り、二人は瑠璃の膝の上に居た黒猫に興味津々のようで、自分たちの方に抱き寄せると「「ねこ―――ねこ―――」」と、黒猫の身体を撫でていた。
「あ!! じゃあ、もしかしてこいつが・・・?」
目を見開いた真昼に、「えぇ」と瑠璃は頷く。
そこで、少年がようやく自身の名を名乗ったのだ。
「有栖院御園。7番目のサーヴァンプ〝オールオブラブ〟の主人 だ」
「そ・・・っか。お前が瑠璃姉の言ってた主人 のほうか・・・」
それによりやっと、少年―――――御園の正体が分かった為、ほっとした表情を真昼は浮かべると、「あのメール・・・迎えに来た・・・ってお前が・・・?」と呟き。
「よかった。同じ立場の奴に会えて・・・お前のサーヴァンプは・・・?」
は―――――と息を吐き出し、御園に問いかける。
この車内に、蝶の姿がない事から、おそらく彼は下位の双子に御園を任せて、共に来ることはしなかったのだろう。
〝オールオブラブ〟と面識のある瑠璃がそう考えていると、黒猫が双子から逃れて、隣の真昼の元に向かっていくのが目に入った。
「「あ―――――・・・・」」と残念そうな声を上げた双子を宥めるように瑠璃は頭を撫でる。
「・・・貴様。椿と対峙しても反撃ひとつできなかったらしいな」
自分の所に来た黒猫に真昼は構う事はせず、御園の返事を待っていると、窓側に視線を向けながら頬杖をついた御園が眉を顰めながら口を開いた。
「あぁ、瑠璃姉から少し訊いたけど、お前も椿を知って・・・」
目を瞬かせた真昼は御園が切り出してきた会話に答えようとしたのだが、御園はそれに対して、「はん、無様な」と呆れた様子で息を吐くと。
「貴様はサーヴァンプの使い方をまったくわかってない。―――――挙句に瑠璃に怪我まで負わせるとは」
睨みつけるようにしながら真昼にそう言ったのだ。
それに対して、真昼は返せる言葉がなく・・・・・。
瑠璃は、あれは自分の独断で動いたことで真昼君に非はないからと言ったのだが、御園がそれで納得する様子を見せなかった為。
何処となく、気まずい雰囲気のまま、有栖院の邸宅前の門を入った処で、肩に黒猫を乗せた状態で車から降りた真昼は、まず目に入った本館の建物を見て「・・・・・ここ、お前の家・・・!? お前、お金持ちの子・・・?!」と唖然とした表情で固まってしまった。
「・・・瑠璃姉、ここって・・・なんかデカいグループの会長の家だとかって話・・・どっかできいた・・・」
「―――――えぇ。私も最初、このお家を目にした時は、やっぱり同じように吃驚しちゃったから、いまの真昼君の気持ちは分かるわ」
呆然と立ち尽くす真昼に、瑠璃もまた微苦笑を浮かべ頷く。
そんな二人のやり取りを御園は一瞥すると、「・・・行くぞ」と、眉を顰めながら告げて、歩き出して行ってしまう。
そこで、瑠璃もまた「あ、ごめんね、御園君」と答えると、行きましょうと真昼を促して御園のあとを追いかけて行く。
「あ・・・あのさ、俺・・・吸血鬼のこといろいろききたくて・・・」
敷地内の手入れされた芝生の上を歩きながら、真昼がおずおずと御園に話しかけたのだが、部屋についてからにしろと断られてしまい。
本館とは別棟にあるという御園の部屋がある西館の建物―――――赤と白の二色カラーの中心に、有栖院家の家紋である王冠が施された扉―――――を目指して歩いていたのだが。
数分歩いたところで、ふいに御園が肩で息を吐きながら立ち止まってしまったのだ。
おろおろと双子が御園を見上げる。
眉根を寄せながら瑠璃は御園に尋ねかける。
「・・・御園君、大丈夫?」
―――――体が弱いとは聞いていたが、まさか少し歩くだけでも負担になってしまう程だったとは。
「・・・え!? 何? どうした・・・」
事情を知らない真昼もまた、気遣うように御園の肩に手を置こうとしたのだが、それに対して御園は「触るな」と拒絶の言葉を口にすると。
「・・・リリイ 、椅子」と、ここに来るまで姿の見当たらなかった真祖に向かって呼びかけたのだ。
すると、教室で一度目にした――――――小さな王冠の飾りに、赤と白の背面装飾に彩られたアンティーク風の椅子が御園の背後に出現し、
「はぁ・・・疲れた。少し待て・・・」
「また、そのイスっ・・・どこから出した!? つーかまだ車降りて5分も経ってねーよ!!」
その椅子に腰掛けると、また頬杖をつきながら、ふ―――――と息を吐き出し、呼吸を整えた御園に、訳が分からないと言った様子で、真昼が突っ込みをいれる。
<・・・御園は少々体が弱いんですよ。城田真昼くん>
と―――――ふいに、ふふ、という笑い声とともに声が聴こえてきた。
その声の主の姿を探して真昼は周囲に視線を彷徨わせると、ふと、御園の頭に視線を止め、眉を顰める。
「・・・・・え? 何それ・・・?」
ひらひらと、揺れながら御園の頭にとまっているそれ―――――黒い縁取りに、中心はピンク色。一見すると『リボン』に見えるがあれは・・・・・。
瑠璃もまた、御園の頭に視線を向けると、その存在に気づき、目を瞬かせると、思わずクスッと笑みを零してしまう。
「・・・? 何を見て―――・・・」
二人の視線を受けて、御園は怪訝そうに眉を顰める。
しかし、ふいに、はっとした表情を浮かべると、
「髪にとまるなといつも言ってるだろうが!! リリイ!!」
顔を赤らめながら、ばっと左手を振り上げ、そう叫んだのだ。
それにより御園の髪から離れていったその姿を見て「あっ蝶・・・!!」と真昼が納得した様子で声を上げたのだが―――――。
次の瞬間、ひらっと羽根を広げて飛んでいた蝶の姿はその場から消え、ふわぁと宙を舞うように現れたのは、ほぼ衣服を脱衣した状態の男の姿―――――。
「・・・はじめまして。よければひと肌脱ぎましょう・・・かっ」
それを見た真昼は、目を見開き、ドン引してしまう。
一方、蝶の姿でいたリリイの姿が消えた時点で、察しが付いてしまった瑠璃は、咄嗟に真昼の背後に隠れたのだが―――――。
それと同時に、真昼の肩の上から下りたスリーピーアッシュが、ポフと云う音とともに人型に戻ると、瑠璃の目を両手で覆ったのだ。
そして、当事者であるリリイはといえば、「脱ぐな変態!! キモイんだよ!!」と目を吊り上げ、怒号した御園から、先日対面した時と同じように、本を頭部に投げつけられていた。
「―――――・・・ありがとう、スリーピーアッシュ」
視界を覆っていた両手がそっと離れたのを感じ、ゆっくりと目を瞬かせる。
リリイのあの姿を直視することを免れた瑠璃は、それでも顔に熱が集まっているのを感じ、頬を赤らめながら、こちらを見下ろしてくる真紅の瞳を見上げて礼を言うと、
「・・・おぅ」
口を何故かへの字に曲げながらスリーピーアッシュはそれに応じてきたのだ。
―――――それは、まるで何かに対して拗ねているような・・・・・。
「―――――スリーピーアッシュ?」
「・・・向き合えねー」
けれど、その理由が分からず、困惑の表情を瑠璃が浮かべると、あの口癖をスリーピーアッシュは呟き、瑠璃の頭を軽く右手でポンと叩くと「・・・何でもねぇから気にするな」と言ってリリイの方に視線を向けていく。
本人にそう言われてしまっては、この場でそれ以上問うことは出来ないので、瑠璃も事の成り行きを見守る事にしてそちらに視線を向ける。
第一印象は大事だと思い、自分の一番いいところを見せようとしたのだというリリイに、「瑠璃にも言われたのだろう!! それなのにも拘らず、どうしてお前はそう脱ぎたがる!?」と御園は一気に捲し立てる。
それから、は―――――っ、と溜息を吐き、腰に手を当てると、御園は真昼の方に視線を向けて言った。
「・・・この脱ぎたがりが〝色欲〟の真祖 ・・・〝全ては愛に収束する 〟」
「今の名はスノーリリイと申します。どうぞお気軽にリリイとお呼びっ」
自己紹介をしながら、またもやリリイが脱ごうとしたのだが、それに対して今度は背後から「脱ぐな」と御園はリリイの腰を肘で強打してそれを止めた。
「は・・・激しいですよ、御園・・・」
「・・・御園君も大変ね・・・」
いたた、腰が~~~と、呻くリリイよりも瑠璃は思わず、御園に対しての思いを口にしてしまう。
リリイのあれは、最早止めることが出来ない、脱ぎ癖?というものなのだろうか。
瑠璃が苦笑いを浮かべると、傍らのスリーピーアッシュが言った。
「変わってねーなーお前・・・」
「あなたもお元気そうで何よりです。瑠璃さんも、先日ぶりですね。手の怪我はもう大丈夫ですか?」
「えぇ。スリーピーアッシュに手当てをして貰って綺麗に完治してるから大丈夫よ」
肩越しに振り返ってきたリリイに瑠璃は、右手の平を見せながら笑みを浮かべて頷く。
「そうですか、それなら良かったです。では、さあどうぞ中へ」
するとリリイも微笑を浮かべて、建物の中へと誘ってきたのだ。
「今の名前はクロ・・・と仰るんですか。こうして顔を合せられて嬉しいですよ。何十年ぶりでしょうねぇ・・・」
感慨深げに話しながら、先に扉を開いて入室したリリイに、本館より規模は縮小されてはいるが、それでもやはり広い室内の様子に、でか―――――・・・と呆然としながら見回した真昼が呼び掛ける。
「あっ・・・あのリリイ・・・さん。この前は助けてくれてありがとう・・・」
「リリイで結構ですよ。真昼くん? 勝手ながらひと肌脱いでおきました」
真昼の言葉に、にこと、笑みを浮かべるとリリイは、上の服をすかさず脱ぎながら、そう告げてくる。
「脱ぐな。キモイから」
それに対して真昼は冷然とした面持ちで切り返す。
しかし、真昼の手厳しい対応に、リリイは気分を害した様子もなく、おや・・・と肩を竦めると、服装を直して話を続ける。
「あの手品師の時にも、実は後始末にひと肌脱いだんですよ? お聞きになったかもしれませんが、瑠璃さんにはその際に一度こちらに来て頂いて、少しお話をさせて頂きました」
「そうらしいな。・・・瑠璃姉の事も含めて、ありがとう。味方に会えてよかったよ。俺、教えて欲しいことが色々・・・」
わかんないことばっかりで・・・と、それに対して真昼も、そう言葉を返したのだが―――――。
「・・・まず、私のお願いから聞いて頂けますか? 私もタダで脱いだつもりはありませんから」
リリイのその言葉とともに、御園が入室を終えたところで、突如として、双子の手により、背後の扉がゴォンと云う音とともに閉ざされたのだ。
まるで、閉じこめられたかのような状況に「・・・え?」と真昼が困惑の表情で背後を振り返る。
「・・・リリイ?」
瑠璃もまたその言葉の意図が分からず、眉を顰めながらリリイを見つめると、人型だったその姿は掻き消えていき、蝶の姿に変わってしまう。
「―――――リリイ」
制服の詰襟を、ぐいと右手で広げて首筋を曝した御園が、蝶の姿になった真祖の名を呼ぶ。
御園の首筋に蝶が止まった刹那、吸血を終えたリリイの姿が現れる。
口元に垂れた血をリリイが舌で舐めとると、いつの間にかそこに在った、あのアンティーク風の椅子に腰かけた御園とリリイの間に、下僕の吸血鬼の証である鎖が出現する。
「・・・城田真昼。その猫を僕によこせ。それから、瑠璃はこちら側に来い。イエス以外の返答は却下だ」
そう言った御園の傍らに立つリリイの手に、巨大な鎌が具現化する。
それから次の瞬間、トッと一歩前に出たリリイが手にしたその鎌をこちら目掛けて振りかざしてきたのだ。
「・・・っ瑠璃!!」
ぐい、とスリーピーアッシュに腕を引かれると同時に、頭から抱え込まれ、共に姿勢を低くする。
「・・・は? ・・・ッ!!? 鎌・・・!?」
その隣に居た真昼も、反射的に身を低くしたおかげで、無事だったのだが、視線を上げれば、はら・・・と僅かに欠けた壁面が、こちらに崩れ落ちてくる。突如として、頭上擦れ擦れに行われたその攻撃に、理解が及ばず顔を蒼白にしながら、息を呑み、愕然と声を上げた真昼に、リリイが悠然とした口調で言う。
「できれば私も平和的な手段でいきたいんです。私たちの〝お願い〟きいていただけますよ・・・・・・ね♥」
そうして、笑みを浮かべながら、言葉とは裏腹に、リリイはまたこちらに向かって鎌の斬撃を放ってきたのだ。
「ちょ・・・えええええ!?」
それを見た真昼は慌てて身を翻すと、「瑠璃姉っ!! 手出して!!」そういうや否や、瑠璃の手を掴んで、全速力で走りだす。
「おいクロっ。リリイはお前の兄弟だろ!? 」
なんで!? と真昼が問いを投げかけると、あの場から逃げる際に人型から、黒猫の姿に変わっていたスリーピーアッシュが真昼の背中に掴まりながら答える。
「あ―――――・・・そんな好戦的な奴じゃないはずだけどなー・・・? まあ、人は変わるしな?」
どうなってんだよっ、と唸りながら走る真昼に、瑠璃は手を取られたまま走りながら、あの場から逃げる際に、一瞬、目にした御園の様子を思い返す。
椅子に腰かけながら、こちらの様子をじっと見極めようとするかのように見据えていた。
―――――多分、御園君はリリイを使って真昼君の事を試そうとしたのだろう。
―――――真昼君が、本当に主人としてスリーピーアッシュの力を手にするのに相応しいのか。
「血を飲みませんでしたねぇ。瑠璃さんの事をちゃんと庇ったのは、さすがだとは思いますが・・・・」
真昼たちがその場から逃げた後、追いかける事はせず、手にしていた鎌を消し去ったリリイは、あくまでも作戦とはいえ、瑠璃に危険が及びそうになったのを見て、項垂れている双子を慰めるようにそっと頭を撫でると、椅子に座ったまま無言の主人に視線を向け、静かに問いかけた。
「おそらく瑠璃さんは、こちらの真意には気づいていらっしゃるでしょうけれど。さて・・・御園。どうしましょう?」
17・5/19掲載
虎雪が仰天した様子で声を上げる。
騒然となった教室の中で、尚も構わず双子は黒猫を追い掛け回す。
「やかましい。これだから庶民の学校など来たくなかったんだ」
―――――そんな状況下で、唐突に教室の扉の方から聞こえてきた不遜な声。
一体誰がそんな事を言ったのかと、そちらに振り返ると、何処から持ってきたのか、学校の教室には不釣り合いな、小さな王冠の飾りに、赤と白の背面装飾に彩られたアンティーク風の椅子に、見知らぬ他校の少年が足を組んで腰掛けていたのだ。
右手で頬杖をつきながら、少年はねめつける様に真昼を見据えると、
「城田真昼。僕と一緒に来てもらう。イエス以外の返答は却下だ」
命令口調で少年が発した言葉に、し―――――ん・・・と教室内は静まり返った。
双子も動きを止めており、その隙を逃さず、黒猫が瑠璃の足元に走り寄ってきた。
そこで瑠璃が黒猫を抱き上げると、
「だっ・・・誰だよ、お前らは!? いきなり何・・・っ。つーかその変なイスなんだよ!?」
混乱した面持ちで名指しされた真昼が少年に向かって声を上げた。
「あのね、真昼君。彼は・・・」
「これだから、
そこで瑠璃が、少年が誰なのか真昼に伝えようとしたのだが、当人から目でそれを制されてしまう。
それから少年は椅子から立ち上がると、傍らに来ていた双子に、ただ一言。
「捕獲」と命じると、「瑠璃、貴様もネコを連れて一緒に来い」という言葉と共に右腕を掴んできたのだ。
そうして、そのまま教室の外に向かって踵を返したのだが―――――。
「―――――・・・怪我は完治しているようだな」
瑠璃の右手の平を、腕を掴んだ際に確認したのだろう、ぽつりと、小さな声で呟かれたその言葉は、瑠璃とその腕の中に居た黒猫以外に聴こえる事は無く。
「なっ・・・お前、瑠璃姉に何やって!?」
少年の行動を真昼が咎めるように声を上げたのだが、しかし、その時点で両サイドから双子にガシと取り押さえられてしまっており。
「・・・えっと、皆、お騒がせしちゃってごめんね。差し入れ、そこに置いてあるから、良かったら食べてね」
呆然としたままの真昼のクラスメイト達に、御園に腕を取られたまま、歩き出しながら苦笑を浮かべた瑠璃が肩越しに振り返って、机の上に置いたままだった袋を示すと。
それに続いて「ちょ・・・話聞け―――――!!」という真昼がまた、抗議の声を上げるも、それが聞き入れられる事は無く、そのまま双子に強制連行されることになってしまったのだ。
―――――それを呆気にとられた様子でクラスメイト達は見送ってしまったのだが。
「・・・瑠璃さんと真昼が拉致られちゃった・・・」
「キレーな顔の子だねー。あの制服ってたしか・・・」
ぽか―――ん・・・とした様子で虎雪が呟くと、真昼に鈴原さんのエプロンの修繕を頼んだ、快活そうな女子が、少年が着ていた制服に覚えがあったようで、え―――と・・・と記憶を手繰り出し。
「帝一瀬学園。お金持ちばっかりの進学校・・・」
思い出した彼女が学校名を上げると、「何?! 何?!」と、がたがたと音を立てながら机の下からようやく這い出してきた桜哉が、混乱した面持ちで、「まさか、瑠璃さんを巡っての三角関係なのか?!」と、ある意味当たらずとも遠からずの発言をしたのであった。
「どういうことだよコレ!?」
学校から双子に連行されて、黒塗りの外車の中に押し込まれた真昼は、走り出した車の中で、隣に座る少年に向かって再び食ってかかっていた。
「お前っ誰だよ!? もしかしてお前が〝オールオブラブ〟・・・」
矢継ぎ早に声を上げた真昼に、「やかましい奴だな」と少年が眉を顰めると、
「・・・あのね、真昼君。前に、少しだけ話したことがあったでしょう。他の真祖の主人のお家にお邪魔したって」
真昼の隣に座っていた瑠璃が口を開いた。
そのさらに隣には、双子の姿が在り、二人は瑠璃の膝の上に居た黒猫に興味津々のようで、自分たちの方に抱き寄せると「「ねこ―――ねこ―――」」と、黒猫の身体を撫でていた。
「あ!! じゃあ、もしかしてこいつが・・・?」
目を見開いた真昼に、「えぇ」と瑠璃は頷く。
そこで、少年がようやく自身の名を名乗ったのだ。
「有栖院御園。7番目のサーヴァンプ〝オールオブラブ〟の
「そ・・・っか。お前が瑠璃姉の言ってた
それによりやっと、少年―――――御園の正体が分かった為、ほっとした表情を真昼は浮かべると、「あのメール・・・迎えに来た・・・ってお前が・・・?」と呟き。
「よかった。同じ立場の奴に会えて・・・お前のサーヴァンプは・・・?」
は―――――と息を吐き出し、御園に問いかける。
この車内に、蝶の姿がない事から、おそらく彼は下位の双子に御園を任せて、共に来ることはしなかったのだろう。
〝オールオブラブ〟と面識のある瑠璃がそう考えていると、黒猫が双子から逃れて、隣の真昼の元に向かっていくのが目に入った。
「「あ―――――・・・・」」と残念そうな声を上げた双子を宥めるように瑠璃は頭を撫でる。
「・・・貴様。椿と対峙しても反撃ひとつできなかったらしいな」
自分の所に来た黒猫に真昼は構う事はせず、御園の返事を待っていると、窓側に視線を向けながら頬杖をついた御園が眉を顰めながら口を開いた。
「あぁ、瑠璃姉から少し訊いたけど、お前も椿を知って・・・」
目を瞬かせた真昼は御園が切り出してきた会話に答えようとしたのだが、御園はそれに対して、「はん、無様な」と呆れた様子で息を吐くと。
「貴様はサーヴァンプの使い方をまったくわかってない。―――――挙句に瑠璃に怪我まで負わせるとは」
睨みつけるようにしながら真昼にそう言ったのだ。
それに対して、真昼は返せる言葉がなく・・・・・。
瑠璃は、あれは自分の独断で動いたことで真昼君に非はないからと言ったのだが、御園がそれで納得する様子を見せなかった為。
何処となく、気まずい雰囲気のまま、有栖院の邸宅前の門を入った処で、肩に黒猫を乗せた状態で車から降りた真昼は、まず目に入った本館の建物を見て「・・・・・ここ、お前の家・・・!? お前、お金持ちの子・・・?!」と唖然とした表情で固まってしまった。
「・・・瑠璃姉、ここって・・・なんかデカいグループの会長の家だとかって話・・・どっかできいた・・・」
「―――――えぇ。私も最初、このお家を目にした時は、やっぱり同じように吃驚しちゃったから、いまの真昼君の気持ちは分かるわ」
呆然と立ち尽くす真昼に、瑠璃もまた微苦笑を浮かべ頷く。
そんな二人のやり取りを御園は一瞥すると、「・・・行くぞ」と、眉を顰めながら告げて、歩き出して行ってしまう。
そこで、瑠璃もまた「あ、ごめんね、御園君」と答えると、行きましょうと真昼を促して御園のあとを追いかけて行く。
「あ・・・あのさ、俺・・・吸血鬼のこといろいろききたくて・・・」
敷地内の手入れされた芝生の上を歩きながら、真昼がおずおずと御園に話しかけたのだが、部屋についてからにしろと断られてしまい。
本館とは別棟にあるという御園の部屋がある西館の建物―――――赤と白の二色カラーの中心に、有栖院家の家紋である王冠が施された扉―――――を目指して歩いていたのだが。
数分歩いたところで、ふいに御園が肩で息を吐きながら立ち止まってしまったのだ。
おろおろと双子が御園を見上げる。
眉根を寄せながら瑠璃は御園に尋ねかける。
「・・・御園君、大丈夫?」
―――――体が弱いとは聞いていたが、まさか少し歩くだけでも負担になってしまう程だったとは。
「・・・え!? 何? どうした・・・」
事情を知らない真昼もまた、気遣うように御園の肩に手を置こうとしたのだが、それに対して御園は「触るな」と拒絶の言葉を口にすると。
「・・・
すると、教室で一度目にした――――――小さな王冠の飾りに、赤と白の背面装飾に彩られたアンティーク風の椅子が御園の背後に出現し、
「はぁ・・・疲れた。少し待て・・・」
「また、そのイスっ・・・どこから出した!? つーかまだ車降りて5分も経ってねーよ!!」
その椅子に腰掛けると、また頬杖をつきながら、ふ―――――と息を吐き出し、呼吸を整えた御園に、訳が分からないと言った様子で、真昼が突っ込みをいれる。
<・・・御園は少々体が弱いんですよ。城田真昼くん>
と―――――ふいに、ふふ、という笑い声とともに声が聴こえてきた。
その声の主の姿を探して真昼は周囲に視線を彷徨わせると、ふと、御園の頭に視線を止め、眉を顰める。
「・・・・・え? 何それ・・・?」
ひらひらと、揺れながら御園の頭にとまっているそれ―――――黒い縁取りに、中心はピンク色。一見すると『リボン』に見えるがあれは・・・・・。
瑠璃もまた、御園の頭に視線を向けると、その存在に気づき、目を瞬かせると、思わずクスッと笑みを零してしまう。
「・・・? 何を見て―――・・・」
二人の視線を受けて、御園は怪訝そうに眉を顰める。
しかし、ふいに、はっとした表情を浮かべると、
「髪にとまるなといつも言ってるだろうが!! リリイ!!」
顔を赤らめながら、ばっと左手を振り上げ、そう叫んだのだ。
それにより御園の髪から離れていったその姿を見て「あっ蝶・・・!!」と真昼が納得した様子で声を上げたのだが―――――。
次の瞬間、ひらっと羽根を広げて飛んでいた蝶の姿はその場から消え、ふわぁと宙を舞うように現れたのは、ほぼ衣服を脱衣した状態の男の姿―――――。
「・・・はじめまして。よければひと肌脱ぎましょう・・・かっ」
それを見た真昼は、目を見開き、ドン引してしまう。
一方、蝶の姿でいたリリイの姿が消えた時点で、察しが付いてしまった瑠璃は、咄嗟に真昼の背後に隠れたのだが―――――。
それと同時に、真昼の肩の上から下りたスリーピーアッシュが、ポフと云う音とともに人型に戻ると、瑠璃の目を両手で覆ったのだ。
そして、当事者であるリリイはといえば、「脱ぐな変態!! キモイんだよ!!」と目を吊り上げ、怒号した御園から、先日対面した時と同じように、本を頭部に投げつけられていた。
「―――――・・・ありがとう、スリーピーアッシュ」
視界を覆っていた両手がそっと離れたのを感じ、ゆっくりと目を瞬かせる。
リリイのあの姿を直視することを免れた瑠璃は、それでも顔に熱が集まっているのを感じ、頬を赤らめながら、こちらを見下ろしてくる真紅の瞳を見上げて礼を言うと、
「・・・おぅ」
口を何故かへの字に曲げながらスリーピーアッシュはそれに応じてきたのだ。
―――――それは、まるで何かに対して拗ねているような・・・・・。
「―――――スリーピーアッシュ?」
「・・・向き合えねー」
けれど、その理由が分からず、困惑の表情を瑠璃が浮かべると、あの口癖をスリーピーアッシュは呟き、瑠璃の頭を軽く右手でポンと叩くと「・・・何でもねぇから気にするな」と言ってリリイの方に視線を向けていく。
本人にそう言われてしまっては、この場でそれ以上問うことは出来ないので、瑠璃も事の成り行きを見守る事にしてそちらに視線を向ける。
第一印象は大事だと思い、自分の一番いいところを見せようとしたのだというリリイに、「瑠璃にも言われたのだろう!! それなのにも拘らず、どうしてお前はそう脱ぎたがる!?」と御園は一気に捲し立てる。
それから、は―――――っ、と溜息を吐き、腰に手を当てると、御園は真昼の方に視線を向けて言った。
「・・・この脱ぎたがりが〝色欲〟の
「今の名はスノーリリイと申します。どうぞお気軽にリリイとお呼びっ」
自己紹介をしながら、またもやリリイが脱ごうとしたのだが、それに対して今度は背後から「脱ぐな」と御園はリリイの腰を肘で強打してそれを止めた。
「は・・・激しいですよ、御園・・・」
「・・・御園君も大変ね・・・」
いたた、腰が~~~と、呻くリリイよりも瑠璃は思わず、御園に対しての思いを口にしてしまう。
リリイのあれは、最早止めることが出来ない、脱ぎ癖?というものなのだろうか。
瑠璃が苦笑いを浮かべると、傍らのスリーピーアッシュが言った。
「変わってねーなーお前・・・」
「あなたもお元気そうで何よりです。瑠璃さんも、先日ぶりですね。手の怪我はもう大丈夫ですか?」
「えぇ。スリーピーアッシュに手当てをして貰って綺麗に完治してるから大丈夫よ」
肩越しに振り返ってきたリリイに瑠璃は、右手の平を見せながら笑みを浮かべて頷く。
「そうですか、それなら良かったです。では、さあどうぞ中へ」
するとリリイも微笑を浮かべて、建物の中へと誘ってきたのだ。
「今の名前はクロ・・・と仰るんですか。こうして顔を合せられて嬉しいですよ。何十年ぶりでしょうねぇ・・・」
感慨深げに話しながら、先に扉を開いて入室したリリイに、本館より規模は縮小されてはいるが、それでもやはり広い室内の様子に、でか―――――・・・と呆然としながら見回した真昼が呼び掛ける。
「あっ・・・あのリリイ・・・さん。この前は助けてくれてありがとう・・・」
「リリイで結構ですよ。真昼くん? 勝手ながらひと肌脱いでおきました」
真昼の言葉に、にこと、笑みを浮かべるとリリイは、上の服をすかさず脱ぎながら、そう告げてくる。
「脱ぐな。キモイから」
それに対して真昼は冷然とした面持ちで切り返す。
しかし、真昼の手厳しい対応に、リリイは気分を害した様子もなく、おや・・・と肩を竦めると、服装を直して話を続ける。
「あの手品師の時にも、実は後始末にひと肌脱いだんですよ? お聞きになったかもしれませんが、瑠璃さんにはその際に一度こちらに来て頂いて、少しお話をさせて頂きました」
「そうらしいな。・・・瑠璃姉の事も含めて、ありがとう。味方に会えてよかったよ。俺、教えて欲しいことが色々・・・」
わかんないことばっかりで・・・と、それに対して真昼も、そう言葉を返したのだが―――――。
「・・・まず、私のお願いから聞いて頂けますか? 私もタダで脱いだつもりはありませんから」
リリイのその言葉とともに、御園が入室を終えたところで、突如として、双子の手により、背後の扉がゴォンと云う音とともに閉ざされたのだ。
まるで、閉じこめられたかのような状況に「・・・え?」と真昼が困惑の表情で背後を振り返る。
「・・・リリイ?」
瑠璃もまたその言葉の意図が分からず、眉を顰めながらリリイを見つめると、人型だったその姿は掻き消えていき、蝶の姿に変わってしまう。
「―――――リリイ」
制服の詰襟を、ぐいと右手で広げて首筋を曝した御園が、蝶の姿になった真祖の名を呼ぶ。
御園の首筋に蝶が止まった刹那、吸血を終えたリリイの姿が現れる。
口元に垂れた血をリリイが舌で舐めとると、いつの間にかそこに在った、あのアンティーク風の椅子に腰かけた御園とリリイの間に、下僕の吸血鬼の証である鎖が出現する。
「・・・城田真昼。その猫を僕によこせ。それから、瑠璃はこちら側に来い。イエス以外の返答は却下だ」
そう言った御園の傍らに立つリリイの手に、巨大な鎌が具現化する。
それから次の瞬間、トッと一歩前に出たリリイが手にしたその鎌をこちら目掛けて振りかざしてきたのだ。
「・・・っ瑠璃!!」
ぐい、とスリーピーアッシュに腕を引かれると同時に、頭から抱え込まれ、共に姿勢を低くする。
「・・・は? ・・・ッ!!? 鎌・・・!?」
その隣に居た真昼も、反射的に身を低くしたおかげで、無事だったのだが、視線を上げれば、はら・・・と僅かに欠けた壁面が、こちらに崩れ落ちてくる。突如として、頭上擦れ擦れに行われたその攻撃に、理解が及ばず顔を蒼白にしながら、息を呑み、愕然と声を上げた真昼に、リリイが悠然とした口調で言う。
「できれば私も平和的な手段でいきたいんです。私たちの〝お願い〟きいていただけますよ・・・・・・ね♥」
そうして、笑みを浮かべながら、言葉とは裏腹に、リリイはまたこちらに向かって鎌の斬撃を放ってきたのだ。
「ちょ・・・えええええ!?」
それを見た真昼は慌てて身を翻すと、「瑠璃姉っ!! 手出して!!」そういうや否や、瑠璃の手を掴んで、全速力で走りだす。
「おいクロっ。リリイはお前の兄弟だろ!? 」
なんで!? と真昼が問いを投げかけると、あの場から逃げる際に人型から、黒猫の姿に変わっていたスリーピーアッシュが真昼の背中に掴まりながら答える。
「あ―――――・・・そんな好戦的な奴じゃないはずだけどなー・・・? まあ、人は変わるしな?」
どうなってんだよっ、と唸りながら走る真昼に、瑠璃は手を取られたまま走りながら、あの場から逃げる際に、一瞬、目にした御園の様子を思い返す。
椅子に腰かけながら、こちらの様子をじっと見極めようとするかのように見据えていた。
―――――多分、御園君はリリイを使って真昼君の事を試そうとしたのだろう。
―――――真昼君が、本当に主人としてスリーピーアッシュの力を手にするのに相応しいのか。
「血を飲みませんでしたねぇ。瑠璃さんの事をちゃんと庇ったのは、さすがだとは思いますが・・・・」
真昼たちがその場から逃げた後、追いかける事はせず、手にしていた鎌を消し去ったリリイは、あくまでも作戦とはいえ、瑠璃に危険が及びそうになったのを見て、項垂れている双子を慰めるようにそっと頭を撫でると、椅子に座ったまま無言の主人に視線を向け、静かに問いかけた。
「おそらく瑠璃さんは、こちらの真意には気づいていらっしゃるでしょうけれど。さて・・・御園。どうしましょう?」
17・5/19掲載
