日常交流
……しまった。瓊雲様がどこにもいらっしゃらない。形跡を見るに、私が寝ている合間に自室の窓から出て行かれたようだ。うっかりしていた…私がしっかり見張っていなければ瓊雲様は今もここにいらっしゃるであろうというのに。
…ハァ。旦那様にはどのようにご報告したら良いものか。さぞ悲しまれることだろう。私の失態のために悲しまれてしまうなんて…そう考えると自分の未熟さに腹が立ってしまう。
いや、そのようなことは考えている場合ではない。瓊雲様の身が心配だ。瓊雲様に何かあってからでは遅い。一刻も早く捜しに行かねば。ひとまず旦那様にご報告し、瓊雲様を捜しに行くご許可をいただこう。
*
「…本当に申し訳ありません。罰を受ける覚悟はできております」
片膝立ちの姿勢で頭を垂れ、旦那様のお言葉を静かに待つ。本当に、どのような罰も受ける覚悟はできている。
「ふむ…確かに、瓊雲が出て行ってしまったのは、その護衛たるそなたの失態。これは罰を与えるべきことじゃな。…そなたを、一時的にこの屋敷から追放する。これを罰とする。……瓊雲を、瓊雲を連れ戻しに行ってくれぇぇぇ…!!」
旦那様は号泣し始めた。そう言えば旦那様は涙脆いお方だった。いや、そうでなくとも愛娘がいないというその心配と不安は、他人には安易に測り切れるものではない。
「旦那様…!お気を確かに…!瓊雲様は私めが必ずや連れ帰って参ります!どうか、泣き止まれてください…!」
「ぐすっ、わかっておる…今回はうっかりであったとはいえ、そなたが優秀な護衛であることは儂も承知じゃ。必ず連れ戻せ。信頼しておるぞ、静雨」
「はっ!必ずや!」
*
旦那様に瓊雲様を捜しに行くご許可をいただき、人々から様々な情報を得て、辿り着いた先はブルボン国。随分と遠いところまで行かれたのか…。さて、改めて捜しに行こう。
「すみません、そこのお方。このような人物を見かけませんでしたか?」
瓊雲様のお顔が描かれた紙を見せながら、近くにいた通行人に尋ねる。
「ん〜?ああ、このきれいな娘さんね。ちょっと前に見たなあ。確か、ふわふわ〜って漂うみたいにここから向こうの方に行ってたっけ。そっちの方向は魔物も出る森の道だったような…あの娘さん、戦えるような感じはしなかったから大丈夫だったかねえ」
魔物が出る…何と言うことだ。そのような危険なところに行かれているのだとしたら…急がねば。
「そうでしたか…教えてくださり、ありがとうございます」
「いえいえ。あんたは戦えそうだからこんなこと言うのは野暮かもしれないけど、向こうに行くなら魔物に気をつけてな」
「ご忠告感謝します」
通行人に踵を返し、瓊雲様が向かわれたという森の道へ急ぐ。瓊雲様…どうかご無事でいてください…!!
…ハァ。旦那様にはどのようにご報告したら良いものか。さぞ悲しまれることだろう。私の失態のために悲しまれてしまうなんて…そう考えると自分の未熟さに腹が立ってしまう。
いや、そのようなことは考えている場合ではない。瓊雲様の身が心配だ。瓊雲様に何かあってからでは遅い。一刻も早く捜しに行かねば。ひとまず旦那様にご報告し、瓊雲様を捜しに行くご許可をいただこう。
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「…本当に申し訳ありません。罰を受ける覚悟はできております」
片膝立ちの姿勢で頭を垂れ、旦那様のお言葉を静かに待つ。本当に、どのような罰も受ける覚悟はできている。
「ふむ…確かに、瓊雲が出て行ってしまったのは、その護衛たるそなたの失態。これは罰を与えるべきことじゃな。…そなたを、一時的にこの屋敷から追放する。これを罰とする。……瓊雲を、瓊雲を連れ戻しに行ってくれぇぇぇ…!!」
旦那様は号泣し始めた。そう言えば旦那様は涙脆いお方だった。いや、そうでなくとも愛娘がいないというその心配と不安は、他人には安易に測り切れるものではない。
「旦那様…!お気を確かに…!瓊雲様は私めが必ずや連れ帰って参ります!どうか、泣き止まれてください…!」
「ぐすっ、わかっておる…今回はうっかりであったとはいえ、そなたが優秀な護衛であることは儂も承知じゃ。必ず連れ戻せ。信頼しておるぞ、静雨」
「はっ!必ずや!」
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旦那様に瓊雲様を捜しに行くご許可をいただき、人々から様々な情報を得て、辿り着いた先はブルボン国。随分と遠いところまで行かれたのか…。さて、改めて捜しに行こう。
「すみません、そこのお方。このような人物を見かけませんでしたか?」
瓊雲様のお顔が描かれた紙を見せながら、近くにいた通行人に尋ねる。
「ん〜?ああ、このきれいな娘さんね。ちょっと前に見たなあ。確か、ふわふわ〜って漂うみたいにここから向こうの方に行ってたっけ。そっちの方向は魔物も出る森の道だったような…あの娘さん、戦えるような感じはしなかったから大丈夫だったかねえ」
魔物が出る…何と言うことだ。そのような危険なところに行かれているのだとしたら…急がねば。
「そうでしたか…教えてくださり、ありがとうございます」
「いえいえ。あんたは戦えそうだからこんなこと言うのは野暮かもしれないけど、向こうに行くなら魔物に気をつけてな」
「ご忠告感謝します」
通行人に踵を返し、瓊雲様が向かわれたという森の道へ急ぐ。瓊雲様…どうかご無事でいてください…!!
