東の海
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「あそこです!あの酒場にバギー船長がいると思います!」
「おうあそこか、チロリいくぞ!」
「あいよ!お前らありがとな!」
走っているとバギーのいる建物へ辿り着いた。ゾロに急ぐよう言われるとチロリはスピードを上げ近くの崩れてない家の屋根に登った。
ついでにバギー一味に礼を言うと笑顔で男たちは「それでは〜」と手を振っていた。彼らのその笑顔からはもうゾロたちと会わなくて良い事への嬉しさが垣間見えた。
「ゾロ!屋上にルフィがいる!」
「…というか、なんか巻き込まれてんのかこりゃ」
チロリがルフィを見つけるが檻に入っている。その奥にはピエロのような人と海賊達とオレンジ色の髪の美少女がいた。
「オレンジ髪……美少女…うーん、どっかで聞いたような…?」
「チロリ、とぶぞ」パシッ
チロリは一瞬悩んだが
ゾロに手を取られ一緒に屋上まで乗り込むためにジャンプした。
屋上ではオレンジ美少女に向かって海賊が4人飛びかかっていた。海賊に向かって彼女は長い棒を振り回していたが避けられている。
うーんこれは…とチロリは思い飛び出す、ゾロも同じだったようだ。
「うっひゃあーっ!!」
「…お前!後ろっ!!」
「!」
「女1人にさ」
「何人がかりだ」
バキッ!!!
「!!!!!?」
「え…」
「ゾロォ!!!チロリ!!!」
ゾロとチロリは剣 を振り回し飛び込んできた海賊4人に鞘から抜いてない刀で止めていた。ルフィが嬉しそうにふたりの名前を呼ぶ。
「!」
「ゾロだって!?」「チロリ!?」
どよどよ
ふたりの名を聞いたその場の空気がざわついた。
ゾロは美少女に「ケガは?」と声をかけ彼女は「…ええ平気…」と答える。私はその様子を見て口角が上がる。ゾロはやっぱり優しい。
「やーよかった!ふたりともよくここがわかったなァ!早くこっから出してくれ」
檻の中からルフィがこちらに呑気な声をかけてくる。
「お前なァ何遊んでんだルフィ…」
「ほんとだよ…鳥に連れてかれたと思ったら今度は牢の中にいるのは何で?」
「アホ!」
「アホめ!」
ゾロは刀を1本肩にとんとんと当てながら、チロリはゾロのオウムでルフィにアホアホ言っている。
「おい、あいつゾロとチロリって言わなかったか…?」
「それって"海賊狩りのゾロとチロリ"か!?なんで泥棒と喋ってんだ…?」
「ルフィ の言ってた仲間って…"海賊狩りのゾロとチロリ"の事…!?
どうなってんの…!?」
海賊達と美少女は驚きざわついている。それもそうだ、"海賊狩りのゾロとチロリ"は東の海 の海賊には名が通った危険人物ふたりだからである。
だがふたりは旅をしてる際に食うに困ったからしていただけで本業にはしていなかった。
「貴様らロロノア・ゾロとリュウゼツ・チロリで間違いねェな
おれの首でもとりに来たか?」
私たちの横にピエロの男が立って声をかけてきた。「おれの首ってことはこいつが例のね…」とチロリは呟く。ゾロは彼女の話を聞いてなるほどと思い目を伏せる。
「いや…興味ねェな
おれ達はやめたんだ、海賊狩りは…」
「おれは興味あるねェ、てめェらを殺せば名が上がる」
バギーは小刀を手でクルクルと回しながら私たちに視線を向けてくる。やる気なのだろうか。
「やめとけ、死ぬぜ」
ゾロがバギーにそう言いながら、刀を抜こうと手をかけていた私の右手に手を重ね静止させる。まかせろってことか。私は大人しくするために右手を下ろした。
「うおおおおやっちまえェ船長!!ゾロを斬りキザめェ!!」
ひゃっほー!と下っ端がバギーを煽ると
「本気で来ねェと血ィ見るぞ!」とバギーはゾロへ向かってきた。
「…!そっちがその気なら…!!」
ゾロは刀を3本構え
ズバッ!!!!!!
バギーを見事に斬った。
「うわっよえーなあいつ!」
「うそ…」
「あらぁ〜…」
ドサドサッ…
「……何て手ごたえのねェ奴だ…」
斬れたバギーの身体が倒れる。ゾロは刀をしまいながら斬れたバギーをあとにする。
「へっへっへっへ…」
「「……?」」
船長がやられたというのにバギー一味がこちらを見て笑っている…。ゾロとチロリは不思議に思ったが、ルフィに声をかけられふたりは意識が逸れた。
「おいゾロ、チロリ!早くこっから出してくれ」
「あ、そっか!」
「あぁ」
「こりゃ鍵がなきゃ開かねェぞ、この鉄ごうしは斬れねェしな」
「すまん、私も斬れない」
「そうか」
入っている檻をふたりで観察しながら伝えるとルフィはあっさり答える。そうしているとバギー一味が大きな声を出し笑い始めた。
「…何がそんなおかしいんだ?」
「おとなしくこの檻の鍵を渡せ!おれたちはお前らと戦う気はない!」
「……?おっかしな奴らだなァ」
3人が喋っている間も大笑いしているバギー一味。美少女も不思議がっているようだ。
と、そのときーー
「!!?ゾロ危ない!」
ザクッ
「!?! い…ッ!!」
「な!!?チロリ!!」
ドスッ
「ガフッ…!」
「ゾロっ!?チロリっ!!?」
「!?…なにあの手!!」
後ろから短剣を持った手が飛んできた。ゾロを庇ったチロリは右脇腹を斬られ、ゾロは左脇腹を刺された。突然の出来事にふたりとも血を口から出しガクンと膝をつく。
分かっていない私たちに「ぎゃははははは」とバギー一味は大笑いだ。ゾロに刺さっていた短剣が浮いている手で抜かれ、脇腹から血がドクドクと出ている。私も斬られた脇腹を手で押されて止血をする。何なんだ、手が浮いている。
ユラリと浮いている手がバギーのもとへ戻った行った。
「バラバラの実…
それがおれの食った悪魔の実の名だ!!
おれは斬っても斬れないバラバラ人間なのさ!!」
「…!!」
「バラバラ人間ってあいつバケモンかっ!」
「ルフィがそれ言う?」
「急所は外しちまったか海賊狩りども…だが相当の深手だろ!勝負あったな!!」
(たしかにこれじゃ勝ち目はうすい…!ルフィを助けに来といてチロリまで傷付けて何てザマだ!!…油断した!)
ゾロがどうするか考えている間にバギーとその一味は盛り上がっている。チロリもこの人数とバギーをなんとか出来ないか必死に考えていた。
「後ろから刺すなんて卑怯だぞ!
デカッ鼻ァ!!!!!」
ずどーーーーーん
「!!!!」
「バカっそれだけは言っちゃ…」
ルフィが檻の中から我慢できなかったことを言う。卑怯なことは彼は大嫌いだからだ。
わなわな怒り出すバギーに震える一味と美少女。
「誰がデカッ鼻だァああ!!!!!」
バギーはキレて短剣を持った右手をルフィに飛ばした。
ギュイン!!
ドスッ!
「「ルフィ!!」」
「!!?」
「お前は必ずブッ飛ばすからな!!!」
ルフィは口で短剣を受け止め、刃を砕いていた。「ほほーう、ブッ飛ばす?」とバギーは聞き返す。
「この状況で、どうブッ飛べばいいんだおれは!?野郎ども!笑っておしまいっ!」
ぎゃーははははとルフィのブッ飛ばす宣言に笑い出すバギーたち。するとルフィは指示を出してきた。
「逃げろ!!ゾロ!チロリっ!」
「…何っ!?」
「…えっ!?」
「ちょっ…せっかく助けに来てくれた仲間に逃げろって…!あんたはどうすんのよ!!」
「「「………」」」
美少女はルフィを心配して声をあげる。
ゾロとチロリは驚くが、ルフィと目を合わせ口角をあげる。
「「了解」」
「バカたれが!逃すか海賊狩りども!バラバラ砲 ーう!!!」
バギーの両手がまた飛んできた。
信じられないという顔の美少女を横目に私とゾロは檻に向かって走る。
(たしか、大砲に弾が込められたままだった気がする…!)
私は最初見た状況を思い出し「ゾロ!頼む!」とゾロに声をかけると彼も分かっていたようだ。先に走って行ってくれる。
キンッキンッ!!
ゾロに任せると私はバギーの飛んできた手と交戦し時間を稼ぐ。
「ぎゃははは!あいつら逃げていくぞ!」
「バギー船長から逃げられるもんかァ!!」
チロリが時間を稼いでいる間にゾロはルフィに向けられていた大砲を肩に担ぐ。刺された脇腹から血が吹き出しているがお構いなしに力 む。
グイッ
「まさか…!!」
ガコン!!!!
持ち上げた大砲は真逆を向いた。バギー一味の方向に砲口が来る。バギーたちはその大砲の威力を知っているため騒ぎだす。
「ぎいやーーー!!!!大砲がこっち向いたァーーっ!!!」
「ぬわー!あれにはまだ"特製バギー球"が入ったままだぞ!!!」
「おい点火だ!急げ!」
「は…はいっ!」
「よせっ!!!!
ふせろーーーー!!!!」
ドゥン!!!!!!!!!!!
ぎゃあああぁぁ…
ゾロが美少女に点火を頼み"特性バギー球"が見事に放たれた。辺りは煙でいっぱいになる。バギーの手とギリギリまで時間稼ぎをしていたチロリは爆発にちょっと巻き込まれた。
「チロリもいるな、よし今のうちだ…!
……ところでお前誰だ」
「けほっけほっ、いやゾロさっき喋ってたじゃん」
「私…泥棒よ」
「そいつはウチの航海士だ」にいっ
ルフィのその言葉におぉ!と期待の顔でチロリは彼女を見るが美少女は怒っている。
「バッカじゃないのまだ言ってんの!?そんなこと言うひまあったら、自分がその檻から出る方法考えたら!?」
「あーそりゃそうだ、そうする」
たしかに檻の鍵見つけないと逃げるに逃げれないのに呑気なルフィ。血がだらだらと流れているチロリも血が足りなくなって考える力がなくなってきている。
「いや問題ない、てめェは檻の中にいろ」
そんな中ゾロは2人を見てニヤッと笑うと答えた。
「オオ…!!」
「おいゾロいいよ!腹わた飛び出るぞ!」
「飛び出たらしまえばいい!」
「私しまい方わかんないよゾロ…」
ゾロはルフィが入っている鉄の檻ごと持ち上げて逃げようとしていた。彼の脇腹からは刺された傷口から血がブシュゥと吹き出している。それを見ていた航海士は心配な声をあげる。
「何でそこまで…!」
「おれはおれのやりてェ様にやる!!!
口出しすんじゃねェっ!!!」
傷口や口から血が出ているゾロは気合いで鉄の檻を持ち上げた。かなりの重さのはずだ、その気合いに圧倒された美少女は言葉をなくしている。
(やりてェ様にね…そうだよ私たちは自由なんだ)
にいっと口角をあげ笑顔になったチロリはゾロが持ち上げた檻を共に担ぎ、屋根をつたって移動をした。持ち上げた時に力むため血がドクドクと出てくる。
「血が…ッ」と心配してくれる美少女の声が聞こえ、チロリは彼女に顔を向けると笑顔で応えた。
「グハッ!だ、大丈夫だよ…」
「いや全然そう見えないのよ!!!」
「おうあそこか、チロリいくぞ!」
「あいよ!お前らありがとな!」
走っているとバギーのいる建物へ辿り着いた。ゾロに急ぐよう言われるとチロリはスピードを上げ近くの崩れてない家の屋根に登った。
ついでにバギー一味に礼を言うと笑顔で男たちは「それでは〜」と手を振っていた。彼らのその笑顔からはもうゾロたちと会わなくて良い事への嬉しさが垣間見えた。
「ゾロ!屋上にルフィがいる!」
「…というか、なんか巻き込まれてんのかこりゃ」
チロリがルフィを見つけるが檻に入っている。その奥にはピエロのような人と海賊達とオレンジ色の髪の美少女がいた。
「オレンジ髪……美少女…うーん、どっかで聞いたような…?」
「チロリ、とぶぞ」パシッ
チロリは一瞬悩んだが
ゾロに手を取られ一緒に屋上まで乗り込むためにジャンプした。
屋上ではオレンジ美少女に向かって海賊が4人飛びかかっていた。海賊に向かって彼女は長い棒を振り回していたが避けられている。
うーんこれは…とチロリは思い飛び出す、ゾロも同じだったようだ。
「うっひゃあーっ!!」
「…お前!後ろっ!!」
「!」
「女1人にさ」
「何人がかりだ」
バキッ!!!
「!!!!!?」
「え…」
「ゾロォ!!!チロリ!!!」
ゾロとチロリは
「!」
「ゾロだって!?」「チロリ!?」
どよどよ
ふたりの名を聞いたその場の空気がざわついた。
ゾロは美少女に「ケガは?」と声をかけ彼女は「…ええ平気…」と答える。私はその様子を見て口角が上がる。ゾロはやっぱり優しい。
「やーよかった!ふたりともよくここがわかったなァ!早くこっから出してくれ」
檻の中からルフィがこちらに呑気な声をかけてくる。
「お前なァ何遊んでんだルフィ…」
「ほんとだよ…鳥に連れてかれたと思ったら今度は牢の中にいるのは何で?」
「アホ!」
「アホめ!」
ゾロは刀を1本肩にとんとんと当てながら、チロリはゾロのオウムでルフィにアホアホ言っている。
「おい、あいつゾロとチロリって言わなかったか…?」
「それって"海賊狩りのゾロとチロリ"か!?なんで泥棒と喋ってんだ…?」
「
どうなってんの…!?」
海賊達と美少女は驚きざわついている。それもそうだ、"海賊狩りのゾロとチロリ"は
だがふたりは旅をしてる際に食うに困ったからしていただけで本業にはしていなかった。
「貴様らロロノア・ゾロとリュウゼツ・チロリで間違いねェな
おれの首でもとりに来たか?」
私たちの横にピエロの男が立って声をかけてきた。「おれの首ってことはこいつが例のね…」とチロリは呟く。ゾロは彼女の話を聞いてなるほどと思い目を伏せる。
「いや…興味ねェな
おれ達はやめたんだ、海賊狩りは…」
「おれは興味あるねェ、てめェらを殺せば名が上がる」
バギーは小刀を手でクルクルと回しながら私たちに視線を向けてくる。やる気なのだろうか。
「やめとけ、死ぬぜ」
ゾロがバギーにそう言いながら、刀を抜こうと手をかけていた私の右手に手を重ね静止させる。まかせろってことか。私は大人しくするために右手を下ろした。
「うおおおおやっちまえェ船長!!ゾロを斬りキザめェ!!」
ひゃっほー!と下っ端がバギーを煽ると
「本気で来ねェと血ィ見るぞ!」とバギーはゾロへ向かってきた。
「…!そっちがその気なら…!!」
ゾロは刀を3本構え
ズバッ!!!!!!
バギーを見事に斬った。
「うわっよえーなあいつ!」
「うそ…」
「あらぁ〜…」
ドサドサッ…
「……何て手ごたえのねェ奴だ…」
斬れたバギーの身体が倒れる。ゾロは刀をしまいながら斬れたバギーをあとにする。
「へっへっへっへ…」
「「……?」」
船長がやられたというのにバギー一味がこちらを見て笑っている…。ゾロとチロリは不思議に思ったが、ルフィに声をかけられふたりは意識が逸れた。
「おいゾロ、チロリ!早くこっから出してくれ」
「あ、そっか!」
「あぁ」
「こりゃ鍵がなきゃ開かねェぞ、この鉄ごうしは斬れねェしな」
「すまん、私も斬れない」
「そうか」
入っている檻をふたりで観察しながら伝えるとルフィはあっさり答える。そうしているとバギー一味が大きな声を出し笑い始めた。
「…何がそんなおかしいんだ?」
「おとなしくこの檻の鍵を渡せ!おれたちはお前らと戦う気はない!」
「……?おっかしな奴らだなァ」
3人が喋っている間も大笑いしているバギー一味。美少女も不思議がっているようだ。
と、そのときーー
「!!?ゾロ危ない!」
ザクッ
「!?! い…ッ!!」
「な!!?チロリ!!」
ドスッ
「ガフッ…!」
「ゾロっ!?チロリっ!!?」
「!?…なにあの手!!」
後ろから短剣を持った手が飛んできた。ゾロを庇ったチロリは右脇腹を斬られ、ゾロは左脇腹を刺された。突然の出来事にふたりとも血を口から出しガクンと膝をつく。
分かっていない私たちに「ぎゃははははは」とバギー一味は大笑いだ。ゾロに刺さっていた短剣が浮いている手で抜かれ、脇腹から血がドクドクと出ている。私も斬られた脇腹を手で押されて止血をする。何なんだ、手が浮いている。
ユラリと浮いている手がバギーのもとへ戻った行った。
「バラバラの実…
それがおれの食った悪魔の実の名だ!!
おれは斬っても斬れないバラバラ人間なのさ!!」
「…!!」
「バラバラ人間ってあいつバケモンかっ!」
「ルフィがそれ言う?」
「急所は外しちまったか海賊狩りども…だが相当の深手だろ!勝負あったな!!」
(たしかにこれじゃ勝ち目はうすい…!ルフィを助けに来といてチロリまで傷付けて何てザマだ!!…油断した!)
ゾロがどうするか考えている間にバギーとその一味は盛り上がっている。チロリもこの人数とバギーをなんとか出来ないか必死に考えていた。
「後ろから刺すなんて卑怯だぞ!
デカッ鼻ァ!!!!!」
ずどーーーーーん
「!!!!」
「バカっそれだけは言っちゃ…」
ルフィが檻の中から我慢できなかったことを言う。卑怯なことは彼は大嫌いだからだ。
わなわな怒り出すバギーに震える一味と美少女。
「誰がデカッ鼻だァああ!!!!!」
バギーはキレて短剣を持った右手をルフィに飛ばした。
ギュイン!!
ドスッ!
「「ルフィ!!」」
「!!?」
「お前は必ずブッ飛ばすからな!!!」
ルフィは口で短剣を受け止め、刃を砕いていた。「ほほーう、ブッ飛ばす?」とバギーは聞き返す。
「この状況で、どうブッ飛べばいいんだおれは!?野郎ども!笑っておしまいっ!」
ぎゃーははははとルフィのブッ飛ばす宣言に笑い出すバギーたち。するとルフィは指示を出してきた。
「逃げろ!!ゾロ!チロリっ!」
「…何っ!?」
「…えっ!?」
「ちょっ…せっかく助けに来てくれた仲間に逃げろって…!あんたはどうすんのよ!!」
「「「………」」」
美少女はルフィを心配して声をあげる。
ゾロとチロリは驚くが、ルフィと目を合わせ口角をあげる。
「「了解」」
「バカたれが!逃すか海賊狩りども!バラバラ
バギーの両手がまた飛んできた。
信じられないという顔の美少女を横目に私とゾロは檻に向かって走る。
(たしか、大砲に弾が込められたままだった気がする…!)
私は最初見た状況を思い出し「ゾロ!頼む!」とゾロに声をかけると彼も分かっていたようだ。先に走って行ってくれる。
キンッキンッ!!
ゾロに任せると私はバギーの飛んできた手と交戦し時間を稼ぐ。
「ぎゃははは!あいつら逃げていくぞ!」
「バギー船長から逃げられるもんかァ!!」
チロリが時間を稼いでいる間にゾロはルフィに向けられていた大砲を肩に担ぐ。刺された脇腹から血が吹き出しているがお構いなしに
グイッ
「まさか…!!」
ガコン!!!!
持ち上げた大砲は真逆を向いた。バギー一味の方向に砲口が来る。バギーたちはその大砲の威力を知っているため騒ぎだす。
「ぎいやーーー!!!!大砲がこっち向いたァーーっ!!!」
「ぬわー!あれにはまだ"特製バギー球"が入ったままだぞ!!!」
「おい点火だ!急げ!」
「は…はいっ!」
「よせっ!!!!
ふせろーーーー!!!!」
ドゥン!!!!!!!!!!!
ぎゃあああぁぁ…
ゾロが美少女に点火を頼み"特性バギー球"が見事に放たれた。辺りは煙でいっぱいになる。バギーの手とギリギリまで時間稼ぎをしていたチロリは爆発にちょっと巻き込まれた。
「チロリもいるな、よし今のうちだ…!
……ところでお前誰だ」
「けほっけほっ、いやゾロさっき喋ってたじゃん」
「私…泥棒よ」
「そいつはウチの航海士だ」にいっ
ルフィのその言葉におぉ!と期待の顔でチロリは彼女を見るが美少女は怒っている。
「バッカじゃないのまだ言ってんの!?そんなこと言うひまあったら、自分がその檻から出る方法考えたら!?」
「あーそりゃそうだ、そうする」
たしかに檻の鍵見つけないと逃げるに逃げれないのに呑気なルフィ。血がだらだらと流れているチロリも血が足りなくなって考える力がなくなってきている。
「いや問題ない、てめェは檻の中にいろ」
そんな中ゾロは2人を見てニヤッと笑うと答えた。
「オオ…!!」
「おいゾロいいよ!腹わた飛び出るぞ!」
「飛び出たらしまえばいい!」
「私しまい方わかんないよゾロ…」
ゾロはルフィが入っている鉄の檻ごと持ち上げて逃げようとしていた。彼の脇腹からは刺された傷口から血がブシュゥと吹き出している。それを見ていた航海士は心配な声をあげる。
「何でそこまで…!」
「おれはおれのやりてェ様にやる!!!
口出しすんじゃねェっ!!!」
傷口や口から血が出ているゾロは気合いで鉄の檻を持ち上げた。かなりの重さのはずだ、その気合いに圧倒された美少女は言葉をなくしている。
(やりてェ様にね…そうだよ私たちは自由なんだ)
にいっと口角をあげ笑顔になったチロリはゾロが持ち上げた檻を共に担ぎ、屋根をつたって移動をした。持ち上げた時に力むため血がドクドクと出てくる。
「血が…ッ」と心配してくれる美少女の声が聞こえ、チロリは彼女に顔を向けると笑顔で応えた。
「グハッ!だ、大丈夫だよ…」
「いや全然そう見えないのよ!!!」