DFF劇場。

コスモス「…というわけで、椿姫をやりたいと思います。」


オニオン「順序とか何もかもぶっ飛ばした説明だけど、一応聞いておくよ。どうしたのさ、コスモス、急に。」


コスモス「うふふ…誰にものを言ってるのかしら?言葉を慎みなさい。」


クラウド「あんた、それでも本当に女神か?」


ティーダ「ってか、どこぞのバット女神とキャラがかぶってるっすねー」


コスモス「その苦情は貧相な文才しかない上に貧相な胸のへっぽこ作者に言いなさい。
いいから、椿姫をやりますよ。」


オニオン「だーかーらー、なんで急にオペラなのさー」


コスモス「『童話パロは数あれど、オペラパロってなくね?うっはww俺、超天才ww』…とかほざいていましたよ。」


オニオン「VIPPERかよ。」




コスモス「じゃあ、キャストをきめましょう。
ってか、考えんのめんどーだからーあとはーテキトーにしてってかんじー」


スコール「言いだしたのはあんただろうが。」


バッツ「ちょっと待ってくれよ!俺、椿姫って話知らないんだけど!?」


WOL「無知とは恥だな。」


バッツ「こいつ殴っていい?」

WOL「話がまとまりそうにないので私が配役を決めた。みんな、これに従うように。」


ジタン「おっ、仕事はえーじゃん。どれどれー…」



ヴィオレッタ…ティナたん

フローラ…ねぎ(=オニオン)

アンソニーニ…ちび猿(=ジタン)

アルフレッド…輝くように眩しくかつクールな私(=WOL)

ジョルジュ…ぼっち(=スコール)

子爵ガストン…ニート(=バッツ)

男爵ドゥフォール…中二病(=クラウド)

侯爵ドビニー…のばらどーてー(=フリオニール)

医師グランヴィル…ブラコン(=セシル)



WOL「フフフ!どうだ完璧だろう!!」


一同「………。」


フリオニール「…前から思ってはいたが、お前、バカだろ?」


WOL「ど〇〇いに言われたくわないな。」


フリオニール「黙れ、ムッツリ。」



ティナ「ねえ…」


オニオン「ん、どうしたの?ティナ?」


ティナ「ヴィオレッタの横に“高級娼婦”って書いてあるんだけど…娼婦ってなにかしら…?」


WOL「はあ…はあ…それはだなティナ君…はあ…はあー」


ティナ「……(ニコッ)」

ジタン「はあ…よこしまな奴に任せてらんねーぜ…よし!俺に任せろ!!」


スコール「大丈夫なのか?」


ジタン「劇団タンタラスをなめるなよー…どれっと…」


セシル「そう言えば、ジタンは劇団員だったよね。」


ティーダ「ってか、さっきの役割だと俺、いなかったよな?」


ジタン「それも考えたから大丈夫だって!……っと、そーいやライトの奴はどうしたんだ?」


フリオニール「『フッ…メテオとは…そうかティナ君…。どおりで体が暑いわけだ。よーし、お兄ちゃん頑張っちゃうぞ!』…とかいう声が聞こえたが…」


クラウド「それ、普通にマズイだろ…」


フリオニール「その後すぐに『バニシュ!デス!!』…とティナが叫んでいたから大丈夫だと…おっ、ティナ、お帰り。」


ティナ「ただいま、みんな。」


オニオン「お帰り!大丈夫!?何かされなかった!?」


ティナ「うん、大丈夫。みんなが頑張ってるんだもの…私も頑張らなきゃ。」


ティーダ「すんげーいい笑顔だけど、返り血浴びながら言う台詞じゃないッスね。
ってか、ティナ、その手に持ってる剣どうしたんッスかー?」


ティナ「そこのお墓に刺さっていたから、あの変態をぶっ刺すのに引っ込抜いたの。
引っ込抜いたときに『愛について…何かわかったかい?』…とか抜かす奴が埋まっていたけど、変態と一緒に刺しちゃった。」

ジタン「よーし!できたぜ!」


バッツ「さすが、ジタンだな!どれどれー?」



ヴィオレッタ…クラウド

フローラ…オニオン

アンソニーニ…ティナ

アルフレッド…WOL

ジョルジュ…スコール

子爵ガストン…バッツ

男爵ドゥフォール…フリオニール

侯爵ドビニー…セシル

医師グランヴィル…ジタン

ナレーター…ティーダ




スコール「…まあ、妥当だな。」


セシル「うん、僕もこれでいいと思うよ。」


ティーダ「ナレーションかぁ…本編のモノローグで慣れてるから…まっ、いっか。」


クラウド「…ちょっと待て。」 


ジタン「ん?どうしたんだ?」


クラウド「どうして俺が女のしかも娼婦役で、恋人役があの変態勇者なんだ?」


ジタン「んじゃークラウド、逆に聞くが、娼婦の“しょ”の字も知らないようなレディをあの変態勇者に任せていいっていうのかよ?」


クラウド「…グッ…それは…」


WOL「…フフ…そうだな。何も知らないティナ君を手取り足とり……」


クラウド「お前、頭にボウフラいると思うから病院に行ったほうがいいと思うぞ。そして、死ね。」

フリオニール「ようやく役が決定したわけだが、早速衣装を持ってきた。
みんなこれを着てくれ。」


オニオン「早ッ!?これどうしたの!?」


コスモス「それは私が用意しました。」


ティーダ「さすが、コスモスっすね!」


コスモス「ええ、ファッションセンターしま〇らで。」


ティーダ「安!?」


コスモス「し〇むらをあなどってはなりません。セ〇ルなどの型番違いが時々流れてくることもあるのですよ?」


ティーダ「それ、マジ?」(※マジです。)



オニオン「あー…なんで僕が女役なんかやらなきゃいけないんだろー…」


ティナ「フフ…とっても似合ってるよ。」


オニオン「ティ、ティナ…!?…っていうか、クラウドー…」


クラウド「なんだ?」


オニオン「君、異様に慣れてない?なんか、三つ編みウィッグ付けてるし、香水の香りするしー…」


クラウド「ああ、これは…」


コスモス「当たり前ですよ。クラウドは歓楽街で世の中の荒波に揉まれましたから。」


クラウド「急にあらわれて何を言ってるんだ?あんた?」 


コスモス「ふふ…あんまりなめた口を聞いているとコンクリ詰めにして真冬のベーリング海に沈めますよ?
……そう言えば、クラウド?いい加減にティファさんにパンツを返したのかしら?
ティファさん怒っていらっしゃいましたよ。」


クラウド「ちょっとォオオオ!?お前何知ってんのォオオオ!?」


ティナ「クラウド…あなたも変態なの…?」


クラウド「違ッ!?」


コスモス「あと、エアリスさんも花代10000ギル耳をそろえて払えと言っていましたよ。」


クラウド「あいつ、1ギルって言ったよな!1ギルって!」


コスモス「手違いで0が4つ消えていたそうですよ。」



スコール「…でっ、いつ劇が始まるんだ?」


セシル「さあ…」

ティーダ「さあーて!いよいよ『椿姫』始まるっすよ!」


コスモス「何度も言いますが、まともなキャラは私を抜かしていませんので、原作の世界観を大事にされている方は注意してくださいね。」


ティーダ「…正直、あんたも相当…」


コスモス「…フフ…文字通り『最“期”かもしれないだろ…?』にならないようにしてくださいね。」


ティーダ「……。」


コスモス「…何か?」


ティーダ「デ、ディシディア的椿姫第一幕開幕っス!!」






ティーダ「うーーんと、これを読んでいけばいいんだよな?」


…ここは、18世紀のパリ郊外。
パンツ泥棒と高級娼婦の二足のわらじを見事に履きこなすクラウドの豪華なサロ…


クラウド「ちょっと待て。」

ティーダ「なーんっすか、クラウド?もう劇始まってるっすよ?」


クラウド「…その紹介の仕方、止めてくれないか?」


ティーダ「いや、だって台本にそう書いてあるし…」


コスモス「何を今更恥ずかしがっているのです?
ガチムチのお兄様達と同じ釜の飯どころか、熱い夜を過ごしたあなたが。」


クラウド「だから、お前何知ってんの!?」


コスモス「だって、女神ですもの。
それに大体合ってるじゃないですか?」


クラウド「……。」


ティーダ「…あの…その…クラウド…俺さ気付いてあげられなくて…その……」 


クラウド「その腫物触るような扱い…よしてくれ…マジで。」 


WOL「ティーダ…そんな態度はクラウドを追い詰めるだけだ。
我々は仲間ではないか。もっと仲間の性癖を信じてやれ。
大体、クラウド達のパーティは美人揃いだったと聞いている。死ねばいいのに。」


クラウド「どさくさに紛れて何言ってるんだ?
ってか、お前本当に勇者か?」


ティーダ「ってか、あんたの役の出番はまだ先なんっすけど…」


WOL「…まあ、巨乳や美乳も捨てがたいが、私はやはり…自己主張のあまりしていない………それにただの裸体では萌えなry…」


ティーダ「何、この変態。怖い。」

ティーダ「…気を取り直して進めるっすよ。」


今宵、クラウドが開く舞踏会にはアバンチュールを楽しむ候爵や子爵やら金持ちやら…一言で言うなら人生の勝ち組連中がぞろぞろ来ています。


候爵セシル「ごめんクラウド、遅くなった。」


クラウド「…そいつは?」


候爵セシル「ああ、この子かい?
ルーネスっていうんだ。この子の店に寄っていたから遅れたんだよ。」


オニオン「…この格好…歩きづらいよ…なんかスースーするし…
どうして僕がこんなことやらなきゃいけないのさ…ティナもいるのに…」 


候爵セシル「ん?そうかい?僕はよく似合ってると思うけどな?」


オニオン「セシルはいいよな、男役で…
…そんな勝ち組のセシルに僕の気持ちなんてわからないよ…わかるわけないじゃんか!」 


候爵セシル「……ああ、そうさ…そうだよ…他人の気持ちなんてわかるわけないだろ?言ってくれなきゃわからないんだ。
…それなのに、あのガリ野郎…横恋慕したあげく一回どころか二回も裏切りやがって!!
二回目とか学習しろよ!!
馬鹿なの、馬鹿なの?
だから、知性が5しかないんだよ!!」


オニオン「ちょっ…セシル…急にどうしたの…」


クラウド「…セシルにもつらいことがあったんだ。…そっとしてやれ…」


候爵セシル「あの世で僕にわび続けるべきだと思うんだ。」


オニオン「…殺ったの?」


ティーダ「なんというストレイボウ。……ってか、元ネタ知ってる人少ないっすよね?」

クラウド「…セシルもキャラ崩壊…」


ティーダ「…ほら、主役頑張るっすよ…気持ちは分かるけど…」



うーんと…今日の舞踏会には一際目立つ新顔がおりました。
何が目立って…タキシードに兜…馬鹿かあいつ?いや…実際馬鹿っすね。





子爵バッツ「だから、お前さー…ここどこだか知ってる?
いい加減頭のバッファローマン取れよ。」 


WOL「兜は私のアイデンティティーだ。
そもそもこんなにクールで素晴らしい私の格好のどこに不満がある、バッツ?」


子爵バッツ「それ…さすがにネタだよな?ネタじゃなかったら俺、マジ引くぞ。
…まっ、いっか。そーいや、お前ここに来るのは初めてだよな?」



WOL「そうだな。」



プロバンスの富豪の子息WOL。
子爵バッツに連れられて初めてクラウドが開くサロンにやってきました。……こなけりゃいいのになー… 



子爵バッツ「じゃあ、俺が紹介するな。
この骨太なおなごもとい重傷中二病患者がここの主人のクラウドだ。仲良くしろよ。」 


WOL「…お前も何げに酷いのな…。
ムッ……!?あ、あなたは……!!」


女中ティナ「えっ…?」



WOL「はぁはぁ…ティナ君が女中……ティナ君、聞いてくれたまえ!!
『杯を上げて楽しくやりましょう。美しい花が咲く杯に、愛を呼ぶあなたに!』」


子爵バッツ「…おい、アリア歌う相手間違ってないか?」


クラウド「…そういえば、あいつ楽屋で『ティナ君の女中姿…女中…フッ…』…とか言って鼻の穴広げてたぞ。」


ティーダ「…本能に忠実的っすね。」


子爵バッツ「あーあ…メテオで舞台に穴開くよ…
…ほら、開いた。」


ティーダ「取り敢えずさ、進めないと女神怖いからテキトーにクラウドもアリア歌っちゃってくれよ。」


クラウド「…テキトーというよりずさんだな。」


オニオン「仕方ないよ。だって管理人自体がずさんだから。」


WOL「…はあはあ…ティナ君待ってくれ!貧乳な君に私は…!!」


女中ティナ「ええい!よるなこの変態!!」


クラウド「…頭が痛い。口の中がカラカラだ……」

コスモス「随分と間が空いたわね。」


ティーダ「仕方ないっすよ。あの作者馬鹿だから。」


コスモス「あら、ダメですよ?人に対してそのような事を軽々しく口にしては。」


ティーダ「へっ?」


コスモス「“血祭り”にあげてやる…ぐらいいってやらないと。」


ティーダ「それ、どこのブロリー?」(※ブロリー=伝説のスーパーサイヤ人)




続・椿姫




クラウド「なあ…これ、俺が言うのか?」


バッツ「あったり前だろ?ってか、早く歌えよ。ティナが可哀想だぞ?」


セシル「それに、第一幕のアリアは椿姫の中でも重要なアリアだからね。」


オニオン「クラウド!早くしてよ!ティナが…、ティナがあの変態に!!変態に!!!」


ティナ「テメェエエエエエ!!くるんじゃねぇエエエエエ!!」


クラウド「…ティナってこんな性格だったか?」


バッツ「…あいつ相手にだけじゃないか?そういう性格になるの。」


WOL「何!?それはまことか!!」


バッツ「うわッ!?何だよ、いきなり!?って、近い近い!!鼻の穴広げて近づくのやめろって!!」


WOL「そうか…ティナ君にとって私は特別な存在なののだな。
…フッ…ティナ君、安心したまえ、…なぜなら君も私にとって特別な存ざry…


ティナ「メルトン、メルトン、メルトン……」

不思議…不思議だわ、あの言葉に、今まで知らなかったこの喜び、病身の私に愛を呼び覚ます、あの人が…

馬鹿らしい、馬鹿らしい。花から花へと渡る私なんかに一人だけの愛なんて戯言だわ。
砂漠のようなパリで見捨てられ、何を望むの?
快楽にふけるのよ…そして死ぬの…





クラウド「はぁ…これでいいのか?…」


バッツ「おおー、よく歌い切ったなー。声ヤバいけど。」


クラウド「ソプラノ歌手のアリアを歌う時点で自殺行為だろうが…」


オニオン「夜の女王のアリア(=魔笛というオペラで使用される)よりはマシでしょ?」


クラウド「…殺す気か?」


セシル「…ところで、あの変態は?」


WOL「すまん…クラウド。君の気持ちはうれしい。
…が、残念なことにここは腐った方々ご用達のサイトではない。
それに、君にはあの…ブフッ…イカがいるではないか。
…ブハハハッ…頑張りたまえ。」


クラウド「こいつ斬っていい?」


コスモス「二人ともお止めなさい!みっともない!
これは歌劇なのですよ!」


セシル「…コスモスが…」


オニオン「…まともな事言ってる…」


コスモス「それに、よく考えてみなさい。
クラウドはパンツ泥棒をしているのですよ?正常な性癖の持ち主ではないですか…
それをBLなどと…
クラウドだって、あのイカレポンチなんかよりも巨乳美人や華奢美人とたわむれたいに決まってるじゃないですか。」


WOL「フフフッ…そうか、クラウド…そうなのか…」


クラウド「!?」


WOL「フハハハハッ!リア充は消えるがいい!!走れ、光よ!!」

ティーダ「…舞台、滅茶苦茶っすけど続ける?」


セシル「…しかないみたいだね。」


オニオン「ってか、このオペラあと何幕?」


クラウド「…二幕…」


ティーダ「まあ、ぐだぐだ言っても終わらないし、さっさと続き行くッスよ!」


クラウド「…他人事だと思って…」


ティーダ「だって、他人事だもん。」


クラウド「……。」






椿姫・第二幕





ここは、パリ郊外の片田舎。
クラウドとWOLの(違う意味で)運命的な出会いから三ヶ月。

WOLとの間に(設定上)幸せを見いだしたクラウドは女中のティナだけを供に、今までの快楽の生活を捨てて、愛し合う二人だけの楽しい生活を送っ…ry…



WOL「…笑止!!貧乳の良さが分からぬとは…!
私から言わせてもらえば貧乳の魅力が分からぬ方が悲劇!!
貧乳は最高の…いや、神が与えたもうた至高の芸術!
ああ…ティナ君…!想像するだけでムラムラモンモ…」


ティナ「…(にこっ)」


クラウド「ティナ!それ首!首絞まってる!!」


ティーダ「じゃ、ナレーションの役割終わり!また必要になったら来るッス!
頑張れ!」


クラウド「この状況をさらっと無視ですか?そうですか。」


WOL「HAHAHA☆まったく、ティナ君は過激だな!よし、お兄さん頑張っちゃう…」


クラウド「…ほっといてもいいか?」

ティーダ「しっかし、あの管理人終わらせる気あるんっすかねー?」


コスモス「あの阿呆に何を言っても無駄ですよ。だって阿呆なんですから。
それよりさっさと劇を始めなさいな。
このまま『俺達の戦いは…まだ…続く!!…~へっぽこ先生の次回作にご期待下さい!!』
…にするわけにもいかないでしょう?」


ティーダ「努力・友情・勝利っすか?」


コスモス「正直、アンケート至上主義や引き伸ばし体制には憤りを覚えて仕方がありません。」


ティーダ「そういう苦情は集〇社に言えっての。
っつうことで、椿姫の続きはじまりはじまりー。」






パリ郊外の田舎でWOLの(名目上)若奥様として暮らすクラウド。

今日も今日とて、この館は『ティナくん…はぁはぁ…』『フラッド!!』という声から始まる素晴らしく爽やかではない朝を迎えるのでした。



クラウド「すまない…ティナ。」


ティナ「…え?どうしたの、クラウド?」


クラウド「いや…あんな変態と一緒で…その…辛いだろう?」


ティナ「うん(即答)。でも、頑張らなきゃ…でしょう?」


クラウド「ティナ…」


ティナ「それに、私…まだ“愛”を知らないから。
だから色々な事…もっともっと知りたいの。」


クラウド「ティ…ry…」


WOL「ティナ君!!そんなにも私の事を…!!
『もう三ヶ月も過ぎた!
私のティナは、華やいだサロンも、富も、名声さえも捨て。
私だけを愛してくれる!!私は天国にいるようだ!!』
…ちなみにここで言う天国とは神や仏のいる場所という意味ではなく女性のu…ry」


ガッコン!!(穴に落ちるWOL)


コスモス「下品。」

ティナ「ねえ、クラウド?あの変態、急に消えちゃったけど何を言おうとしていたのかしら?」


クラウド「さあな。…頭の中にわいてるボウフラが成虫にでもなったんじゃないか?」




高級娼婦として生きてきたクラウドにとって、WOLとの生活はとても(悪い意味で)刺激的で、(物理的に)眩しいものでした。

しかし、現実は厳しいもの。クラウドはWOLとの愛の生活のために内緒で、今まで自分が築いてきた全財産を処分し生活費に当てていたのです!!

何というヒモ男。どこから見てもDQNです。本当にありがとうございました。

しかし、それはやがて恋人WOLの知るところとなってしまいます。




WOL「なぜ、こんなにも眩しくかつクールな私が働かねばならぬのだ!!
否、断じて否!そのようなことをする必要はない!!」


ティナ「いいから働けよ。このごく潰し。」


WOL「フッ…知らないのか、ティナ君。そのような言葉をいくら並べたとて我々の業界ではむしろご褒美だ。」


クラウド「サイテーだな。お前。」


WOL「ランジェリーマニアの貴様にだけは言われたくないな。
…まあ、分からなくもないが…私はチラリズム派なのでな。」


ティナ「…もういや…モブリスの村に帰りたい…。」


WOL「何!?すまない、ティナ君…。
今までの非礼を詫びよう。…クラウドが。」


クラウド「さりげなく、人に罪をなすり付けるんじゃねーよ。」


WOL「フッ…知っているか、クラウド?『蜘蛛の糸』だ。」


クラウド「…は?くものいとぉ?」


WOL「地獄に落ちた罪人の話だ。
その男は生前、様々な悪業を行ってきた。
しかし、1つだけ善い行いをしていたために、神はその男を地獄から助けようと天国から蜘蛛の糸を垂らしたのだ。」


クラウド「…でっ?」


WOL「勿論、男は蜘蛛の糸を掴んで上ろうとした。しかし、地獄の他の罪人たちもこぞって蜘蛛の糸にしがみ付いてきたのだ。
だが、しょせん蜘蛛の糸。そんなにしがみ付いては切れてしまう。」


クラウド「それで?男はどうなった?」


WOL「それはつまり…こういうことだ!!落ちろ!クラウド!!
私の変わりに変態という称号をかぶってティナ君に嫌われるが言い!!」


ティナ「大丈夫よ。私、あなたのこと大嫌いだから。
英語だったらest付けるぐらいに嫌いだから。」

さて、愛するクラウドが自分のために私財を投げ売っていると知ったWOLは女中であるティナに口止めをし、クラウドの財産を取り戻す金策のためにパリへと向かいました。


ん?前回と違くないか?

どうやらあの後、徹底的に話し合いをしたそうっすよ。そう、徹底的に。




クラウド「やっと、あのバカがいなくなった…」


ティナ「お疲れさま、クラウド。そうだ、おいしい紅茶をルーネスから貰っていたの。今、入れるね。」


クラウド「すまない。」



とても穏やかな昼下がり。

そんなクラウド達の姿を柔らかな初夏の太陽が優しく照らしていました。


しかし!!!



下男???「くっ!!誰かいないのか!!くそっ!高貴な私が下男の役など!!
おい、返事をしろ!!しろといっている!!…うっ…くっ…誰かかまって…グスッ…」


ティナ「あれ?…あなた…たしか…」


下男???「むっ!!お前は!…フフフッ…そうか、私のもとで使える気になったのだな?そうだ、そうに違いない!!
ならばそう言えばよいのもを!」


ティナ「うっせーぞ。黙れ、ウボァ。」


下男ウボァ「ちょ…ウボァって何それ!?私の名前はウボァではなく、マティウ…
って、役名ウボァになっているではないか!!」



クラウド「…平穏な日ってなんなんだろうな…」

クラウド「しっかし、何でお前が出て来るんだ?お前、カオス側だろう?」


下男ウボァ「それは私が聞きたいくらいだ!
この高貴な私がせっかく日課である『のばらと言って3時間以内に見つからなかったら神』スレを楽しんでいたというのに!!」


クラウド「いきなり何言ってんだ、お前?」


下男ウボァ「しかし、お前のところのスレなんとしてくれぬか?正直見苦しいぞ。」


クラウド「いや、だから何言ってるんだ?」


下男ウボァ「腐った方々は…まあ、もはや大事な固定客であろう…それは仕方がない。大人の事情というものだ。
しかし、ニッカーはいかんぞ、ニッカーは。」


クラウド「誰だよ、ニッカーって?」


下男ウボァ「FFドラクエ板で親しまれている方々だ。朝もはよから夜も遅くまで見えない敵と戦っていらっしゃる。
それ以前に、7関連は無駄に火種が多いぞ。」


クラウド「それ俺のせいか?」


下男ウボァ「それに比べて2のスレを見てみろ。
主人公の童帝疑惑をはじめガイの〇〇フェチ説からマリアとレオンハルトの〇〇疑惑まで幅広く網羅している一年中平和なスレだ。』

クラウド「話が進みそうもないから単刀直入に聞くぞ。
だからお前、何しに来たんだよ。」


下男ウボァ「…お前達の仲間の玉葱からお前宛てに手紙を預かってきた。」


ティナ「ルーネスから?」


クラウド「…かせ。」



Dear クラウドww

クラウド「……間違ってないか?特に語尾。」


ティナ「…続きは?」



クラウドこの変態どうにかしてよ!

『こ…これがティナ君が使っていた紅茶カップ…はあはあ』とかうるさry…



ビリビリビリィイイイイ!!!(手紙を破る音)


ティナ「ふぅ…」


下男ウボァ「お前も大変だな…」


クラウド「あ…あいつ何してるんだよ…」


下男ウボァ「光のくせにカオスよりカオスだな…。
まあ、いい。
では、私は帰るとしよう。スレの住人が待っているのでな。
いくぞ、ティn…ry…」


ドガンッ!!


ティナ「あっ…いつもの癖でメテオを…!!だ、大丈夫ですか!?」

下男が持ってきた手紙。それはパリのルーネスからの仮装舞踏会への招待状でした。

クラウドの事を心配しているルーネスは、せめての気晴らしにと友人であるクラウドを招待したのです。そういう事にしてくれッス。(話が進まないので)


しかし、以前の生活に戻る気はクラウドにはありませんでした。

むしろ、ものすごく激しい頭痛の種が待っているであろうパリに行くなど愚の骨頂。

例えるなら自分からホイホイと北の大空洞へ行くようなもの。

今度は上半身裸で培養液に浸かる恥ずかしい触角男はいないかも知れませんが、それの斜め上をすっ飛んでいく変態紳士が待っているに違いありません。

もし会おうものなら、下手すれば仲間と間違えられ豚箱にぶち込まれ仲良く臭い飯を食うことになるかもしれないのです。


そんなこんなで返事も書かず机に放置されるルーネスからの手紙。

今のクラウドにとっては赤紙以外の何物でもありません。




そんなクラウドの元へ一人の紳士がやってきます。



???「ここか…おい、誰かいないか?」


ティナ「あら?」


???「すまないが、ここの主人に話がある。通してくれないか?」

ティナ「ちょっと待ってね、スコール。クラウドーお客さんよー」


この男はプロバンスの富豪・スコール。

何を隠そう今をときめくみんなのアイドル(自称)のWOLの父親です。



クラウド「でっ?あの馬鹿の親が何の用だ?」


初対面にも関わらずクラウドの態度は不躾です。二人の間に重い空気が流れます。

しばらくじっと黙っていたスコールですが、ついに重い口を開きます…


スコール「その、あのだな。あの馬鹿息子のことなんだが…」


クラウド「お引き取りください。」


スコール「はっ?」


クラウド「早くあの馬鹿を引き取ってくれ!
もうこっちはボロボロなんだよ!
分かるか!?夜になるたびに『ティナ君…ダメだ!…私たちはまだ…!くう…』って耳元で騒がれる俺の気持ちがお前に分かるか!?
そんなのもうたくさんだ!」


スコール「い…いや!!それは困る!むしろこのまま預かってくれ!
妹娘のエル姉ちゃんの縁談が差し迫ってるんだ!!」


今まで無愛想でしかめっ面をしていたスコールですが、クラウドの言葉を受けて自分も態度を急変させます。

ちなみに椿姫の原作では、自分の息子と元娼婦の娘を別れさせるためにあらわれる父親ですがここでは一切無視をします。


妹娘なのにエル姉ちゃんって何だよ。…とは言わないお約束。

世界がかわってもシスコンは健在です。






さあ、スコール必死超必死。

何としてもWOLをここに繋いでおこうと超必死。


スコールの頭の中では、エル姉ちゃん>>ガンブレード>>のり(食べれない方)>サイファー>>【オメガの壁】>>WOL
…となっているのでそりゃそうです。


スコール「お前達は神の祝福なく結ばれた。がっ、きっと幸せになれる!いや、幸せとは自ら掴み取るもののはずだ!」


クラウド「全く重みを感じないのは気のせいか?」


むしろ、ペラペラっすね。


クラウド「…話しにならんな。行くぞ、ティナ。やってられん。」

こうして泣く泣く(?)WOLと別れることを決めたクラウドはティナを連れてこの家を出ていきました。

しかし、皆知らなかったのです。この先、クラウドの身に降り掛かる悲しい運命など…

オニオン「まっさかクラウド達がここに来るとは思わなかったよ。
手紙出しても返事なかったからさ。てっきり、変態がパリにいるから来ないかと思ってたのに。」


クラウド「ああ、それは…」


パリ郊外の片田舎からパリへ戻ってきたクラウドは友人であるルーネス家の豪華な屋敷に来ています。 

さて、なぜクラウドがここにいるかというと答えは単純明快

クラウド「WOLと別れた。」(一方的に)


まあ、別れたところでWOLがパリ市街に潜伏(@クラウド談)していればここに来ることはなかったのですが、風の噂によれば自分達とは入れ違いでWOLは片田舎に帰ったとのことで…

つまり、クラウドからすればパリを大手を振って歩けるわけです。

たとえ、道のあちこちに馬の〇〇こが落ちていようが、窓からバケツで人の〇ん〇が捨てられていようが、う〇〇の臭い消しの為に貴族が香水バンバン使ってようが、今のクラウドにとっては桃源郷以外の何物でもないのです。

…そう言えば、香水の匂い成分の中には牛のう〇〇の臭い成分が含まれているのもあるとかないとかって話っすよ。



オニオン「まあ、僕から言わせてもらうとどうして今までそうしなかったの?って話だけど…」


クラウド「アイツの相手をしてそこまで頭が回ると思うか?アイツ、頭の中にボウフラ飼ってるんだぞ?」


オニオン「…クラウドも大変なんだね…まあ、いいや!せっかく来たんだしティナと一緒に楽しんでいってよ!
今日は君のパトロンだったフリオニールも来てるしさ。
おーい、フリオー!クラウドがあの変態と別れたってさー!!」


侯爵セシルの世話を受けているルーネスは、今宵も男爵やら子爵やらの勝ち組連中を集めて仮装舞踏会を催しています。

その中には娼婦時代のクラウドのパトロンであった男爵・フリオニールの姿もありました。


男爵フリオ「久しぶりだなー、クラウド!…お前、やつれたか?」

水を被っても激しい斬り合いでも崩れた事がなかったクラウドアンテナ(=頭のトンガリ)がへにょっと下がっている様子にフリオも驚きを隠せません。


男爵フリオ「ティナも大変だったろ?でも、あの変態もいないし楽しめよな!」


クラウド「ああ、ありがとうフリオニール。」

一方その頃…


WOL「何!?クラウドがティナ君を連れてパリに戻っただと!?
何故、止めなかったのだ、スコール!!」


スコール「正直、今まで逃げなかったのが不思議なくらいだぞ。ホラ、手紙だ。」


ところ変わってパリ郊外の片田舎。行き違いで帰ってきたWOLを待っていたのは悲しい現実でした。(ヒント→ティナがいない)

ショックで打ちしがれるWOLに父親であるスコールは一枚の紙を手渡します。

それは100均でよく売っているぺらい紙質のそれとよく似ていて、それだけでWOLに対する気持ちが伝わってきますね。

手紙を受け取ったWOLはさっそく手紙を広げます。その紙には…たった一言…


死ね。

スコール「…お前、本当に大丈夫か?…もういい、戻ってこい。
お前がいない方がいいと思っていたが、これ以上お前を野放しにしていたら逆にエル姉ちゃんも叩かれかねない。」


さすがに父親であるスコールも色々心配になってきました。ここでのポイントは氏ねではなく“死ね”であるところっす。


WOL「フフフッ!そうか、そうだったのか!危うく騙されるところだった!」


スコール「はっ?」


WOL「つまり死ねとは隠語なのだ!死ね…つまりローマ字でShine…英語で読めば輝き…!
つまり本当の意味は光り輝くあなたを愛しています!なのだ!!」


スコール「お前のような才能ってどこで生かされるんだろうな。」


WOL「…ムッ!?しかし、これは…!仮装舞踏会の招待状…!?
…許さんぞ、クラウド!!私のティナ君をそのようなふしだらでいかがわしい場所へ連れていくなど…!!
こうしてはいられない!さらばだ!!」


スコール「…何なんだよ…アイツ…」

さて、またまた変わってルーネスの屋敷。

ルーネスの屋敷で開かれる仮装舞踏会はそれはそれは豪華でジプシーの踊りや闘牛士によるパフォーマンスが次々と行われ、人々は楽しく余興を興じていました。

もちろん、それはクラウド達とて例外ではありませ…


WOL「たのもォオオオオ!!ここにクラウドはいるか!?


突如、時代錯誤も甚だしい叫び声がホールを包みます。みんな一斉にこの乱入してきた男に視線を向けますが、クラウドとティナだけはそっちを見ていません。

むしろ全力でそっちを見ないようにしています。 


男爵フリオ「…おい、お前か?いい加減にしろ。クラウドとティナが嫌がっているだろう。」


WOL「…ムッ…お前は…」

みんなが全員でスルーをする中、勇敢にも一人の男がWOLの前に立ち塞がりました。

男の名はフリオニール。そう、クラウドのパトロンです。



WOL「そうか…お前が。フッ…いいだろう!お前に決闘を申し入れる!」


男爵フリオ「望むところだ!!」


オニオン「あっれー?これって原作だとカルタ勝負のあとじゃなかったっけ?」


侯爵セシル「どうやらめんどくさいから端折る気みたいだよ。」


子爵バッツ「ってか、カルタのルールがわかんねーんじゃないのか?あの作者。」


楽しい雰囲気から一変!会場に不穏な空気が流れます。


WOL「フッ…お前ごときをティナ君が愛していると思っているのか?
…気持ちだけでは勝てはしないということを教えてやろう!」


ティナ「ねえ、この中に警察っていないの?この変態を豚箱にぶち込んだ方が治安が良くなるって思うんだけど。」




WOL「さあ来い!!全力で迎え撃とう!」


男爵フリオ「正々堂々勝負だっ!!…んっ?なんだ?その首から下げているのは、ラジカセか?」


WOL「ああ…気にするな。何、ただの私物だ…」


クラウド「…何か聞こえないか?」


♪…あいしてるーのひびきーだーけーでー…


ルーネス「これ、僕知ってるよ。たしか…曲名はチェr……フリオ!?フリオニール!?ど、どうしたの!?急に泣きだすなん…」


男爵フリオ「…気にしてるのに…気にしてるのに…」


WOL「光は我とともにある。」


子爵バッツ「えげつねえ…」

コスモス「最終幕ですね…私としても胸にくるものがありますわ。」


ティーダ「あんたは場を引っ掻き回してただけじゃないっすか…」


コスモス「この感動はアレですわね…
ナブ矛を手に入れようとマラソンを頑張っててもどこぞのトレジャー取ってたら出ないのよOHOHOザマーww(@FF12)
…と分かった時のあの感情に似ています。」


ティーダ「管理人悶絶してるっすよ…あいつ6時間くらいわいてくる骨やらゾンビやらを倒して走ってたから…」


コスモス「では、椿姫・最終幕開幕です。」






女中ティナ「クラウド…はい、お水。体、大丈夫?」


クラウド「ああ…すまないな…」


ここはパリの下町。クラウドの病室。

なぜこんなシリアス展開になっているかというと…


医師ジタン「まーったく、そんな体なのに無理するから。
クラウド、前々から言ってんだろ?お前は何だっけ?
目が変色する病気…ああ、邪気眼…」


クラウド「魔洸症候群、邪気眼じゃないからな。それに椿姫だと俺は結核持ち設定だろ。」


そうです。今まで書き忘れてましたが、クラウドの体は当時の不治の病・結核に蝕まれていたのです。

そーいえば、最近、結核が流行り出してきているそうですから気を付けてくれっす。



医師ジタン「まあ、細かい事は気にすんなって。あっ、ティナちょっといいか?」


女中ティナ「はい。じゃあ、ちょっと行ってくるね。」



一人きりになったクラウドの胸を今までの思い出が走馬灯のように駆け抜けます。


ガチムチのお兄さんとお風呂に入った事。

イカに付き纏われた事。

世界が変わったらイカはいなくなったけど代わりに変態勇者がいた事。

中二病を患っていたこと…



クラウド「勝手に話を進めるな。でも…ここは静かだな。アイツがいないだけでこんなに変わるもんなのか…」


《数ヶ月前》



オニオン「ちょっ…フリオ!!フリオしっかり!!」


男爵フリオ「ああ…のばらの咲く世界が…
あっ、ヨーゼフがこっちに向かって石投げてる…マリアがすごいいい笑顔で『ばくはしましょう』って手にニトログリセリン持って……」


オニオン「フリオ!しっかり!!
前々から思っていたけど、君の持ってる花のばらじゃないからね。
のばらそんな形じゃないから。それ超品種改良されてるやつだから。」


侯爵セシル「しっ、ルーネス!みんなあえて言わなかったんだから!」


子爵バッツ「フリオが吐血したぞ!!」


クラウド「……。」


WOL「ふっ…気持ちだけで勝てはしない。
さあティナ君、悪いが少し眠ってもらおう。
安心したまえ私は紳士だかr……」


メシッ……(何かがめり込んだ音)


スコール「…あとを追って来てみれば…恥曝しな奴め…」


クラウド「…だと思うなら引き取れよ。」


オニオン「ちょっ、ティナそれ斬鉄剣とアルテマウェポン…!」


ティナ「止めないで!私には殺らなきゃいけないことが…!」


男爵バッツ「そーいや、ティナって原作では重装備してたもんなー…」


侯爵セシル「感心してないでバッツも止めるの手伝って!!スプラッタになるから!」

クラウド「…色々あったな(=ろくでもない事が)
でも、俺もあと少しの命か…」


クラウドの命はもはや風前の灯火。今日明日には尽きかねない程体は衰弱をしていました。

自分の死期を悟っているクラウドは財産のうち半分をティナに持たせる事に決めていました。

今日は二月の謝肉祭の日。

これが苦労をさせっぱなし(原因→アレ)だったティナにしてやれるクラウドの精一杯だったのです。



おぉ!?なんかやっとオペラっぽくなってきたっすね!






クラウドは机の上に置いてある手紙を手に取ります。

それは恋人(=と書いて頭痛の種)WOLの父親であるスコールがクラウドに宛てて送ってきたものでした。


お前には散々苦労をかけたな。
今、あいつはフリオニールを傷つけた罪で豚箱にぶち込まれている…




クラウド「そっか、平和になった…」


がっ、先日脱獄したようだ。
俺も念のためそちらに向かうが用心をしてくれ。



クラウド「……。」

ぐしゃ…(握り潰した)


女中ティナ「きゃあ、クラウド!?どうしたの!?顔が真っ青!それにそのボロボロの手紙は…!」


クラウド「もう間に合わない。絶対アイツはここを捜し当てる。
鏡…?なんて変わり果てたんだろうな。希望を持つようにとジタンは言っていたが、望みが何もかも消えていく…」



さよなら過ぎ去った日よ

夢のような日よ

薔薇色の頬は青ざめ

何も残されていない

ああ、もう何もかも終わってしまう…


WOL「待て!ここにクラウド達はいるか!?」

女中ティナ「クラウドは病気なのよ!帰って!!」


WOL「大丈夫だ、ティナ君。私は、ただクラウドと話がしたいだけだ。」


お約束のようにクラウド達の前に現れたWOL。しかし、その表情はいつもとは違うようです。

病人であるクラウドを守るために斬鉄剣を持っていたティナもこの表情には拍子抜けをするしかありません。


WOLはゆっくりとクラウド達の方へと足を進めます。

静かな病室に時計の針の音とWOLの足音だけが無機質に響き渡ります。



WOL「パリを離れて一緒に暮らそう。幸せになれる。大丈夫、早く教会へと行こう。」


クラウド「……でっ?その手は何だ?離してやれ、ティナが嫌がってる。」


WOL「フッ…誰が好き好んで男などと。
大体、前々から言っているだろう?このサイトは腐って発酵した方々が歓喜する仕様ではないのだ、と。
それに何だかんだで、お前ってリア充だからもげればいいと思うよ。」


クラウド「俺はお前が死ねばいいと思うよ。」


WOL「フッ…話はそれだけか?では、行くとしようかティナ君。
大丈夫だ、君が私にどれだけ欲情しようが私はいっこうにかまわry…」


女中ティナ「究極の光よッ!!」


クラウド「…結局、最後までこれか?」

スコール「おい!クラウド、ティナ!!大丈夫か!?」


医師ジタン「あーあ…派手にやっちまいやがって…」


クラウド「遅かったな。」


スコール「その、なんか焦げてゴミみたいに転がってるの…アレか?」


クラウド「この姿を見てどう思う?…もちろん父親としてだ。」


スコール「俺をあまり苦しめないでくれ。俺だって頭が痛い。」


医師ジタン「でも、さすがにこれは可哀想じゃないか?
ほら、こいつも一応人間なわけだし。
…でも、ここまで焦げちゃなー…俺はレイズ系使えないし、ここじゃ、フェニ尾手に入らないし…」


女中ティナ「……私に任せて。」


クラウド「ティナ?」


女中ティナ「この人をこんなにしちゃったのは私だから…。」

ここにきてまさかの超展開。 

なんと、ティナがWOLを助けると言いだしたのです!

この時、実は不屈の闘志(=下心)でWOLは起きていたのですが、このチャンスを逃すまいと死んだふり決行。

あわよくば、ティナ君の柔らかい唇が…はあはあ…

なんて事を考えつつ、今まで一番の演技力により完璧な死体を演じている辺りに彼の執念が見え隠れしています。 


女中ティナ「……これがあれば…ねえ…」 


WOLの顔にティナの柔らかい髪が降り掛かります。

なんか回りでガヤガヤ言っている気がしますが、文字通り今のWOLにとってはノイズに他なりません。


そしてティナの手には、何故か大量のメントスと大量のダイエットコーラ。

その大量のメントスとコーラはティナの白く細い手によって次々とWOLの口の中に投入されていきます。

ん?…メントスコーラ…?

女中ティナ「バルス!!」

クラウド「何、この阿鼻叫喚。」


スコール「念のため言っておくが、よい子は絶対真似するなよ。


医師ジタン「そーいや、クラウド?結核はどうだ?」


クラウド「この状況でまだ劇続けるのか?舞台の端でコーラの噴水出来てるんだぞ?
……でも、まあ最後か…」


クラウドは立ち上がると、横っちょでとてもお見せできないような恥ずかしいポーズでのたうち回っているWOLに近づきます。


クラウド「ほら、受け取れ。絵姿が入ったロケットだ。
この絵姿の人間がどんなに迷惑こうむったか忘れるな。
俺からの最後の贈り物だ。」



こうして、原作総無視で結核なのに生き延びちゃったクラウドは、メントスコーラ第二波でノイズを奏でながらコーラ噴水を口から出しているWOLを置いてパリの雑踏の中へと消えて行くのでした。


おしまい
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