DFF劇場。


《天野喜孝展2012+α》


WOL「…遅いぞ、ウボァー。今、何時だと思っている。
恐れ多くもごんたんから“マティウスで!”…と指名が来たのだ。貴様が始めから弛んでいてどうする。」


ウボァ「…いや、初っぱなから何かもう何から言えばいいのか分からないのだが。」


WOL「じゃあ、何も言わなければいいだろう。」


ウボァ「そうだな。…なんて言うとでも思ったかッ!!
どう考えても貴様一人じゃ秩序も何も粉微塵に崩壊して収集が付かなくなるのが目に見えてんだよッ!!」


WOL「今更キレキャラか?流石に流行らんぞ。」


ウボァ「それで?今回はどんな馬鹿な事を始める気なんだ?どうせ貴様同様くだらないんだからさっさと始めろ。」


WOL「あれ?これ、会話になってなくね?キャッチボールしてるって言っても消える魔球同士じゃね?」


【今回のコンセプト】

・早い話が、五月五日に行われていた天野喜孝展(FF1~6のキャラデザならびにロゴのデザインをされている方)+東京見物の旅行記

九割九分五厘の捏造と五厘の真実

・いつも以上にgdgd

・一緒に行った友人からはネタにすることの許可を取っております

・以上


WOL「…と、こんなところだ。わかったな?」


ウボァ「うん。つまり、旅行先で起こったことを私達の口を借りて再現するわけね。うん、わかった。
お兄さんが分からないのはね―…何なんだよ!この格好は!?」


WOL「旅行記を始めるにあたってよりリアリティを追求しようと思ってな。
そう考えた結果、こうなった。」


ウボァ「うん。じゃあ、お兄さんともう一度大きな声で数行前を読んでみようか?
赤字で九割九分五厘捏造って書いてあるから。」


WOL「つまり、数少ない真実の枠がこれで埋まってしまうわけだ。」


ウボァ「前々から思っていたが、お前、真性の馬鹿だろ!?どう考えてもこれスカートだよね!?下スースーすんだけど!!」


WOL「人の夢と書いて“はかない”。股間がスースーするわね。」


ウボァ「死ね。

WOL「そして新宿へとやって来たわけだが。」


ウボァ「…本当、貴様らの軍は何でもありだな…。どう考えてもここは異世界だろう?」


WOL「二次元に常識を求めるほうが間違いなのだ。
…しかし、天野氏の…天野氏の個展を自らの目で見られる日がこようとは…ッ!!」


ウボァ「確かに、我々天野世代の人間から言わせてもらえば胸が熱くなるな…。
まあ、個展と言っても最近の天野氏の作品は版画も多いがな。」


WOL「…それは真か?」


ウボァ「ああ。昔、氏が描かれた作品を氏自ら版画にしてリメイクしているんだ。
版画という言い方にも少々語弊があるが、分かりやすい言い方が他にないのでな。ここでは版画と言わせてもらおう。」


WOL「…ふむ。氏の活動の幅は広いのだな…。」


ウボァ「世界的にも活躍なされている方だからな。色々精力的に取り組んでいるのだろう。
そう言えば、氏のご子息も近々画家としてデビューするのだそうだ。」


WOL「親子二代で芸術家なのか…」


ウボァ「ご子息の作風はどちらかと言えばポップ調だという話だがな。
しかし、どちらにせよこれからが楽しみなのは間違いない。」


WOL「天野氏の今後同様、そちらも気になるところだな。
そんなわけで着いたぞ。」


ウボァ「おもっくそ□eショップって書かれてるけどな。個展は西新宿のビルだ。ここではないぞ。」


WOL「コスモスのメモによればここでおもしろいものが見られるそうだ。
それに天野氏来場まで時間もある。話の種に入ってみるのも一興だろう。」


ウボァ「それもそうだな。しかし、自分達がグッズになっているというのは些か恥ずかしくもあるな。」


WOL「それも仕方あるまい。では、決まったな。入るぞ。」

WOL・ウボァ「……。」


WOL「…まさかとは思っていたが。」


ウボァ「まあ…うん。そうなるよな、うん。スライム押し。それは分かる。」


WOL「ロトシリーズ押しは?」


ウボァ「分かる。あれは冗談抜きで社会現象になったからな。」


WOL「では、我々の目の前に広がるこの状況はどうだ!?
7!7!!7!!!どこを見てもFFは7ばかりではないかッ!!店員の制服、あれどう考えてもタークスだろ!?ティナ君着てくれないかな?何、天野世代盛大にdisってるわけ!?」


ウボァ「落ち着け、WOL。ほーら、こっちのスライムかっわいいぞー!!ほほう…キングスライムのクッションまで!!かっわいいなー。」


WOL「…マティウス、いいのだ。無理をするな。私達は今、泣くことを許されている…。」


ウボァ「な…何を…う…うぐっ…グズッ…べ…別にうらやまじぐ―…」


WOL「…見ろ、マティウス。我々とともにSFCのスクウェア黄金期を支えたクロノトリガーやライブアライブのサントラだ。懐かしいな。」


ウボァ「…我々はFC時代だ…。」


WOL「……。」


ウボァ「……。」


WOL・ウボァ「…グズッ…。」

ウボァ「…すっかり立ち直ったな。」


WOL「下村女史のライブアライブのサントラ!歴代サガのバトル曲集!!そして…タクティクスオウガのサントラッ…!!
これだけ手にできたのだ!今更何を引きずることがある!!」


ウボァ「駆り立てるのは野心と欲望―…しかし、諭吉1枚分も貢いだくせに一切FFに擦りもしないのな、お前。」


WOL「わんわんブーブー。」


ウボァ「止めい。」


WOL「大体、スクウェアはFFだけの会社ではない!ましてや7だけなどと―…!それこそスクウェアファンの風上にも置けぬ愚行だッ!!」


ウボァ「思いっきり引きずってるうえに私怨混じりまくりじゃねーか。」


WOL「ところで、マティウス。先程から気になっていたのだが…あちらの黒いブースはいったい何なのだ?」


ウボァ「ああ、あっちな…。うん、お前、行ってくるといいよ。貴様たちの神が言っていた面白いものってたぶん“アレ”だから。」


WOL「?お前は行かないのか?」


ウボァ「私はいい。行きたいのなら貴様一人で行ってこい。」


WOL「…?…ああ。」


ウボァ「……。(この場所で面白いものって言ったらどう考えてもあれ…だな。きっと…いや、確実に。)」


WOL「…しかし、マティウスの奴…一体どうしたというのだ?
見たところこの場所は黒いだけで何の変哲もないブースのようだが―…むっ…何やら下から緑色の光が―…」

WOL「ウォええええええええ!!!」


セフィロス「…黙れ。おちおち寝てもいられん。」


WOL「本人かよ!!貴様、なぜこのような場所にッ!?」


セフィロス「…いては悪いのか。」


WOL「いい悪いじゃなくて全体的に気持ち悪いんだよ!!しかも、なんでよりにもよって床!?その状態なら普通壁だろうがッ!!」


セフィロス「それでは女性のパンツがよく見えないではないか。」


WOL「ますます気持ち悪ッ!!
全裸で寝そべっておまけに申し訳程度に股間の上に黒い球体乗っけてパンツ見てたとかどんな変態だよ!?流石の私ですら全力でひくわッ!!」


セフィロス「…下衆め。この私を変態呼ばわりなどと…私は変態ではない。ただ、バイなセクシャルなだけ―…」


ドゴォオオオオッ!!(※隕石的な音)


WOL「き、…君は?」


???「えーっと…。通りすがりの正義の味方、かな?」


WOL「その特徴的な喋り方―…桃色のワンピース―…。君はクラウド達が言っていた…」


???「そうそう。クラウドとティファに伝えてくれない、かな?
私、全然不幸なんかじゃなかった、って。ううん、皆に会えて本当に幸せだった、って。
だからね、もう自分達を許してあげて、って。じゃないと、見ているこっちの方が焦れったい思い、するんだから。」


WOL「いや、すっごく聖母的なことおっしゃってらっしゃるけど、赤チョコボの軍団で取り囲んでチョコメテオの波状攻撃仕掛けた本人が言うことじゃないからね。」


???「ラムザが一日で養殖してくれました。」


WOL「それどこの異端者?っうか、こいつどうすればいいの?」


???「あっ!そろそろ暴漢が花代を返せって私を襲いに来るところだから、私、あっちに帰らなくちゃ。それじゃあ、また、ね。」

WOL「…そんなわけで後編に入るぞマティウス。」


マティたん「何ヵ月前の出来事だと思ってるんだ、貴様は。GWの話がいつの間にか年越してんぞ。」


WOL「こちらにも色々あったのだから仕方がなかろう。
キング様に正月早々一兆円をドブに捨てられたり、調子に乗ってたらデビラーマンにフルボッコにされたのだ。いくら鋼の心を持つ私でも凹む。」


マティたん「そんなゼラチンよりも柔らかい鋼なんて聞いたこともねえよ。
っうか、それ色々じゃなくて普通に遊んでただけだろ?ボードゲームやってただけじゃね?」


WOL「ちなみにその後悔しいから桃鉄一人で百年やった。何故かとても悲しくなった。」


マティたん「…そろそろ始めてもいいか?」


WOL「最近、お前冷たくね?」


マティたん「冷たい云々の前にツッコむところがあんだろーが。まあ、よい。とっとと時間戻るぞ。」

WOL「ム…っ。ここは。私は今まで2013年にいたはずだが―…。それに少し前に感じたあの時が急速に進む感覚は―…。」


マティたん「ここは2012年の新宿のスクエニショップだ。まあ、細かいことなど考える必要もあるまい。
時を加速させて一巡させたところでお前がやってる事は未来永劫しょうもない事なのだからな。」


WOL「それもそうだな。」


マティたん「認めんのかよ。…それより、妙な爆音がしたと思って来てみれば―…。
何故ここだけ地面が抉られているのだ?しかもチョコボ臭し。」


WOL「世の中には知らなければいい事もある。
フィナス河に赤が三匹いたらリセットするのもまた勇気だということをあの男は身を持って我々に教えてくれたのだ。」


マティたん「何が何だか事情は飲み込めんが、お前に言わなくてはいけないことを思い出した。」


WOL「ム…手短に頼もう。この後、あの天野氏を生で見るのだからな。こんな事をしていて万が一でもあったら―…。
おい、マティウスこっちを見ろ。」



マティたん「発想を変えるのだ、光の戦士よ。万が一というのは一万回のうち一度は必ず起こるのだ、と。」


WOL「…つまり?」


マティたん「時間過ぎちゃった☆」

WOL「…終わった。何もかもおしまいだ…。」


マティたん「…正直、すまんかった。まあ、そこまで気を落すこともあるまい。天野氏の個展は年に数回行われる事もある。次の機会もあろう。だから、元気を―…」


WOL「何故!ティナ君のセクシーポストカードが売店にないのだ!
乳を出せとまでは望んでいない!しかし、純白に輝く白パンを―…!
そう…一瞬、だが、光り輝く閃光のようなパンチラを…ッ!!」


キュオン…ッ!


マティたん「…いつの間にメドローアなぞ覚えたのだ?」


ティナ「ジョバンニが一晩でやってくれました。
私は炎の魔法の方が得意なので今だに氷を制御する方の腕が焦げてしまうんですけど…。」


マティたん「正直、こういう事を言われた時、何からツッコめばいいのか、私、分からないの。」


ティナ「笑えばいいと思うよ。」

ティナ「…わあ…綺麗…。これが原画ですか?」


マティたん「いや、それは原画を元にした氏の版画だ。
原画に比べて値は低くなるが―…くぅ…量産されていないだけあって、それでも値が張るな。」


ティナ「何十、何百万の世界ですものね…。って、お前、一国一城の主だろうが。」


マティたん「深刻な円高だからな。」


ティナ「円高の煽りをモロに食らう支配者とか聞いたことねーよ。
あっ…!あのバイヤーさんと話している人が見ている絵って…!」


マティたん「ほう…これは。」


ティナ「カオス側の集合イラストです…よね?初めて見ました。」


マティたん「そうか、コスモス側はわりと有名だからな。
ふむ…昔の鮮やかな色を多用していた頃のイラストも魅力的だがこのような渋い色合いもまた―…」


ティナ「ええ、煮物がいっぱいのお弁当って感じでいいですよね。」


マティたん「この絵のどこを見たらそういう感想が飛び出てくるわけ!?
お兄さん、君の目の節穴っぷりにびっくりだよ!」


ティナ「絵のセンターを人気のせいでセフィロスごときに取られているあなたに言われたくないです。」


マティたん「さり気なく私をdisると同時にセフィロスまでこき下ろさないでください。」

マティたん「…次は―…ほう、これは。」


ティナ「…これ、私…ですか…?」


マティたん「それ以外に何が考えられるというのだ?
相変わらず赤の使い方が素晴らしい…。
原色に近い色を多用しながら、ここまで柔らかで幻想的な絵画に仕上げる画家も中々おるまいて。」


WOL「…ふむ。魔導アーマーの黒との対比も実に見事だ。」


マティたん「なんだ、戻ったのか?」


WOL「ジョバンニが一晩でやってくれました。」


マティたん「ジョバンニ万能だな。」


ティナ「……。」


WOL「…買うか?」


ティナ「えっ!?でも、この絵…とっても高いから…。」


WOL「…でも、気に入ったのではないか?」


ティナ「…うん。」


WOL「なら、買いだ。ティナ君の笑顔が見れるのなら安いものだ。」


ティナ「…ッ!ありがとう!!」


WOL「…いや、いいのだ。そのかわり、今度は白ではなくピンクと黒のレースのパンツを―…。」


ティナ「……。(ニコッ)」


通りすがりのバッツ「オラオラオラってすごい声がしたんだけど…って、あれ?ティナとWOLどうしたんだ?なんかティナの後ろのにいるし。」


マティたん「…お後がよろしいようで。」


予定調和
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