プロローグ
逃げる、逃げる逃げる逃げる逃げる逃げる!
月音は必死に走って逃げる。
買ったばかりのものは、放り投げてしまった。
けれど、そうしないと逃げれない。
「オルフェノクと、ファンガイア…だけじゃない、なんて……!」
見慣れてるはずの街は、建物などが破壊されて見慣れない姿に変わってしまった。
そして人々を襲うのは、テレビで見慣れた姿の怪人達。
そう、オルフェノクとファンガイアだけじゃなかったのだ、怪人達は。
グロンギ、アンノウン、ミラーモンスター、オルフェノク、アンデッド、魔化魍、ワーム、イマジン、ファンガイア、ドーパント、ヤミー、ゾディアーツ、ファントム、インベス、ロイミュード、眼魔、バグスター、スマッシュ。
いずれも、平成仮面ライダーの怪人達だ。
どれもが月音を見ると追いかける。
何故なのかと、考える暇はなかった。
今までの日常は、壊れてしまった。
その事実は確実なのだから。
「きゃあっ!?」
不意に爆風が起こり、それに煽られた彼女は倒れる。
すぐに立とうとして、現れたロイミュードに小さく声を漏らした。
ロイミュードは彼女に手を伸ばし。
「デヤァッ!」
「ぎゃっ!?」
人影が飛び出てきて、ロイミュードを蹴り飛ばした。
吹っ飛ばされたロイミュードの代わりに、人影はその場に着地する。
驚きに目を見開く月音へと人影は手を差し出した。
「大丈夫かい?」
「あ、はい…?え、誰?」
「あぁ、これは失礼。俺の名前は聖 ……君を導く者だ」
何を言ってるんだ、こいつ。
人影───聖と名乗った男の手を握って立ち上がった月音は、こんな状況だが不審者を見る目で見てしまった。
ロイミュードから助けてもらったのはありがたいが、早く離れよう。
そう決めてすぐにでも離れようとしたが、先ほどのロイミュードが現れる
後ずさる月音に対して、聖は笑みを浮かべた。
「ちょうどいい。さぁ、月音君、これらを」
「何で私の名前を知って……この二つって…」
聖が差し出したもの。
それらに見覚えがあった月音は目を見開いた。
Wからビルドまでの白いライダークレストが刻まれ、真ん中に翠の石が嵌め込まれた黒いもの。
色とライダークレストは違うが、ディケイドライバーだ。
もう一つは色が反転したライドブッカーである。
「ディケイドライバーと……ライドブッカー…?」
「いいや、このバックルはディリンクドライバー……ライドブッカーは合ってるけどね。月音君のためのドライバーさ」
自分のため?
謎の言葉に彼女が困惑するが、ロイミュードは待ってくれなかった。
邪魔だと言わんばかりに聖を攻撃しようとするが、聖は再び蹴りでもって吹っ飛ばす。
もうお前が戦えよ、そんな言葉が一瞬浮かんだが消した。
「月音君、これらを使って変身したまえ」
「……確かに、ディケイドは見てたからどうすれば変身出来るか知ってるけど…私はライダーじゃ…」
「ディリンクドライバーは、君以外には使えない。君が使って、変身するしかない」
しばらく迷う月音だったが、無言でそれら───ディリンクドライバーとライドブッカーを受けとる。
別のロイミュードが現れると、聖より一歩、前に出てディリンクドライバーのバックルを腰に押しつけた。
バックルからベルトが現れ、固定される。
ライドブッカーからあるカードを選び、取り出した。
何度も夢で見た、イエローの戦士。
そのカードを手にし、展開したバックルにセットして閉じた。
「変身!」
『カメンライド、ディリンク!』
様々なライダークレストと幻影が月音に重なり、その姿を変える。
彼女が何度も夢に見た戦士へと。
そして、この時こそが彼女の運命が本格的に動き出した時だった。
月音は必死に走って逃げる。
買ったばかりのものは、放り投げてしまった。
けれど、そうしないと逃げれない。
「オルフェノクと、ファンガイア…だけじゃない、なんて……!」
見慣れてるはずの街は、建物などが破壊されて見慣れない姿に変わってしまった。
そして人々を襲うのは、テレビで見慣れた姿の怪人達。
そう、オルフェノクとファンガイアだけじゃなかったのだ、怪人達は。
グロンギ、アンノウン、ミラーモンスター、オルフェノク、アンデッド、魔化魍、ワーム、イマジン、ファンガイア、ドーパント、ヤミー、ゾディアーツ、ファントム、インベス、ロイミュード、眼魔、バグスター、スマッシュ。
いずれも、平成仮面ライダーの怪人達だ。
どれもが月音を見ると追いかける。
何故なのかと、考える暇はなかった。
今までの日常は、壊れてしまった。
その事実は確実なのだから。
「きゃあっ!?」
不意に爆風が起こり、それに煽られた彼女は倒れる。
すぐに立とうとして、現れたロイミュードに小さく声を漏らした。
ロイミュードは彼女に手を伸ばし。
「デヤァッ!」
「ぎゃっ!?」
人影が飛び出てきて、ロイミュードを蹴り飛ばした。
吹っ飛ばされたロイミュードの代わりに、人影はその場に着地する。
驚きに目を見開く月音へと人影は手を差し出した。
「大丈夫かい?」
「あ、はい…?え、誰?」
「あぁ、これは失礼。俺の名前は
何を言ってるんだ、こいつ。
人影───聖と名乗った男の手を握って立ち上がった月音は、こんな状況だが不審者を見る目で見てしまった。
ロイミュードから助けてもらったのはありがたいが、早く離れよう。
そう決めてすぐにでも離れようとしたが、先ほどのロイミュードが現れる
後ずさる月音に対して、聖は笑みを浮かべた。
「ちょうどいい。さぁ、月音君、これらを」
「何で私の名前を知って……この二つって…」
聖が差し出したもの。
それらに見覚えがあった月音は目を見開いた。
Wからビルドまでの白いライダークレストが刻まれ、真ん中に翠の石が嵌め込まれた黒いもの。
色とライダークレストは違うが、ディケイドライバーだ。
もう一つは色が反転したライドブッカーである。
「ディケイドライバーと……ライドブッカー…?」
「いいや、このバックルはディリンクドライバー……ライドブッカーは合ってるけどね。月音君のためのドライバーさ」
自分のため?
謎の言葉に彼女が困惑するが、ロイミュードは待ってくれなかった。
邪魔だと言わんばかりに聖を攻撃しようとするが、聖は再び蹴りでもって吹っ飛ばす。
もうお前が戦えよ、そんな言葉が一瞬浮かんだが消した。
「月音君、これらを使って変身したまえ」
「……確かに、ディケイドは見てたからどうすれば変身出来るか知ってるけど…私はライダーじゃ…」
「ディリンクドライバーは、君以外には使えない。君が使って、変身するしかない」
しばらく迷う月音だったが、無言でそれら───ディリンクドライバーとライドブッカーを受けとる。
別のロイミュードが現れると、聖より一歩、前に出てディリンクドライバーのバックルを腰に押しつけた。
バックルからベルトが現れ、固定される。
ライドブッカーからあるカードを選び、取り出した。
何度も夢で見た、イエローの戦士。
そのカードを手にし、展開したバックルにセットして閉じた。
「変身!」
『カメンライド、ディリンク!』
様々なライダークレストと幻影が月音に重なり、その姿を変える。
彼女が何度も夢に見た戦士へと。
そして、この時こそが彼女の運命が本格的に動き出した時だった。