Snow Drop
ヒロインの名前
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倉庫を改造したカフェの入口はジャノメエリカが無数の花を咲かせている。店内は吹き抜けになっており、ところどころにグリーンがつるされ、空間はガラスで仕切られている。焙煎機が動く様子がよく見えた。オープンして間もないため、早い時間から混んでいる。菖はその様子を眺めながら、フードが手渡されるのを待った。
蔦の葉に覆われたお店を出たところに、落ち着かない様子の流川が立っていた。こういう場所で人を待つのが、なんと似合わないこと。笑いそうになった。
「遅せー」
と一言。
「ごめん、混んでて。心配してくれたの?」
菖が聞くと流川は首を縦にふり、菖から無造作に紙袋を取り上げた。
先を歩く流川。その後ろ姿に引き寄せられるように菖は着いていった。
陽が弱く夜の気配を残している。一部街灯はついたまま。ビルの障害灯もまだ点滅している。金網の影に腰を下ろし、形の崩れたサンドイッチとドリンクを広げる。ホールホイートのパンで挟んだ一番ボリュームのあるサンドイッチ。ヒーローサンドイッチというらしい。センスがあるんだかないんだか。
無言で食べる流川に合わせ、菖も黙ってサンドイッチを平らげた。
金色の雲の切れ間から伸びた光は、天からかかる梯子のようだ。地平線には地球影が映り、中世の画家が描いたような色彩の空が広がる。菖は流川に背中を預け座った。
先程までの薄ぼんやりとした光は、強い光に姿を変え、全てのものに影をあたえてゆく。まるで息を吹き込んで行くかのように。
「流川くんいこう」
全てを洗いさったような朝。今日も一日が始まる。
蔦の葉に覆われたお店を出たところに、落ち着かない様子の流川が立っていた。こういう場所で人を待つのが、なんと似合わないこと。笑いそうになった。
「遅せー」
と一言。
「ごめん、混んでて。心配してくれたの?」
菖が聞くと流川は首を縦にふり、菖から無造作に紙袋を取り上げた。
先を歩く流川。その後ろ姿に引き寄せられるように菖は着いていった。
陽が弱く夜の気配を残している。一部街灯はついたまま。ビルの障害灯もまだ点滅している。金網の影に腰を下ろし、形の崩れたサンドイッチとドリンクを広げる。ホールホイートのパンで挟んだ一番ボリュームのあるサンドイッチ。ヒーローサンドイッチというらしい。センスがあるんだかないんだか。
無言で食べる流川に合わせ、菖も黙ってサンドイッチを平らげた。
金色の雲の切れ間から伸びた光は、天からかかる梯子のようだ。地平線には地球影が映り、中世の画家が描いたような色彩の空が広がる。菖は流川に背中を預け座った。
先程までの薄ぼんやりとした光は、強い光に姿を変え、全てのものに影をあたえてゆく。まるで息を吹き込んで行くかのように。
「流川くんいこう」
全てを洗いさったような朝。今日も一日が始まる。