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「キャーーーーー!!!!!」
ガバッ
「!!」
悲鳴が聞こえ勢い良く起き上がるチロリ。
辺りは暗かったが子供の森の方を見ると灯りがちらほら見える。
「やめて!」
「うわあぁ!!!」
悲鳴が聞こえる、先程の悲鳴も子供の森から聞こえたのだろう。チロリは目を細めた。
ザワザワ
チロリが起きたのと同時に大人たちも慌てた様子で境界線までやって来た。
「町長さん」
「お嬢さん!大丈夫かい!」
「私は大丈夫、子供の森からの悲鳴だ…」
「…ッ!」
町長がチロリを心配し駆け寄って来てくれたが、チロリは自分より子供の森が気になって仕方なかった。
「何かあったんだ、早く助けに行こう!」
「………。」
「?おい」
大人たちは眉間に皺を寄せ、俯いている。
「私たちは"夜に"この柵を越えれない…」
「それがこの島の掟…ルールだ…」
「"朝に"なったら、すぐ迎えに行こう…!」
「そ、そうだ、もう直ぐ夜明けだ…!」
大人たちは口々にそう言う。
(風習、ルール、掟…そういうことか…)
「チッ!」ダダダッ
チロリはイラつきから舌打ちをし、柵を飛び越え走り始めた。
「「「「!?」」」」
「お嬢さん!」
「チロリ!!」
後ろから焦った町長とバナコの声がする。
「悪いけど、
私は島民じゃないからルールなんて知らね〜〜〜!!!」
「「「「「ええーっ!?」」」」」
後ろからいろんな声がするが無視をしてチロリは森の奥へと向かった。
その間も悲鳴や泣き声は収まることはなかった。
(嫌な予感がする…)
タタタタッ
チロリは走って灯りの方へ向かう。
少しすると人影が見えてきた。草むらに隠れ、様子を伺うと。
「離して!!」
「おらぁ!大人しくしろォ!」
「助けて!!おかあさーーーん!」
「うるせェな!早く船に乗りやがれ!」
海賊が子供たちを無理矢理船へ運び攫おうとしている光景だった。
(チッ、子供の森側にも海岸があったのか…)
「こんだけ子供がいりゃァ、随分儲かるな!」
「身代金も貰ってよォ、そのあと子供は売るか!ガハハ!」
「お前ェ悪どいなァ!!」
最悪の会話をしながら3人の海賊は子供たちを抱え、連れて行こうとする。
シュッ
バタッ
「!?」
「なんだ!?…ぐわッ!」
バタバタッ
驚いているのも束の間、残りの海賊も倒れていった。
「大丈夫か!?」
チロリがやったのだ。刀を1本手に持ち子供たちに駆け寄る。
「こわかっ…グズッ」
「もう大丈夫だ。柵の向こう側、自分の親御さんたちのところに帰るんだ。行けるか?」
「「「頑張る!」」」
たたたたっ
子供たちは返事をすると素直に走って行った。
(たしかに、風習とやらの賜物だな。しっかりしている)
「さて…」
チロリは木の影から船を見て考える。
懸賞金のリストに載っていなかった気がする、見たことのない海賊船だ。
「無名なら1人でやれるな。でも、出発されたら面倒くさいな…うん」
彼女は少し考えると海賊船へ走る。
途中すれ違う海賊をバタバタと薙ぎ倒しながら進んで行く。
「なんだ!?…ガッ!」
バタッ
チロリは小柄ゆえに素早い、その速さが強みだ。素早く動き、敵を次から次へと倒して行く。
そしてーー
「一刀流
シュッ
ドガーーーーーーンッ
曲線を描いた彼女の刀は海賊船へ当たり、大きな傷がついた。船の一部分がエグれた。
チロリの作戦は、出発される前に船を壊し、そのあと海賊を一掃しようと思った。
「てめェ!俺たちの船をよくも!!」
「許さねェ!」
海賊が襲ってくるが彼女は倒して行く。
(雑魚に興味はないんだけどな…)
近くにいる海賊はだいぶ倒した。
「子供たち!柵の向こうへ帰るんだ!!走れ!!」
チロリが叫ぶと子供たちは「わかった!」と言い、お互いに支え合ったりしながら島の中央へ向かって行った。
彼女は子供たちの背中を見送るとほっと息をついた。
「おうおう、お前か?俺の船壊したのはよォ」
「…!?」
声のした方へ振り返るとゴツい体の海賊が立っていた。
チロリは驚いた。
「おっと、動くなよ。コイツがどうなってもいいのかねェ、クックック」
「…ッ」
海賊はリツジを抱え、彼の頭にピストルを突きつけていたのだ。
「よくも俺の部下をやってくれたなぁ、その物騒なもんを手放してもらおうか」
「ねーちゃんっ…」
どうやらこいつが
カランッ
刀をその場に落とし、両手を挙げた。
「ククッ物分かりがいいガキだ。強いみてェだから部下にしてやってもいいな。
おい、コイツを捕えろ!」
こうして彼女は海賊に捕らわれてしまったーー。