Mimosa
ヒロインの名前
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カーテンを開けると、柔らかな光が部屋いっぱいに広がった。春の朝特有の、緊張をほぐすような穏やかな光だ。空気を胸いっぱいに吸い込み、深呼吸。
花々は今が盛りと咲き誇り、惜しげもなくその美しさを放っていた。
学年が上がり、進路指導や予備校の講座選びなど、慣れないことに戸惑いながらも、一年後の未来を思うと胸が弾む。まだぎこちなさは残るが、それもまた春らしい風景だった。
あるの日のこと、突然“体育館が封鎖された”という情報が飛び込んできた。乗り込んできた不良が立てこもっているらしい。
バスケ部の生徒に怪我人が出ているという噂が、尾ひれをつけて校内を駆け回り、華の耳に届く頃には、事実よりずっと物騒な話になっていた。バスケ部と聞いて華の脳裏に浮かんだのは赤木や木暮だ。彼らに悪い噂はない。
憶測と誇張ばかりが飛び交い、真相はまるで見えないまま、日は暮れていった。
やがて断片的な情報が少しずつ明らかになる。その内容を聞いた瞬間、華の膝は震え、その場に座り込んでしまった。
――三井が関わっているらしい。
そんなはずない。三井は無関係であるはずだった。どうしてそこにいたのか。何が彼をそうさせたのか。今どんな気持ちでいるのか。
あの日、三井が華に触れたとき、華は反射的に立ち去った。でもあのとき、ちゃんと彼の瞳を見ていたら、何か分かっただろうか。
三井の抱えているものを、少しでも理解できたのだろうか。踏み込む勇気が、あのときの自分にはなかった。
――どうしてあのとき、逃げてしまったんだろう。
華は、とにかく三井に会って話がしたかった。
自分を大事にしろと言ってくれたこと。
その言葉がどれほど嬉しかったか。
どれほど心の支えになっていたか。あの日の三井の声や仕草がますます色濃く蘇る。
ー三井くんこそ自分を大事にしてほしいー
事件の調査が進むと、主犯格であるはずの三井を、不良仲間が口裏を合わせて庇い、三井自身の責任は曖昧なまま、形だけ収束してしまった。話には一貫性がなく、それぞれ人間関係もよく分からない。ただ華は思った。
―どんな状況でも、全部を受け止められる強さが欲しいーと。
花々は今が盛りと咲き誇り、惜しげもなくその美しさを放っていた。
学年が上がり、進路指導や予備校の講座選びなど、慣れないことに戸惑いながらも、一年後の未来を思うと胸が弾む。まだぎこちなさは残るが、それもまた春らしい風景だった。
あるの日のこと、突然“体育館が封鎖された”という情報が飛び込んできた。乗り込んできた不良が立てこもっているらしい。
バスケ部の生徒に怪我人が出ているという噂が、尾ひれをつけて校内を駆け回り、華の耳に届く頃には、事実よりずっと物騒な話になっていた。バスケ部と聞いて華の脳裏に浮かんだのは赤木や木暮だ。彼らに悪い噂はない。
憶測と誇張ばかりが飛び交い、真相はまるで見えないまま、日は暮れていった。
やがて断片的な情報が少しずつ明らかになる。その内容を聞いた瞬間、華の膝は震え、その場に座り込んでしまった。
――三井が関わっているらしい。
そんなはずない。三井は無関係であるはずだった。どうしてそこにいたのか。何が彼をそうさせたのか。今どんな気持ちでいるのか。
あの日、三井が華に触れたとき、華は反射的に立ち去った。でもあのとき、ちゃんと彼の瞳を見ていたら、何か分かっただろうか。
三井の抱えているものを、少しでも理解できたのだろうか。踏み込む勇気が、あのときの自分にはなかった。
――どうしてあのとき、逃げてしまったんだろう。
華は、とにかく三井に会って話がしたかった。
自分を大事にしろと言ってくれたこと。
その言葉がどれほど嬉しかったか。
どれほど心の支えになっていたか。あの日の三井の声や仕草がますます色濃く蘇る。
ー三井くんこそ自分を大事にしてほしいー
事件の調査が進むと、主犯格であるはずの三井を、不良仲間が口裏を合わせて庇い、三井自身の責任は曖昧なまま、形だけ収束してしまった。話には一貫性がなく、それぞれ人間関係もよく分からない。ただ華は思った。
―どんな状況でも、全部を受け止められる強さが欲しいーと。
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