Snow Drop
ヒロインの名前
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「流川くん、ほんとに照れると無視するよね。いつも以上に黙る。どあほうも言わない」
「照れてねぇ」
「そぉぉ?」
流川の先を歩いていると、冷たい風が遮られ、大きな手が目の前で重なった。後ろから流川に抱きしめられている。動きの全てが止まる。ただ鼓動だけ早い。
流川の髪が頬に触れる。このまま手を離さずに、いつものように何も言わずにいて欲しい。
「おめーのほうが照れてる。照れると今みたいに先歩いたりして、目合あわせねー」
抱きしめる力を強めようとすると、菖はするりと腕をすり抜けていく。それが惜しくて、流川は影を掴むように手を伸ばした。
「流川くん、この道抜けるといつもの公園だよ。って言っもまあまあ歩くけど。そのリュック、ボールはいってるんでしょ」
流川は小さく頷いた。
空を覆い尽くすほどのけやきの葉、樹齢を重ねた木が左右対称の綺麗が並ぶ。道路はプラタナスの大きな枯れ葉で埋め尽くされ、枯葉を踏む音が渇いた風の中に響き流れていく。太陽の光がビルにあたり、窓がカラーホイルの折り紙のように眩しくきらめいた。朝の清々さもよいけれど、この時間もまた息を呑む美しさがある。
流川はその輝きに目を奪われ、足を止めた。菖はそのまま歩みを進めため、ゆっくと二人の手がほどけていった。
菖は再び流川の手を取り、腕に手をからめてみたり、ポケットの中で手を繋いでみたり。それから肩に寄り添ってみたりと、色々と試している。その姿が可愛くて、流川は自分の左の手を菖の好きにさせていた。
何気なく落とす自分の視線の先に、はしゃぐ菖の姿がいつもあればいい。それを菖に伝えようと必死に言葉を探したが、結局いつも以上に無口になるだけだった。
「バスケ辞めた理由は?怪我?身長?」
「ちがう。背も高くないし、怪我もしたけど…」
菖が首を振る。
「気力かな?もういいやってなっただけ」
「もったいねー」
あまりにも菖のシュートが綺麗にリングに入るので流川はそう言った。
が、話したいことはそんなことではない。では話したいことは何なのか?映画の感想?この先の留学のこと?流川にもよく分からなかった。
「他にも楽しことありそうだし、部活しなくていいかーって。だから、流川くんのとなりにいるの申し訳ないというか…。だって流川くん、チャレンジする人が好きでしょ?」
「またやりたくなったらやればいい」
流川はリュックからボールを出しながら言った。
「でも体力だけは...復帰して試合出て体力がもたないのは、あれだ」
「いないところで三井さんいじらないであげて」
「照れてねぇ」
「そぉぉ?」
流川の先を歩いていると、冷たい風が遮られ、大きな手が目の前で重なった。後ろから流川に抱きしめられている。動きの全てが止まる。ただ鼓動だけ早い。
流川の髪が頬に触れる。このまま手を離さずに、いつものように何も言わずにいて欲しい。
「おめーのほうが照れてる。照れると今みたいに先歩いたりして、目合あわせねー」
抱きしめる力を強めようとすると、菖はするりと腕をすり抜けていく。それが惜しくて、流川は影を掴むように手を伸ばした。
「流川くん、この道抜けるといつもの公園だよ。って言っもまあまあ歩くけど。そのリュック、ボールはいってるんでしょ」
流川は小さく頷いた。
空を覆い尽くすほどのけやきの葉、樹齢を重ねた木が左右対称の綺麗が並ぶ。道路はプラタナスの大きな枯れ葉で埋め尽くされ、枯葉を踏む音が渇いた風の中に響き流れていく。太陽の光がビルにあたり、窓がカラーホイルの折り紙のように眩しくきらめいた。朝の清々さもよいけれど、この時間もまた息を呑む美しさがある。
流川はその輝きに目を奪われ、足を止めた。菖はそのまま歩みを進めため、ゆっくと二人の手がほどけていった。
菖は再び流川の手を取り、腕に手をからめてみたり、ポケットの中で手を繋いでみたり。それから肩に寄り添ってみたりと、色々と試している。その姿が可愛くて、流川は自分の左の手を菖の好きにさせていた。
何気なく落とす自分の視線の先に、はしゃぐ菖の姿がいつもあればいい。それを菖に伝えようと必死に言葉を探したが、結局いつも以上に無口になるだけだった。
「バスケ辞めた理由は?怪我?身長?」
「ちがう。背も高くないし、怪我もしたけど…」
菖が首を振る。
「気力かな?もういいやってなっただけ」
「もったいねー」
あまりにも菖のシュートが綺麗にリングに入るので流川はそう言った。
が、話したいことはそんなことではない。では話したいことは何なのか?映画の感想?この先の留学のこと?流川にもよく分からなかった。
「他にも楽しことありそうだし、部活しなくていいかーって。だから、流川くんのとなりにいるの申し訳ないというか…。だって流川くん、チャレンジする人が好きでしょ?」
「またやりたくなったらやればいい」
流川はリュックからボールを出しながら言った。
「でも体力だけは...復帰して試合出て体力がもたないのは、あれだ」
「いないところで三井さんいじらないであげて」