プロローグ

ふぅ、と感情を抑え込んでため息を吐き出してからセントをコーヒーを飲んで……。


「で、エムはいつまでオレの胸見てんの?」

「もげるまでですが?」


再びハイライトオフの目で胸を見てくるエムに、さすがにツッコミを入れた。
月音はずずっ、とお代わりをしてきたアップルティーを飲む。


「いや、エムさんは普通サイズだからそうやってもげろとかって言うポジションって、普通は私なのでは…?」

「確かにCはあるよ!でもわたしの家系って両親のどっちも巨乳家系なのは写真で確認済みだから、なんか悔しいんだよ!?記憶にある限りだと母さんの胸はEは確実にあった!」

「男がいる場所でその話はやめなよ…」


シンノスケとライト以外の男性陣はエムの言葉に顔を少し赤くし、代表してハルトが言う。
だが、どうやら彼女には届いていないらしい。
月音まで巻き込もうとしている。


「月音ちゃんは悔しくないの!?胸のことで!!」

「いえ、別に?あっても無くても気にしませんが…基本的に見た目で性別が分かればそれで」

「うぐぐぅ…っ」


本気で気にしていないような彼女の態度にエムが唸る。
思わず男性陣は女性陣の容姿を改めて確認する。

まずはセント。
黙っていればとても綺麗な顔立ちをしていて、口を開けば発明関連などで残念なところが見え隠れする。
体型はまるでモデルのようでいて、胸はG寄りのFだと本人がさらっと明かしたことがある。
身長は女性にしては高く、170はあるとか。

次にエム。
綺麗と可愛いの中間のような顔立ちで普段は可愛らしいが、ゲームのプレイ時やゲーム病治療の時などは凛々しい雰囲気で綺麗だと感じられる。
三人の中で一番スタイルが良く、先ほどのやり取りとからして胸のサイズはCだろう。
身長も少し高めで165ちょうどらしい。

最後に月音。
中性的だが女性寄りで愛らしい顔立ちだが……童顔気味である。
スタイルも華奢でスレンダーであり、胸もそうなのかA寄りのBだと今エムに伝えているのを聞いてしまった。
身長は小柄でゲンタロウからのタレコミで150しかないのを聞いている。

それぞれ違うタイプの美女美少女達。
月音だけは童顔気味な顔立ちや体のこともあってか、良くて中学生や最悪は小学生に見えるが……。


「まったく…」


ため息を吐き出し、ケーキを一口食べる。
そしてぼんやりと、月音は男性陣を見た。
全員が端整な顔立ちだが、違いがある。

ショウタロウとライトは目元や、特に笑った時の雰囲気などが似ている。
ショウタロウはカッコいい、ライトは可愛らしいということや年齢による差での違いがあるがどことなく似ているのは……やはり、二人の生まれが理由だろう。

エイジはカッコいいという言葉がよく似合う顔立ちをしている。
服の上から見ても体つきは良いことが分かる。

ゲンタロウも可愛らしい……というか、少し幼く感じられる顔立ちだが女性に人気がある。
髪が長めなので今のように下ろしていると幼く見えるが、学校などでは髪をオールバックにしているらしい。
体の方は細く、彼の世界にいた頃はハラハラしていたことを月音はよく覚えている。

ハルトは男性寄りの中性的な顔立ちをしている。
詳しくは知らないが、原典オリジナルにいる彼の同年代と比べると細身の方である。

シンノスケはかっこいいというより綺麗という言葉がよく似合っている。
体は細身ながらも鍛え上げられたものなのは、彼の世界で仲間から治療を受けているの時に見たので記憶に焼きついている。

武瑠は癒されるような雰囲気の、穏やかな顔立ちをしている。
一時期の感情を失ってた時のような冷たく、無機質な表情ではない。
ちゃんと感情のある表情だ。

そんな彼らだが全員が全員、とある事情で戦う者達なせいかスタイルが良い。
身長も169の武瑠以外はハルトとショウタロウとライトが175、エイジが180、ゲンタロウとシンノスケが185と高い。
こいつら全員の身長が削れればいいのにと内心、真顔で呟く月音だった。
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