東の海
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「ありがとう!!お前たちのお陰だよ」
坂道へ戻ると出血により大の字で寝転んでいるルフィ、クロネコ海賊団の船から盗んだ宝を持ったナミ、崖にもたれて座っているゾロとチロリがいた。ウソップは4人に礼を言う。
「お前たちがいなかったら村は守りきれなかった」
「何言ってやがんだ、お前が何もしなきゃおれは動かなかったぜ」
「おれも」
「わたしも」
ゾロはウソップに口角を上げながら言うと、ルフィとチロリが同意する。
「どうでもいいじゃないそんな事、宝が手に入ったんだし♡」
「ナミは揺るがないな…」
ナミはお宝が入った袋を抱きしめながら終始笑顔である。その姿を見てチロリは流石だと冷や汗をかく。
「おれはこの機会に1つハラに決めたことがある」
「ん?」
そんな中腰に手を当てたウソップが笑顔で4人に告げた。
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わいわい がやがや
どーーーん
「……!」
震えながら涙目になって自身の喉に手を突っ込んでいるルフィ。
ここはメシ屋、4人は食料調達などを済ませ出航前に腹ごしらえをしにここを訪れていた。本日のおすすめに書いてあった焼き魚を仲良く食べていた4人だったが、ルフィは喉に魚の骨を詰まらせしまい、取ろうと喉へ手を入れていた。
「ふーっとれた!」
「バカだな、喉を鍛えねェから魚の骨なんかひっかかるんだ」
「いやいや喉鍛えるってゾロだけだよ…ルフィ、一気にじゃなくてちょっとずつ食えばいいんだぞ」
「あんたらに言っとくけどね、フツー魚を食べたらこういう形跡が残るもんなのよ」
「「「?」」」
ナミが呆れながら3人へ魚の骨をぷらぷらして見せる。骨が取れて喜ぶルフィとゾロとチロリの食べ終わった皿には何ひとつ残ってなかった。
カラン…
「ここにいらしたんですね」
「ようお嬢様っ」
もう出るかと話していると入り口からカヤがやって来た。ルフィが声をかけると彼女は4人が座っているテーブルまでやってくる。
「寝てなくて平気なの?」
「ええ、ここ1年の私の病気は両親を失った精神的な気落ちが原因だったので…ウソップさんにもずいぶん励まされたし、甘えてばかりいられません」
ナミが病弱のカヤを心配すると彼女はウソップを思い浮かべながら話してくれる。
「それよりみなさん…船、必要なんですよね!」
「くれるのかっ!?船っ!!」
「あらっ!」
「ルフィ!船だって!」
「おうチロリ!」
「海岸にある」とカヤに言われ4人は荷物をまとめてついて行った。
ザザー…ン
どーーーーん!
「へぇ…」
「キャラヴェル!」
「うおーっ」
「すげー…」
海岸に集まった全員。着くとそこには羊の顔の船首がついた立派な木造の船が一隻あった。4人はそれぞれ感動の声をあげる。
「お待ちしてましたよ。少々古い型ですがこれは私がデザインしました船でカーヴェル造り三角帆使用の船尾中央舵方式キャラヴェル"ゴーイング・メリー号"でございます」
「…ゾロ、暗号が聞こえた」
「まあ、ナミに任せるしかねェな」
カヤの執事のメリーが船の説明をし始め、ナミが聞いてくれている。何を言っているのかわからないチロリは隣にいるゾロへ呟く。
「航海に要りそうなものは全て積んでおきましたから」
「ありがとう!ふんだりけったりだな!!」
「「至れり尽くせりだアホ」」
カヤはお礼と言い食糧や水などを積んでくれていた。そこへルフィが変なことを言うのでふたりはツッコミをいれた。
「うわああああああああ」
「「「!」」」
坂道から叫び声が聞こえ、見ると泣きながら叫んでいるウソップがゴロゴロと巨大なボールのように転がって来ている。
「何やってんだあいつ」
「ウソップ楽しそうだな」
「楽しそうかは別としてとりあえず止めとくか、このコースは船に直撃だ」
あれはリュックだろうかパンパンに詰まった荷物で転んだのだろう。そのまま坂でゴロゴロってところか。ゾロの言う通り止めないとゴーイング・メリー号が危ない。
「よいしょ…」
ドスゥン!
ボールウソップを止めるために片足をあげた3人。
めりっ…
「……!わ……わりいな……」
「「「おう」」」
見事に止めたが、3人の足はちょうどウソップにめりこんだ。
ルフィとゾロは彼の顔面に、チロリは身長が小さいため腹にめりこむ。ウソップはそのまま3人に礼を言った。
「あんた達ーっ荷物積んでおいて!」
「はーい!ナミ」
ナミはメリーからまだ船の説明を聞いているため荷物を積んでと頼まれる。大きな船に興奮しているチロリは元気よく返事をする。
「宝は
「…はいナミ」
バギーから奪った宝をプードルの元へ置いていった前科があるチロリへウィンクしながら圧をかけるナミに彼女は冷や汗をかきながら静かに返事をした。
「やっぱり海へ出るんですね、ウソップさん…」
「ああ…」
3人はメリー号へ買った食糧などを積みこんでいると隣にある小船でカヤの声が聞こえた。ウソップも船出のようだった。カヤとウソップは別れの挨拶をしていた。
「お前らも元気でな、またどっかで会おう」
船に荷物を積みおわった4人はメリー号へ乗り込むとカヤと挨拶を終えたウソップがこちらへ声をかけてきた。
「なんで?」
だがルフィは疑問を浮かべる。
「あ?なんでってお前愛想のねェ野郎だな…これから同じ海賊やるってんだからそのうち海で会ったり…」
ルフィの疑問を不思議に思ったウソップは眉毛をハの字にして困った顔で言い返すが
「何言ってんだよ早く乗れよ」
「ウソップ遅いぞ〜」
「え?」
「おれ達もう仲間だろ」
「え…」
思ってもみなかった言葉がゾロ、チロリから聞こえ、聞き返すがルフィが"仲間"とはっきり口にした。
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「おれも海へ出ようと思う!!お前ら見てたらよ、決心がついた!」
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あの日、坂道で4人に告げたウソップの言葉を聞いてからルフィたちは決めていた。仲間に誘おうと。
目を開き固まっていたウソップは嬉しくて声がうまく出なかったが、メリー号に向かって走って言った。
「キャ……!!キャプテンはおれだろうな!!!」
「ばかいえ!!おれが
こうしてウソップが仲間に加わった。