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『フ、フフーン』
鼻歌を歌いながら、湯船に浸かる
お風呂って・・・キモチイイーっ
【天然素材と役得】
「お先ー」
ガチャっと扉を開け、影山くんが顔を出した
『あ、おかえり』
「おう、名前も早く入れ」
『うん、ありがとう』
ワシワシとタオルで頭を拭きながら影山くんはソファに座った
その反対側の端には月島くんが三角座りで本を読んでいる
『じゃあ、お風呂入ってくるね』
「んー、いってらっしゃい」
「おー」
目線は本のままヒラヒラと手を振る月島くんと
バサっとタオルから顔を出した影山くんに見送られながら、私はお風呂場へと向かった
***
「ん?」
ドライヤーで髪を乾かし終える頃、ふとテーブルに視線をやった
そこには畳まれたバスタオルが置いてあって
「コレ・・・名前のか」
カチッとスイッチを押してドライヤーを切り、タオルを手に取る
「・・・だね、持ってくの忘れてるみたいだね」
オレの呟きに月島が反応して本を閉じると、ソファから立ち上がった
「はい」
とオレに手を出してくる
「なんだよ」
「僕が持ってってくるよ」
当然だ、とでも言うようにそこに立つ、月島の顔をまじまじと見た
早く寄こせと言わんばかりに、もう一度
ほら、と手を出してくる
「・・・いや、オレが持ってく」
「はぁ?」
眉根を寄せる月島
「いいから、僕に渡しなよ」
スッとタオルを取ろうとした月島の手をかわし
「持ってくだけだろ、ならオレが行く」
と反対の手に持ち替えた
案の定、月島はイラッとした顔をして
「キミが行くと危ないから、僕が行く」
「何が危ねぇんだよ、テメェの方が危ねぇだろ」
「色々な意味でキミはやらかすからね。何かが起こる前に僕が行く」
なんだコイツ、まるでオレがいつもトラブル起こしてるみてぇじゃねぇか
諦める様子のない月島を無視して、風呂場へ向かう
「ちょっと!人の話し聞きなよっ」
オレの前に出て、行く手を阻む
「どけ、」
しつこい月島を睨みつけた
するといつもの様にため息をして、メガネを直す
「・・・仕方ない、キミに譲るよ」
譲ると言っておきながら、その目は納得しているようには見えない
まぁ、そっちからそう言ったんだから関係ねぇ
月島の横を通り過ぎた時
「もし、」
語気を強めたヤツが振り向く
「もし、彼女に何かしたり、見たりしたら・・・」
わかってるよね、とオレを睨んだ
「・・・んなこと、するワケねぇだろ」
オレも同じように睨み返して、フンッと鼻を鳴らし今度こそ風呂場へ向かった
脱衣所のドアを開け、そっと中に侵入する
中から名前の鼻歌が聞こえてきた
湯船に浸かってリラックスしているのが、容易に想像できる
楽しそうだな・・・
思わずフッと笑ってしまった
『キモチいいー・・・』
そう名前が呟いた時に、声をかけた
「名前?」
思った通り、中からバシャッ!と水音がして、慌てたような声が上がる
『なっな、な、なに・・!?か、影山くんっ!?』
どうしたの?と聞いてくる名前に
「バスタオル、忘れてたから持ってきた」
と扉越しにバスタオルを掲げる
『あっ、バスタオル・・・、あ、ありがとう』
パシャっとまた音がして
すりガラス越しに名前が手を挙げているのが見えた
『ゴメンね、そこら辺に置いといて』
「おう、」
そこら辺・・・
振り返った先に、空いているスペースがある
ココにでも置いとくか
ポスっとそこに置いて
ふと
横にある、着替えを入れるカゴに目がいった
名前の畳まれたパジャマの端っこ
少し無造作に置いてあるソレに
目を奪われた
見ようと思って 見たんじゃない
いつも見ている名前のパジャマの色と違う
ソレの独特の色合い 質感
本当に始めは何かわからなくて
気になった
ただ それだけだった
「・・・・」
スッと手が伸びる
ぼぼ無意識に
ただ触って 見てみたい
いつも名前の肌に触れているソレは
どんな感じなのか
確かめたい
「なに、してんの」
暗いその声に、身体と心臓が同時に跳ねた
急いで伸ばした手を引っ込める
怒りを含んだその声の主は見なくてもわかる
「影山・・・今の、」
月島が続きを言う前に
目も合わせず、何事も無かったように
脱衣所から無理矢理脱出した
「ちょっ・・・!影山っ!」
後ろから月島の声が追ってくるけど
オレは真っ直ぐ前を見て
ただ ただ 前を見て・・・
何事も無かったようにっ
平静を装おうとっ
心に誓った
***
あー、ビックリしたぁ・・・
って言うか、今の月島くんの声だよね
影山くんと何かあったのかなぁ・・・
ふぅー、と肩まで沈んで背を預ける
もうそろそろ出るかなぁ
そんなことを思って
ふと、天井に視線がいった
黒い 塊が
ある
ソレを認識した瞬間
身体が固まって
ヤ、ヤバい・・・
なんでいるのっ
ホントにっなんでっ・・!
ソレをガン見して、コチラに飛んで来ないことを祈りつつ
ゆっくりと湯船から上がった
視線はそのまま、手探りで見つけた扉の取手を開け、身体を滑り込ませると
勢いよく閉めた
は、はぁー・・・良かった・・・
胸を撫で下ろして、取り敢えず身体を拭こうとタオルを手に取り、振り返った
そこには すりガラスの扉の端に
さっきと同じ 塊
ソレは 私の視線に気付いたかのように
コッチに 飛んだ
***
「影山!聞こえてるっ?」
僕の問い掛けに全く反応しない影山は
ソファに座ったまま、両手を膝の上で握り締め、テレビ画面を睨みつけていた
影山の様子に、悪いことをしたと言うのも分かってはいるし、突発的だったと言えば聞こえはいいケド・・・
それでも僕の忠告を無視したことは、許せなかった
「だから、僕が持って行くって言ったのに、それを無視するから」
腕を組んでため息をついたケド、相変わらず影山は眉毛ひとつも動かさない
少しお灸を据えた方がいいかな・・・
「いつまで黙ってんの?このこと・・・名前に言ったら、どんな顔するだろうね」
ビクッと影山の身体が揺れた
ギ、ギ、ギギィ・・・とでも言うような効果音がつきそうな感じで僕の方へ、やっと顔を向ける
まるで、ゼンマイ仕掛けの人形みたい・・・
思わず笑いそうになったのを耐え、
少し顎を上げて、上から影山を見下ろす
「・・・どう?少しは、」
反省した?と言う僕のセリフがかき消される様に
リビングのドアが壊れる勢いで開いた
その音と衝撃に
咄嗟に僕と影山は扉の方へ向いた
そこには
名前が
バスタオル一枚を纏い
濡れたカラダと髪のまま
あられもない姿で 立っていた
「ーーなっ・・・!!」
「ーーー!!?」
僕も影山もその光景に、声が出ない
ど、どう言うことっ?なんで・・・?
俯いている為、その表情も分からない・・・
すると彼女は、その格好のまま
コチラへ突進して来た
「ーーっちょ、!!」
それをどうしたら良いのか、分からなくて
両手を上げ、少し後退りしながら、迫りくる彼女を見ることしか出来ない
そんな名前は僕のシャツの裾を掴んだと思ったら
くるっと僕の後ろに回り込み
そこに身を潜めた
「あ、へっ・・・?」
あまりに突然過ぎる行動に、ついて行けない僕は
背後に居る彼女を恐る恐る見遣った
・・・あっ
でもそこからの景色は
予想外の光景で
僕にとっては
スゴく刺激的なモノ
名前の身につけているバスタオルは
乱暴に巻かれている為か
今にも肌を滑り落ちそうな
それでいて
普段、服を着ている時には見えない
彼女の谷間が 僕の見下ろす視線で
くっきりと
ハッキリと
見える
・・・いや、むしろ
その先にあるモノも
ヘタしたら見えそう・・・
その 官能的な姿に
無意識に
ゴクっ・・と生唾を呑み込んだ
見てはいけないと思いつつ
見慣れない
彼女の濡れた髪
濡れてしっとりとした白い肌
女性を感じさせる
滑らかな曲線と胸元・・・
すべてが僕の視線を離さない
・・・田中さん達なら、こう言うのをラッキーなんたらって言うんだろうな
そんな事を考えて
ふと、シャツを握る手が少し震えているのに気がつく
「名前・・・?どうしたの?」
やっと出た声で、なるべく優しく声をかける
『・・・て』
ボソッと何かを言った名前に
「え、なに?」
と聞き返すと
『アイツを・・・駆逐してっ!!』
「ーー!!」
いきなりスゴい剣幕で叫んだ
く、駆逐・・・!?ど、どう言う・・
「な、何があったの?駆逐って・・・」
『アイツが・・・あいつが居たのっ・・・!!』
後ろに隠れたまま、彼女は必死に右手をブンブンと振り回し
『お、お願いっ!アレ、ホント無理っ・・!』
開け放たれた扉を指しながら、泣きそうな声で言う
「あ、アレって・・」
名前が一生懸命、指し示す方角を見て
何故かピンときた
「・・・もしかして、お風呂場に虫でも出た?」
もう一度、後ろを覗き込む様に聞いてみると
名前はブンブンブンブンと、もの凄い勢いで頭を縦に振った
・・・なるほど、それでこんなカッコで、飛び出してきたワケか
相変わらず僕の後ろで小さくなっている名前に
小動物的な可愛さを感じる
ホラーは大丈夫なクセに虫はダメなんだ
「・・・影山、」
名前と同じように固まっている、影山に声をかける
影山はさっき僕に怒られた時と同じく、ビクッと身体を揺らすと
彼女からサッと視線を外した
・・・あーあ、今ガン見してたよね。さっきの僕の話し効いてなかったみたい
・・・まぁ、僕も結構見てたし、今回はお互い様か
そんな独り言を頭の中で呟いて
「お風呂場、見てきてよ」
と頼めば
「あ?なんでオレなんだよ、お前が行けよ」
あれ程黙っていた筈の王様が、睨んでくる
・・・ふーん、そんな態度取るんだ
「あ、そう。じゃあさっきお風呂場であったこと、言ってもいいんだ」
ニコッと笑って
「さっきさー、王様実は・・・」
ダンっ!と立ち上がり
「行ってくればいいんだろぉが月島ボゲェっ!!」
僕を指差して叫び、そのままの勢いで風呂場に向かった
さっさと行けば問題ないのに・・・
小さくため息をついて
もう一度彼女を見た
「ねぇ、そろそろ離してくれない?」
『え?』
「シャツ、」
『・・・あっ』
我に返ったのか、名前が慌てて僕から離れた
『あ、ご、ゴメン・・・』
謝りの言葉を言う彼女から離れて
側に置いてあった僕の上着を手に取る
「別に怒ってないよ、ただ」
振り返って、名前を指差す
「そのカッコのままだと、コッチも色々困るし、風邪引くよ」
と言う僕のセリフに、名前はキョトンとした顔をして
自分の身体を見た
『・・・ーーっ!!!』
途端に驚きと恥ずかしさの入り混じった表情を浮かべ
ババッと自分の身体を両手で掻き抱いたと思ったら
その場にペタンっ、とヘタリ込んだ
目をキツく閉じたまま、俯く名前に近寄る
今更そんな隠しても、さっきまで見てたし
そう思いながら
彼女の肩にそっと上着を掛ける
その行為に、名前がゆっくりと顔をあげた
「それ、羽織ってなよ。どうせ着替えもあっちデショ」
大きく見開いた涙目の彼女に語りかける
『あ、ありがとう月島くん・・・』
不安そうな顔が少し和らいで、彼女は羽織っている僕の上着をギュッと握った
・・・やっぱりコレはラッキーなのかな、なんだかんだ、役得だし・・・影山と違って
名前の顔を見ながら、そう思っていると
先ほどの彼女と同様に、勢いよく扉を開けた影山が
何故かしたり顔で 仕留めたブツを掲げ現れた
・・・・
・・・あーあ、なんで
『ーーーっひ、やあぁぁあ!!!』
持って来るの・・・
叫ぶ名前の横で
僕は頭を抱えた