短編集
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
そう…これはエゴ。私のわがまま。
私がこんな事を言う資格はないかもしれない。
こんな事を願うのはおこがましいのかもしれない。
ううん…願いを聞き届けてくれる神様だって…いない。
だけど…
だけど……
《The Oath》
星がその寿命を終える時、その星は今まではないくらい一瞬、強く明るく煌めくんだって…いつか読んだ本にそう書かれていたのを覚えてる。
私の前で、星の煌めきに似た白く輝く閃光が走った。
その光の中心部、光の源たる水晶は音もなく砕け散り、蒼穹の鎧を身に纏いし銀の女神はどこまでも深い、まるで空のような双眸を静かに見開き…
…ついに、この時が来たんだな…って思った。
ゆっくり目蓋を閉じれば、その裏に映ったのは…浮かび上がってきたのは貴方の顔で…
最初は…ただの哀れみと同情だった。
神々に運命を弄ばれているのは私だけではないのだと。
私、一人だけが理不尽に背負わされた運命ではないのだと。
私は、一人…いつ終わるかも分からない孤独に耐えねばならない器に比べれば恵まれているのだと…。
…酷い話よね。
貴方を私より哀れな存在なのだと思い込むことで、私は私を慰めていた。
だって、私にはシルメリアがいてくれた。
でも、貴方は一人だと。
だけど…いつからか…
自分でもいつからそうなったのか…はっきりは分からない。
でもね…。はっきりこう思っているの。
……ああ、守ってあげたいって。
神の器として、自由に生きる権利も…そして死ぬ権利すら奪われた貴方。
その時が来るまで、世界からも時間からも隔絶されて、ゆるゆると…まるで真綿で首を絞められるように…苦しむ事を義務付けられた貴方。
その残酷な運命を貴方に課したのは、他でもない、人々に愛と安らぎをもたらしてくれるはずの神々で…
…いつか、貴方は言っていたわ…“今でも夜が怖い”と。
私はね、ルーファス。貴方に安らぎをあげたい。
人が
エルフが
神が
貴方から奪うというのなら、私は貴方に与えてあげたいの。
美味しいものを食べたらおいしいって…
美しい景色を見たら綺麗だなって…
おやすみ、また、明日な!って。
…貴方に笑っていてほしいの。
…そう、これは私のエゴ。私のわがまま。
だからね?ルーファス。貴方は私を許さなくてもいい。憎んでもいい。
“何、勝手なことしてんだよ!誰がそうしてくれと頼んだッ!!”…と。
それでも…いい。
そう思われる事も…貴方の気持ちを踏み躙るって分かっていても…それでも出した答えだから。
生きてほしい。貴方に。
私と貴方が出会ったこの世界で。
だけど…だけど…もし…
ぎゅっと瞑った目蓋を離せば、星屑のように煌めく光の靄の先で揺れる今にも泣きだしそうな貴方の姿。
…私がこんな事を言う資格はないのかもしれない。
こんな事を願うのはおこがましいのかもしれない。
ううん…願いを聞き届けてくれる神様だって、私にはいない。
だけど…
だけど……
私は誓うわ。
神ではなく、他の誰でもない貴方自身に。
どんな場所でも、どんな時間に生きようとも……たとえ私の心がなくなろうとも…
絶対に貴方を忘れない。
貴方を見つける。
記憶の鎖をたどって、生命の海を泳いで…必ず、必ず会いに行くから。
だから―…
私はもう…何も恐れないよ。
Fin
私がこんな事を言う資格はないかもしれない。
こんな事を願うのはおこがましいのかもしれない。
ううん…願いを聞き届けてくれる神様だって…いない。
だけど…
だけど……
《The Oath》
星がその寿命を終える時、その星は今まではないくらい一瞬、強く明るく煌めくんだって…いつか読んだ本にそう書かれていたのを覚えてる。
私の前で、星の煌めきに似た白く輝く閃光が走った。
その光の中心部、光の源たる水晶は音もなく砕け散り、蒼穹の鎧を身に纏いし銀の女神はどこまでも深い、まるで空のような双眸を静かに見開き…
…ついに、この時が来たんだな…って思った。
ゆっくり目蓋を閉じれば、その裏に映ったのは…浮かび上がってきたのは貴方の顔で…
最初は…ただの哀れみと同情だった。
神々に運命を弄ばれているのは私だけではないのだと。
私、一人だけが理不尽に背負わされた運命ではないのだと。
私は、一人…いつ終わるかも分からない孤独に耐えねばならない器に比べれば恵まれているのだと…。
…酷い話よね。
貴方を私より哀れな存在なのだと思い込むことで、私は私を慰めていた。
だって、私にはシルメリアがいてくれた。
でも、貴方は一人だと。
だけど…いつからか…
自分でもいつからそうなったのか…はっきりは分からない。
でもね…。はっきりこう思っているの。
……ああ、守ってあげたいって。
神の器として、自由に生きる権利も…そして死ぬ権利すら奪われた貴方。
その時が来るまで、世界からも時間からも隔絶されて、ゆるゆると…まるで真綿で首を絞められるように…苦しむ事を義務付けられた貴方。
その残酷な運命を貴方に課したのは、他でもない、人々に愛と安らぎをもたらしてくれるはずの神々で…
…いつか、貴方は言っていたわ…“今でも夜が怖い”と。
私はね、ルーファス。貴方に安らぎをあげたい。
人が
エルフが
神が
貴方から奪うというのなら、私は貴方に与えてあげたいの。
美味しいものを食べたらおいしいって…
美しい景色を見たら綺麗だなって…
おやすみ、また、明日な!って。
…貴方に笑っていてほしいの。
…そう、これは私のエゴ。私のわがまま。
だからね?ルーファス。貴方は私を許さなくてもいい。憎んでもいい。
“何、勝手なことしてんだよ!誰がそうしてくれと頼んだッ!!”…と。
それでも…いい。
そう思われる事も…貴方の気持ちを踏み躙るって分かっていても…それでも出した答えだから。
生きてほしい。貴方に。
私と貴方が出会ったこの世界で。
だけど…だけど…もし…
ぎゅっと瞑った目蓋を離せば、星屑のように煌めく光の靄の先で揺れる今にも泣きだしそうな貴方の姿。
…私がこんな事を言う資格はないのかもしれない。
こんな事を願うのはおこがましいのかもしれない。
ううん…願いを聞き届けてくれる神様だって、私にはいない。
だけど…
だけど……
私は誓うわ。
神ではなく、他の誰でもない貴方自身に。
どんな場所でも、どんな時間に生きようとも……たとえ私の心がなくなろうとも…
絶対に貴方を忘れない。
貴方を見つける。
記憶の鎖をたどって、生命の海を泳いで…必ず、必ず会いに行くから。
だから―…
私はもう…何も恐れないよ。
Fin