ウィザードの世界
紫に輝くヒビが、リンコから消える。
そんな彼女の前に魔法陣が現れ、マシンウィンガーに乗ったウィザードがそれから出てきた。
二人の姿を見たディリンクは、アンダーワールドのファントムが倒されたのだと察した。
マシンウィンガーから降りたウィザードは首を傾げる。
「はんぐり~」は何故か元に戻っていて、ミノタウロスもいない。
「ファントムは……?」
「……彼が倒したわ」
ウィザードの疑問に女性が答える。
その言葉に再び彼は疑問を抱いた。
見慣れないあの存在は魔法使いではないと言っていた。
ファントムは基本的に魔力や魔法ではないと倒せない。
だが、ディリンクは魔法使いではないと言っていた。
なのに倒せている。
「………」
「……ん…?」
疲れたのか変身も解かずに座り込むディリンクに、ウィザードが近づく。
気だるげにウィザードを見上げるが、すぐに立ち上がる。
「何ですか?」
「………お前、ディリンクか?」
真剣な声音で問われた言葉に、ディリンクはマスクの下で僅かに目を見開く。
何故、その名を知っているのか。
今、その名を知っているのはディリンクに変身している月音と、彼女を導く者と自称する聖だけだ。
「……そうですけど、何で…」
「そうか…」
『コネクト、プリーズ!』
「!」
ウィザーソードガンを取り出したウィザードが、彼女の顔にガンモードの銃口を突きつける。
すぐに斜めに飛び退くと同時に銀の銃弾が放たれた。
「ハルト!?」
「ハルくん……!?」
女性と、正気に戻ったらしいリンコが驚いたように叫ぶ。
ウィザードはその声を無視し、ソードモードに変えたウィザーソードガンでディリンクに斬りかかる。
と、慌ててディリンクはライドブッカーをソードモードにして防ぎ、驚く。
「え、えぇー……マジか…」
「俺達の世界を崩壊させに来たのか…世界の崩壊者……!」
世界の崩壊者?
何そのディケイドみたいな称号とか、九つの世界を一つの世界になるなら間違ってはいないなとか。
思わずディリンクはぐるぐると考えながら、ウィザードの攻撃を防ぎ続ける。
確実に自分よりも戦い慣れてる彼に勝つなんて出来ないのは明らかだ。
自分の攻撃を防ぎ続けるディリンクに焦れたのか、ウィザードが指輪を変えてバックルに翳して魔法を発動させた。
『バインド、プリーズ!』
「うわわっ!」
『アタックライド、イリュージョン!』
四方に現れた魔法陣から出現した鎖から、すぐにバックルにカードを装填して出した分身達を身代わりにして逃れる。
ウィザードは舌打ちし、ディリンクの分身達をウィザーソードガンで斬っていく。
本体同様に戦闘経験の少ないそれらはすぐに消えた。
『アタックライド、ブラスト!』
『ディフェンド、プリーズ!』
ガンモードにしたライドブッカーの銃口からイエローの弾丸が発射される。
それは地面に展開された魔法陣から現れた壁に遮られた。
「っ、ぁ…」
ぐらり、と。
ディリンクは目眩を覚える。
思わず頭に手を当てる彼女の隙を見逃さず、ウィザーソードガンをウィザードがガンモードに変えて狙うが…。
「!」
不意に、銀色のオーロラが二人の近くに現れる。
そこから二つの人影が出てくると、オーロラは消える。
一人は黒いスーツに黒いシャツ、首にはスペードと剣を組み合わせたようなペンダントをつけた、長身の男。
もう一人は反対に明るい空色のダウンジャケットに、赤いシャツとジーンズという平均的に近い身長の男。
彼らはディリンクとウィザードを見ていた。
そんな彼女の前に魔法陣が現れ、マシンウィンガーに乗ったウィザードがそれから出てきた。
二人の姿を見たディリンクは、アンダーワールドのファントムが倒されたのだと察した。
マシンウィンガーから降りたウィザードは首を傾げる。
「はんぐり~」は何故か元に戻っていて、ミノタウロスもいない。
「ファントムは……?」
「……彼が倒したわ」
ウィザードの疑問に女性が答える。
その言葉に再び彼は疑問を抱いた。
見慣れないあの存在は魔法使いではないと言っていた。
ファントムは基本的に魔力や魔法ではないと倒せない。
だが、ディリンクは魔法使いではないと言っていた。
なのに倒せている。
「………」
「……ん…?」
疲れたのか変身も解かずに座り込むディリンクに、ウィザードが近づく。
気だるげにウィザードを見上げるが、すぐに立ち上がる。
「何ですか?」
「………お前、ディリンクか?」
真剣な声音で問われた言葉に、ディリンクはマスクの下で僅かに目を見開く。
何故、その名を知っているのか。
今、その名を知っているのはディリンクに変身している月音と、彼女を導く者と自称する聖だけだ。
「……そうですけど、何で…」
「そうか…」
『コネクト、プリーズ!』
「!」
ウィザーソードガンを取り出したウィザードが、彼女の顔にガンモードの銃口を突きつける。
すぐに斜めに飛び退くと同時に銀の銃弾が放たれた。
「ハルト!?」
「ハルくん……!?」
女性と、正気に戻ったらしいリンコが驚いたように叫ぶ。
ウィザードはその声を無視し、ソードモードに変えたウィザーソードガンでディリンクに斬りかかる。
と、慌ててディリンクはライドブッカーをソードモードにして防ぎ、驚く。
「え、えぇー……マジか…」
「俺達の世界を崩壊させに来たのか…世界の崩壊者……!」
世界の崩壊者?
何そのディケイドみたいな称号とか、九つの世界を一つの世界になるなら間違ってはいないなとか。
思わずディリンクはぐるぐると考えながら、ウィザードの攻撃を防ぎ続ける。
確実に自分よりも戦い慣れてる彼に勝つなんて出来ないのは明らかだ。
自分の攻撃を防ぎ続けるディリンクに焦れたのか、ウィザードが指輪を変えてバックルに翳して魔法を発動させた。
『バインド、プリーズ!』
「うわわっ!」
『アタックライド、イリュージョン!』
四方に現れた魔法陣から出現した鎖から、すぐにバックルにカードを装填して出した分身達を身代わりにして逃れる。
ウィザードは舌打ちし、ディリンクの分身達をウィザーソードガンで斬っていく。
本体同様に戦闘経験の少ないそれらはすぐに消えた。
『アタックライド、ブラスト!』
『ディフェンド、プリーズ!』
ガンモードにしたライドブッカーの銃口からイエローの弾丸が発射される。
それは地面に展開された魔法陣から現れた壁に遮られた。
「っ、ぁ…」
ぐらり、と。
ディリンクは目眩を覚える。
思わず頭に手を当てる彼女の隙を見逃さず、ウィザーソードガンをウィザードがガンモードに変えて狙うが…。
「!」
不意に、銀色のオーロラが二人の近くに現れる。
そこから二つの人影が出てくると、オーロラは消える。
一人は黒いスーツに黒いシャツ、首にはスペードと剣を組み合わせたようなペンダントをつけた、長身の男。
もう一人は反対に明るい空色のダウンジャケットに、赤いシャツとジーンズという平均的に近い身長の男。
彼らはディリンクとウィザードを見ていた。