ウィザードの世界
嫌なものを感じた月音は立ち上がり、声がした方を見る。
そこにいたのは男。
けれどニヤニヤと笑っており、怪しさを感じる。
「あ、お客様ですか?今、注文を…」
「リンコさん、違う」
「月音ちゃん?」
男を客だと思って慌てて立ち上がり、注文を聞こうとしたリンコを守るように月音が一歩、前に出る。
その行動にリンコは不思議に思うが、すぐに分かることになった。
「なら、その車を壊せば貴様は絶望するってことだなぁ!?」
瞬間、男の姿が変わる。
青い体色に二本の巨大な角を頭部に持ち、身の丈程の長い柄をした斧・ブルアックスを手にする牛のような怪人───ファントム・ミノタウロス。
それを見たリンコは小さく悲鳴をあげ、月音はすぐにどこからかディリンクドライバーを取り出すと腰に巻きつける。
バックルを展開させてディリンクのカードを入れ、閉じる。
「変身!」
『カメンライド、ディリンク!』
ディリンクへと変身すると同時、ライドブッカー・ガンモードを取り出してミノタウロスに射撃する。
突然の攻撃にミノタウロスは自分の腕を盾にして防ぐ。
「リンコさん、逃げてください!」
「ぁ…でも、店が……っ」
リンコの言葉にディリンクは内心、舌打ちをする。
リンコと、彼女の夢が叶ったことで希望となった「はんぐり~」。
一人と店を守りながら戦うなんて真似は、仮面ライダーとなって日が浅すぎる彼女には不可能に近い。
ましてやミノタウロスは希望である店を壊すか、手っ取り早く死への絶望を直接与えるなどする。
ディリンクはミノタウロスに接近し、少しでも彼女や店から距離を取らせようとする。
ミノタウロスは角が前方に来るように屈むと、そのまま突進攻撃をする。
油断したディリンクは角が刺さり、そのまま吹っ飛ばされた。
ごろごろと転がる最中に変身が解けて生身に戻り、止まった時には今まで感じたことのない苦痛に顔を歪ませる。
「ぐ、…っ」
「月音ちゃん!」
リンコが駆け寄り、月音を抱き起こす。
ディリンクのアーマーによって怪我はしていないものの、衝撃は殺せなかったのか月音はよろよろとしながらもリンコから離れて立ち上がろうとする。
再び変身し、ガンモードのライドブッカーを構えるが。
「おらぁっ!」
攻撃を放つ前に、ミノタウロスが巨大な火球を放った。
火球が放たれた先は…………移動販売のドーナツ屋「はんぐり~」。
火球が当たり、盛大な物音を立てて爆発する。
その光景を目の当たりにしたリンコは目を見開く。
「………あ…う、そ……」
ピシリ、と。
リンコの頬に紫に輝くヒビが入る。
音に気づいたディリンクが振り返り、呼びかけるがリンコは反応しない。
ミノタウロスはリンコの様子にニヤニヤと笑い…───。
「リンコちゃん!」
二人の男女が慌てるように現れた。
そこにいたのは男。
けれどニヤニヤと笑っており、怪しさを感じる。
「あ、お客様ですか?今、注文を…」
「リンコさん、違う」
「月音ちゃん?」
男を客だと思って慌てて立ち上がり、注文を聞こうとしたリンコを守るように月音が一歩、前に出る。
その行動にリンコは不思議に思うが、すぐに分かることになった。
「なら、その車を壊せば貴様は絶望するってことだなぁ!?」
瞬間、男の姿が変わる。
青い体色に二本の巨大な角を頭部に持ち、身の丈程の長い柄をした斧・ブルアックスを手にする牛のような怪人───ファントム・ミノタウロス。
それを見たリンコは小さく悲鳴をあげ、月音はすぐにどこからかディリンクドライバーを取り出すと腰に巻きつける。
バックルを展開させてディリンクのカードを入れ、閉じる。
「変身!」
『カメンライド、ディリンク!』
ディリンクへと変身すると同時、ライドブッカー・ガンモードを取り出してミノタウロスに射撃する。
突然の攻撃にミノタウロスは自分の腕を盾にして防ぐ。
「リンコさん、逃げてください!」
「ぁ…でも、店が……っ」
リンコの言葉にディリンクは内心、舌打ちをする。
リンコと、彼女の夢が叶ったことで希望となった「はんぐり~」。
一人と店を守りながら戦うなんて真似は、仮面ライダーとなって日が浅すぎる彼女には不可能に近い。
ましてやミノタウロスは希望である店を壊すか、手っ取り早く死への絶望を直接与えるなどする。
ディリンクはミノタウロスに接近し、少しでも彼女や店から距離を取らせようとする。
ミノタウロスは角が前方に来るように屈むと、そのまま突進攻撃をする。
油断したディリンクは角が刺さり、そのまま吹っ飛ばされた。
ごろごろと転がる最中に変身が解けて生身に戻り、止まった時には今まで感じたことのない苦痛に顔を歪ませる。
「ぐ、…っ」
「月音ちゃん!」
リンコが駆け寄り、月音を抱き起こす。
ディリンクのアーマーによって怪我はしていないものの、衝撃は殺せなかったのか月音はよろよろとしながらもリンコから離れて立ち上がろうとする。
再び変身し、ガンモードのライドブッカーを構えるが。
「おらぁっ!」
攻撃を放つ前に、ミノタウロスが巨大な火球を放った。
火球が放たれた先は…………移動販売のドーナツ屋「はんぐり~」。
火球が当たり、盛大な物音を立てて爆発する。
その光景を目の当たりにしたリンコは目を見開く。
「………あ…う、そ……」
ピシリ、と。
リンコの頬に紫に輝くヒビが入る。
音に気づいたディリンクが振り返り、呼びかけるがリンコは反応しない。
ミノタウロスはリンコの様子にニヤニヤと笑い…───。
「リンコちゃん!」
二人の男女が慌てるように現れた。