欲望と罪と世界
「やぁ、オーズ。今度こそ、僕のコアメダルを返してもらうよ」
厳つい見た目とは違い、少年のような声でカザリはそう告げる。
軽い調子でかけた声や口調とは違い、その目は本気だ。
「エイジさん、こいつはいったい…それにメダルって…」
「今はちょっと、説明してる時間はないかな…」
そう言いながらエイジは、バックルに当たる部分に三つのホルダーがついたベルト───オーズドライバーを腰に装着する。
見れば、チーターヤミーだけでお粗末に包帯を巻いたような“何か”───屑ヤミーが何体か現れていた。
勝利も慌ててエクスライザーを取り出し、左手首にカプセルホルダーが装着された。
鷹の紋様がある赤のメダル───タカコアメダルと虎の紋様がある黄のメダル───トラコアメダル、バッタの紋様がある緑のメダル───バッタコアメダルを取り出したエイジはバックルに装填。
《リヒト!》
《ドゥンケル!》
リヒトライダーカプセルとドゥンケルライダーカプセルを起動させ、カプセルホルダーに装填させる。
オーズドライバーのバックルを斜めにさせ、右腰に出現したフリスビーのようなもの───オースキャナーを手にし。
「変身!」
同じ言葉を紡いだ
エクスライザーのトリガーを引き、メダルを素早くスキャンさせる。
すると勝利の体に黒と白の幻影が重なり、エイジの周りを赤と黄と緑の光のメダルが囲む。
『タカ!トラ!バッタ!』
《デュアルフュージョン!ヴァルツ!ベーシック!》
『タ・ト・バ!タトバ、タ・ト・バ!』
《光と闇のマリアージュ!今こそ立ち上がれ最強のライダー!! 》
そして、二人の姿を変える。
勝利はヴァルツに、エイジは黒のスーツに鷹を模した赤い仮面と複眼、腕には黄色の、脚には緑のアーマーを身につけた戦士───仮面ライダーオーズに。