Mistletoe
ヒロインの名前
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冗談か本気か、どちらとも取れる言いぶりが分からなかった。
が、見つめてくる藤真の眼差から菫は、悟るべきことを読みとった。本気か‥と思った次の瞬間、被っていた帽子が外された。
藤真の顔が近づいて来る。見慣れてきたとはいえ、藤真のこの綺麗な顔だちには、はっとさせられる。菫はその流れに合わせ、そっと瞳を伏せた。
「人来たな」
触れんばかりのところで藤真が菫から離れたのは、気配で分かった。冷たい空気が僅かに揺れたのだ。もどかしさに駆られ、
「帰らなくてもいいよ」
と菫は告げた。小さな声が澄んだ空気によく響いた。
藤真は耳元で囁くように言う。
「どっか寄って行く?少しだけ」
その問いに菫は微笑みで返した。
藤真は繋いだ自分の右手は離さずに、携帯電話を左の耳に当てた。手繋いだまま…だな、と改めて菫は藤真の仕草を目で追った。
ワンコール、呼び出し音の後に店の名前を告げる低い声が漏れ聞こえる。そこにひとこと予約を入れる。
「藤真くん」
物言いたげな表情を浮かべ菫が呼ぶと、藤真は分かりきったかのように、菫の唇に口づけを落とした。その口づけに菫は、痺れ溶けていくような感覚に陥った。ふわふわと意識が揺れる。
「もう一回キスしていい?」
強く抱き締められれば、木枯らしが通り抜ける隙間もない。もう一度深く口づけを交わした時には、藤真にしっかりと身体を支えられるほどになっていた。
冬の星座が傾くまで、もう少しだけ一緒にいたい。
が、見つめてくる藤真の眼差から菫は、悟るべきことを読みとった。本気か‥と思った次の瞬間、被っていた帽子が外された。
藤真の顔が近づいて来る。見慣れてきたとはいえ、藤真のこの綺麗な顔だちには、はっとさせられる。菫はその流れに合わせ、そっと瞳を伏せた。
「人来たな」
触れんばかりのところで藤真が菫から離れたのは、気配で分かった。冷たい空気が僅かに揺れたのだ。もどかしさに駆られ、
「帰らなくてもいいよ」
と菫は告げた。小さな声が澄んだ空気によく響いた。
藤真は耳元で囁くように言う。
「どっか寄って行く?少しだけ」
その問いに菫は微笑みで返した。
藤真は繋いだ自分の右手は離さずに、携帯電話を左の耳に当てた。手繋いだまま…だな、と改めて菫は藤真の仕草を目で追った。
ワンコール、呼び出し音の後に店の名前を告げる低い声が漏れ聞こえる。そこにひとこと予約を入れる。
「藤真くん」
物言いたげな表情を浮かべ菫が呼ぶと、藤真は分かりきったかのように、菫の唇に口づけを落とした。その口づけに菫は、痺れ溶けていくような感覚に陥った。ふわふわと意識が揺れる。
「もう一回キスしていい?」
強く抱き締められれば、木枯らしが通り抜ける隙間もない。もう一度深く口づけを交わした時には、藤真にしっかりと身体を支えられるほどになっていた。
冬の星座が傾くまで、もう少しだけ一緒にいたい。
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