第12章 復興、そして北へ
「それでは、よろしくお願いいたしますね。」
「はい!頑張ってお手伝いします!こちらこそよろしくお願いします!ノルンさん!」
私の言葉に目の前に立つ竜の亜人の女性が明るく笑みを浮かべながらハキハキと答える。
海の中で揺らめく海藻のような翼と尾を持つ彼女は両手を重ねて勢い良くお辞儀をする。
私もまた彼女に向かってお辞儀を返しているとギルドの扉が音を立てて開かれ、その先から白い服と赤いスカートを纏った女性が姿を現し、白竜さんの姿を優しげな眼差しで見つめながら「張り切りすぎて壁を壊すんじゃないよ?」と笑みを浮かべた。
「はい!大丈夫ですリザさん!私、一年間リザさんにお料理教えてもらったおかげで力加減、前よりも良くなったんですから!」
そう言いながら白竜さんは両手を胸の前でぐっと握りしめ満面の笑みを浮かべて答えた。
それを見たリザさんの口元が弧を描き、優しく微笑みを浮かべながらこう答える。
「ふふ…そうだね。怪我しないように気を付けるんだよ?
それから、休めるときはちゃんと休むこと!」
ぴっと立てられた人差し指が白竜さんと、その後ろに立つ私にも向けられている事に気づいた。
ああ…なんて慈愛に満ちた人なのだろう。
この方はギルドの人達にとってのお母さんであり、そこを訪れた人にも愛を与えられる人なのですね。
「出発の準備は整ったかい?」
リザさんと会話を交わしていると、一人の男性がこちらへと歩み寄ってきた。
大きな身体に太く鱗に覆われた尾を揺らして歩く男性はリザさんの傍らで足を止めた。
そうこの方がこのギルドのマスターであるルーベラさん。
いつもは私のところへお仕事を斡旋してくださるのですが、今回は私からルーベラさんのギルドへ依頼をさせていただくことになりました。
ルーベラさんの元へカボちゃんにお手紙を届けてもらい、今回の支援の依頼をさせてもらいましたが、さすがとでも言うべきか、私の依頼以上に様々な支援物資を用意していただくことになり、いくら感謝しても足りないくらいです…。
「ルーベラさん、リザさん、こんなに沢山の物資をありがとうございます。」
「困った時はお互い様だからな。」
そう言ってルーベラさんの口元が大きく弧を描く。
赤い瞳をこちらへ向けたまま「頑張ってこいよ」と一言。励ましの言葉を頂きました。
「ノルン!」
ふいにかけられた声のする方へと振り返れば、そこにはカイくんを連れた私の友人…ヒュパティアの姿があった。
「出発するのね?」
「はい、テレーズさんと約束しましたから。
ヒュパティア。私が戻るまでカイくんをよろしくお願いします。」
「大丈夫大丈夫!この子の事は任せなさい。」
「物資を届けたら必ず戻ります。」
「必ず…ね?」
そう言って彼女はサラサラと風に靡くミルクティー色の髪をスッと右手で耳にかけニコリと微笑む。
大丈夫、彼女に任せて置けば安心できる。
そう確信を得て私も彼女に笑みを返した。
「じゃあ…いきましょうか?よろしくお願いしますね、白竜さん。天青さん。」
空は青く晴れ渡り、温かい春の日差しと柔らかな風がひとつ通りすぎて行く。
―――セデル…今貴方はどこで何をしているのでしょう…?
きっと無事でいてくれている…そう思う事しか私にはできませんが…
私は私の足で精一杯できることをしています。
前を向いて生きるんだ…と…貴方はそう望む筈だと私は思っているから。
待っていますこの空の下…貴方と同じ空の下で―――
「はい!頑張ってお手伝いします!こちらこそよろしくお願いします!ノルンさん!」
私の言葉に目の前に立つ竜の亜人の女性が明るく笑みを浮かべながらハキハキと答える。
海の中で揺らめく海藻のような翼と尾を持つ彼女は両手を重ねて勢い良くお辞儀をする。
私もまた彼女に向かってお辞儀を返しているとギルドの扉が音を立てて開かれ、その先から白い服と赤いスカートを纏った女性が姿を現し、白竜さんの姿を優しげな眼差しで見つめながら「張り切りすぎて壁を壊すんじゃないよ?」と笑みを浮かべた。
「はい!大丈夫ですリザさん!私、一年間リザさんにお料理教えてもらったおかげで力加減、前よりも良くなったんですから!」
そう言いながら白竜さんは両手を胸の前でぐっと握りしめ満面の笑みを浮かべて答えた。
それを見たリザさんの口元が弧を描き、優しく微笑みを浮かべながらこう答える。
「ふふ…そうだね。怪我しないように気を付けるんだよ?
それから、休めるときはちゃんと休むこと!」
ぴっと立てられた人差し指が白竜さんと、その後ろに立つ私にも向けられている事に気づいた。
ああ…なんて慈愛に満ちた人なのだろう。
この方はギルドの人達にとってのお母さんであり、そこを訪れた人にも愛を与えられる人なのですね。
「出発の準備は整ったかい?」
リザさんと会話を交わしていると、一人の男性がこちらへと歩み寄ってきた。
大きな身体に太く鱗に覆われた尾を揺らして歩く男性はリザさんの傍らで足を止めた。
そうこの方がこのギルドのマスターであるルーベラさん。
いつもは私のところへお仕事を斡旋してくださるのですが、今回は私からルーベラさんのギルドへ依頼をさせていただくことになりました。
ルーベラさんの元へカボちゃんにお手紙を届けてもらい、今回の支援の依頼をさせてもらいましたが、さすがとでも言うべきか、私の依頼以上に様々な支援物資を用意していただくことになり、いくら感謝しても足りないくらいです…。
「ルーベラさん、リザさん、こんなに沢山の物資をありがとうございます。」
「困った時はお互い様だからな。」
そう言ってルーベラさんの口元が大きく弧を描く。
赤い瞳をこちらへ向けたまま「頑張ってこいよ」と一言。励ましの言葉を頂きました。
「ノルン!」
ふいにかけられた声のする方へと振り返れば、そこにはカイくんを連れた私の友人…ヒュパティアの姿があった。
「出発するのね?」
「はい、テレーズさんと約束しましたから。
ヒュパティア。私が戻るまでカイくんをよろしくお願いします。」
「大丈夫大丈夫!この子の事は任せなさい。」
「物資を届けたら必ず戻ります。」
「必ず…ね?」
そう言って彼女はサラサラと風に靡くミルクティー色の髪をスッと右手で耳にかけニコリと微笑む。
大丈夫、彼女に任せて置けば安心できる。
そう確信を得て私も彼女に笑みを返した。
「じゃあ…いきましょうか?よろしくお願いしますね、白竜さん。天青さん。」
空は青く晴れ渡り、温かい春の日差しと柔らかな風がひとつ通りすぎて行く。
―――セデル…今貴方はどこで何をしているのでしょう…?
きっと無事でいてくれている…そう思う事しか私にはできませんが…
私は私の足で精一杯できることをしています。
前を向いて生きるんだ…と…貴方はそう望む筈だと私は思っているから。
待っていますこの空の下…貴方と同じ空の下で―――
