日常交流
ブルボン国某港。旅客船が到着し、そこから多くの人々が降りていく。
「ん〜!いい船旅だった〜!ノリで船に乗っちゃって、全然知らないところに来たけど…まあこれも旅って感じがしていいかな!」
と、声を発する青髪の少女もまた、船から降りる人々に合わせるように歩いた。
青髪の少女こと蘭瓊雲は、家を出たくて仕方がなかった。彼女は良家のお嬢様であり、両親からは大事に育てられてきた。しかし、その教育が行き過ぎて、家族で出かける時以外は彼女を外へ出そうとしたことがなかった。言わば閉じ込められているに等しい状態だったのである。
それを長年退屈で嫌に思っていた瓊雲は、ある時思い切って両親に「自分の見聞を広めたいから外に出たい」と相談した。しかし、過保護な両親からは当然これを拒否される。その後、何回も相談するも、耳を傾けてもらえることはなかった。
これに業を煮やした瓊雲は、こっそりと外へ出ることを決心する。護衛や家の者の目を盜み、誰にも気づかれないように窓から抜け出し、得意の浮遊魔法を使ってすばやく家の外まで移動。
こうして外に出ることに成功したのであった。
しかし、外に出ることに成功したはいいが、彼女には旅には向かない困った点があった。
「うーん、困ったなあ。船を出て3分くらいしか経ってないのに、もう道に迷いました」
この発言からも察せる通り、 瓊雲は強烈な方向音痴なのである。何せ今まで自分の足で出かけるということがなかったのだ。道を行く方法を知らないのは当然と言えば当然である。だがしかし。
「迷っちゃったけど…まあ、歩いていればどうにかなるよね!」
危険を知らない箱入り娘なので、能天気に道を進んで行くのであった。
「本でしか知らなかったけど、異国っていいね!私の国とは雰囲気が全然違って新鮮!いるだけで楽しい!」
歩きながらくるんとその場を回り、周囲を見渡した。家の外の世界は、こんなにも広く楽しいものなのだと感じていた。しかし、それと同時に寂しさと不安も迫っていた。
「でも、少し寂しい気もするから誰かと一緒に行けばよかったかな……んん、ダメだよ。その誰かは家の人しかいないし、その家の人はみんな反対するから。一人でいいんだよ」
歩みを緩め、終いには立ち止まり、少々寂しげな表情になりながら呟く。自分の意思で家を出たのは初めてのことだったので、楽しみもあるがやはり不安もあるのだ。ずっと家にいて外のことをあまり知らなかったので、楽しみも不安もどちらも人一倍大きい。そして、その不安から帰りたいという気持ちも出てきている。
「いいや!ずっと家に閉じ込められる生き方なんてダメだって!だから家を飛び出したんじゃない!しっかりしろっ、瓊雲」
高まっていく不安を消すかのように、自分の頬をビシッと叩いた。気持ちを能天気な方向に切り替え、再び歩き始める。
退屈な家の暮らしを嫌い、大胆にも一人家を飛び出した瓊雲。箱入り娘が、今その箱を破ろうとしていた。
「ん〜!いい船旅だった〜!ノリで船に乗っちゃって、全然知らないところに来たけど…まあこれも旅って感じがしていいかな!」
と、声を発する青髪の少女もまた、船から降りる人々に合わせるように歩いた。
青髪の少女こと蘭瓊雲は、家を出たくて仕方がなかった。彼女は良家のお嬢様であり、両親からは大事に育てられてきた。しかし、その教育が行き過ぎて、家族で出かける時以外は彼女を外へ出そうとしたことがなかった。言わば閉じ込められているに等しい状態だったのである。
それを長年退屈で嫌に思っていた瓊雲は、ある時思い切って両親に「自分の見聞を広めたいから外に出たい」と相談した。しかし、過保護な両親からは当然これを拒否される。その後、何回も相談するも、耳を傾けてもらえることはなかった。
これに業を煮やした瓊雲は、こっそりと外へ出ることを決心する。護衛や家の者の目を盜み、誰にも気づかれないように窓から抜け出し、得意の浮遊魔法を使ってすばやく家の外まで移動。
こうして外に出ることに成功したのであった。
しかし、外に出ることに成功したはいいが、彼女には旅には向かない困った点があった。
「うーん、困ったなあ。船を出て3分くらいしか経ってないのに、もう道に迷いました」
この発言からも察せる通り、 瓊雲は強烈な方向音痴なのである。何せ今まで自分の足で出かけるということがなかったのだ。道を行く方法を知らないのは当然と言えば当然である。だがしかし。
「迷っちゃったけど…まあ、歩いていればどうにかなるよね!」
危険を知らない箱入り娘なので、能天気に道を進んで行くのであった。
「本でしか知らなかったけど、異国っていいね!私の国とは雰囲気が全然違って新鮮!いるだけで楽しい!」
歩きながらくるんとその場を回り、周囲を見渡した。家の外の世界は、こんなにも広く楽しいものなのだと感じていた。しかし、それと同時に寂しさと不安も迫っていた。
「でも、少し寂しい気もするから誰かと一緒に行けばよかったかな……んん、ダメだよ。その誰かは家の人しかいないし、その家の人はみんな反対するから。一人でいいんだよ」
歩みを緩め、終いには立ち止まり、少々寂しげな表情になりながら呟く。自分の意思で家を出たのは初めてのことだったので、楽しみもあるがやはり不安もあるのだ。ずっと家にいて外のことをあまり知らなかったので、楽しみも不安もどちらも人一倍大きい。そして、その不安から帰りたいという気持ちも出てきている。
「いいや!ずっと家に閉じ込められる生き方なんてダメだって!だから家を飛び出したんじゃない!しっかりしろっ、瓊雲」
高まっていく不安を消すかのように、自分の頬をビシッと叩いた。気持ちを能天気な方向に切り替え、再び歩き始める。
退屈な家の暮らしを嫌い、大胆にも一人家を飛び出した瓊雲。箱入り娘が、今その箱を破ろうとしていた。
