文化祭

司会が飛び入り参加者が現れたことを告げ、その人物を呼ぶ。
現れた歌い手の姿に、シンジは自動販売機で買ってきて飲んでいるコーヒーを軽く噴き出した。

黒のレースで出来た袖は腕の付け根部分から肘までは腕のラインに沿っていて、肘から先はふわりと広がっている。
黒のワンピースも胸部から腰までは体に沿っていて、スカート部分は太もも半ば丈で滑らかな触り心地の布特有の光沢がある。
ワンピースの腰には四つの青薔薇の飾りがあり、それらに少し垂れたようにして青のリボンがベルトみたいに繋がっている。
スカート部分の上には、まるでマントのように薔薇模様のレースが腰部分からつけられて前側が開いていた。
脚には膝丈の、編み上げの青いおでこ靴を履いている。
髪型は耳の少し上辺りで、髪の上部部分を二つに結い上げたハーフツインテールにされてちょこんと小さなシルクハットの髪飾りが乗ってる。
首には青く染められた金属で出来た薔薇のペンダントを下げ、顔には目元を覆い隠す青のマスクを着けていた。

青い薔薇と黒でまとめられた、ゴスロリ衣装の少女。
飛び入り参加者であることと、舞台に上がったタイミングからすぐに察した。
彼女は月音だと。
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