ゾロとわたしとくいな
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「やーっ!」ビシッ!
「やーっ!」バシッ!
綺麗な満月の日、鍛錬をするくいなのもとにゾロがやってくる。
「ゾロ…」
彼の手には真剣が2本握られている。
「くいな!!!おれと真剣で勝負しろ!!!!
真剣は持ってるだろう!!」
彼には勝敗以外に求めているものがあるのだろう。覚悟を決めた目をしている。
「私と?いいよ」
満月に照らされながら2人の戦いが始まったーー。
キンキィンッ!
2本の剣がゾロの手からとばされる。
ザクッ!!
「!!!」
倒れたゾロの横の地面へくいなは剣を突き立てた。
「私の…2001勝目ね」
「畜生ォ…!!!くやしい…!!!」
泣きながら悔しがるゾロにくいなは言い放った。
「チロリを護るのは、私よ…!」
満月の夜、新たな勝負に決着がついた。
くいなの家である道場の階段へ腰をかけ、彼女が口を開く。
「本当はさ…くやしいのは私の方…」
「え!?」
「女の子はね、大人になったら男の人より弱くなっちゃうの…。
私ももうすぐキミ達に追い抜かれちゃうわ…」
膝を抱えた彼女はいつもの強さを感じず、ゾロは驚いた。
「ゾロはいつも言ってるよね…世界一強い剣豪になるって。
女の子が世界一強くなんてなれないんだって…パパが言ってた……!」
くいなの目に涙がたまる。
静かに聞くゾロに「ゾロはいいね、男の子だから」と彼女は続ける。
「…私だって世界一強くなりたいよ!!!
胸だってふくらんできたしさ…私も男に生まれてくれば…チロリを…」
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
ーーーー
時は遡り、まだくいな達が今より幼いとき
「やーっ!」
バシッ!
「勝者くいな!」
まだ幼かったくいなだが、この頃からもう道場では大人も顔負けの強さをしていた。
「あいつ女のクセに強いとかありえねェよな、本当は男じゃねぇの?」
「先生の娘だからって調子に乗ってんなよ」
「特別な鍛錬受けれていいよなぁ、身内は」
彼女に勝てない、道場の娘、それだけで陰口をたたかれる。
幼い少女には辛いことだったが、負けず嫌いの彼女は言わせておけばいいと放置していた。
「か、かっこいいぃ…//」
「……?」
汗を拭いているくいなに何かが聞こえた。
扉の方を見るとミルクティー色の小さい少女がいた。
とっとっとっと…
小さな少女はくいなに駆け寄ってきた。
「かっこいいね!つよくて、みんなにかっちゃって!!すっっっごいね!!」
「…私のこと?」
きらきらした顔でくいなを純粋に褒めている幼い少女はくいなの戦いを覗いていたようだ。
(かっこいい?私が……?みんなからは"女のクセに"って言葉しか言われたことがない…)
それが『チロリ』と『くいな』の出会いだった。
「だー今日もかてなかった!
くいなもゾロもやっぱりつよいねぇ」
後日、道場へ通うようになったチロリはすっかりくいなに懐いていた。
「チロリは私が守るから、そのままで良いのよ」
「えー」
可愛い、くいなは純粋にチロリに思っていた。まるで妹のように。
「じゃあ、くいなのことは誰がまもるの?」
「えっ……」
突然の問いにくいなは驚く。
彼女は鍛錬をしながら、自分の身は自分で守るのだろうとなんとなく思っていた。
「うーん、くいなはつよいけど、つよいからまもられないのはちがくて…だから、
くいなはわたしがまもるの!!!」
「!?」
彼女の目に偽りはない。
(私は守ってもらえる存在…なの?)
「もちろんゾロもね!だからわたしもつよくならなきゃ」
「…ははっ、チロリのがよっぽどかっこいいよ!」
この日からくいなの中でチロリという存在が大きくなった。
(チロリを護れる存在になりたい…絶対に敗けない世界一の強さを…)
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
ーーーー
「私も男に生まれてくれば…チロリを護れるのに…!ずっと一緒に…
結婚だって…っ!」
くいなは
チロリのことを恋愛感情で好きになっていたーー。
「おれに勝っといてそんな泣き事言うなよ!!!卑怯じゃねェかよ!!お前はおれの目標なんだぞ!!!」
「ゾロ…」
「男だとか女だとか!おれがいつかお前に勝ったときもそう言うのか、実力じゃないみたいに!!!
一生懸命お前に勝つ為に特訓してるおれがバカみてェだろ!!そんな事言うな!!!」
泣いているくいなにゾロが怒鳴る。
「約束しろよ!!!
いつか必ずおれかお前が世界一の剣豪になるんだ!!
なったほうが、チロリを護るんだ!!!」
「!」
「どっちがなれるか競争するんだ!!」
ゾロが本心から彼女をライバルだと認めているからこそでる言葉だ。
そんな言葉が嬉しいくいなは涙をふき、笑顔になる。
「……!バカヤロー!弱いクセにさ」
ガシッ!
2人は手を組む。世界一の剣豪、そしてチロリを想うライバルとして。
「約束だ」
パシッ
手を組む2つの手にさらにひとつ手が増える。
「「え?」」
ゾロとくいなが顔を向けると
目をこすり寝ぼけながら手を重ねるチロリがいた。
「ふたりが、世界一強くなるなら、わたしも、ふたりを、護るんだ」
にこっ
寝ぼけているが笑顔で言う彼女に、つい見惚れる2人。
だか、くいながハッとして彼女に問う。
「はっ…!チロリなんでこんなところに!?というかどこから聞いてたの!?」
「そ、そうだぞ!お前、ひとりで危ないだろう!」
どこから聞かれてたかわからず、思わず焦る2人。
うとうとしながら答えるチロリ。
「おきたら、ゾロ、いなくって、くいなのところかなって、おもって、
ふたりが、世界一のけんごうに、きょうそうするって約束、してたから…わたしも約束、しなきゃって」
寝床にゾロがいなくて探していたらしい彼女にゾロが謝る。
「わりィ、コイツつれて帰るな」
「うん、わかった気をつけてね」
「またあした、くいな」
「うん、またあした」
そう言って手を繋ぎ帰るふたつの影を見送るくいな。
「いいなぁ」と小声で彼女は羨ましがるのだった。
「くいなに、かてたの?」
「うっ…聞くな」
「あははっ」
ゾロは右手に刀を1本持ち、チロリは左手にゾロのもう1本の刀を持つ。
それぞれの空いている手は真ん中で繋がれて、ふたりは帰って行った。
「やーっ!」バシッ!
綺麗な満月の日、鍛錬をするくいなのもとにゾロがやってくる。
「ゾロ…」
彼の手には真剣が2本握られている。
「くいな!!!おれと真剣で勝負しろ!!!!
真剣は持ってるだろう!!」
彼には勝敗以外に求めているものがあるのだろう。覚悟を決めた目をしている。
「私と?いいよ」
満月に照らされながら2人の戦いが始まったーー。
キンキィンッ!
2本の剣がゾロの手からとばされる。
ザクッ!!
「!!!」
倒れたゾロの横の地面へくいなは剣を突き立てた。
「私の…2001勝目ね」
「畜生ォ…!!!くやしい…!!!」
泣きながら悔しがるゾロにくいなは言い放った。
「チロリを護るのは、私よ…!」
満月の夜、新たな勝負に決着がついた。
くいなの家である道場の階段へ腰をかけ、彼女が口を開く。
「本当はさ…くやしいのは私の方…」
「え!?」
「女の子はね、大人になったら男の人より弱くなっちゃうの…。
私ももうすぐキミ達に追い抜かれちゃうわ…」
膝を抱えた彼女はいつもの強さを感じず、ゾロは驚いた。
「ゾロはいつも言ってるよね…世界一強い剣豪になるって。
女の子が世界一強くなんてなれないんだって…パパが言ってた……!」
くいなの目に涙がたまる。
静かに聞くゾロに「ゾロはいいね、男の子だから」と彼女は続ける。
「…私だって世界一強くなりたいよ!!!
胸だってふくらんできたしさ…私も男に生まれてくれば…チロリを…」
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時は遡り、まだくいな達が今より幼いとき
「やーっ!」
バシッ!
「勝者くいな!」
まだ幼かったくいなだが、この頃からもう道場では大人も顔負けの強さをしていた。
「あいつ女のクセに強いとかありえねェよな、本当は男じゃねぇの?」
「先生の娘だからって調子に乗ってんなよ」
「特別な鍛錬受けれていいよなぁ、身内は」
彼女に勝てない、道場の娘、それだけで陰口をたたかれる。
幼い少女には辛いことだったが、負けず嫌いの彼女は言わせておけばいいと放置していた。
「か、かっこいいぃ…//」
「……?」
汗を拭いているくいなに何かが聞こえた。
扉の方を見るとミルクティー色の小さい少女がいた。
とっとっとっと…
小さな少女はくいなに駆け寄ってきた。
「かっこいいね!つよくて、みんなにかっちゃって!!すっっっごいね!!」
「…私のこと?」
きらきらした顔でくいなを純粋に褒めている幼い少女はくいなの戦いを覗いていたようだ。
(かっこいい?私が……?みんなからは"女のクセに"って言葉しか言われたことがない…)
それが『チロリ』と『くいな』の出会いだった。
「だー今日もかてなかった!
くいなもゾロもやっぱりつよいねぇ」
後日、道場へ通うようになったチロリはすっかりくいなに懐いていた。
「チロリは私が守るから、そのままで良いのよ」
「えー」
可愛い、くいなは純粋にチロリに思っていた。まるで妹のように。
「じゃあ、くいなのことは誰がまもるの?」
「えっ……」
突然の問いにくいなは驚く。
彼女は鍛錬をしながら、自分の身は自分で守るのだろうとなんとなく思っていた。
「うーん、くいなはつよいけど、つよいからまもられないのはちがくて…だから、
くいなはわたしがまもるの!!!」
「!?」
彼女の目に偽りはない。
(私は守ってもらえる存在…なの?)
「もちろんゾロもね!だからわたしもつよくならなきゃ」
「…ははっ、チロリのがよっぽどかっこいいよ!」
この日からくいなの中でチロリという存在が大きくなった。
(チロリを護れる存在になりたい…絶対に敗けない世界一の強さを…)
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「私も男に生まれてくれば…チロリを護れるのに…!ずっと一緒に…
結婚だって…っ!」
くいなは
チロリのことを恋愛感情で好きになっていたーー。
「おれに勝っといてそんな泣き事言うなよ!!!卑怯じゃねェかよ!!お前はおれの目標なんだぞ!!!」
「ゾロ…」
「男だとか女だとか!おれがいつかお前に勝ったときもそう言うのか、実力じゃないみたいに!!!
一生懸命お前に勝つ為に特訓してるおれがバカみてェだろ!!そんな事言うな!!!」
泣いているくいなにゾロが怒鳴る。
「約束しろよ!!!
いつか必ずおれかお前が世界一の剣豪になるんだ!!
なったほうが、チロリを護るんだ!!!」
「!」
「どっちがなれるか競争するんだ!!」
ゾロが本心から彼女をライバルだと認めているからこそでる言葉だ。
そんな言葉が嬉しいくいなは涙をふき、笑顔になる。
「……!バカヤロー!弱いクセにさ」
ガシッ!
2人は手を組む。世界一の剣豪、そしてチロリを想うライバルとして。
「約束だ」
パシッ
手を組む2つの手にさらにひとつ手が増える。
「「え?」」
ゾロとくいなが顔を向けると
目をこすり寝ぼけながら手を重ねるチロリがいた。
「ふたりが、世界一強くなるなら、わたしも、ふたりを、護るんだ」
にこっ
寝ぼけているが笑顔で言う彼女に、つい見惚れる2人。
だか、くいながハッとして彼女に問う。
「はっ…!チロリなんでこんなところに!?というかどこから聞いてたの!?」
「そ、そうだぞ!お前、ひとりで危ないだろう!」
どこから聞かれてたかわからず、思わず焦る2人。
うとうとしながら答えるチロリ。
「おきたら、ゾロ、いなくって、くいなのところかなって、おもって、
ふたりが、世界一のけんごうに、きょうそうするって約束、してたから…わたしも約束、しなきゃって」
寝床にゾロがいなくて探していたらしい彼女にゾロが謝る。
「わりィ、コイツつれて帰るな」
「うん、わかった気をつけてね」
「またあした、くいな」
「うん、またあした」
そう言って手を繋ぎ帰るふたつの影を見送るくいな。
「いいなぁ」と小声で彼女は羨ましがるのだった。
「くいなに、かてたの?」
「うっ…聞くな」
「あははっ」
ゾロは右手に刀を1本持ち、チロリは左手にゾロのもう1本の刀を持つ。
それぞれの空いている手は真ん中で繋がれて、ふたりは帰って行った。