シンジとレンと一緒に校舎内を移動する。
行き先は仮面ライダー部の「ライダー展示会」という名がついた、展示会場となってる教室だ。
ゲンタロウが言っていた教室に入ると、そこにはキャスターがついていて移動することが出来る掲示板―――移動式掲示板がいくつも使われ、それに仮面ライダーの写真や纏められたデータが書かれた紙が貼り付けられてる。
ちらっ、と見るとデータは簡素なものや基本的なことしか書かれていない。


「来たか、月音…っと、たしか龍騎の…」

「久しぶり、ゲンタロウ。あと、僕は辰巳シンジでこっちはレンさん……羽黒レンさんだから」

「仕事で来たんだが…」

「校長が言ってた取材の人が二人でしたか。ちょっと待っててください、顧問の先生を呼ぶんで」


ひょいっ、と移動式掲示板の裏側から顔を見せたゲンタロウがきょとんとしたが、すぐに納得したのか引っ込んだ。
その間に月音は掲示板に貼られてある情報を見ている。
ディリンクの情報を見つけて微妙な表情をしながら。
なんせ、特徴の一つに「性別は不明」と記されているからだ。


「確かに変身した状態で初対面だと男に間違われるが、不明って…」


少し納得がいかない気分だ。
シンジがカメラで写真を撮り、レンが仮面ライダー部の顧問とゲンタロウに取材している間。
月音は見慣れない生徒達がいる、知り合いでもあり一時的な仲間だった仮面ライダー部と話をする。


「で……彼らは？」

「今年に入部した、仮面ライダー部の新メンバーの子達だよ！みんな、この子は星宮月音ちゃんって言って、私達の友達なのっ」


首を傾げる彼女に簡単に説明し、さらに新メンバーである生徒達に説明するのは肩甲骨までの黒髪に紺の瞳の女子生徒──── 悠木（ゆうき）ナデシコだ。
彼女はゲンタロウの幼馴染みであり、星心大輪拳の使い手で……そしてリ・イマジネーションの仮面ライダーメテオでもある。


「えっと……初めまして…新入部員の土谷サブロウです」

「お、同じく新入部員の小柳ミヨコ、でしゅっ！…か、噛んじゃった…」

「岩田（がんでん） 晴（はる）です、よろしくお願いします」

「晴の幼馴染みの白根（しろね）ランです。先輩達がよく話してた通りですね」

「星宮月音だ、よろしくな。そしてあんたらは、この四人に何を話したんだ？」


少しおどおどとしてる大人しそうな少年、サブロウ。
とても緊張しているのか噛んでしまって涙目な少女、ミヨコ。
落ち着いていて微笑む少年、晴。
首を傾げながら尋ねてくる少女、ラン。

個性的な四人に苦笑して簡単に自己紹介をしてから、他の仮面ライダー部の部員を見た。