勝利が元の世界に帰ってからしばらく。
月音達の世界は六月に入り、気温が上がってきていた。
梅雨に入っているからか雨が降ることも多い。
………新メニューのお試し期間や梅雨での期間限定メニューで、「ささめゆき」の売り上げはいつもより上がっているが。

そして六月の第二土曜日。
星雲学園高校では、文化祭が開催されている。

星雲学園高校。
原典（オリジナル）の「仮面ライダーフォーゼ」の世界にある、天ノ川学園のリ・イマジネーションとなる学園である。
こちらも生徒の個性を尊重している。
だが違いとして制服が存在することと、学園カーストが存在しないことの二つだ。
それでもゾディアーツが現れたりなどがある。
そんな学園の守護者であり、戦士としてフォーゼとメテオが存在している。
そんな二人をサポートする仮面ライダー部もだ。
　

「久しぶりに見たなぁ…」


星雲学園高校の校門に立ち、その先を見る月音。
あの旅の最中、「フォーゼの世界」だった世界では生徒として通っていた高校だ。
だが、「フォーゼの世界」を去ることになってからは通ってなかった上、一つの世界となってからはその近くに来ることもなかった。
だからだろう、久しぶりだと思うのは。

高校門を潜って中に入ると、部活動やクラスの出し物なのか生徒達が経営する屋台などが建っている。
正直、そこに行きたいが最初に向かう場所は決まってる。
………本音を言えば、たこ焼きとか食べたいが。

そんな気持ちを抑えつつ、校舎に入った。
あらかじめ、ゲンタロウからライダー部の出し物がある場所は聞いている。
向かおうと歩き出した瞬間。


「あ、月音ちゃん！」


この世界には、今はいないはずの声が聞こえた。
思わず振り向けば何故かシンジと、黒を基調とした男性がいた。

男性は羽黒レン、カメラマンなシンジの相方で記事を担当している。
「龍騎の世界」では消えた時間軸で、リ・イマジネーションの仮面ライダーナイトの変身者をしていたことがある。