雑談をしながらある程度、テーブルの上の菓子や飲み物が減ってきた時。
ふと、彼らの中では当然のことでもあるその話題となった。


「そういえば……そっちはどうなの？テレビとかで分かるけど実際に聞きたいな。俺は最近、ファントムは数が減ってきたけど油断は出来なくて…」


プレーンシュガーのドーナツを食べながら、短い茶髪に茶色の瞳の青年──希導（ふりがな）ハルトが尋ねる。
それに対して整えられた黒の短髪に、濃紫の瞳の青年──轟シンノスケが先に答えた。


「………俺のところはまだナンバー無しのロイミュード達が暴れたりしているな。野伴（やばん）テンジュウロウめ、クリムの技術を盗みやがって…」


少し不機嫌な表情になりながらも、シンノスケは四つ目のケーキを食べていく。
さりげなく彼から視線を逸らしながら、月音はアップルティーを一口飲んだ。


「私は私の仮面ライダーとしての力の特性上、皆さんが対応している怪人を相手してますからね…。なんとも言えないです。エムさんは？」

「…わたしのところ？」


突然、話を振られて肩甲骨まである黒髪を一本に束ねた、琥珀色の瞳の女性──光陽（こうよう）エムは隣に座る女性の胸から視線を離す。
その女性の胸を見ていた時のエムの目から、ハイライトが消えていたのは気のせいだろう。
　

「わたしのところはやっぱり、ゲーム病患者の人がなかなか減らないのもあるからなぁ……わたし達の原典（オリジナル）からワクチンのデータとかもらって、研究とかしてるけどリイマジと原典（オリジナル）で微妙に違う部分があるのか上手くいかないことがあるみたいだよ」


クッキーを一つ摘まんで口に運びながらのエムの言葉に、なるほどと全員が頷く。


「ボク達のところもかなー……アランがなるべく抑えてるっぽいけど、やっぱりこっちに来るみたいで…」

「大変だな……インベスは俺が始まりの男になってからは、大人しくしてるな」


ため息を吐き出す金に近い薄茶髪に茶色の瞳の少年──
地乃宮（ちのみや）武瑠（たける）の言葉に、若干だが遠い目をして首筋が隠れる程度には長い黒髪に焦げ茶色の瞳の青年──葛木（くずのき）コウタは言葉を紡ぐ。
元々は人間だったコウタだが、彼の原典原典（オリジナル）と同じく人を辞め、他の星を開拓している。
そして人を辞めた時の出来事により、ヘルヘイムの実しか食べれないのだが飲み物は大丈夫なのか紅茶を飲んでいる。