第15章 極北の地
メドラウトさんに引き寄せられて、腕の中におさまる。彼の体温を感じて、胸がどきどきと高鳴る。いったい何度目、かな。思考が逃げるように別のことを考えようとするけれど――力強い腕の力と、私とは違う体温を感じてそれどころではなくなる。
そして、ただでさえ余裕がなかったのに、ふってきたメドラウトさんの言葉で、それは、一切掻き消えることになった。
「エテル……一緒に行こう。俺は王宮騎士だ。だが……ここから先はお前を守る騎士にしてくれ。お前の身に降りかかる厄は俺が全て払おう」
それだけじゃないの。その言葉だけでもとても嬉しかったけれど、それだけじゃなかった。
「……好きだ、エテル。俺をエテルの騎士にしてくれ」
――え? メドラウトさん、今なんて。 一緒に来てくれるだけじゃなくて、私のことが好きって、言って……?
「え? ……メドラウトさん、え?」
「おいおい……混乱しすぎだ」
苦笑するメドラウトさんの声。抱きしめられているのと私が……目を向けられなくて、表情はわからないけれど、きっと苦笑している。目尻はちょっと下がって、小さい子どもを見るような、そんな優しい瞳をしている気がする。
そんなことを考えるうちに、ようやく落ち着いてきた。そしてかわりに言葉がゆっくりと浸透して……耳まで赤くなるのを、感じる。だって、来てくれる、って言ってくれたうえに私のことが、好き、だなんて……!!
まだいろいろな気持ちがぐるぐるしていて落ち着かないけど、無性に、メドラウトさんの顔が見たいと思った。少しみじろぐと、意図を察してくれたのか、ゆっくりと腕の力を緩めてくれた。
たき火に照らされる表情は、私が想像した通りに――とても優しかった。
私は、そんな彼にずっと支えられてきた。出会いはいろいろあったけど――私が気付かなかったことを気づかせてくれて、二人旅では慣れない私のことを、気遣ってくれて。そして、たくさん守ってくれた。
彼の護衛の任務がどこまでかはわからないけれど……、巻き込みたくないと思っていたのだから、この先は違う人と進むことや一人で行くこともできたはず。でも私は、メドラウトさんに来て欲しい、一緒にいて欲しいとずっと思って、ほかの人と一緒に行こうだなんて、全然思わなかった。
――……なんだ、それがこたえだよ。彼の思いに対する、こたえだ。
「少しは落ち着いたみたいだな。耳まで真っ赤だったぞ」
「もう大丈夫です! 落ち着きました」
まだ熱が残っているけれど、さっきよりは落ち着いた。それより、ちゃんと返さなきゃ。彼が私に向けてくれた思いを。今度は、私が。
「メドラウトさん……私も、好きです。メドラウトさんが来てくれると言うならば、もう私に怖いものはありません。どうか、私の騎士に、なってください」
メドラウトさんの言葉への感謝、好きだと言ってくれた思いに対しての返事、それ以外にもいろいろ言いたいことも伝えたいこともあったけれど……、気づけばそう、言っていた。
メドラウトさんがいれば、私は大丈夫。そう思うの。
そして、ただでさえ余裕がなかったのに、ふってきたメドラウトさんの言葉で、それは、一切掻き消えることになった。
「エテル……一緒に行こう。俺は王宮騎士だ。だが……ここから先はお前を守る騎士にしてくれ。お前の身に降りかかる厄は俺が全て払おう」
それだけじゃないの。その言葉だけでもとても嬉しかったけれど、それだけじゃなかった。
「……好きだ、エテル。俺をエテルの騎士にしてくれ」
――え? メドラウトさん、今なんて。 一緒に来てくれるだけじゃなくて、私のことが好きって、言って……?
「え? ……メドラウトさん、え?」
「おいおい……混乱しすぎだ」
苦笑するメドラウトさんの声。抱きしめられているのと私が……目を向けられなくて、表情はわからないけれど、きっと苦笑している。目尻はちょっと下がって、小さい子どもを見るような、そんな優しい瞳をしている気がする。
そんなことを考えるうちに、ようやく落ち着いてきた。そしてかわりに言葉がゆっくりと浸透して……耳まで赤くなるのを、感じる。だって、来てくれる、って言ってくれたうえに私のことが、好き、だなんて……!!
まだいろいろな気持ちがぐるぐるしていて落ち着かないけど、無性に、メドラウトさんの顔が見たいと思った。少しみじろぐと、意図を察してくれたのか、ゆっくりと腕の力を緩めてくれた。
たき火に照らされる表情は、私が想像した通りに――とても優しかった。
私は、そんな彼にずっと支えられてきた。出会いはいろいろあったけど――私が気付かなかったことを気づかせてくれて、二人旅では慣れない私のことを、気遣ってくれて。そして、たくさん守ってくれた。
彼の護衛の任務がどこまでかはわからないけれど……、巻き込みたくないと思っていたのだから、この先は違う人と進むことや一人で行くこともできたはず。でも私は、メドラウトさんに来て欲しい、一緒にいて欲しいとずっと思って、ほかの人と一緒に行こうだなんて、全然思わなかった。
――……なんだ、それがこたえだよ。彼の思いに対する、こたえだ。
「少しは落ち着いたみたいだな。耳まで真っ赤だったぞ」
「もう大丈夫です! 落ち着きました」
まだ熱が残っているけれど、さっきよりは落ち着いた。それより、ちゃんと返さなきゃ。彼が私に向けてくれた思いを。今度は、私が。
「メドラウトさん……私も、好きです。メドラウトさんが来てくれると言うならば、もう私に怖いものはありません。どうか、私の騎士に、なってください」
メドラウトさんの言葉への感謝、好きだと言ってくれた思いに対しての返事、それ以外にもいろいろ言いたいことも伝えたいこともあったけれど……、気づけばそう、言っていた。
メドラウトさんがいれば、私は大丈夫。そう思うの。
