欲望と罪と世界
「………だったら…」
《ヴァルツクロー!》
ヴァルツの雰囲気が変わり、超合金の刃が展開される。
雰囲気が変わったことなどに、オーズが怪訝に思っていると。
「尚更、倒す……!」
低く重い、覚悟を宿している声。
《リヒト!バースト!》
リヒトライダーカプセルを読み込ませる。
気にせずチーターヤミーが接近し、攻撃を仕掛ける。
が、ヴァルツがその場所から姿を消し、空振りに終わる。
見回そうとしたチーターヤミーの背に衝撃が走った。
チーターヤミーの背後には、いつの間にかヴァルツがいた。
光の速さで高速移動するという特殊技、フォトンダッシュだ。
高速で動く相手を視認できるようになるという副次効果もある。
それを使って攻撃を避けるだけでなく、背後に回って攻撃をしたのだ。
「椿くん!?」
非難するような、驚くような声がオーズから発せられる。
けれど無視してヴァルツは攻撃を続けた。
人から生まれる人を喰らう怪人への憎悪。
それだけじゃない。
その怪人がもたらす被害を少なくすることや。
人だった頃の意識が、心があるのなら、せめて……────。