欲望と罪と世界

それから数日。
念のためにと勝利によってリヒトカプセルを使い、「フォトンヒーリング」で傷などが癒されて気絶から回復した月音は。


「変身を解いた直後に気絶するとか、いつ以来だ……どうやって鍛えるか…」


と真顔で呟いていたらしい。

現在は土曜日の午後。
今は勝利が手伝いをしている「ささめゆき」は貸し切りになっているが、賑やかでもある。
というのも。


「ライダーってこんなにいるんだな…」

「ここにいるのはリ・イマジだから、原典オリジナルじゃないがな。あと原典オリジナル達は平成一期も含めて各世界に最低でも一人ずつと考えて数えると、平成では二十人くらいいるぞ」

「多いな」


エイジを除いたリ・イマジ平成二期ライダー達が集まっているからである。
ゲンタロウが他のライダー達に何かを聞き、メモに残していく。
月音も真っ先に来店した彼にディリンク関連で色々と質問され、答えた後だ。


「悪いな、月音。わざわざ貸し切りにしてくれて…」


ゲンタロウが申し訳なさそうな表情をする。
それに月音は首を横に緩く振ることで答えた。


「文化祭での出し物なんだろ?ならば気にするな」

「ありがとうな」


ゲンタロウが微笑む。

ゲンタロウが通う星雲学園高校では六月に文化祭があり、様々な部活動……特に文化部が力を入れて出し物をする。
彼が所属する仮面ライダー部の活動は主に星雲学園高校に現れるゾディアーツとの戦闘や、学園と生徒と教師を守ることだ。
が、部活動である以上は文化祭で何かしなくてはいけない。
去年は主にフォーゼのことをテーマにし、まとめたものを出し物とした。
今年はどうするかと話し合い……一つに融合したことで、フォーゼ以外にも現れた仮面ライダー達をテーマにし、まとめたものを出し物にすると決めた。
関係者……特にエグゼイドとドライブの開発者などには、テーマに決まった時に連絡し、許可をもらっている。
今は変身者達に取材とデータを聞き、メモにまとめているところだ。

なお、詳しいデータは主にライトに地球ほしの本棚で調べてもらうようだ。
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