漆黒の戦士と欲望の王が並び立つ。
ヴァルツはエクスライザーのウェポンアクティベーターを二度引き、特殊合金の刃───ヴァルツクローを出現させる。


《ヴァルツクロー！》

「はぁっ！」


襲いかかってきた屑ヤミーの一体を、ヴァルツクローで一閃。
そいつを倒すが、金色のモノが接近してくる。
左右に分かれると、その間を金色のモノ───チーターヤミーが通った。
チーターヤミーは足でブレーキをかけながらカーブし、再び向かってくる。
屑ヤミー達も襲いかかってくる。


「ちょ……離れろ、ミイラもどき…！」


ヴァルツクローで斬り、蹴りで対応するが……なかなか倒れない。
メカニカルな、片刃の大型な剣───メダジャリバーを構え、屑ヤミーを対処していたオーズが彼に声をかける。


「椿くん、こいつらはわりと打たれ強いから気をつけて！」

「それ先に言ってくれません!?っぐぁ!!」

「椿くん！」


思わずツッコミを入れていると対処が遅れ、向かってきていたチーターヤミーの攻撃を受けてしまう。
鋭く、重たい一撃にヴァルツは軽く吹っ飛ばされる。
が、すぐに体勢を整えて着地し、迫ってくる屑ヤミーを斬り捨てる。
その間にチーターヤミーは離れていた。
チーターヤミーが残像が現れるほどのスピードで、攻撃と離れるという行動を何度も行う。
オーズとヴァルツは反撃しようとするが、屑ヤミーが邪魔で思うように動けない。


「あぁ、もうっ！」

《ドゥンケル！バースト！》


ヴァルツはドゥンケルライダーカプセルを読み込ませ、チーターヤミーに向かって両腕を振るう。
すると赤黒い刃───シャドーリッパーが放たれ、軌道上の屑ヤミーを倒していきながら向かってきていたチーターヤミーを襲った。
直撃し、吹っ飛ばされて転がるその体から、ちゃりんちゃりんと甲高い金属音を響かせて鈍い銀に光るメダル───セルメダルがこぼれ落ちる。


「よしっ！」

「よしっ！、じゃないよ!?」


思わずツッコミを入れるオーズ。


「カザリが生み出したヤミーは、まだ人なんだ！」


言葉が足りない、聞いただけでは意味がまったく分からない説明。
そして……ヴァルツにとっては、違う方向に意味を取ってしまう。
彼の世界にいる、人から生まれる人を喰らう存在。
その存在を連想させる、言葉が足りなさすぎていて変な説明だ。