トレジャーハント!
※4女勇者の名前はソフィアになります。
「ねぇ、私みたいに元気な子の方がいいわよね!」
「いやいや、私に振り回されたいでしょ?そうよね?」
「私が家事全てをやります。家計は私に任せて下さい」
一度に3人の女性からアプローチされる。
確かに皆綺麗だし、可愛い。
それはそれは憧れのシチュエーションだろう。
「……私も、一応女なんだけどな」
そう、アプローチを受けているソフィアが女でなければ、このまま夢物語のような、ラブストーリーに突入していたかも知れないのに。
きっかけは、ソフィアの何気無い一言からだった。
「マーニャは、結婚とか、考えたことないの?」
ふと気がついた事を口に出してしまった、本当に、ただ、それだけ。
マーニャは、そうねぇ、と呟き、少し考えるような素振りを見せた後、普段通りに言った。
「私は、その気になれば結婚なんてすぐに出来ると思うわ」
「へぇ、自信、あるんだ?」
「ええ」
そして、何故かそこに乱入してきたミネアとアリーナによってこの会話は混沌へと導かれる事になる。
「姉さんに結婚は難しいと思うわ」
「なら、ミネアはどうなの?」
「私が早く結婚しないと姉さんを養えませんから」
「あら、そんなこと言っていいの?もしかしたら、私がミネアを養うかも」
「でも、私の方が早く結婚出来そうだけどな」
「アリーナが?アリーナはお転婆すぎるでしょ」
「わ、私だって女の子らしい所もあるわよ!」
「そこまで言うなら試してみようじゃない!」
そう言ったマーニャは、ミネアとアリーナを掴んで男性陣の元へ。
そこで少し何か会話していたかと思うと、ソフィアの元に戻って来て、
『ソフィア、私達の誰と結婚したい?』
そして、話は冒頭に戻る訳だ。
「なによ。ソフィアは私と結婚したくないの?私、わりと高嶺の花よ?」
「ソフィアっ!私と結婚したら、サントハイムの王妃よ!不自由な生活はさせないわ!」
「ソフィアさん、私が運命の人だと占いでも出ています。私と結婚するという運命なのです。」
「そういうことは男の人に聞いた方が」
「聞いたわ。トルネコがミネアで、クリフトがアリーナ、ライアンが私で、ブライは呆れて答えてくれなかった」
「つまり!ソフィアの答えで全てが決まるのよ!」
「私にも呆れられるとか」
「ソフィアはそんなこと出来ないわよね」
バレていた。
仕方がないので、真面目に考えてみる事にする。
言っておくが、全員女性として素敵な人だと言うことは分かっている。
その上で、『結婚するなら誰か』を選ばなければならない。
「うん」
「決めたのね」
「さあ」
「誰なの!?」
「私が結婚するのは…………」
~END ~