「本日、貸し切り」と書かれたプレートが出入り口に掛けられた、喫茶店「ささめゆき」。
店長用の、黄色の糸でディリンクのライダークレストが刺繍された黒いエプロンを着けた月音は、厨房にて飲み物を作っている。


「つき……店長。テーブル終わったんだけど…」


従業員となり、左胸に赤い糸でウィザードのライダークレストが刺繍された黒いエプロンを着けたハルトが厨房に入ってくる。
片手にはテーブル用の濡れ布巾がある。


「いつもみたいに名前でいいですよ。すみませんが飲み物を作るのを手伝ってくれませんか？コーヒーなんですが…あ、布巾はいつもの場所で」

「分かった」


濡れ布巾をテーブルを拭くための布巾用の洗面器に入れてから、慣れたようにコーヒーを作る準備を始める。