日常交流
『俺は……マナのことが好きだ。』
まだ俺の見ていない沢山の箱庭があるから……だからまだ一番を決めるのは早いと思う。
何時の事だったか……マナは俺にそう話した事があった。
『ガロンにとっての一番、見つかるといいね』
俺に向けるマナの微笑みはとても優しくて美しかった。
バラバラの箱庭を繋ぐように二人で旅をして世界を見てきた。
だけど……
俺にとっての一番はずっとずっと変わることなく、俺の側にいるマナだけ。
マナだけが俺の目にはキラキラと輝いて見えるんだ……
美味しい物を食べたり、可愛いものを見たり、歌を歌ったり……
全部……全部が愛おしくて愛らしくて……
俺の目にはマナ以外の女の子の姿は映らない。
マナだけがこの世界で一番美しい存在なんだ。
どうしたら伝わるだろう?
どうしたら君が一番だと伝わるだろう……?
「どうしたの?ガロン?どこか具合でも悪いの?」
「マナ……?ああ……ごめん、大丈夫。少し考え事してただけだ、心配ない。」
「そう……?ならいいけど、無理しちゃダメだからね?何かあったらすぐに言わなきゃダメよ?」
まるで幼子を諭すようにマナは言う。
そうだ……マナにとっては俺はまだまだ頼りなくて彼女の庇護なしでは生きられない幼子と同じような存在なのだろう。
このままじゃダメだ、いや、このままでいたくない。
確かに俺はマナがいなければあの森から出ることなく一生を終えるだけの狼だった。
だけど、今は違う。
俺は人間の世界を知った。文化に触れて、暮らしを知って、沢山の人間と交流して、そしてこの世界で一番愛しい人がいることを知った。
俺はいつまでもマナに守られる存在じゃなくて、マナを守れるような頼れる男になりたい…!
「マナ…!」
手を伸ばして引き寄せて抱きしめる。
何処にも行かないで欲しい、側にいて欲しいと思いながら宝物のように胸に抱いて。強く、強く抱きしめた。
「ガロン…?」
驚き目を見開いて俺を見上げるマナと視線が交わる。
驚かせてしまったかもしれない……けど、俺はどうしても伝えたいんだ。
俺は幼い子供じゃない、本気でマナの事を愛しているって事、俺も一人の男なんだってこと……マナに知って欲しいから。
「ごめん、俺は口が下手だから上手く伝わらないのかもしれない。
でも……何度でも言うから……。
マナの事、誰にも渡したくない。
俺は……マナが好きだ。世界で一番輝いて見えるのは……愛しているのはマナだけだ。」
顎に手を添えて優しく唇を重ねる。
人間の世界に来てから覚えた愛の伝え方。
マナは驚き固まってしまったけれど、俺が何をしたのか少しずつ理解してきたみたいで、どんどん頬が赤く染まってきて慌てて視線を反らしてしまった。
「驚いた……?」
「驚いたも何もないわよ…!」
「何か、間違ったことをしたか?
俺は街で見かけた人間達のようにしてみたらマナに伝わるだろうかと思ったんだけどな……?」
「それは…!それは…違……くはないけど…」
どうしたのだろう?こんなに動揺しているマナを見たのは初めてだ。
それが何だか可愛らしく見えて思わず頬が緩んでしまう。
マナはそれどころではないようだけど……
「間違いじゃないならまだ続けてもいいか?」
「へっ……?続けるって……?」
「マナ、大丈夫か?さっきより顔が赤い。
俺マナに贈り物を渡したいんだけど……少し休むか……?」
「大丈夫…!大丈夫よ…!さっきよりは落ち着いたから…!」
そうか、なら大丈夫かと俺はマナに用意してきた贈り物を手渡した。
確かにまだ少し頬は赤いが先程よりも落ち着きを取り戻したマナが笑みを浮かべながら包みを受け取って「開けてみてもいい?」と俺に問いかけた。
中に入っているのは美しい金の刺繍が施された赤い異国のドレスと金細工のリーフが揺れる可愛らしいイヤリングだ。
マナは、街の女の子みたいに着飾ったりしないのか?と一度だけ聞いたことがあったが、その時マナは『旅をしているから着飾ったりしない』と答えていた。
なら、今みたいに旅をしない時なら綺麗なドレスを着てみてもいいんじゃないか?と思ったんだ。
なにより、マナが綺麗に着飾る姿を俺は見てみたかった。
「ガロン……これ……」
「マナに似合うだろうと思ったから、買ってみたんだ。それと……まだマナに贈り物がある。」
手紙を添えて差し出した俺が一番贈りたかった贈り物。
緑柱石の金の指輪。
マナが、受け取ってくれるかはわからないけれど。
それでも、気持ちを込めて贈るって決めた。
俺は真っ直ぐにマナの目を見つめたままそっと小箱の蓋を開いて見せた。
「どんなに沢山の箱庭を覗いても変わらない、マナがこの世界で一番綺麗で素敵な女性なんだ。
だから……マナに受け取って欲しい。
俺の一番大切な人になって欲しい。
マナの事……愛しているから。」
何度でも言う、手紙にも書いて君に伝わるように何度でも愛しているってマナに言うんだ。
「俺はマナとずっと一緒にいたい。
ずっとずっと死ぬまで側にいてマナを守りたい。
愛しているんだ……世界で一番……マナが好きだ。」
そしたらきっとマナに届くと思うから。
まだ俺の見ていない沢山の箱庭があるから……だからまだ一番を決めるのは早いと思う。
何時の事だったか……マナは俺にそう話した事があった。
『ガロンにとっての一番、見つかるといいね』
俺に向けるマナの微笑みはとても優しくて美しかった。
バラバラの箱庭を繋ぐように二人で旅をして世界を見てきた。
だけど……
俺にとっての一番はずっとずっと変わることなく、俺の側にいるマナだけ。
マナだけが俺の目にはキラキラと輝いて見えるんだ……
美味しい物を食べたり、可愛いものを見たり、歌を歌ったり……
全部……全部が愛おしくて愛らしくて……
俺の目にはマナ以外の女の子の姿は映らない。
マナだけがこの世界で一番美しい存在なんだ。
どうしたら伝わるだろう?
どうしたら君が一番だと伝わるだろう……?
「どうしたの?ガロン?どこか具合でも悪いの?」
「マナ……?ああ……ごめん、大丈夫。少し考え事してただけだ、心配ない。」
「そう……?ならいいけど、無理しちゃダメだからね?何かあったらすぐに言わなきゃダメよ?」
まるで幼子を諭すようにマナは言う。
そうだ……マナにとっては俺はまだまだ頼りなくて彼女の庇護なしでは生きられない幼子と同じような存在なのだろう。
このままじゃダメだ、いや、このままでいたくない。
確かに俺はマナがいなければあの森から出ることなく一生を終えるだけの狼だった。
だけど、今は違う。
俺は人間の世界を知った。文化に触れて、暮らしを知って、沢山の人間と交流して、そしてこの世界で一番愛しい人がいることを知った。
俺はいつまでもマナに守られる存在じゃなくて、マナを守れるような頼れる男になりたい…!
「マナ…!」
手を伸ばして引き寄せて抱きしめる。
何処にも行かないで欲しい、側にいて欲しいと思いながら宝物のように胸に抱いて。強く、強く抱きしめた。
「ガロン…?」
驚き目を見開いて俺を見上げるマナと視線が交わる。
驚かせてしまったかもしれない……けど、俺はどうしても伝えたいんだ。
俺は幼い子供じゃない、本気でマナの事を愛しているって事、俺も一人の男なんだってこと……マナに知って欲しいから。
「ごめん、俺は口が下手だから上手く伝わらないのかもしれない。
でも……何度でも言うから……。
マナの事、誰にも渡したくない。
俺は……マナが好きだ。世界で一番輝いて見えるのは……愛しているのはマナだけだ。」
顎に手を添えて優しく唇を重ねる。
人間の世界に来てから覚えた愛の伝え方。
マナは驚き固まってしまったけれど、俺が何をしたのか少しずつ理解してきたみたいで、どんどん頬が赤く染まってきて慌てて視線を反らしてしまった。
「驚いた……?」
「驚いたも何もないわよ…!」
「何か、間違ったことをしたか?
俺は街で見かけた人間達のようにしてみたらマナに伝わるだろうかと思ったんだけどな……?」
「それは…!それは…違……くはないけど…」
どうしたのだろう?こんなに動揺しているマナを見たのは初めてだ。
それが何だか可愛らしく見えて思わず頬が緩んでしまう。
マナはそれどころではないようだけど……
「間違いじゃないならまだ続けてもいいか?」
「へっ……?続けるって……?」
「マナ、大丈夫か?さっきより顔が赤い。
俺マナに贈り物を渡したいんだけど……少し休むか……?」
「大丈夫…!大丈夫よ…!さっきよりは落ち着いたから…!」
そうか、なら大丈夫かと俺はマナに用意してきた贈り物を手渡した。
確かにまだ少し頬は赤いが先程よりも落ち着きを取り戻したマナが笑みを浮かべながら包みを受け取って「開けてみてもいい?」と俺に問いかけた。
中に入っているのは美しい金の刺繍が施された赤い異国のドレスと金細工のリーフが揺れる可愛らしいイヤリングだ。
マナは、街の女の子みたいに着飾ったりしないのか?と一度だけ聞いたことがあったが、その時マナは『旅をしているから着飾ったりしない』と答えていた。
なら、今みたいに旅をしない時なら綺麗なドレスを着てみてもいいんじゃないか?と思ったんだ。
なにより、マナが綺麗に着飾る姿を俺は見てみたかった。
「ガロン……これ……」
「マナに似合うだろうと思ったから、買ってみたんだ。それと……まだマナに贈り物がある。」
手紙を添えて差し出した俺が一番贈りたかった贈り物。
緑柱石の金の指輪。
マナが、受け取ってくれるかはわからないけれど。
それでも、気持ちを込めて贈るって決めた。
俺は真っ直ぐにマナの目を見つめたままそっと小箱の蓋を開いて見せた。
「どんなに沢山の箱庭を覗いても変わらない、マナがこの世界で一番綺麗で素敵な女性なんだ。
だから……マナに受け取って欲しい。
俺の一番大切な人になって欲しい。
マナの事……愛しているから。」
何度でも言う、手紙にも書いて君に伝わるように何度でも愛しているってマナに言うんだ。
「俺はマナとずっと一緒にいたい。
ずっとずっと死ぬまで側にいてマナを守りたい。
愛しているんだ……世界で一番……マナが好きだ。」
そしたらきっとマナに届くと思うから。
