夢主コラボ童話(リレー小説)
「私が尾行していた妹の名前はフミカって言うの。案外すばしっこい子だから、もうリフィルの家に着いているかもしれないけれど」
「そんなに妹が心配だったんなら、どうして一緒に行かなかったんだ?」
「お姉ちゃんは過保護すぎるよ!って、一昨日フミカに注意されたばかりだから、あまり強く提案出来なかったのよ」
『ああやってコソコソしてる時点であんまり自重出来てないと思うなー、はたから見たら怪しいって』
所々で雑草がお喋りをする私達の足に引っかかる。柔らかい雑草だった為、幸い足に切り傷は出来無かった。
雑草に飽き飽きしてきた私は、コルセットの内側から草刈鎌を取り出し、ザクザクと邪魔な雑草を刈っていく。
「邪魔なら刈り取るまでよ」
『まだ物騒グッズ隠し持ってたんだ…』
「ナイフに銃に草刈鎌…あんなに持ってて重くないのかな」
きっと後ろではマナが呆れ顔で、ロイドは首を傾げながら突っ立っているのだろう。
めぼしい場所を刈り終えた私は額の汗を拭い、草刈り鎌をコルセットに仕舞った。
「一仕事した後は気分が良いわね」
『ねえハオリ、もしかして…』
言いかけて、マナは口をつぐんだ。
それでも妹が言おうとした疑問が兄には分かっているようで、ロイドは彼女の代わりに私にこう訊いてくる。
「ハオリってもしかして、他にも物騒なの色々隠してるのか?」
『ああもう馬鹿兄貴っ!それはあたしが問いだすのが恐くなったから、せっかく訊かずに黙ってようと思ってたのに!』
「いてっ!はたかなくたっていーだろ!それになんで黙っとく必要が…」
『そんなの…ねえあなた達、そんなに知りたいのなら身をもって知ってみる?とか言われてハオリの餌食になるのが恐いからに決まって…』
「ああそうか!それじゃあ黙っとかないと…」
「二人とも、その会話はわざとやっているの?それとも天然?」
二人は「あっ…」と同時に声を上げ、猫に捕まった鼠を思わせる目つきで私の様子を伺ってきた。どうやら天然だったらしい。
「…ねえあなた達、そんなに知りたいのなら身をもって知ってみる?」
『ひいいいい!忘れてたあぁっ!?』
「悪気は無かったんだ!許してくれ頼む!」
「冗談よ、ウフフ」
『ハオリの冗談は冗談に聞こえないんだってば!はぁ、また寿命が…』
緊張の糸が切れたからか、へたり…と兄妹仲良く草原の上に座り込む。
そこまで怯えられると、ちょっと傷ついちゃうわ。
ふと、ロイドとマナの向こうで何かが動いたのが見えた。
あれは私の探している赤い頭巾を被った妹でも、兄妹が探している青い鳥でもない…
「ロイド、マナ、静かに…向こうに狼が居る」
「何!?」
『…どうすんの?』
しばらく狼に気付かれないように様子を伺う。よく目を凝らしてみると、その狼は白と緑の珍しい毛並みを持った大きい狼だった。
美しい色合いもそうだが、あれはなかなか手触りが良さそうだ。
…あの見目麗しい毛皮を剥ぎ取って売れば、一体どれほどの大金が──
「あれ?あの狼…様子がおかしくねえか」
『本当だ、震えてる。怪我でもしちゃったのかな』
まさか、私の殺気を感じた?
なんにせよ、私の頭にあの狼を無視していくと言う選択肢は存在しなかった。
「そんなに妹が心配だったんなら、どうして一緒に行かなかったんだ?」
「お姉ちゃんは過保護すぎるよ!って、一昨日フミカに注意されたばかりだから、あまり強く提案出来なかったのよ」
『ああやってコソコソしてる時点であんまり自重出来てないと思うなー、はたから見たら怪しいって』
所々で雑草がお喋りをする私達の足に引っかかる。柔らかい雑草だった為、幸い足に切り傷は出来無かった。
雑草に飽き飽きしてきた私は、コルセットの内側から草刈鎌を取り出し、ザクザクと邪魔な雑草を刈っていく。
「邪魔なら刈り取るまでよ」
『まだ物騒グッズ隠し持ってたんだ…』
「ナイフに銃に草刈鎌…あんなに持ってて重くないのかな」
きっと後ろではマナが呆れ顔で、ロイドは首を傾げながら突っ立っているのだろう。
めぼしい場所を刈り終えた私は額の汗を拭い、草刈り鎌をコルセットに仕舞った。
「一仕事した後は気分が良いわね」
『ねえハオリ、もしかして…』
言いかけて、マナは口をつぐんだ。
それでも妹が言おうとした疑問が兄には分かっているようで、ロイドは彼女の代わりに私にこう訊いてくる。
「ハオリってもしかして、他にも物騒なの色々隠してるのか?」
『ああもう馬鹿兄貴っ!それはあたしが問いだすのが恐くなったから、せっかく訊かずに黙ってようと思ってたのに!』
「いてっ!はたかなくたっていーだろ!それになんで黙っとく必要が…」
『そんなの…ねえあなた達、そんなに知りたいのなら身をもって知ってみる?とか言われてハオリの餌食になるのが恐いからに決まって…』
「ああそうか!それじゃあ黙っとかないと…」
「二人とも、その会話はわざとやっているの?それとも天然?」
二人は「あっ…」と同時に声を上げ、猫に捕まった鼠を思わせる目つきで私の様子を伺ってきた。どうやら天然だったらしい。
「…ねえあなた達、そんなに知りたいのなら身をもって知ってみる?」
『ひいいいい!忘れてたあぁっ!?』
「悪気は無かったんだ!許してくれ頼む!」
「冗談よ、ウフフ」
『ハオリの冗談は冗談に聞こえないんだってば!はぁ、また寿命が…』
緊張の糸が切れたからか、へたり…と兄妹仲良く草原の上に座り込む。
そこまで怯えられると、ちょっと傷ついちゃうわ。
ふと、ロイドとマナの向こうで何かが動いたのが見えた。
あれは私の探している赤い頭巾を被った妹でも、兄妹が探している青い鳥でもない…
「ロイド、マナ、静かに…向こうに狼が居る」
「何!?」
『…どうすんの?』
しばらく狼に気付かれないように様子を伺う。よく目を凝らしてみると、その狼は白と緑の珍しい毛並みを持った大きい狼だった。
美しい色合いもそうだが、あれはなかなか手触りが良さそうだ。
…あの見目麗しい毛皮を剥ぎ取って売れば、一体どれほどの大金が──
「あれ?あの狼…様子がおかしくねえか」
『本当だ、震えてる。怪我でもしちゃったのかな』
まさか、私の殺気を感じた?
なんにせよ、私の頭にあの狼を無視していくと言う選択肢は存在しなかった。