第6章 日常
チリン…チリンと海風に吹かれて鈴が鳴る。
鈴の音のする方へ視線を向ければそこには双子の妹の姿。
海風に吹かれて乱れる銀の髪に手を触れ、そっと耳にかける。
強く吹く風に着物の袖がはたはたと舞い上がるが、妹はそんな事は気にする様子もなく、船の甲板に姿を表し俺の隣に歩み寄る。
「おはよう兄さん、次の国は見えてきたかな?」
「ああ、もうそろそろ到着するはずだ。」
青い海原を吹き行く風に乗り、空を飛び交う白い鳥たち。
陸地は近い。
「そろそろ上陸する準備をしないと…。永久。」
「はい、兄さん。
大丈夫です、いつでも準備はできています。」
少ない荷物を袋に纏め肩に担ぐ。
こうして旅をするのも何年目だろうか。
俺達双子は故郷の竜神の加護を得るため修行の旅をしている。
今の世は争いが絶えず、民は飢えに苦しむ。
どこの国もそうだ。
だから俺は旅先の路銀を稼ぐ為、護衛や傭兵の仕事を請け負い、妹の永久は迷える魂を黄泉へと送る浄化を生業としている。
どちらもお互いの修行になる良い仕事だ。
だが、そのどちらの仕事も戦争があってこそ成り立つもの…
正直な気持ちを言えば、そんな仕事は無い方がいいと思う。
危険な戦場を渡り歩くこの旅に妹を連れていくのは俺の本意ではない。
だが俺達はお互いの神力を高めるため戦があると聞けばその国を訪ね歩く。
いつか竜神の加護を必要とされるその時の為に。
「風が気持ちいいね、兄さん。」
「ああ…もうすっかり春の陽気だ。」
「故郷の国も今頃は桜が沢山咲いているかもしれないね。」
「そうだな。」
いつか帰ろう。
あの美しい桜の咲き乱れる俺達の故郷へ。
鈴の音のする方へ視線を向ければそこには双子の妹の姿。
海風に吹かれて乱れる銀の髪に手を触れ、そっと耳にかける。
強く吹く風に着物の袖がはたはたと舞い上がるが、妹はそんな事は気にする様子もなく、船の甲板に姿を表し俺の隣に歩み寄る。
「おはよう兄さん、次の国は見えてきたかな?」
「ああ、もうそろそろ到着するはずだ。」
青い海原を吹き行く風に乗り、空を飛び交う白い鳥たち。
陸地は近い。
「そろそろ上陸する準備をしないと…。永久。」
「はい、兄さん。
大丈夫です、いつでも準備はできています。」
少ない荷物を袋に纏め肩に担ぐ。
こうして旅をするのも何年目だろうか。
俺達双子は故郷の竜神の加護を得るため修行の旅をしている。
今の世は争いが絶えず、民は飢えに苦しむ。
どこの国もそうだ。
だから俺は旅先の路銀を稼ぐ為、護衛や傭兵の仕事を請け負い、妹の永久は迷える魂を黄泉へと送る浄化を生業としている。
どちらもお互いの修行になる良い仕事だ。
だが、そのどちらの仕事も戦争があってこそ成り立つもの…
正直な気持ちを言えば、そんな仕事は無い方がいいと思う。
危険な戦場を渡り歩くこの旅に妹を連れていくのは俺の本意ではない。
だが俺達はお互いの神力を高めるため戦があると聞けばその国を訪ね歩く。
いつか竜神の加護を必要とされるその時の為に。
「風が気持ちいいね、兄さん。」
「ああ…もうすっかり春の陽気だ。」
「故郷の国も今頃は桜が沢山咲いているかもしれないね。」
「そうだな。」
いつか帰ろう。
あの美しい桜の咲き乱れる俺達の故郷へ。
