日常交流
キョウの故郷は、旧き文化や魔法を受け継ぎ、伝えているところらしい。自然豊かで、静かな場所。国を回っているけど、まだまだあたしの知らない場所はたくさんあるんだと改めて思った。故郷を知らないあたしが、キョウの故郷に行くというのはなんだか不思議な感じだ。
でもすごく楽しそうなのも事実で、それにキョウと一緒にいられるというのも嬉しいし。
「キョウの故郷、行ってみたい!」
「わかりました。……では、今の手伝いが一段落したら行きましょうか」
「やった!」
思わずガッツポーズをしたあたしを見て、キョウが微妙な顔をする。だって楽しみなんだから仕方ないじゃないか! それに魔法を受け継いでるということは……、あたしの家族に関することも何か、わかるかもしれないから。
あたしは純粋なヒュームよりも強い魔力を持っている。妖精族の血が流れているからだろうってことだけど、それ以上のこと――あたしの家族については、保護者は何も話さないままに亡くなっているから、よくわからないままだ。
――瑠璃色の瞳が、ゆるく細まった。それに手を伸ばしたら、抱きかかえられたのか、距離が縮まる。そして、穏やかな笑顔とともに、唇が、
「レイミア!」
「っ――! ごめん。話聞いてなかった……」
「突然ボーっとするからビックリしましたよ。ダイジョウブですか?」
「大丈夫。……なんだったんだろ、あれ」
見ていたはずの光景は、白昼夢のように消えてしまって思い出すことができない。ただ、こちらを見ていたであろう瑠璃色の瞳だけが、印象的だった。
そんな感じで考えていたのが、キョウにはどううつったのか。不意に手を取られて、同時にぎゅっという感触とともに体温が伝わってくる。
「珍しくレイミアが考え込んでいてアブナイですからね……、転ばないように手を、つないでいてあげます」
「……うん、ありがとう」
握られた手からキョウの優しさが伝わってきて、少しだけ感じていた不安も吹き飛んでしまった。そうだ、故郷も家族もわからないあたしだけど、この国でのつながりはきちんと持っている。手をつないで歩きたいと思った人が隣にいる。それで、いいじゃないか。
「うんうん、それでいいんだよね……えへへ」
「なんですかいきなり笑い出して」
「ちょっと、ね! キョウの故郷に行くのが楽しみだって思って!」
故郷がわからなくても、家族の記憶がなくても。あたしは保護者に育ててもらって、旅の道中で出会った人がいて、キョウたちがいて。あたしの境遇を知って不幸せだと思う人もいるのかもしれないけど……、あたしは、幸せだ。
そういえば、数年だけ一緒に旅をしていたナチは元気なのかな……とか頭をよぎった。でも、あの性格ならのらりくらり、生きてるか。
目的があるって一緒にいたときは言っていたけど、それは果たされたんだろうか。
でもすごく楽しそうなのも事実で、それにキョウと一緒にいられるというのも嬉しいし。
「キョウの故郷、行ってみたい!」
「わかりました。……では、今の手伝いが一段落したら行きましょうか」
「やった!」
思わずガッツポーズをしたあたしを見て、キョウが微妙な顔をする。だって楽しみなんだから仕方ないじゃないか! それに魔法を受け継いでるということは……、あたしの家族に関することも何か、わかるかもしれないから。
あたしは純粋なヒュームよりも強い魔力を持っている。妖精族の血が流れているからだろうってことだけど、それ以上のこと――あたしの家族については、保護者は何も話さないままに亡くなっているから、よくわからないままだ。
――瑠璃色の瞳が、ゆるく細まった。それに手を伸ばしたら、抱きかかえられたのか、距離が縮まる。そして、穏やかな笑顔とともに、唇が、
「レイミア!」
「っ――! ごめん。話聞いてなかった……」
「突然ボーっとするからビックリしましたよ。ダイジョウブですか?」
「大丈夫。……なんだったんだろ、あれ」
見ていたはずの光景は、白昼夢のように消えてしまって思い出すことができない。ただ、こちらを見ていたであろう瑠璃色の瞳だけが、印象的だった。
そんな感じで考えていたのが、キョウにはどううつったのか。不意に手を取られて、同時にぎゅっという感触とともに体温が伝わってくる。
「珍しくレイミアが考え込んでいてアブナイですからね……、転ばないように手を、つないでいてあげます」
「……うん、ありがとう」
握られた手からキョウの優しさが伝わってきて、少しだけ感じていた不安も吹き飛んでしまった。そうだ、故郷も家族もわからないあたしだけど、この国でのつながりはきちんと持っている。手をつないで歩きたいと思った人が隣にいる。それで、いいじゃないか。
「うんうん、それでいいんだよね……えへへ」
「なんですかいきなり笑い出して」
「ちょっと、ね! キョウの故郷に行くのが楽しみだって思って!」
故郷がわからなくても、家族の記憶がなくても。あたしは保護者に育ててもらって、旅の道中で出会った人がいて、キョウたちがいて。あたしの境遇を知って不幸せだと思う人もいるのかもしれないけど……、あたしは、幸せだ。
そういえば、数年だけ一緒に旅をしていたナチは元気なのかな……とか頭をよぎった。でも、あの性格ならのらりくらり、生きてるか。
目的があるって一緒にいたときは言っていたけど、それは果たされたんだろうか。
