東の海
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ドスン!!!
「うえっ」
「ふぅ……ハアハア」
「ハアハア…」
ルフィに物理は効かないので少し乱暴に檻を下ろす。
檻を少し移動させたふたりは出血が多く、脇腹を抑えて息を切らしていた。
「くそっ、この檻さえ開けば!開けば!!」
ガン!ガン!ガン!ガン!
ルフィが檻の中で暴れているがびくともしない。ゾロが酒場のほうを見ているためチロリもさっきまでいた酒場を見ると、バギー一味が3人を探している声が聞こえた。
「厄介なモンに巻き込まれちまった…だが一度やりあったからには決着 をつけなきゃな!」
「おうよ!ルフィの檻も開けなきゃいけねェしな」
「移動するぞチロリ」
「ハアハア、あいあいさー…」
血だらけのふたりは再び檻を担ぐと酒場から離れるように移動した。
ズズズズズズ…
「もうだいぶ、酒場から離れた…ハアハア
とりあえずすぐには追っちゃ来ねェだろう」
ゾロは脇腹から血をポタポタと流しながら檻を引きずり、町の通りを歩いていた。
「しかしいったん退いたはいいが、この檻はやっかいだな…!」
「そうなんだ、これが開かねェとあいつが来ても何もできねェよ!!ガヂガヂ」
「たしかに鉄ごうしだから叩いても無駄だなァ、ゾロ運ぶのがんばってくれ」
「お前ェも運ぶの手伝えよ!何でそんなところでサボってんだよ!!」
「だって血が足りないんだもん…」
さっきまでふたりで運んでいた檻をいつの間にか1人で引きずっているゾロ。
チロリはというと疲れてしまい、ルフィが入っている檻の上に乗ってゾロを応援する係になっていた。
血が足りず本音を言ったチロリを見ていたらゾロもアドレナリンが切れ、自覚がでてきた。
ドサッ
「おれももうダメだ、血が足りねェ
これ以上は歩けん…!」
バタッ
「血がァ…」
どーーーん
びく!
「「!?」」
ふたりは血不足のため檻を置いて倒れてしまった。だが倒れた目の前に白い犬が堂々とお座りしており、ふたりは驚いた。
「びっ…くりしたァ…」
「何だこの犬は…!!」
「犬?あ、犬だ」
犬は動かず静かにおすわりをしている。
バギー一味のせいで人がおらず静かな町のハズなのに何で犬がいるんだろうとチロリは思った。
「これ何だ犬か?本当に。おいゾロ、チロリ、こいつ全然動かねェよ」
「知るか…そんなもん犬の勝手だ
とにかく今はお前がその檻から出る事を考えろ」
ルフィが檻の中から犬のことが気になりすぎてすごく観察をしている。その横で座っているゾロとチロリは傷口を抑えながら息も絶え絶えになっている。
「たしかに静かでお人形みたいだな…」
「お前も犬が気になってんじゃねェよ」ポカ
「いてっ」
疲れているせいで力が弱いがゾロはチロリを軽くこづく。
するとルフィが突然「死んでんのかな」と言い犬の両目に指をどすっと挿した。当然驚いた犬が檻の隙間からルフィを噛みつき攻撃をする。
ガブッ
「痛え!!何すんだ犬!!!」
ガブガブ
ボカボカ
檻の隙間からお互い攻撃し喧嘩をし始めた。
「てめェ!今の事態わかってんのか!!?」
「あ、ゾロそんな叫んだら血が…」
ブシュゥゥ
バタッ…
ドサッ…
バタッ…
「犬め!!」
「くそ…血が足りねェ!」
「だから言ったのに…!」
ゾロとチロリは血液不足、ルフィは檻から出られず犬に敗れ、3人は力つきて大の字になりその場に倒れた。
「あんた達一体何やってんの3人して…
こんな道端で寝てたらバギーに見つかっちゃうわよ!」
「「「よォ、航海士」」」
「誰がよ!!」
倒れていた3人の前に美少女航海士(の予定)が現れた。3人とも仲間だと思っているため同じ声が出たのをツッコミを入れられる。
「一応お礼をしに来ただけよ。助けてもらったからね」
「礼??」
キンッ
「あ」
ルフィとふたりの間に銀色の小さな物が投げられる。
「鍵!!!檻の鍵盗ってきてくれたのか!!」
航海士が持ってきたのは檻の鍵だった。ルフィの嬉しそうな声に倒れていたゾロとチロリも身体を起こす。
「まァね…我ながらバカだったと思うわ
他に海図も宝も何一つ盗まなかったもの、そのお陰で」
「はーーっ!ホントどうしようかと思ってたんだこの檻!!」
「……は…これで一応逃げた苦労が報われるな」
「…あーそりゃよかった…」
檻の鍵も手に入ったし希望が見えてきた。ルフィが檻の外に落ちている鍵に手を伸ばそうとしたその瞬間。
パク
「あ」
ゴクン
しーーーん
「「「「…!!?!??」」」」
白い犬が目の前に落ちている檻の鍵を咥えてから飲み込んでしまった。4人は驚きを隠せない。
「このいぬゥ!!!!吐け!!今飲んだのエサじゃねェぞ!!!!!!」
一番怒っているのはルフィだ。先程の喧嘩と同じような喧嘩が繰り広げられる。
ガブガブ!ボカボカ!
「くらっ小童ども!!シュシュをいじめるんじゃねェっ!!」
「シュシュ?」
「この犬の名前か?」
「誰だおっさん」
「わしか
わしはこの町の長さながらの町長じゃ!!!」
ルフィとシュシュが喧嘩をしていると白髪頭の鎧を着た町長のプードルが現れた。シュシュを助けるためだろう。
「…なッ!お前ら血が出過ぎとるぞ!!」
近づいてきたプードルはゾロとチロリの出血量に驚く。ふたりが座っていたところには血溜まりができていた。
「とりあえずお前ら来い!」と言いプードルはシュシュがいた建物の隣の自宅へふたりを引っ張っていった。
「こんなもんか、とりあえず血を抑えるために巻いたからな」
「助かったおっさん」
「ありがとうございます」
プードルに流れ続ける血を抑えるためにとりあえず服と腹巻きの上から包帯を巻いてもらったふたり。
「少し離れたところに避難所があってな、そこに町の医者がおるから案内するぞ」
「いや大丈夫だ」
「寝りゃなおる」
「は!?」
プードルは親切に避難所までふたりを連れて行こうと思っていたが謎の返答に驚く。
「おっさん布団借りるぞ」
「あ、おぉそこだ」
「ね、ねむいゾロ…」
「チロリ、こっち来い。
じゃあおれたちは寝るから…ぐがーぐがーー」
「いや寝るの早っ!!!!」
寝たら治るわけなかろう!なんじゃもう!とマイペースなゾロたちにぷりぷり怒りながらプードルは自宅から出て行った。
バタンッ…
がー…がー…
ゾロの寝息が豪快に響いている。
子どもの頃から一緒に寝ているため気にならないが、プードルのシングルベッドにふたりはちょっと窮屈だったかなとチロリは心配していた。
(ゾロ、血足りるかな。結構出てるな。
……やっぱり私は床で寝るか。ゾロ休まらないだろうし)
ゴソゴソ…
パシッ
ドサッ
「うわっ」
チロリはベッドから出ようと動くが腕を掴まれベッドへ倒される。
「すまんゾロ、起こしちゃったか。まだ寝てていいよ」
「…お前もここで寝とけ、"ペンデンス島 "の怪我もあるだろ」
ぎゅっ
チロリは右脇腹、ゾロは左脇腹を庇うため怪我をしていない方を下にベッドに横になっている。
そうするとお互い向き合う形になり、ゾロに抱きしめられ背中をよしよしと撫でられるチロリ。
(床で寝ようとしてたのすぐバレたな…ゾロには敵わないな…)
疲労とゾロの体温もあり、チロリは眠りについた。
ーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーー
ーーーー
「撃て!!!特製バギー玉!!!」
ドオォン!!!!!!!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ
「ぬわっ!」「きゃあ!」
「んぬ…わしの家まで!!」
「あ!ゾロとチロリが寝てんのに!!」
大砲が発射され町の建物が大量に破壊される。この港町に来て一番初めに見た状況と同じだ。
崩れた建物の中にはゾロたちが今も寝ているプードルの家もあり、ルフィは心配をする。
ゴゴゴオォォォ……
「死んだか…!?腹まきの小童ども…!!」
「おいゾロ、チロリ!生きてるかァ!!?」
ガラガラ……と建物の崩れる音が響き土煙が立ち込んでいてルフィは声をかける。
「!…ん?」
「あーーーー
寝ざめの悪ィ目覚ましだぜ」
「ほんっとすごい目覚ましだよ…ケホケホ」
「大丈夫かチロリ」
「うん平気、ゾロは?」
「おれも平気だ」
「よかった!生きてたか!」
「…何で生きてられるのよ…!」
ルフィは喜び、航海士は冷や汗を流し呆れている。建物が崩れる瞬間にゾロもチロリもお互いを庇ったため土埃まみれになっていたがふたりは無事だった。
チロリがゾロの頭についた土埃を払っているとゾロもチロリに同じ行動をする。
すると、
「無謀は承知!!!!!!!!!」
「!」
「「「……」」」
「うおおおお!待っておれ道化のバギーっ!!」
怒ってバギーのもとへ向かおうとするプードルを航海士が止めていたが、彼は今までされてきた事が許せず町長として町を守りに走って行ってしまった。
「何だか盛りあがってきてるみてェだな!」
「うん、いい感じになってきた」
「しししし!そうなんだ」
「笑ってる場合かっ!!」
「大丈夫!おれはあのおっさん好きだ!絶対死なせない!!」
状況判断を何となくしたふたりが言うとルフィが笑顔で答える。プードルの事も心配な航海士は何故そんなに自信があるのか分からず怒る。
「おれ達が目指すのは"偉大なる航路 "、これからその海図をもう一度奪いに行く!」
(その目的が1番だろうけど、このタイミングで行くってことは町長も助けるんだろうな)
チロリはルフィの言葉を聞き、そう思うと自然と口角が上がっていた。
ルフィは航海士に言う。
「仲間になってくれ!海図いるんだろ?宝も」
「!……私は海賊にはならないわ!」
ぱんっ
「"手を組む"って言ってくれる?お互いの目的の為に!」
航海士とルフィは手を叩き、一緒に行くことになった。3人で海賊に挑むのは2回目だなぁと思い、立ち上がるチロリ。
「あんた達も行くの?お腹のキズは…」
「「治った」」
「治るかっ!!」
航海士はゾロとチロリの怪我の状態を聞くが謎の治った発言を返すふたり。
そんなことより重要な事があるため怪我をしている場合じゃないのだ。
「ハラの傷より…やられっぱなしで傷ついたおれたちの名の方が重傷だ」
「決着 つけにいこうか!」
ギュッ…!
ゾロは左腕に巻いてあった黒色のバンダナを頭に巻き、チロリは手首につけていた緑色のヘアゴムでウルフヘアの襟足を結ぶ。ふたりが気合いを入れるときにする準備だ。
「ああ、いこう!」
そんなふたりの笑みを見るとルフィも指をポキポキ鳴らしながら笑みを浮かべる。
「あっきれた……」
航海士はこの3人の表情を見て顔に手を当て本日何回目か分からない呆れ声を出す。
一行はバギーのいる酒場へ向かうのだった。
「うえっ」
「ふぅ……ハアハア」
「ハアハア…」
ルフィに物理は効かないので少し乱暴に檻を下ろす。
檻を少し移動させたふたりは出血が多く、脇腹を抑えて息を切らしていた。
「くそっ、この檻さえ開けば!開けば!!」
ガン!ガン!ガン!ガン!
ルフィが檻の中で暴れているがびくともしない。ゾロが酒場のほうを見ているためチロリもさっきまでいた酒場を見ると、バギー一味が3人を探している声が聞こえた。
「厄介なモンに巻き込まれちまった…だが一度やりあったからには
「おうよ!ルフィの檻も開けなきゃいけねェしな」
「移動するぞチロリ」
「ハアハア、あいあいさー…」
血だらけのふたりは再び檻を担ぐと酒場から離れるように移動した。
ズズズズズズ…
「もうだいぶ、酒場から離れた…ハアハア
とりあえずすぐには追っちゃ来ねェだろう」
ゾロは脇腹から血をポタポタと流しながら檻を引きずり、町の通りを歩いていた。
「しかしいったん退いたはいいが、この檻はやっかいだな…!」
「そうなんだ、これが開かねェとあいつが来ても何もできねェよ!!ガヂガヂ」
「たしかに鉄ごうしだから叩いても無駄だなァ、ゾロ運ぶのがんばってくれ」
「お前ェも運ぶの手伝えよ!何でそんなところでサボってんだよ!!」
「だって血が足りないんだもん…」
さっきまでふたりで運んでいた檻をいつの間にか1人で引きずっているゾロ。
チロリはというと疲れてしまい、ルフィが入っている檻の上に乗ってゾロを応援する係になっていた。
血が足りず本音を言ったチロリを見ていたらゾロもアドレナリンが切れ、自覚がでてきた。
ドサッ
「おれももうダメだ、血が足りねェ
これ以上は歩けん…!」
バタッ
「血がァ…」
どーーーん
びく!
「「!?」」
ふたりは血不足のため檻を置いて倒れてしまった。だが倒れた目の前に白い犬が堂々とお座りしており、ふたりは驚いた。
「びっ…くりしたァ…」
「何だこの犬は…!!」
「犬?あ、犬だ」
犬は動かず静かにおすわりをしている。
バギー一味のせいで人がおらず静かな町のハズなのに何で犬がいるんだろうとチロリは思った。
「これ何だ犬か?本当に。おいゾロ、チロリ、こいつ全然動かねェよ」
「知るか…そんなもん犬の勝手だ
とにかく今はお前がその檻から出る事を考えろ」
ルフィが檻の中から犬のことが気になりすぎてすごく観察をしている。その横で座っているゾロとチロリは傷口を抑えながら息も絶え絶えになっている。
「たしかに静かでお人形みたいだな…」
「お前も犬が気になってんじゃねェよ」ポカ
「いてっ」
疲れているせいで力が弱いがゾロはチロリを軽くこづく。
するとルフィが突然「死んでんのかな」と言い犬の両目に指をどすっと挿した。当然驚いた犬が檻の隙間からルフィを噛みつき攻撃をする。
ガブッ
「痛え!!何すんだ犬!!!」
ガブガブ
ボカボカ
檻の隙間からお互い攻撃し喧嘩をし始めた。
「てめェ!今の事態わかってんのか!!?」
「あ、ゾロそんな叫んだら血が…」
ブシュゥゥ
バタッ…
ドサッ…
バタッ…
「犬め!!」
「くそ…血が足りねェ!」
「だから言ったのに…!」
ゾロとチロリは血液不足、ルフィは檻から出られず犬に敗れ、3人は力つきて大の字になりその場に倒れた。
「あんた達一体何やってんの3人して…
こんな道端で寝てたらバギーに見つかっちゃうわよ!」
「「「よォ、航海士」」」
「誰がよ!!」
倒れていた3人の前に美少女航海士(の予定)が現れた。3人とも仲間だと思っているため同じ声が出たのをツッコミを入れられる。
「一応お礼をしに来ただけよ。助けてもらったからね」
「礼??」
キンッ
「あ」
ルフィとふたりの間に銀色の小さな物が投げられる。
「鍵!!!檻の鍵盗ってきてくれたのか!!」
航海士が持ってきたのは檻の鍵だった。ルフィの嬉しそうな声に倒れていたゾロとチロリも身体を起こす。
「まァね…我ながらバカだったと思うわ
他に海図も宝も何一つ盗まなかったもの、そのお陰で」
「はーーっ!ホントどうしようかと思ってたんだこの檻!!」
「……は…これで一応逃げた苦労が報われるな」
「…あーそりゃよかった…」
檻の鍵も手に入ったし希望が見えてきた。ルフィが檻の外に落ちている鍵に手を伸ばそうとしたその瞬間。
パク
「あ」
ゴクン
しーーーん
「「「「…!!?!??」」」」
白い犬が目の前に落ちている檻の鍵を咥えてから飲み込んでしまった。4人は驚きを隠せない。
「このいぬゥ!!!!吐け!!今飲んだのエサじゃねェぞ!!!!!!」
一番怒っているのはルフィだ。先程の喧嘩と同じような喧嘩が繰り広げられる。
ガブガブ!ボカボカ!
「くらっ小童ども!!シュシュをいじめるんじゃねェっ!!」
「シュシュ?」
「この犬の名前か?」
「誰だおっさん」
「わしか
わしはこの町の長さながらの町長じゃ!!!」
ルフィとシュシュが喧嘩をしていると白髪頭の鎧を着た町長のプードルが現れた。シュシュを助けるためだろう。
「…なッ!お前ら血が出過ぎとるぞ!!」
近づいてきたプードルはゾロとチロリの出血量に驚く。ふたりが座っていたところには血溜まりができていた。
「とりあえずお前ら来い!」と言いプードルはシュシュがいた建物の隣の自宅へふたりを引っ張っていった。
「こんなもんか、とりあえず血を抑えるために巻いたからな」
「助かったおっさん」
「ありがとうございます」
プードルに流れ続ける血を抑えるためにとりあえず服と腹巻きの上から包帯を巻いてもらったふたり。
「少し離れたところに避難所があってな、そこに町の医者がおるから案内するぞ」
「いや大丈夫だ」
「寝りゃなおる」
「は!?」
プードルは親切に避難所までふたりを連れて行こうと思っていたが謎の返答に驚く。
「おっさん布団借りるぞ」
「あ、おぉそこだ」
「ね、ねむいゾロ…」
「チロリ、こっち来い。
じゃあおれたちは寝るから…ぐがーぐがーー」
「いや寝るの早っ!!!!」
寝たら治るわけなかろう!なんじゃもう!とマイペースなゾロたちにぷりぷり怒りながらプードルは自宅から出て行った。
バタンッ…
がー…がー…
ゾロの寝息が豪快に響いている。
子どもの頃から一緒に寝ているため気にならないが、プードルのシングルベッドにふたりはちょっと窮屈だったかなとチロリは心配していた。
(ゾロ、血足りるかな。結構出てるな。
……やっぱり私は床で寝るか。ゾロ休まらないだろうし)
ゴソゴソ…
パシッ
ドサッ
「うわっ」
チロリはベッドから出ようと動くが腕を掴まれベッドへ倒される。
「すまんゾロ、起こしちゃったか。まだ寝てていいよ」
「…お前もここで寝とけ、"
ぎゅっ
チロリは右脇腹、ゾロは左脇腹を庇うため怪我をしていない方を下にベッドに横になっている。
そうするとお互い向き合う形になり、ゾロに抱きしめられ背中をよしよしと撫でられるチロリ。
(床で寝ようとしてたのすぐバレたな…ゾロには敵わないな…)
疲労とゾロの体温もあり、チロリは眠りについた。
ーーーーーーーーーーーー
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「撃て!!!特製バギー玉!!!」
ドオォン!!!!!!!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴッ
「ぬわっ!」「きゃあ!」
「んぬ…わしの家まで!!」
「あ!ゾロとチロリが寝てんのに!!」
大砲が発射され町の建物が大量に破壊される。この港町に来て一番初めに見た状況と同じだ。
崩れた建物の中にはゾロたちが今も寝ているプードルの家もあり、ルフィは心配をする。
ゴゴゴオォォォ……
「死んだか…!?腹まきの小童ども…!!」
「おいゾロ、チロリ!生きてるかァ!!?」
ガラガラ……と建物の崩れる音が響き土煙が立ち込んでいてルフィは声をかける。
「!…ん?」
「あーーーー
寝ざめの悪ィ目覚ましだぜ」
「ほんっとすごい目覚ましだよ…ケホケホ」
「大丈夫かチロリ」
「うん平気、ゾロは?」
「おれも平気だ」
「よかった!生きてたか!」
「…何で生きてられるのよ…!」
ルフィは喜び、航海士は冷や汗を流し呆れている。建物が崩れる瞬間にゾロもチロリもお互いを庇ったため土埃まみれになっていたがふたりは無事だった。
チロリがゾロの頭についた土埃を払っているとゾロもチロリに同じ行動をする。
すると、
「無謀は承知!!!!!!!!!」
「!」
「「「……」」」
「うおおおお!待っておれ道化のバギーっ!!」
怒ってバギーのもとへ向かおうとするプードルを航海士が止めていたが、彼は今までされてきた事が許せず町長として町を守りに走って行ってしまった。
「何だか盛りあがってきてるみてェだな!」
「うん、いい感じになってきた」
「しししし!そうなんだ」
「笑ってる場合かっ!!」
「大丈夫!おれはあのおっさん好きだ!絶対死なせない!!」
状況判断を何となくしたふたりが言うとルフィが笑顔で答える。プードルの事も心配な航海士は何故そんなに自信があるのか分からず怒る。
「おれ達が目指すのは"
(その目的が1番だろうけど、このタイミングで行くってことは町長も助けるんだろうな)
チロリはルフィの言葉を聞き、そう思うと自然と口角が上がっていた。
ルフィは航海士に言う。
「仲間になってくれ!海図いるんだろ?宝も」
「!……私は海賊にはならないわ!」
ぱんっ
「"手を組む"って言ってくれる?お互いの目的の為に!」
航海士とルフィは手を叩き、一緒に行くことになった。3人で海賊に挑むのは2回目だなぁと思い、立ち上がるチロリ。
「あんた達も行くの?お腹のキズは…」
「「治った」」
「治るかっ!!」
航海士はゾロとチロリの怪我の状態を聞くが謎の治った発言を返すふたり。
そんなことより重要な事があるため怪我をしている場合じゃないのだ。
「ハラの傷より…やられっぱなしで傷ついたおれたちの名の方が重傷だ」
「
ギュッ…!
ゾロは左腕に巻いてあった黒色のバンダナを頭に巻き、チロリは手首につけていた緑色のヘアゴムでウルフヘアの襟足を結ぶ。ふたりが気合いを入れるときにする準備だ。
「ああ、いこう!」
そんなふたりの笑みを見るとルフィも指をポキポキ鳴らしながら笑みを浮かべる。
「あっきれた……」
航海士はこの3人の表情を見て顔に手を当て本日何回目か分からない呆れ声を出す。
一行はバギーのいる酒場へ向かうのだった。