欲望と罪と世界

 

「っと!」

「ぐっ…」


カザリからヴァルツクローを引き抜いて回し蹴りで吹っ飛ばすと、すぐにヴァルツは月音を抱き上げて離れた。


「大丈夫か?」

「まぁな」


短いやり取り。
けれど二人は気にしなかった、カザリに対する作戦が成功したのだから。
未だに闇の大蛇に拘束されてるチーターヤミーに向かいながら、エイジはオーズドライバーのバックルにコアメダルを装填するが、いつもと違って三色ではない。
ライオンの紋様が入ったコアメダル───ライオンコアメダルにトラコアメダル、チーターの紋様が入ったコアメダル───チーターコアメダルの黄色コアメダル。
三枚のコアメダルが一色しかない。
これが意味するのは、一つだった。
手にしたオースキャナーでスキャンしていく。


『ライオン!トラ!チーター!』

「変身!!」

『ラタ、ラタ、ラトラーター!!』


黄色の光のメダルが現れ、エイジを包み込む。
彼の姿がオーズに変わるが、いつもと違っていた。
頭部は複眼が青くなり、ライオンを思わせる形状に変化していて脚部もチーターを思わせるものになった。
そして複眼とスーツ以外は黄に染まっている。
猫科系のコンボ、仮面ライダーオーズ・ラトラーターコンボだ。
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