「もう寝た?」
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扉の開閉音が、静かな室内に響いた。
出迎えの言葉を告げるか迷うも、そこまで意識がはっきりしていたわけではなかった為、心の中でそっとお疲れ様、とだけ呟くだけに留めてしまう。
やがて沈み始めていく意識を、そっと掬いあげられるかのように。背後から緩やかに腰へと片腕が巻き付けられた。
「もう、寝ちゃってる?」
唐突に耳元で囁かれた言葉に、ぞくりと背の肌が粟立つ。
何か反応を示す前に首筋へとちゅ、ちゅ、と何度も唇が押し付けられていく。反応してしまうのもなんだか癪で、どうにか我慢しようと呼吸を整える。
口付けと同時にシャツの裾から侵入してきた指先が、お腹の上をなぞっていく。肌の感触を確かめるように這っていく手指の動きが擽ったくて、思わず肩が跳ねてしまった。
「っ」
「うん、やっぱり起きてた」
無理矢理、だけど優しく仰向けにさせられてしまえば、ゆったりとした動作で跨がわれる。次の行動を予測して期待してしまう自分が、恥ずかしい。
その動作をぼんやりと見上げている内にも次第に顔が近付き、しっかりと唇同士が重ねられた。近い距離で、甘やかな眼差しがこちらへ向けられている。
綺麗な目だな、とぼうっと眺めていたけれど、唇の隙間をゆるゆると舌でなぞられてしまえば、無意識に口が開いていく。舌先が絡まり、優しく上顎を擽られ、次第に息も絶え絶えになりながら。気持ちよさにぽろりと涙がこぼれる。
早く寝たかったはずなのに、今はもっと快楽に溺れてしまいたくてどうしようもない。もっと、もっと、と舌の動きに必死についていけば、ようやく顔が離れた。いやらしいねぇ、と呟く彼を見上げる。きっと、酷く期待に満ちた眼差しで見上げているのだろう。
「ねえ、一緒に気持ちよくなろうか」
優しく細められた双眸に応えるように、視界を閉じた。
23/07/16