Mistletoe
ヒロインの名前
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「終わったら落ち合おうか。ニューグランドの別のフロアのバーに行ってもいいし」
自分たちが行くには大人すぎるが、歌にも歌われたそのバーで、グラスを傾ける藤真の姿も見てみたい。そんな姿を見ては、疑いもなくその通り、何度でも恋に落ちてしまう。
「抜けられるの?」
「大丈夫だろ。一人抜けたくらい」
「藤真くん抜けたらすぐバレるよ。無理そうならいい」
「俺が会いたいんだよ」
藤真は目を細めて言った。
けやき並木の通りに一瞬で光のトンネルが出来る。会話が途切れたタイミングで、イルミネーションが点いたのだ。その一瞬の出来事に、街は歓喜の声でわいた。祝福のムードに溢れ、暖かい。瞬く光の粒は、空の星座につながって行くようだった。
「こっちから行こう」
藤真は菫を裏通りに引き込んだ。
レコード店や古本屋が並ぶ裏通りは、ほとんどが店じまいをしており、街灯もまばらだ。多幸感に溢れ、活気づいた表通りと比べると、一層静けさが際立つ。
長いまつ毛の影が頬に落ちる。まばたきの度、まぶたは密度のある輝きを放ち、まつ毛は風を生むように動いた。
ゆっくりと見上げてくる菫の甘えるような色っぽさ。暗示にかかっていくようだった。藤真はたまらずに頬に手を添えた。
「久しぶりに菫に会ったからさ」
冷たい頬に触れながら、藤真は続ける。
「帰したくなくなった」
自分たちが行くには大人すぎるが、歌にも歌われたそのバーで、グラスを傾ける藤真の姿も見てみたい。そんな姿を見ては、疑いもなくその通り、何度でも恋に落ちてしまう。
「抜けられるの?」
「大丈夫だろ。一人抜けたくらい」
「藤真くん抜けたらすぐバレるよ。無理そうならいい」
「俺が会いたいんだよ」
藤真は目を細めて言った。
けやき並木の通りに一瞬で光のトンネルが出来る。会話が途切れたタイミングで、イルミネーションが点いたのだ。その一瞬の出来事に、街は歓喜の声でわいた。祝福のムードに溢れ、暖かい。瞬く光の粒は、空の星座につながって行くようだった。
「こっちから行こう」
藤真は菫を裏通りに引き込んだ。
レコード店や古本屋が並ぶ裏通りは、ほとんどが店じまいをしており、街灯もまばらだ。多幸感に溢れ、活気づいた表通りと比べると、一層静けさが際立つ。
長いまつ毛の影が頬に落ちる。まばたきの度、まぶたは密度のある輝きを放ち、まつ毛は風を生むように動いた。
ゆっくりと見上げてくる菫の甘えるような色っぽさ。暗示にかかっていくようだった。藤真はたまらずに頬に手を添えた。
「久しぶりに菫に会ったからさ」
冷たい頬に触れながら、藤真は続ける。
「帰したくなくなった」