東の海
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オォ…ン
「何だ今の音は…!!」
林の方からかすかに何かが倒れるような音がした。ウソップがそれに気づき呟く。
「さァな、ジャンゴの奴が暴れてるんだろう。自分の目で確かめに行くといい、すでに手遅れかもしれんが…」
「…!!」
「急いだ方がよさそうだな」
「そうみたいだな」
クロの言葉にゾロとチロリのふたりが戦おうと刀を構えた。
(早く行かねェとあいつら殺されちまう!!1秒でも早く…!!)
だっ!!
ウソップもカヤたちを助けるために林へ走ろうと動いた。
「まだ動けたか立派なものだ、ブチ!!」
その姿を見たクロはすかさずブチへ命令する。
「シャーーー!!!」
「邪魔するな」
「!」
ウソップに襲い掛かろうとしたブチの首に背後から刀を当てる。ブチは動きを止めた。
「こっちは」
ぐいぃ…
「急ぎなんだ」
ドスゥン!!!
「てめェはもう充分暴れたろ…!!活かしといてやるから黙って寝てろ…!!」
(おお…さすが筋肉剣士)
ブチの巨体を組み敷いたゾロは倒したブチの上に跨るとニヤリと笑う。その姿を見たチロリは目をぱちくりさせながら見ていた。
ドサッ…!!
「!!?」
「ウソップ!!」
「!」
走り出していたウソップがその場に倒れた。突然の行動に3人は驚いて声をかける。
「ぢ…ぢぎしょう!!
体がうごかねェよ……!!」
「くっはっはっはっはっは笑わせてくれるっ!!
まァまァそこで倒れていた方が安全だろうよ、貴様がジャンゴに追いついた所で所詮敵わねェ相手だ」
ぐすっ
「敵わなくったって…守るんだ……!!
あいつらはおれが守る!!!!」
「あ?」
「ウソップ……」
「……」
笑ってウソップに寝ていろと言うクロに彼は涙を流しながら守ると話す。うつ伏せで倒れているが少しでも動こうとお尻だけ地面から上げている状態なのがその証拠だ。
彼の必死な姿にゾロは名を呟き、ルフィは下唇を噛んだ。そしてチロリも静かに闘志を燃やす。
「シャーーー!!!」
「!しつこいなっ」
ガキンッ!!!
キンッ!
シャムからの攻撃が続く。チロリも考えがあり隙を見つけるためにまずカギヅメを刀で受け流す。
ガキンッ!
「おれはウソップ海賊団のキャプテンで…おれは勇敢なる海の戦士だ!!!
村の
キンッ!!
動けないウソップがクロネコ海賊団に向かって言う。だが体勢がそのままのため海賊の下っ端たちが指を差し大笑いする。そこに巨大な岩が落とすルフィ。ルフィは「もっかいウソップを笑ったら殺す」と彼らを睨むと海賊たちはすぐに黙った。
キンキンッ!
(気持ちは…痛いほどよく分かる)
「ウソップ、きみは立派な海の戦士だ
だからまだ諦めるな」
「……!!」
似ているのだ、自分自身に。
ーーーーーーーー
「くい、な…?」
ーーーーーーーー
「シャー!!!」
ガッ!
「くっ」
一緒に守らせてくれと言ったのも自分が親友を守れなかった幼少期とウソップを重ねてたのかもしれない。
でも、彼は当時の私なんかよりよっぽど勇敢な男だ。だからーー、
キンキンッ
キキンッ!!
「敵わないなんて言わないでほしい、君のほうが
私が証明してやる!」
カキィンッ!!!
ゴッ!!!
「!!?」
隙が見えたチロリはシャムの両腕を上手く弾きとばし、空いた脇に潜り込んで下から顎を蹴った。
下から蹴られ、上を向いたシャムに見えるように彼女は右手に持っていた愛刀
ヒュン!
シュルン
シュルン
シュルン
「???」
刀が回転して空から落ちてくる。そして上を向いたシャムの視線は刀に釘付けになっていた。
「猫じゃらし然り、やっぱり
「!?」
突如シャムの背後からチロリが声をかけた。いつの間にとシャムが思ったときには既に遅く彼女は走り出していた。
スタタタタタタッ
「キャット・ザ…
ケッチャッタ!!!」
ドゴッ!!
ボキボキッ!!!!
「〜〜〜〜!!!?!!??」
チロリはそのままシャムの背中に跳び蹴りをかました。
シャムの自慢の猫背が背後から蹴られたことにより背骨が折れる音が響き渡る。彼は声にならない叫びを叫んで、
ドサッ………
倒れた。
シュン
シュン
シュン…
ぱしっ
どんっ
「私はゾロみたいに剣士としてのプライドなんてないから足だって使うんだよね」
空から落ちてきた愛刀をキャッチするとチロリはニヤリと笑いながら言った。
「よしっ!ウソップ連れて林に行こう」
「ルフィ!ウソップを担いで催眠術野郎を追う!」
同時にゾロも納刀しながらルフィへ話していた。彼は再び瞬殺でブチを倒したようだった。
「催眠状態のブチさんとシャムさんなのに……!!?」と海賊たちが口を大きく開けて驚いている。
「私も行ってくるルフィ!」
「問題あるか?」
「ない!お前ら急げ!!」
ルフィへ許可をもらったふたりはウソップの元へ走りゾロがウソップを担ぐ。
すっ…
「おい貴様ら、誰がこの坂道を抜けることを許可したんだ?」
クロがウソップを運ぼうとしているふたりのもとへ抜き足で音もなく近づいて言った。
ブオッ
「おれだよ!!!」
「!」
「行け!!ゾロ、チロリ、ウソップ!!!」
ルフィがクロを殴りながら3人を送り出してくれた。だがクロがかわしてルフィの拳はクロの後ろにある木に当たったようだった。チロリはルフィと目を合わせ頷いてから走り出して行った。