トレジャーハント!
こんにちは、はじめまして。
私の名前は結衣。
受験戦争真っ盛りの女子高生よ。
え?いつもと雰囲気が違う?
当たり前じゃない書き手が違うんだから☆
細かい事は気にしない☆
じゃあ私の家族を紹介するわね。
まずは私の姉二人から。
上の姉の名前はマナ。
会社に勤めてるんだよ!
いわゆるOLってやつ。
仕事はとってもテキパキこなすデキる女ってやつだけど、実は家事全般が苦手。
会社の人は知らないみたいだけどね☆
二番目の姉はクロト。
マナと同じ会社に勤めてるフレッシュな社会人よ。
家事はできるけどやらない。
クロト曰く「能ある鷹は爪隠す」ってやつらしいわ。
え?姉二人が家事をやらずに誰が家事をやってるか?
お母さん?
ううん、うちのお母さんはお父さんと一緒に次元の彼方に海外出張中☆
え?海外出張じゃない?
細かい事は気にしない☆
とにかく、誰がこの家の家事をやってるかっていうとね…
私の兄が家事をこなしてる。
いわゆる主夫だね。
え?どうして女が沢山いる家なのに兄が主夫してるんだって?
うちは女が強い家庭だから仕方ないんだよ☆
兄の名前はWOL。
何でも世界を救った光の勇者らしいけど、社会人にもなってそんなこと言ってるのはまだ思春期が抜けてないせいみたい。
でも一応会社には行ってる。
サラリーマンってやつだね!
同僚のフリオニールさんとセシルさんと仲が良くて、たまにへべれけになって帰ってくる事があるよ。
…っとまあこんな感じかな?
お父さんとお母さん?
当分帰ってこないから紹介しなくていいと思うよ?
え…?気になるの?
仕方ないなぁ…ちょっとだけだよ?
お母さんは金髪がとっても綺麗な女の人だよ。
2キロ先でも居場所が解るくらい輝く女だよ☆
ネットサーフィンみたいに次元の彼方を渡り歩いて凄い人材を勧誘するのが仕事。
お父さんはすぐ物を壊しちゃうちょっと乱暴なひと。
でもその度にお母さんに怒られてる。
私の家が女の方が強い家になったのは間違いなくお母さんとお父さんの力関係のせいだね☆
お父さんの仕事はお母さんと同じ。
世界を渡り歩いて凄い人材を勧誘してるみたい。
こんな感じかな?
じゃあそろそろ普段の私達の様子をちょっと見せてあげる。
「結衣―…!」
「もう!遅いよクロト~!」
人混みの間をすり抜けながらこっちに近づいてくる一人の女の人。
彼女は私の一つ上の姉。
私は今、受験戦争真っ盛り。
夢を叶える進路に進む為に塾に通ってる。
そしていつもクロトが私を迎えに来るんだ。
「寒~っ…!!
あ~~こんな寒い日はあそこのおでん屋さんできゅーっと一杯やりたいわぁ――!」
「クロト…それどこかの中年おじ様の台詞だよ。
フレッシュな社会人のイメージガタ落ち。」
「いいじゃない社会人なんだから…
あ、なんならたい焼き屋さんで一杯でもいいわよ!
うん、そうしましょ!!」
酒の肴にたい焼き食う奴なんて…クロトぐらいだと思うんだ。
我が姉ながら流石常人とはどこか違う…っていうか…
うん、マジで味覚を疑うよ。
「いいから早く帰ろうよ。
っていうか未成年の私を晩酌に誘うとかあり得ないから。
やるならマナと晩酌してよね。」
「冗談よ―…もう、ノリ悪いんだから…
そんなんだから今年のクリスマスも一人なのよ?」
「自分だって同じでしょうが…?」
そりゃ私だって人並みにそんな素敵なクリスマスを過ごしてみたいとは思ってるけど…
大体受験戦争真っ只中の妹にそういう事言うか!?
「若いうちは…私だっていろいろあったのよ。
だからこうして貴女に言ってあげてるんじゃない。
女は成人前が華なのよ。」
「未来ある若者にさらりと夢を壊すようなこと言わないでくれる??
進路とか考えんの嫌になっちゃうじゃん。」
「はいはい。」
クロトはいつもこう。
明るく見えて言動がネガティブ。
フレッシュな社会人な筈が現実的な性格のせいで既に考え方が30代…よくても20代後半。
社会人になってから一体何があったんだろう…
いつの間にかメンヘラになってたんだよね…
昔はもっと夢見る乙女だったんだけどな…?
まあ考えたところで理解できないんだろうけど。
「あ…雪だ。」
「寒いわけよねぇ―…
早く帰りましょ。
コタツとみかんが私達を待ってるわよ。」
これが昔のクロトなら…
「綺麗な雪ね…
星空と雪を同時に見れるなんて本当ラッキーよね。
明日はきっと素敵な事があるに違いないわ。」
って言ってたのにね。
「ただいまー。」
頭の雪を払いながら家に入った私達を出迎えるお母さんは今は居ない。
代わりにキッチンから出てきたのは、私達の兄…。
「遅かったじゃないか。
夕飯が冷めてしまうところだったぞ。」
お玉を片手にピンクのエプロンを着て堂々と立つ姿はお世辞にもカッコイイとは言えない。
どこから買ってきたのあれ?
お母さんのエプロンじゃないんですけど??
「なに…?
そのエプロン…。」
さすがのクロトも呆れながらWOLのエプロンを指差してる。
するとWOLは誇らしげに胸を張ってこう答えた。
「何事も形から入らなくてはしっくり来なくてな。
通販で取り寄せたのだ。
ピンクのフリフリエプロンとお玉の組み合わせは鉄板だろう!」
「その格好で『ご飯にする?お風呂にする?』って言われたら『アンタを殴る』を選ばせてもらうわ。」
何事も形から入らないと…ってよく言うけど、WOLの場合は単に中二病が完治してないせいだと思うよ?
だって昨日の夕飯作るときはガスコンロに火着けるとき「●ラ」とか言ってたし、今朝だってお玉とお鍋の蓋構えて「これは伝説の剣と盾だ!」とか叫んでマナにしばかれてたし…
見てて飽きないけど、一番上の兄貴がそんなんじゃ…私もさすがにフォローできない…っつうかフォローしない。
この場合は放っておくしか無い。
だってWOL…思春期未だに抜けてないから喧嘩すると「俺は光の勇者だ!!」って叫ぶから…私達姉妹の間では刺激しないのが一番って事で落ち着いちゃったから。
「まあどうでもいいから早くご飯にしましょうよ。」
「…そうだったな…!
では夕飯にするか。
マナはもう自分の席に着いているぞ。」
荷物を置いて席に着く。
WOLはごはんをよそって夕飯の準備を進めている。
上の姉であるマナは夕飯前だというのにファッション誌を眺めながらポッ●ー食べてる。
クロトは夕飯前からビールを飲み始めている。
席に座るだけの私は徐に今日のメニューを訪ねてみた。
「今日のメニューは何?」
「ふっふっふ…
受験戦争真っ只中の妹の為に兄が丹精込めて作ったカツ丼だ…!
有り難く食すがよい!!」
「「「またカツ丼かい!!!」」」
珍しく私達姉妹の声がハモった。
そう…この冬お母さんが出張してからの三日間…夕飯はカツ丼続きだったのだ。
最初は兄がそのような形で私を応援してくれるのが本当に嬉しかった。
でも三日間カツ丼となると正直キツイ。
カツ丼しか作れないと言うわけじゃない。
だって前にお母さんが出張したときは普通に食事作ってたもの。
「アンタまさか結衣が受験する日までカツ丼作るつもりじゃないでしょうね!?」
「そのつもりだが、何か問題でもあるのか?」
マナのツッコミにWOLは平然と答えてみせた。
どうやら兄は『受験戦争の時は願掛けとして毎日カツ丼を食べなくてはいけない』と思っているらしい。
このままでは私達のボディーラインにいずれ危機が訪れるだろう。
マナは早速WOLの常識の改善を図る。
「あのねWOL、受験の時にカツ丼食べるのは試験の前日一回だけでいいのよ。」
「なんと!?
そうだったのか…!!
では明日からは親子丼を作ることにしよう!」
「丼ものから離れなさいよ…!!;
なんで明日も丼なのよ!?」
「実はタイムセールで大量に卵を買い貯めてしまったのだ…
だからしばらく卵を使わなければならないのだ…。
こうしている間にもエッ●ラとチ●ーラは今日も『世界には卵が最初に存在したんだ!』『違う鶏が最初だ!』と言い合っているに違いないと思うと卵を腐らせるわけにはいかないのだとしみじみ感じるのだよ…。」
「アンタの頭の中はどうしてそうド●クエ風になっちゃったのよ…
アンタもともとF●派だったんじゃないの?」
「社会に出るといろいろあるのだよ。」
大人は解りません。
こんな感じに毎日が過ぎていく。
気が向いたときにまた覗かせてあげるわね。
今日はとりあえずこのへんで…。
続く
《あとがき》
と言うわけで…
へっぽこ様の進路を応援するべく書かせていただきました…!
登場キャラ達はへっぽこ様のお宅の夢主様+αとなっております!
よくある家庭の風景にギャグを織り混ぜたスクエニ系現パロでございます!
もしかするとこのまま続くかもしれません(笑)
まあ、ともかく……
へっぽこ様の夢が叶うよう、陰ながら応援しております!
ありがとうございましたー!
私の名前は結衣。
受験戦争真っ盛りの女子高生よ。
え?いつもと雰囲気が違う?
当たり前じゃない書き手が違うんだから☆
細かい事は気にしない☆
じゃあ私の家族を紹介するわね。
まずは私の姉二人から。
上の姉の名前はマナ。
会社に勤めてるんだよ!
いわゆるOLってやつ。
仕事はとってもテキパキこなすデキる女ってやつだけど、実は家事全般が苦手。
会社の人は知らないみたいだけどね☆
二番目の姉はクロト。
マナと同じ会社に勤めてるフレッシュな社会人よ。
家事はできるけどやらない。
クロト曰く「能ある鷹は爪隠す」ってやつらしいわ。
え?姉二人が家事をやらずに誰が家事をやってるか?
お母さん?
ううん、うちのお母さんはお父さんと一緒に次元の彼方に海外出張中☆
え?海外出張じゃない?
細かい事は気にしない☆
とにかく、誰がこの家の家事をやってるかっていうとね…
私の兄が家事をこなしてる。
いわゆる主夫だね。
え?どうして女が沢山いる家なのに兄が主夫してるんだって?
うちは女が強い家庭だから仕方ないんだよ☆
兄の名前はWOL。
何でも世界を救った光の勇者らしいけど、社会人にもなってそんなこと言ってるのはまだ思春期が抜けてないせいみたい。
でも一応会社には行ってる。
サラリーマンってやつだね!
同僚のフリオニールさんとセシルさんと仲が良くて、たまにへべれけになって帰ってくる事があるよ。
…っとまあこんな感じかな?
お父さんとお母さん?
当分帰ってこないから紹介しなくていいと思うよ?
え…?気になるの?
仕方ないなぁ…ちょっとだけだよ?
お母さんは金髪がとっても綺麗な女の人だよ。
2キロ先でも居場所が解るくらい輝く女だよ☆
ネットサーフィンみたいに次元の彼方を渡り歩いて凄い人材を勧誘するのが仕事。
お父さんはすぐ物を壊しちゃうちょっと乱暴なひと。
でもその度にお母さんに怒られてる。
私の家が女の方が強い家になったのは間違いなくお母さんとお父さんの力関係のせいだね☆
お父さんの仕事はお母さんと同じ。
世界を渡り歩いて凄い人材を勧誘してるみたい。
こんな感じかな?
じゃあそろそろ普段の私達の様子をちょっと見せてあげる。
「結衣―…!」
「もう!遅いよクロト~!」
人混みの間をすり抜けながらこっちに近づいてくる一人の女の人。
彼女は私の一つ上の姉。
私は今、受験戦争真っ盛り。
夢を叶える進路に進む為に塾に通ってる。
そしていつもクロトが私を迎えに来るんだ。
「寒~っ…!!
あ~~こんな寒い日はあそこのおでん屋さんできゅーっと一杯やりたいわぁ――!」
「クロト…それどこかの中年おじ様の台詞だよ。
フレッシュな社会人のイメージガタ落ち。」
「いいじゃない社会人なんだから…
あ、なんならたい焼き屋さんで一杯でもいいわよ!
うん、そうしましょ!!」
酒の肴にたい焼き食う奴なんて…クロトぐらいだと思うんだ。
我が姉ながら流石常人とはどこか違う…っていうか…
うん、マジで味覚を疑うよ。
「いいから早く帰ろうよ。
っていうか未成年の私を晩酌に誘うとかあり得ないから。
やるならマナと晩酌してよね。」
「冗談よ―…もう、ノリ悪いんだから…
そんなんだから今年のクリスマスも一人なのよ?」
「自分だって同じでしょうが…?」
そりゃ私だって人並みにそんな素敵なクリスマスを過ごしてみたいとは思ってるけど…
大体受験戦争真っ只中の妹にそういう事言うか!?
「若いうちは…私だっていろいろあったのよ。
だからこうして貴女に言ってあげてるんじゃない。
女は成人前が華なのよ。」
「未来ある若者にさらりと夢を壊すようなこと言わないでくれる??
進路とか考えんの嫌になっちゃうじゃん。」
「はいはい。」
クロトはいつもこう。
明るく見えて言動がネガティブ。
フレッシュな社会人な筈が現実的な性格のせいで既に考え方が30代…よくても20代後半。
社会人になってから一体何があったんだろう…
いつの間にかメンヘラになってたんだよね…
昔はもっと夢見る乙女だったんだけどな…?
まあ考えたところで理解できないんだろうけど。
「あ…雪だ。」
「寒いわけよねぇ―…
早く帰りましょ。
コタツとみかんが私達を待ってるわよ。」
これが昔のクロトなら…
「綺麗な雪ね…
星空と雪を同時に見れるなんて本当ラッキーよね。
明日はきっと素敵な事があるに違いないわ。」
って言ってたのにね。
「ただいまー。」
頭の雪を払いながら家に入った私達を出迎えるお母さんは今は居ない。
代わりにキッチンから出てきたのは、私達の兄…。
「遅かったじゃないか。
夕飯が冷めてしまうところだったぞ。」
お玉を片手にピンクのエプロンを着て堂々と立つ姿はお世辞にもカッコイイとは言えない。
どこから買ってきたのあれ?
お母さんのエプロンじゃないんですけど??
「なに…?
そのエプロン…。」
さすがのクロトも呆れながらWOLのエプロンを指差してる。
するとWOLは誇らしげに胸を張ってこう答えた。
「何事も形から入らなくてはしっくり来なくてな。
通販で取り寄せたのだ。
ピンクのフリフリエプロンとお玉の組み合わせは鉄板だろう!」
「その格好で『ご飯にする?お風呂にする?』って言われたら『アンタを殴る』を選ばせてもらうわ。」
何事も形から入らないと…ってよく言うけど、WOLの場合は単に中二病が完治してないせいだと思うよ?
だって昨日の夕飯作るときはガスコンロに火着けるとき「●ラ」とか言ってたし、今朝だってお玉とお鍋の蓋構えて「これは伝説の剣と盾だ!」とか叫んでマナにしばかれてたし…
見てて飽きないけど、一番上の兄貴がそんなんじゃ…私もさすがにフォローできない…っつうかフォローしない。
この場合は放っておくしか無い。
だってWOL…思春期未だに抜けてないから喧嘩すると「俺は光の勇者だ!!」って叫ぶから…私達姉妹の間では刺激しないのが一番って事で落ち着いちゃったから。
「まあどうでもいいから早くご飯にしましょうよ。」
「…そうだったな…!
では夕飯にするか。
マナはもう自分の席に着いているぞ。」
荷物を置いて席に着く。
WOLはごはんをよそって夕飯の準備を進めている。
上の姉であるマナは夕飯前だというのにファッション誌を眺めながらポッ●ー食べてる。
クロトは夕飯前からビールを飲み始めている。
席に座るだけの私は徐に今日のメニューを訪ねてみた。
「今日のメニューは何?」
「ふっふっふ…
受験戦争真っ只中の妹の為に兄が丹精込めて作ったカツ丼だ…!
有り難く食すがよい!!」
「「「またカツ丼かい!!!」」」
珍しく私達姉妹の声がハモった。
そう…この冬お母さんが出張してからの三日間…夕飯はカツ丼続きだったのだ。
最初は兄がそのような形で私を応援してくれるのが本当に嬉しかった。
でも三日間カツ丼となると正直キツイ。
カツ丼しか作れないと言うわけじゃない。
だって前にお母さんが出張したときは普通に食事作ってたもの。
「アンタまさか結衣が受験する日までカツ丼作るつもりじゃないでしょうね!?」
「そのつもりだが、何か問題でもあるのか?」
マナのツッコミにWOLは平然と答えてみせた。
どうやら兄は『受験戦争の時は願掛けとして毎日カツ丼を食べなくてはいけない』と思っているらしい。
このままでは私達のボディーラインにいずれ危機が訪れるだろう。
マナは早速WOLの常識の改善を図る。
「あのねWOL、受験の時にカツ丼食べるのは試験の前日一回だけでいいのよ。」
「なんと!?
そうだったのか…!!
では明日からは親子丼を作ることにしよう!」
「丼ものから離れなさいよ…!!;
なんで明日も丼なのよ!?」
「実はタイムセールで大量に卵を買い貯めてしまったのだ…
だからしばらく卵を使わなければならないのだ…。
こうしている間にもエッ●ラとチ●ーラは今日も『世界には卵が最初に存在したんだ!』『違う鶏が最初だ!』と言い合っているに違いないと思うと卵を腐らせるわけにはいかないのだとしみじみ感じるのだよ…。」
「アンタの頭の中はどうしてそうド●クエ風になっちゃったのよ…
アンタもともとF●派だったんじゃないの?」
「社会に出るといろいろあるのだよ。」
大人は解りません。
こんな感じに毎日が過ぎていく。
気が向いたときにまた覗かせてあげるわね。
今日はとりあえずこのへんで…。
続く
《あとがき》
と言うわけで…
へっぽこ様の進路を応援するべく書かせていただきました…!
登場キャラ達はへっぽこ様のお宅の夢主様+αとなっております!
よくある家庭の風景にギャグを織り混ぜたスクエニ系現パロでございます!
もしかするとこのまま続くかもしれません(笑)
まあ、ともかく……
へっぽこ様の夢が叶うよう、陰ながら応援しております!
ありがとうございましたー!