東の海
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たったったった…
ばんっ!!!
「ウソップ海賊団参上っ!!」
「なにあれ…」
「さー何だろうな…」
めし屋に3人の子供が勢いよく入ってきた。彼らはウソップ海賊団のメンバー『たまねぎ』『にんじん』『ピーマン』
突然の大きな声にナミとルフィが不思議そうに呟いた。
「おい…キャプテンがいないぞ!」
「まさか…やられちゃったのかな…!!」
ウソップ無しの4人で席に座っていることが気になった3人は不安な顔で言う。
「お…おいっ海賊達っ!!われらが船長キャプテン・ウソップをどこへやった!!」
「……」
「キャプテンを返せ!!」
子供たちが4人に向かって威嚇をし始めるが静かにその様子をながめる。すると、
「はーっうまかった!肉っ!!」
「!!」
「え…にく…って!?」
「まさか…キャプテン……!!」
食後のお茶を飲んでいたルフィがカップをおろしながら笑顔でそう言うと、3人はショックを受ける。肉とはさっきルフィが食べていたご飯の話なのに彼らはウソップの事だと勘違いしているようだ。それを見ていたナミは面白くて小さく吹き出す。ゾロとチロリは目を合わせニヤリと悪く笑うと子供たちの方を見て続ける。
「お前らの船長ならな…」
「な…何だ!!何をした……!!」
「さっき」
どーーん
「「喰っちまった」」
「「「ぎいやあああ鬼ババア〜〜っ!!!」」」
「何で私を見てんのよ!!!」
ふたりに言われた事がショックでウソップ海賊団は叫ぶがナミを見て叫び出すのでナミが怒り出す。
「ぶくぶくぶく……」
「あんたたちがバカなこと言うから!!」
「はっはっはっは!!」
「あははっ!」
怒ったナミの顔が最後の追い込みになりショックで泡を吹きながら子供たちが倒れてしまった。ばんっ!と机を叩きながらナミは苦情を入れてくるがふたりは子供たちのリアクションが面白くて笑っていた。
「時間?」
「ああ…そう言ってさっき店から出てったぜ」
倒れていたが案外すぐに立ち上がったウソップ海賊団の3人にここにウソップがいない理由をゾロが説明した。時間だからと彼はめし屋から出て行ったのだ。
「あ、そうかキャプテン屋敷に行く時間だったんだ」
「屋敷って病弱そうな女の子がいるっていう?」
「うん!」
ナミが聞くとニンジンが答える。
「何しに行ったんだよ」
「うそつき に!」
「だめじゃねェか」
「うそはだめだろ」
「だめじゃないんだ!立派なんだ!な!」
「うん!!立派だ!!」
「「ん?」」
ルフィとチロリは嘘をつきに屋敷に行ったウソップを立派だと言う子供たちに疑問を浮かべる。
1年前くらいからウソップは門番や執事たちに見つからないように屋敷に潜入してお嬢様に"ウソをつきに"行っているらしい。そのわくわくするウソのおかげでお嬢様は元気づいていた。
「なんだあいつ偉いじゃん」
「おれはキャプテンのそんな"おせっかい"な所が好きなんだ」
「おれは"しきり屋"なとこが好きだ」
「ぼくは"ホラ吹き"なとこが好き!」
「…とりあえず慕われてんだな」
「悪気は無いんだろうな…」
ルフィがウソップを褒めるとにんじん、ピーマン、たまねぎの順で彼の好きなところを言うがゾロとチロリはその答えを憐れんで聞いていた。
「もしかしてもうお嬢様元気なのか?」
「うんだいぶね、キャプテンのおかげで!」
「よし!!じゃあやっぱり屋敷に船を貰いに行こう!!!案内しろ!」
お嬢様が元気だと聞くとルフィがどーんと言い出した。お嬢様に気を遣ってやめると決めた話なのにと焦るナミが「だめよ!さっき諦めるって言ったじゃない!」と言うが彼はめし屋を出て行ってしまった。
どーーん
「こんにちはーっ船くださーい」
屋敷までウソップ海賊団たちと一緒に来た4人。ルフィは形ばかりの挨拶をするが返事がないことを良い事に「さぁ入ろう」と門をよじ登った。それを見たピーマンが「あいさつした意味あんのか……」と呟く。
「ああ…止めてもムダなのね」ぐすっ
「ムダだな、つきあうしかねぇだろ」
「これは私もムダだと思うぞ…」
ルフィに何度も声をかけていたナミが涙ぐみながら言うとふたりは無駄だと悟って伝える。門を開けたルフィがウソップ海賊団とずんずん屋敷の敷地内へ歩いていくので3人は諦めて着いて行くのであった。
屋敷の裏へ回るとウソップの姿が見えてきた。
木陰で座り自慢げに話している。窓から顔を出し楽しそうな表情で話を聞いているのはこの屋敷のお嬢様『カヤ』金色のボブヘアーに白色のラフなワンピースを着ている。
「人はおれを称え、こう呼んだ」
「キャプテーンっ」
「そう…キャプテ……げっ!!お前ら何しに来たんだ!!」
「この人が連れて来いって…」
ルフィたちとウソップ海賊団を見た彼は驚いて問うがピーマンがルフィを指差して答える。ルフィは何故だか仁王立ちでドヤ顔である。
「誰?」
「あ!お前がお嬢様か!」
「ルフィ女の子にはもっと優しく言わないとだな…」
「あーこいつらは新しいウソップ海賊団の一員d…」
「いや!違うぞおれは!!」
「私も違うな」
「あっそんな早く否定しなくても…」
カヤがウソップへ尋ねると彼はルフィとチロリの肩に手をまわして仲間アピールをするが、めし屋同様すぐ否定する2人に彼は涙を流してた。
「頼み?私に?」
「ああ!おれ達はさ、でっかい船がほしいん…」
「君達そこで何をしてる!!」
ルフィがカヤへ船の交渉をしようとすると黒縁眼鏡をかけた執事『クラハドール』が怒ってやって来た。彼は「困るね勝手に入って貰っては!!」と言うと自覚があるウソップは「やべっ」と言い顔を背けた。
「あのねクラハドールこの人達は…」
「今は結構!!さぁ君達帰ってくれたまえ。それとも何か言いたい事があるかね?」
「あのさ!おれ船が欲しいんだけど」
「ダメだ」ズバッ
ズーーーン
「うう…」
「ほ、ほらあいつは執事だからお嬢様に直接聞いてみよう。な!」
言いたい事があるから素直に言っただけなのにすぐ断られたルフィは落ち込んで地面を向いてしまった。そんな彼にチロリは提案をしながら、ゾロは目を瞑ったままポンポンと叩いて慰めていた。
「君の父上の話も聞いているぞ」
ウソップと話していたクラハドールがそう言い、3人も自然とその会話を聞き始める。
「君は所詮ウス汚い海賊の息子 だ。何をやろうと驚きはしないがウチのお嬢様に近づくのだけはやめてくれないか!!」
「……!!」
「あいつの父ちゃん海賊なのか」
「ウス汚いだと…!?」
クラハドールは海賊であるウソップの父親をウス汚いと言いウソップは静かに怒っている。ルフィが驚く横でチロリたち3人も驚く。
「君とお嬢様では住む世界が違うんだ。目的は金か?いくらほしい」
「!!言い過ぎよクラハドール!ウソップさんに謝って!!」
流石に言い過ぎだと判断したカヤがクラハドールに怒るが彼は「私は真実を述べているだけです」と言い、続ける。
「君には同情するよ…恨んでいることだろう、君ら家族を捨てて村を飛び出した"財宝狂いのバカ親父 "を」
「クラハドール!!」
「てめェ!それ以上親父をバカにするな!!」
ウソップとカヤが言っても止まらないクラハドールに
チロリは拳を握って眉間に皺を寄せていた。
きゅっ
ぎゅっ
「?」
チロリが違和感を感じ自分の左右を見ると、彼女の右手をナミ、左腕をゾロが掴んでいた。
「チロリ、手を出したらだめよ」
「…」
「…ああ、すまない」
同じ歳なのにナミは大人だな…。私は飛び出しそうになってしまっていた。ゾロも黙っているけど言いたいことはわかる。
海賊になるとはそういう事だ。私は悪党になるってあの時決めたが、ウソップがこんなに言われなきゃいけない事が許せなかったのだ。
チロリが「うーん」と考えながら冷静さを取り戻していると、
バキッ!!!!!
「うるせェ!!!!!!!」
「!!」
「キャプテン!」
ウソップがクラハドールの左頬を殴った。ウソップ海賊団たちとカヤは驚くがルフィたちは行く末を見守る。
「う…ほらみろ!すぐ暴力だ。親父が親父なら息子も息子っていうわけだ…!」
「黙れ!!!!!」
殴られて狼狽えながら言うクラハドールをウソップが黙らせる。そして彼は続ける。
ドン!!
「おれは親父が海賊である事を誇りに思ってる!!!
勇敢な海の戦士である事を誇りに思ってる!!!!!
お前の言う通りおれはホラ吹きだがな!!
おれが海賊の血を引いているその誇りだけは!!
偽るわけにはいかねェんだ!!!
おれは海賊の息子だ!!!!!!!」
チロリは羨ましいと思った。こんなに誇りに思ってくれる彼の父親を。
自分もこんな風になれるだろうかとチロリはウソップを見る。
(あ、きらきらしてやがる)
そんなチロリをゾロはちらりと見ると彼女はウソップを見て目を輝かせている。かっこいいもの好きの彼女のことだ、ウソップに興味が湧いたのだろうとゾロは思う。
「何か企みがあるという理由など、君の父親が海賊である事で充分だ!!!」
「!!てめェまだ言うのか!!」
「やめてウソップさん!!もうこれ以上暴力は…!!」
クラハドールからの罵倒はまだ続いていた。
ガバッ!とウソップはクラハドールの胸ぐらを掴むがカヤが止める。
「悪い人じゃないんですクラハドールは…!私のためを思って…」
「……!」
「出て行きたまえ…ここは君のような野蛮な男の来る所ではない!二度とこの屋敷へは近づくな!!!!」
胸ぐらを掴まれていた手を退けてクラハドールは大声で言う。
「ああ…わかったよ、言われなくても出てってやる。もう二度とここへはこねェ!!!!」
ウソップもそう告げると毎日カヤに会いに来ていた屋敷を後にして歩き出した。
彼のその姿を見てついに声を上げるウソップ海賊団たち。
「このヤロー羊っ!!キャプテンはそんな男じゃないぞ!!」
「そうだ!っばーか!!」
「ばーか!!」
「ばーか!!」
「ばかっ!!」
「何でお前らも一緒になってんだ」ゴンッ
ウソップ海賊団と一緒になって怒り出したルフィとチロリにゾロがゲンコツを入れる。ルフィはノーダメージだがチロリは「いでっ」と少し痛がる。
「……!」ギロリ
「「「ぎゃあああああああああ」」」
子供達へ怒りを露わにしたクラハドールが睨み、ウソップ海賊団は叫ぶ。
「やるかこのっ」
「やるなら私だって!」
「おいおい!」
「〜〜っ君達もさっさと出て行きたまえ!!」
叫んでいるウソップ海賊団たちをナミが、
喧嘩腰のルフィとチロリをゾロが引っ張って全員屋敷から出た。
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
ーーーー
「ねェルフィどこ行ったの?」
「さあなキャプテン を追っかけてったんだろ」
「ホコリキャプテン君だな」
「そのあだ名はやめてやれ」
屋敷を出た一行は町の道端にある柵に腰掛けていた。ルフィがいない事に気づいたナミがふたりに聞き、ゾロが答えた。
「キャプテンならあそこだ!」
「うん海岸だ!なんかあるととりあえずあそこにいくんだ!!」
「いってみる?」
「いやいい…」
にんじんとピーマンがウソップとルフィは海岸にいると教えてくれた。ピーマンが案内を提案するがゾロは隣で座っているチロリを見て断る。
うと…うと…
「あらチロリまた眠いの?」
「さっき、ぱんけーきで、あまりねれなかった、から」
「最近ずっと不寝番してくれてたのよね、そりゃあ眠いわ」
チロリはめし屋できていた睡眠欲がまたきていた。ここ最近、昼は傷口を治す為に寝て、夜は不寝番をしていたチロリ。カクカクと首を揺らしながらゾロの隣で座っている。
「まあ、寝ろチロリ」
「そうね、今はルフィ待ちだし。合流したら起こすわ」
「すま、ない…」
こてっとゾロの右肩にもたれてチロリは眠りについた。
「……なんだよ」
「ニヤけてるわよ、顔」
「うるせ」
ばんっ!!!
「ウソップ海賊団参上っ!!」
「なにあれ…」
「さー何だろうな…」
めし屋に3人の子供が勢いよく入ってきた。彼らはウソップ海賊団のメンバー『たまねぎ』『にんじん』『ピーマン』
突然の大きな声にナミとルフィが不思議そうに呟いた。
「おい…キャプテンがいないぞ!」
「まさか…やられちゃったのかな…!!」
ウソップ無しの4人で席に座っていることが気になった3人は不安な顔で言う。
「お…おいっ海賊達っ!!われらが船長キャプテン・ウソップをどこへやった!!」
「……」
「キャプテンを返せ!!」
子供たちが4人に向かって威嚇をし始めるが静かにその様子をながめる。すると、
「はーっうまかった!肉っ!!」
「!!」
「え…にく…って!?」
「まさか…キャプテン……!!」
食後のお茶を飲んでいたルフィがカップをおろしながら笑顔でそう言うと、3人はショックを受ける。肉とはさっきルフィが食べていたご飯の話なのに彼らはウソップの事だと勘違いしているようだ。それを見ていたナミは面白くて小さく吹き出す。ゾロとチロリは目を合わせニヤリと悪く笑うと子供たちの方を見て続ける。
「お前らの船長ならな…」
「な…何だ!!何をした……!!」
「さっき」
どーーん
「「喰っちまった」」
「「「ぎいやあああ鬼ババア〜〜っ!!!」」」
「何で私を見てんのよ!!!」
ふたりに言われた事がショックでウソップ海賊団は叫ぶがナミを見て叫び出すのでナミが怒り出す。
「ぶくぶくぶく……」
「あんたたちがバカなこと言うから!!」
「はっはっはっは!!」
「あははっ!」
怒ったナミの顔が最後の追い込みになりショックで泡を吹きながら子供たちが倒れてしまった。ばんっ!と机を叩きながらナミは苦情を入れてくるがふたりは子供たちのリアクションが面白くて笑っていた。
「時間?」
「ああ…そう言ってさっき店から出てったぜ」
倒れていたが案外すぐに立ち上がったウソップ海賊団の3人にここにウソップがいない理由をゾロが説明した。時間だからと彼はめし屋から出て行ったのだ。
「あ、そうかキャプテン屋敷に行く時間だったんだ」
「屋敷って病弱そうな女の子がいるっていう?」
「うん!」
ナミが聞くとニンジンが答える。
「何しに行ったんだよ」
「
「だめじゃねェか」
「うそはだめだろ」
「だめじゃないんだ!立派なんだ!な!」
「うん!!立派だ!!」
「「ん?」」
ルフィとチロリは嘘をつきに屋敷に行ったウソップを立派だと言う子供たちに疑問を浮かべる。
1年前くらいからウソップは門番や執事たちに見つからないように屋敷に潜入してお嬢様に"ウソをつきに"行っているらしい。そのわくわくするウソのおかげでお嬢様は元気づいていた。
「なんだあいつ偉いじゃん」
「おれはキャプテンのそんな"おせっかい"な所が好きなんだ」
「おれは"しきり屋"なとこが好きだ」
「ぼくは"ホラ吹き"なとこが好き!」
「…とりあえず慕われてんだな」
「悪気は無いんだろうな…」
ルフィがウソップを褒めるとにんじん、ピーマン、たまねぎの順で彼の好きなところを言うがゾロとチロリはその答えを憐れんで聞いていた。
「もしかしてもうお嬢様元気なのか?」
「うんだいぶね、キャプテンのおかげで!」
「よし!!じゃあやっぱり屋敷に船を貰いに行こう!!!案内しろ!」
お嬢様が元気だと聞くとルフィがどーんと言い出した。お嬢様に気を遣ってやめると決めた話なのにと焦るナミが「だめよ!さっき諦めるって言ったじゃない!」と言うが彼はめし屋を出て行ってしまった。
どーーん
「こんにちはーっ船くださーい」
屋敷までウソップ海賊団たちと一緒に来た4人。ルフィは形ばかりの挨拶をするが返事がないことを良い事に「さぁ入ろう」と門をよじ登った。それを見たピーマンが「あいさつした意味あんのか……」と呟く。
「ああ…止めてもムダなのね」ぐすっ
「ムダだな、つきあうしかねぇだろ」
「これは私もムダだと思うぞ…」
ルフィに何度も声をかけていたナミが涙ぐみながら言うとふたりは無駄だと悟って伝える。門を開けたルフィがウソップ海賊団とずんずん屋敷の敷地内へ歩いていくので3人は諦めて着いて行くのであった。
屋敷の裏へ回るとウソップの姿が見えてきた。
木陰で座り自慢げに話している。窓から顔を出し楽しそうな表情で話を聞いているのはこの屋敷のお嬢様『カヤ』金色のボブヘアーに白色のラフなワンピースを着ている。
「人はおれを称え、こう呼んだ」
「キャプテーンっ」
「そう…キャプテ……げっ!!お前ら何しに来たんだ!!」
「この人が連れて来いって…」
ルフィたちとウソップ海賊団を見た彼は驚いて問うがピーマンがルフィを指差して答える。ルフィは何故だか仁王立ちでドヤ顔である。
「誰?」
「あ!お前がお嬢様か!」
「ルフィ女の子にはもっと優しく言わないとだな…」
「あーこいつらは新しいウソップ海賊団の一員d…」
「いや!違うぞおれは!!」
「私も違うな」
「あっそんな早く否定しなくても…」
カヤがウソップへ尋ねると彼はルフィとチロリの肩に手をまわして仲間アピールをするが、めし屋同様すぐ否定する2人に彼は涙を流してた。
「頼み?私に?」
「ああ!おれ達はさ、でっかい船がほしいん…」
「君達そこで何をしてる!!」
ルフィがカヤへ船の交渉をしようとすると黒縁眼鏡をかけた執事『クラハドール』が怒ってやって来た。彼は「困るね勝手に入って貰っては!!」と言うと自覚があるウソップは「やべっ」と言い顔を背けた。
「あのねクラハドールこの人達は…」
「今は結構!!さぁ君達帰ってくれたまえ。それとも何か言いたい事があるかね?」
「あのさ!おれ船が欲しいんだけど」
「ダメだ」ズバッ
ズーーーン
「うう…」
「ほ、ほらあいつは執事だからお嬢様に直接聞いてみよう。な!」
言いたい事があるから素直に言っただけなのにすぐ断られたルフィは落ち込んで地面を向いてしまった。そんな彼にチロリは提案をしながら、ゾロは目を瞑ったままポンポンと叩いて慰めていた。
「君の父上の話も聞いているぞ」
ウソップと話していたクラハドールがそう言い、3人も自然とその会話を聞き始める。
「君は所詮
「……!!」
「あいつの父ちゃん海賊なのか」
「ウス汚いだと…!?」
クラハドールは海賊であるウソップの父親をウス汚いと言いウソップは静かに怒っている。ルフィが驚く横でチロリたち3人も驚く。
「君とお嬢様では住む世界が違うんだ。目的は金か?いくらほしい」
「!!言い過ぎよクラハドール!ウソップさんに謝って!!」
流石に言い過ぎだと判断したカヤがクラハドールに怒るが彼は「私は真実を述べているだけです」と言い、続ける。
「君には同情するよ…恨んでいることだろう、君ら家族を捨てて村を飛び出した"
「クラハドール!!」
「てめェ!それ以上親父をバカにするな!!」
ウソップとカヤが言っても止まらないクラハドールに
チロリは拳を握って眉間に皺を寄せていた。
きゅっ
ぎゅっ
「?」
チロリが違和感を感じ自分の左右を見ると、彼女の右手をナミ、左腕をゾロが掴んでいた。
「チロリ、手を出したらだめよ」
「…」
「…ああ、すまない」
同じ歳なのにナミは大人だな…。私は飛び出しそうになってしまっていた。ゾロも黙っているけど言いたいことはわかる。
海賊になるとはそういう事だ。私は悪党になるってあの時決めたが、ウソップがこんなに言われなきゃいけない事が許せなかったのだ。
チロリが「うーん」と考えながら冷静さを取り戻していると、
バキッ!!!!!
「うるせェ!!!!!!!」
「!!」
「キャプテン!」
ウソップがクラハドールの左頬を殴った。ウソップ海賊団たちとカヤは驚くがルフィたちは行く末を見守る。
「う…ほらみろ!すぐ暴力だ。親父が親父なら息子も息子っていうわけだ…!」
「黙れ!!!!!」
殴られて狼狽えながら言うクラハドールをウソップが黙らせる。そして彼は続ける。
ドン!!
「おれは親父が海賊である事を誇りに思ってる!!!
勇敢な海の戦士である事を誇りに思ってる!!!!!
お前の言う通りおれはホラ吹きだがな!!
おれが海賊の血を引いているその誇りだけは!!
偽るわけにはいかねェんだ!!!
おれは海賊の息子だ!!!!!!!」
チロリは羨ましいと思った。こんなに誇りに思ってくれる彼の父親を。
自分もこんな風になれるだろうかとチロリはウソップを見る。
(あ、きらきらしてやがる)
そんなチロリをゾロはちらりと見ると彼女はウソップを見て目を輝かせている。かっこいいもの好きの彼女のことだ、ウソップに興味が湧いたのだろうとゾロは思う。
「何か企みがあるという理由など、君の父親が海賊である事で充分だ!!!」
「!!てめェまだ言うのか!!」
「やめてウソップさん!!もうこれ以上暴力は…!!」
クラハドールからの罵倒はまだ続いていた。
ガバッ!とウソップはクラハドールの胸ぐらを掴むがカヤが止める。
「悪い人じゃないんですクラハドールは…!私のためを思って…」
「……!」
「出て行きたまえ…ここは君のような野蛮な男の来る所ではない!二度とこの屋敷へは近づくな!!!!」
胸ぐらを掴まれていた手を退けてクラハドールは大声で言う。
「ああ…わかったよ、言われなくても出てってやる。もう二度とここへはこねェ!!!!」
ウソップもそう告げると毎日カヤに会いに来ていた屋敷を後にして歩き出した。
彼のその姿を見てついに声を上げるウソップ海賊団たち。
「このヤロー羊っ!!キャプテンはそんな男じゃないぞ!!」
「そうだ!っばーか!!」
「ばーか!!」
「ばーか!!」
「ばかっ!!」
「何でお前らも一緒になってんだ」ゴンッ
ウソップ海賊団と一緒になって怒り出したルフィとチロリにゾロがゲンコツを入れる。ルフィはノーダメージだがチロリは「いでっ」と少し痛がる。
「……!」ギロリ
「「「ぎゃあああああああああ」」」
子供達へ怒りを露わにしたクラハドールが睨み、ウソップ海賊団は叫ぶ。
「やるかこのっ」
「やるなら私だって!」
「おいおい!」
「〜〜っ君達もさっさと出て行きたまえ!!」
叫んでいるウソップ海賊団たちをナミが、
喧嘩腰のルフィとチロリをゾロが引っ張って全員屋敷から出た。
ーーーーーーーーーーーー
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「ねェルフィどこ行ったの?」
「さあな
「ホコリキャプテン君だな」
「そのあだ名はやめてやれ」
屋敷を出た一行は町の道端にある柵に腰掛けていた。ルフィがいない事に気づいたナミがふたりに聞き、ゾロが答えた。
「キャプテンならあそこだ!」
「うん海岸だ!なんかあるととりあえずあそこにいくんだ!!」
「いってみる?」
「いやいい…」
にんじんとピーマンがウソップとルフィは海岸にいると教えてくれた。ピーマンが案内を提案するがゾロは隣で座っているチロリを見て断る。
うと…うと…
「あらチロリまた眠いの?」
「さっき、ぱんけーきで、あまりねれなかった、から」
「最近ずっと不寝番してくれてたのよね、そりゃあ眠いわ」
チロリはめし屋できていた睡眠欲がまたきていた。ここ最近、昼は傷口を治す為に寝て、夜は不寝番をしていたチロリ。カクカクと首を揺らしながらゾロの隣で座っている。
「まあ、寝ろチロリ」
「そうね、今はルフィ待ちだし。合流したら起こすわ」
「すま、ない…」
こてっとゾロの右肩にもたれてチロリは眠りについた。
「……なんだよ」
「ニヤけてるわよ、顔」
「うるせ」