第9節 感謝祭&生誕祭
「天青さん!今日のお夕飯は何がいいですか?」
「夕飯、ねぇ……温まるやつが食いてぇな。
あと……肉だな。肉が食いてぇ。」
市場を歩きながら何気なく会話を交わす。
私達の距離は一定の距離を保ったまま同じ歩調で歩き続けている。
ちらりと隣に視線を向ければ私よりも背の高いあなたの姿がすぐ側に見える。
以前よりもずっと近くなった私とあなたの距離は手を伸ばせば届くぐらいの距離になった。
でも……やっぱり人前では少し恥ずかしくて、今もこうして僅かな隙間を埋めることができないまま歩いている。
ほんの少し……あと少しだけ勇気があれば……この隙間を埋められるかな……?
鼓動が高鳴り頬が熱を帯び震える指先でそっとあなたの手に触れてみる。
私の指が触れた瞬間あなたの手がピクリと動いた。
頭上に視線を感じて顔を上げてみれば少しだけ目を見開いたあなたの瞳と視線が交わる。
「あっ……あの……」
ちゃんと伝えなきゃ……私が何をしたいのか……どうしてほしいのかをちゃんと言わなきゃ……
「手……繋ぎたい……
私……天青さんと……手を……繋いでみたいです……」
こんなに緊張するのはどうしてだろう……?
今まで何度も天青さんと一緒に過ごしてきたのに……
天青さんのお家だったらこんなに勇気を出さなくたってもっと触れられるのに……
尻尾を絡めてみたり、抱き締めたり……手を繋ぐよりずっと難しいことしてきたんだけどな……?
もっと自然に……あなたにしてもらうだけじゃなくて自分から触れられるようになりたい……
私より大きな手をぎゅ……っと握りしめた。
とても恥ずかしくてあなたの顔を見ることができないけれど、握り返された手の温もりにまた鼓動が高鳴った。
「大好きです……天青さん……」
きっとあなたは気恥ずかしくて視線を反らしながら私の手を握ってくれているのでしょうね。
そんなあなたが私は……大好きなんです。
「…………うどん…………」
「えっ?」
「鍋焼うどんが食いたいな……前に食ったあれ……また……作ってくれるか……?」
そう言うあなたの頬はいつもより少し赤みがかっていて……気恥ずかしそうに空いた方の手でポリポリと頬を掻く仕草がなんだか可愛く思えて……
くすりと笑みが溢れた。
「はい!喜んで!
卵とお野菜と天青さんが好きなお肉を沢山入れて作りますね?
二人で食べてもおかわりできるくらい大きなお鍋で沢山作りますね!」
あなたの言葉で緊張が解けていつも通りの私に戻れた気がした。
今度はずっと手を握ったままでも恥ずかしくありません。
だからこのまま手を繋いでいてもいいですよね……?
私今とっても……とっても幸せなんです。
+++++++++++++++++++++++
「悪ぃな……また夕飯作ってもらっちまって。」
「いいえ、私天青さんに食べてもらうのが嬉しいんです。
だから……明日もまた、作らせてくださいね?」
すっかり夜も更けて暗い夜道を一人で帰らせる訳にはいかないとあなたはギルドまで私を送ってくれた。
あなたの優しさに甘えて遅くまで居座って迷惑をかけたのは私の方だと言うのに……。
「今夜は冷えるからな……温かくして寝ろよ白竜?」
頬に触れて優しく微笑む天青さんの顔……とても近い……もう少しあと一歩踏み出せたら触れてしまいそうなくらいの……
少しだけ背伸びしてそっと頬にキスを贈る。
素敵な1日をありがとう……って。
こっちのほうが言葉にするより伝わりそうな気がして……。
「また……明日……おやすみなさい天青さん。」
とても恥ずかしくてあなたの顔を見る事ができなかった。
あなたはどんな顔をしていただろう……
驚かせてしまったかな……あんな事するだなんてきっと思ってなかったよね……
ベッドに身を横たえて頭から毛布をかぶって、眠らなきゃ……眠らなきゃ……って思いながら瞼を閉じる。
けれど……あの時の感触がまだ唇に残っていて……未だに落ち着かない胸の鼓動がうるさくて……
側にあなたがいないと気づかされて……
「……天青さん……」
どうしようもないくらい寂しさを覚えた。
寝巻きの上に上着を羽織ってこっそりギルドを抜け出した。
今すぐにあなたのところへ行きたくて……月明かりだけを頼りにあなたの家を目指して真っ直ぐに駆け抜けた。
まだ……起きてるかな……こんな真夜中に訪ねてもあなたは気づいてくれるかな……?
トントン……と扉を叩いてあなたの名前を呼んでみる。
「天青さん……天青さん……まだ起きてますか……?
私です……白竜です……」
眠ってしまったかもしれない……そう思いながらも何度も扉を叩いて呼び掛けた。
これでダメならギルドへ戻ろう……そう思ったその時、カチャリと音を立ててゆっくりと扉が開いた。
一筋の光が私の足元まで伸びてきて驚き目を丸くするあなたの瞳と視線が交わった。
「白竜……?」
「また……驚かせてしまいましたよね……ごめんなさい……でも……どうしても……寂しくなってしまって……」
戸惑うあなたの胸に飛び込んで頬を寄せ懇願するように言葉を口にする。
「お願いです……一晩だけでいいんです……天青さんの側に居させてください……」
「夕飯、ねぇ……温まるやつが食いてぇな。
あと……肉だな。肉が食いてぇ。」
市場を歩きながら何気なく会話を交わす。
私達の距離は一定の距離を保ったまま同じ歩調で歩き続けている。
ちらりと隣に視線を向ければ私よりも背の高いあなたの姿がすぐ側に見える。
以前よりもずっと近くなった私とあなたの距離は手を伸ばせば届くぐらいの距離になった。
でも……やっぱり人前では少し恥ずかしくて、今もこうして僅かな隙間を埋めることができないまま歩いている。
ほんの少し……あと少しだけ勇気があれば……この隙間を埋められるかな……?
鼓動が高鳴り頬が熱を帯び震える指先でそっとあなたの手に触れてみる。
私の指が触れた瞬間あなたの手がピクリと動いた。
頭上に視線を感じて顔を上げてみれば少しだけ目を見開いたあなたの瞳と視線が交わる。
「あっ……あの……」
ちゃんと伝えなきゃ……私が何をしたいのか……どうしてほしいのかをちゃんと言わなきゃ……
「手……繋ぎたい……
私……天青さんと……手を……繋いでみたいです……」
こんなに緊張するのはどうしてだろう……?
今まで何度も天青さんと一緒に過ごしてきたのに……
天青さんのお家だったらこんなに勇気を出さなくたってもっと触れられるのに……
尻尾を絡めてみたり、抱き締めたり……手を繋ぐよりずっと難しいことしてきたんだけどな……?
もっと自然に……あなたにしてもらうだけじゃなくて自分から触れられるようになりたい……
私より大きな手をぎゅ……っと握りしめた。
とても恥ずかしくてあなたの顔を見ることができないけれど、握り返された手の温もりにまた鼓動が高鳴った。
「大好きです……天青さん……」
きっとあなたは気恥ずかしくて視線を反らしながら私の手を握ってくれているのでしょうね。
そんなあなたが私は……大好きなんです。
「…………うどん…………」
「えっ?」
「鍋焼うどんが食いたいな……前に食ったあれ……また……作ってくれるか……?」
そう言うあなたの頬はいつもより少し赤みがかっていて……気恥ずかしそうに空いた方の手でポリポリと頬を掻く仕草がなんだか可愛く思えて……
くすりと笑みが溢れた。
「はい!喜んで!
卵とお野菜と天青さんが好きなお肉を沢山入れて作りますね?
二人で食べてもおかわりできるくらい大きなお鍋で沢山作りますね!」
あなたの言葉で緊張が解けていつも通りの私に戻れた気がした。
今度はずっと手を握ったままでも恥ずかしくありません。
だからこのまま手を繋いでいてもいいですよね……?
私今とっても……とっても幸せなんです。
+++++++++++++++++++++++
「悪ぃな……また夕飯作ってもらっちまって。」
「いいえ、私天青さんに食べてもらうのが嬉しいんです。
だから……明日もまた、作らせてくださいね?」
すっかり夜も更けて暗い夜道を一人で帰らせる訳にはいかないとあなたはギルドまで私を送ってくれた。
あなたの優しさに甘えて遅くまで居座って迷惑をかけたのは私の方だと言うのに……。
「今夜は冷えるからな……温かくして寝ろよ白竜?」
頬に触れて優しく微笑む天青さんの顔……とても近い……もう少しあと一歩踏み出せたら触れてしまいそうなくらいの……
少しだけ背伸びしてそっと頬にキスを贈る。
素敵な1日をありがとう……って。
こっちのほうが言葉にするより伝わりそうな気がして……。
「また……明日……おやすみなさい天青さん。」
とても恥ずかしくてあなたの顔を見る事ができなかった。
あなたはどんな顔をしていただろう……
驚かせてしまったかな……あんな事するだなんてきっと思ってなかったよね……
ベッドに身を横たえて頭から毛布をかぶって、眠らなきゃ……眠らなきゃ……って思いながら瞼を閉じる。
けれど……あの時の感触がまだ唇に残っていて……未だに落ち着かない胸の鼓動がうるさくて……
側にあなたがいないと気づかされて……
「……天青さん……」
どうしようもないくらい寂しさを覚えた。
寝巻きの上に上着を羽織ってこっそりギルドを抜け出した。
今すぐにあなたのところへ行きたくて……月明かりだけを頼りにあなたの家を目指して真っ直ぐに駆け抜けた。
まだ……起きてるかな……こんな真夜中に訪ねてもあなたは気づいてくれるかな……?
トントン……と扉を叩いてあなたの名前を呼んでみる。
「天青さん……天青さん……まだ起きてますか……?
私です……白竜です……」
眠ってしまったかもしれない……そう思いながらも何度も扉を叩いて呼び掛けた。
これでダメならギルドへ戻ろう……そう思ったその時、カチャリと音を立ててゆっくりと扉が開いた。
一筋の光が私の足元まで伸びてきて驚き目を丸くするあなたの瞳と視線が交わった。
「白竜……?」
「また……驚かせてしまいましたよね……ごめんなさい……でも……どうしても……寂しくなってしまって……」
戸惑うあなたの胸に飛び込んで頬を寄せ懇願するように言葉を口にする。
「お願いです……一晩だけでいいんです……天青さんの側に居させてください……」
