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僕は幸せでした。
《You made me happy too.》
長い悪夢から目覚めて
僕の目に映るのはあの町
サイレントヒル
いつかまた二人で行こうと
約束しておきながら
僕のせいで叶わなかった
僕は一人でそこにいた
あの思い出の場所で
君を探していた
君がいると信じ
探していた
だけど、君はいない
寂しさと哀しみの中で
いつまでも探していた
僕の許されない罪
君を傷つけてしまった僕の罪
現実も悪夢と変わらない
僕はいつも探していた
再び君に会えると、そう祈ってた
霧と闇の蠢くこの町で
変わらない血と錆の世界を眺めながら
そんなことを思っていた
今日、ローラがやって来て
僕に手紙を渡してくれた
今は少し落ち着いてはいるけど
それでこの現実が消えるわけではない
つまり そういうこと
それでも こうして君の手紙を読めたことは
素直に嬉しい
それは変わらない
でも、君は本当に僕がこの手紙を受け取ったことを
喜んでくれたのだろうか
病室で君に会うたびに僕はいつも
どこか苛ついていた
僕が嫌いなのだろうか?
僕が疎ましいのだろうか?
僕が憎いのだろうか?
それも仕方ない
君の未来がないと知った時
君を失いたくないとあがいた
どうして君が死ななければいけないのかと泣き叫び
そして始まった地獄のような日々に疲れ
僕は君を傷つけた
だから、僕を憎んでも
当たり前だと思う
それでも君は最後に言ってくれたから
ここに書き留めておきたい
僕は君を愛している
僕にこんな仕打ちをされながらも
何年も頑張ってくれたこと
本当に嬉しかった
ただ、思いつくままに
言葉にするせいで
とりとめのない手紙に
なってしまってごめん
僕が罪を償っている間に
この手紙を君に届けてくれるように頼んでおいた
だから、君の元にこの手紙が渡った時
それを渡すのは僕ではない
許してとは言わない
許さないでとも言えない
君が病に倒れ
そして死ぬまでのこの数年間
君を支えきれなかったことが
僕はとても哀しかった
君には、たくさんのものを貰っておきながら
何一つ返すことが出来なかった
君は生きてと言った
だから、僕は…僕は君を殺した罪を背負いながら
生きようと思う
メアリー
僕は幸せでした
Fin